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Oracle® Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド
12cリリース1 (12.1.2.0.0)
B71920-01
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9 インシデント

この章では、インシデントを識別し、割り当て、解決する方法について説明します。

次の情報が含まれます。

9.1 インシデント・ライフサイクル管理の概要

アセットが監視ルールとポリシーで定義されているパラメータの範囲内で動作していない場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerはアラートとインシデントを生成します。

アラートは、監視対象のアセットが正しく実行されていないことを示します。アラートがトリガーされるタイミングと重大度(情報レベル、警告、クリティカル)は、監視ルールのパラメータで決定されます。

監視ルールが要求する1つ以上のアラートの発生によって監視ルールがアサートされると、インシデントが発生します。新規アラートが発生すると、オープン・インシデントが更新されます。その後1つ以上のアラートの発生によって監視ルールがトリガーされ、インシデント管理システムに通知されます。インシデント管理システムでは、該当するアセットの監視ルールに対するオープン・インシデントがすでにあることを検出すると、オープン・インシデント下にあるアラートを関係付け、そのインシデントに最高の重大度レベルを関連付けます。たとえば、「Critical」の重大度レベルのインシデントに、新しく「Warning」のアラートを追加しても、そのインシデントの重大度は「Critical」のままです。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、ヘルプ・デスクのアプローチを使用してデータ・センターのインシデントを管理します。すべてのオープン・インシデントがメッセージ・センターに表示されます。インシデントを他のユーザーに割り当てて解決を依頼する他に、コンポーネントの追加、想定される原因と影響のリストの指定、推奨事項の指定、問題を解決するためのユーティリティまたはスクリプトの追加、進行状況の表示、およびサービス・デスク・チケットのオープンなどが可能です。

監視対象アセットに関する既知の問題の追跡と管理に利用する主なコンポーネントは、次のとおりです。

インシデントが表示されたら、解決するユーザーに割り当て、注釈を使用してコメントや推奨されるアクションを追加できます。特定のインシデントの注釈を含むインシデント・ナレッジ・ベースを構築したり、特定のタイプのインシデントに対して推奨される修正方法や自動修正を追加することも可能です。

インシデントを解決できない場合には、Oracle Enterprise Manager Ops Center UI内のMy Oracle Supportでサービス・リクエストをオープンできます。このソフトウェアによって収集された情報は、自動的にサービス・リクエストに移入されます。オープンされたサービス・リクエストのステータスは、その所有者にかかわらず、Oracle Enterprise Manager Ops Center内から追跡できます。

9.2 インシデント管理のロール

次の表は、この項で説明しているタスクと、そのタスクを完了するために必要なロールを示しています。特定のターゲットまたはターゲットのグループに対する権限を制限できます。タスクを完了するために必要なロールまたは権限がない場合は、管理者に連絡してください。タスクを完了するために必要なロールまたは権限がない場合は、管理者に連絡してください。各種ロールおよびロールに付与される権限の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』を参照してください。

表9-1 インシデント管理のタスクとロール

タスク ロール

View Incidents

All

Assign Incidents

Fault Administrator

Add Annotation to incidents

Fault Administrator

Acknowledge incidents

Fault Administrator

Take Actions on Incidents

Fault Administrator

Mark Incidents as Repaired

Fault Administrator

Close Incidents

Fault Administrator

Take Actions on Notification

Fault Administrator

Delete Notifications

Fault Administrator


9.3 インシデント管理のアクション

インシデント管理は、アセットの検出および管理後に自動的に有効化されます。アラートとインシデントは、監視プロファイルおよびポリシーに基づいて生成されます。

9.3.1 インシデントに対するアクション

特定のインシデントに対して実行できるアクションは、次のとおりです。

  • View Alerts: 定義されている監視パラメータの範囲外の状態になると生成されるすべてのアラートを表示します。

  • View Annotations: 自分、または組織の他のユーザーがインシデントに関連付けたスクリプトや推奨されるアクションを表示します。

  • View Possible Impacts and Causes: インシデントについて想定される影響と原因を表示します。

  • View Comments: 自分、または組織の他のユーザーがインシデントに関連付けたコメントを表示します。

  • View Suggested Actions: 自分、または組織の他のユーザーがインシデントに関連付けた推奨されるアクションを表示します。

  • Add Annotation to the Incident: スクリプト、推奨されるアクションまたはコメントを特定のインシデントに追加します。

  • Assign the Incident: ユーザーにインシデントを割り当てます。

  • Acknowledge the Incident: 自分に割り当てられたインシデントを確認または承認します。

  • Take Actions on the Incident: インシデントを解決するためのアクションを実行します。推奨されるアクションの実行、運用プロファイルに含まれるスクリプトの実行、コマンドの実行、スクリプトの実行などのオプションがあります。

  • Mark Incident as Repaired: インシデントを修復済として識別します。

  • Close the Incident: インシデントをクローズし、メッセージ・センターから削除します。

  • Open a Service Request: My Oracle Supportでインシデントに対するサービス・リクエストをオープンします。

9.3.2 サービス・リクエストに対するアクション

エンタープライズ・コントローラがMy Oracle Supportに接続されており、サービス・リクエストが有効な場合には、次のサービス・リクエスト・アクションを実行できます。

  • View all open service requests: Oracle Enterprise Manager Ops Centerソフトウェアでファイリングされたオープン・サービス・リクエストをすべて表示します。

  • View your service requests: Oracle Enterprise Manager Ops Centerソフトウェアで自分がファイリングしたオープン・サービス・リクエストを表示します。

9.3.3 インシデント・ナレッジ・ベースに対するアクション

インシデント・ナレッジ・ベースは、「Plan Management」ドローワの「Operational Plans」セクションにあります。インシデント・ナレッジ・ベースに対して実行できるアクションは、次のとおりです。

  • View and sort the annotations by type: インシデント・ナレッジ・ベースは表形式で、名前や説明、サブタイプ、ターゲット・タイプ、バージョン、および注釈の最終更新日が表示されます。

  • Add an annotation for an Incident type: インシデントのタイプや監視対象の属性に対するコメント、推奨されるアクション、自動アクションを追加します。注釈が適用される重大度レベルを定義します。

  • Edit an annotation for an incident type: インシデントのタイプに対する注釈を編集します。

  • Delete an annotation for an incident type: インシデントのタイプに対する注釈を削除します。

9.4 ユーザー・インタフェースにおけるインシデントおよびサービス・リクエスト情報の場所

インシデントおよびサービス・リクエスト情報は、「Navigation」ペインの「Message Center」で使用できます。「Message Center」を使用して、ビュー通知、サービス・リクエスト、およびアセットの保証情報を表示および管理します。アセットを展開して「Incident」タブをクリックし、インシデントの詳細を表示することもできます。

表9-2 UIにおけるインシデントおよびサービス・リクエスト情報の場所

対象 場所

Unassigned Incidents

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「Unassigned Incidents」をクリックします。または、「Assets」セクションでアセットをクリックし、「Incidents」タブをクリックします。

My Incidents

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「My Incidents」をクリックします。または、「Assets」セクションでアセットをクリックし、「Incidents」タブをクリックします。

Incidents Assigned to Others

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「Incidents Assigned to Others」をクリックします。または、「Assets」セクションでアセットをクリックし、「Incidents」タブをクリックします。

Open Service Requests

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「Open Service Requests」をクリックします。

My Service Requests

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「My Service Requests」をクリックします。

Notifications

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「Notifications」をクリックします。

Relayed Incidents

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「Relayed Incidents」をクリックします。

Relayed Service Requests

「Navigation」ペインで「Message Center」を展開し、「Relayed Incident Requests」をクリックします。

Incident Knowledge Base

「Navigation」ペインで「Plan Management」を展開し、「Incident Knowledge Base」をクリックします。


9.5 インシデント

監視対象の属性が監視ルールを満たさない場合は、必ず新規アラートが生成されます。最初のアラートでインシデントが発生し、メッセージ・センターに表示されます。同じルールとアセットに対する後続のアラートは、同じオープン・インシデントに関連付けられます。

属性の値がその監視ルールの範囲外であったが、後で監視ルールの値を満たした場合、アラートは自動的にクリアされます。属性値の変更では、インシデントは自動的にクリアされません。属性値が監視ルールのパラメータの範囲内や範囲外に入ると、アラートの生成とクリアが繰り返されます。新規インシデントは、元のインシデントをクローズしないと生成されません。インシデントがまだクローズされていない場合、新規アラートは既存のインシデントに集約されます。クローズしてから、インシデントをユーザー・インタフェースからクリアする必要があります。

9.5.1 インシデントの重大度バッジ

インシデントの重大度バッジは、アセットの隣に、インシデントのステータスを示すインシデント重大度バッジの表示を可能にするオプションです。バッジは、ダッシュボードのメンバーシップ・グラフにも表示され、アセットのステータスを示します。各バッジの詳細は、「付録E」「バッジ」を参照してください。


注意:

バッジはデフォルトでは無効です。バッジを表示するには、「Navigation」ペインで「Setup」、「My Preferences」、「User Interface Preferences」の順にクリックします。チェック・ボックスを選択すると、バッジがユーザー・インタフェースで表示されるようになります。

インシデントの重大度バッジは、アセットのステータスを示すインシデント重大度バッジの表示を可能にするオプションです。重大度バッジは、「User Interface Preferences」で構成できます。

アセットにインシデントがある場合、「Asset」階層のアセット・アイコンの隣に重大度バッジが表示されます。グループのメンバーシップで最も重大度の高いインシデントの場合は、重大度バッジは親アセットの隣にも表示されます。図9-1では、xvmbrm-t5140-2のオペレーティング・システムにクリティカル・インシデントがあります。クリティカル・インシデントのバッジは、システムおよびサービス・プロセッサにも表示されます。このOSがメンバーとして所属するグループ、たとえば「All Assets」および「「Operating Systems」にもこのバッジが表示されます。

図9-1 クリティカル・インシデントのバッジ

図9-1の説明が続きます
「図9-1 クリティカル・インシデントのバッジ」の説明

インシデントがクリティカル・インシデントのみの場合、インシデントが確認される、修復済としてマークされる、またはクローズされるとこのバッジは削除されます。まだオープン・インシデントが存在する場合、次に重大度が高いバッジが表示されます。たとえば、「Critical」と「Warning」の両方のインシデントが検出されたとき、「Critical」のインシデントが確認されると、「Critical」バッジは「Warning」バッジで置き換えられます。これは、「Warning」が最も高いレベルの未確認インシデントであるためです。

図9-2 警告インシデントのバッジ

図9-2の説明が続きます
「図9-2 警告インシデントのバッジ」の説明

インシデントがクローズされても、その重大度バッジはアセット階層には表示されません。

監視ルールとプロファイルの作成および維持の詳細は、第4章「監視ルールとポリシー」を参照してください。

インシデントは、同じ監視対象である属性およびアセットに対する1つ以上のアラートです。UIの上部にあるチッカーには、未割当てのクリティカル・インシデント、未割当ての警告インシデント、リレーされたインシデントの数、自分に割り当てられたクリティカル・インシデントの数と警告インシデントの数が表示されます。アイコンをクリックすると、該当するカテゴリのインシデント・ダッシュボードが表示されます。

図9-3 インシデント・チッカー

図9-3の説明が続きます
「図9-3 インシデント・チッカー」の説明

9.6 メッセージ・センター

管理対象アセットで生成されたインシデント、通知、サービス・リクエストは、メッセージ・センターに表示されます。メッセージ・センターで実行できるアクションは、割り当てられているユーザー・ロールによって決まります。

インシデント、通知およびサービス・リクエストは、メッセージ・センターの次のカテゴリに表示されます。

クローズされたインシデントおよびサービス・リクエストは、メッセージ・センターに表示されません。

図9-4 Message Center

図9-4の説明が続きます
「図9-4 Message Center」の説明

ページの棒グラフには、重大度別の新規インシデントの数と、未割当てインシデントの合計数が示されます。ページには、インシデントを重大度とアセット・タイプで分類した表も表示されます。表の行を選択すると、選択した重大度カテゴリで未割当てのインシデントがすべて表示されます。ダッシュボードの最下部にある3番目の表には、詳細とアクション・アイコンがあります。

「All Unassigned Incidents」表には、未割当てのオープン・インシデントがすべて表示されます。各インシデントに指定されたIDで、問題を追跡しやすくなっています。表には、インシデントごとに「Description」、「Source」、「Creation Date」および「URL」が示されます。インシデントの「URL」アイコンの上にカーソルを置くと、ポップアップ・ウィンドウが開きます。デフォルトのソート基準は作成日ですが、任意の列を基準にソートできます。

図9-5 未割当てインシデントのダッシュボード

図9-5の説明が続きます
「図9-5 未割当てインシデントのダッシュボード」の説明

「Unassigned Incidents」表で使用できる情報は、次のとおりです。

「Unassigned Incidents」表の上部に並ぶアイコンは、ロールに基づいてユーザーが使用できるアクションを示しています。インシデントでは次のアクション・アイコンを使用できます。アクションは、図9-6のアイコンの表示順です。

図9-6 インシデント・アクション

図9-6の説明が続きます
「図9-6 インシデント・アクション」の説明

9.6.1 メッセージ・センターのインシデント・ダッシュボード

自分に割り当てられたインシデントは、メッセージ・センターの「My Incidents」ダッシュボードに表示されます。適切な権限レベルを持つユーザーは、キューにあるインシデントの閲覧、他のユーザーへのインシデントの再割当て、および自分への新規インシデントの割当てが可能です。未割当てのインシデントと、他のユーザーに割り当てられているインシデントは、メッセージ・センターで独自のカテゴリを持ちます。それぞれのインシデント・ダッシュボードのレイアウトは同じです。

ページの棒グラフには、重大度別の新規インシデントの数が示されます。ページには、インシデントを重大度とアセット・タイプで分類した表も表示されます。

表の行を選択すると、選択した重大度カテゴリのインシデントがすべて表示され、詳細にドリルダウンします。各インシデントには、追跡しやすいようにIDが割り当てられます。インシデント行のフィールドにカーソルを置くと、詳細が表示されます。

図9-8 Incident Details

図9-8の説明が続きます
「図9-8 Incident Details」の説明

中央のペインにあるアイコンを使用すると、特定のインシデントに対するアクションを実行するか、中央のペインのインシデントを構成するアラートを表示できます。各アイコンは、カーソルを置くとアクションの定義が表示されます。

図9-9 インシデントのアイコン

図9-9の説明が続きます
「図9-9 インシデントのアイコン」の説明

「インシデント管理のアクション」で説明しているように、次のアクションを使用できます。

  • View Alerts

  • View Annotations

  • View Possible Impacts and Causes

  • View Comments

  • View Suggested Actions

  • Add Annotation to Incident(s)

  • Assign Incident(s)

  • Acknowledge Incident(s)

  • Take Action(s) on Incident

  • Mark Incident(s) as Repaired

  • Close Incident(s)

  • Open a Service Request

クリティカルのアセットまたは重大度レベルに対するインシデントの電子メール通知またはページャ通知が送信されるように、ソフトウェアを構成できます。メッセージ・センターに「Notifications」が表示されます。

9.7 注釈

注釈とは、コメント、提案、またはインシデントのドキュメント化に使用できる関連スクリプトを伴う自動操作です。これらは、アセット・タイプ、アセット・リソース・タイプ、属性またはインシデント・タイプ別に定義されます。

注釈には、任意の機能を持たせることができます。図9-10に示すように、インシデントに関連付けられた注釈に対して「View Annotations」、「View Possible Impacts and Causes」、「View Comments」、「View Suggested Actions」および「Add Annotations」を、メッセージ・センターで、または「Asset」ビューの「Incidents」タブで実行できます。

図9-10 注釈のアイコン

図9-10の説明が続きます
「図9-10 注釈のアイコン」の説明

解決方法を検討する際やインシデントを修正済とマークするとき、およびインシデントをクローズするときに、情報コメントおよびノートを問題点に追加できます。

図9-11 コメント・タイプの注釈の追加

図9-11の説明が続きます
「図9-11 コメント・タイプの注釈の追加」の説明

注釈は、インシデントのインタフェースまたはアセット・タイプに関連付けることができます。インシデント・ナレッジ・ベースには、アセット・タイプ別の注釈が含まれ、エンタープライズ・コントローラに関する情報が格納されています。インシデント・ナレッジ・ベースを参照すると、この注釈を表示できます。

より堅牢なインシデント管理には、注釈をインシデントに関連付けてインシデント・ナレッジ・ベースに格納しておき、類似のインシデントが検出されたときに自動ソリューションまたは推奨されるアクションを指定します。自動ソリューションを指定するには、シェル・スクリプトを含む操作計画を作成します。特定のインシデントが発生すると、このスクリプトが自動的に実行されます。推奨される修正、または特定のインシデントに対する一連のアクションを指定するには、推奨されるアクションを指定したテキストのみの注釈を作成するか、シェル・スクリプトを含めることができます。

ルールがトリガーされ、アラートまたはインシデントが識別されると、インシデント・タイプと関連する注釈に対するインシデント・ナレッジ・ベースとインシデント・プロファイルがチェックされます。定義されたタイプと重大度レベルのインシデントが生成され、注釈が添付されます。自動操作の注釈がインシデントに関連付けられている場合には、スクリプトが実行されます。推奨されるアクションの注釈がインシデントに関連付けられている場合には、テキストおよびスクリプト(使用可能な場合)がインシデント詳細に表示されます。

9.7.1 注釈のビュー

注釈は、UI内の複数のビューで使用できます。

  • 注釈がインシデントに関連付けられている場合はメッセージ・センター

  • 注釈がインシデントに関連付けられている場合は「Asset」ビュー

  • 注釈がアセット・タイプに関連付けられている場合は「Incident Knowledge Base」(「Plan Management」ドローワ内)

注釈がインシデントに関連付けられている場合は、「View Annotations」アイコンをクリックすると、関連付けられた注釈が表示されます。

注釈は、アセット・タイプ、アセット・リソース・タイプ、属性またはインシデント・タイプ別に作成できます。注釈は、インシデント・ナレッジ・ベース(KB)にあります。注釈は、関連付けされた操作プロファイル、推奨される修正やアクション、またはテキストのみのコメントから構成される自動操作です。「Automated Action」および「Suggested Action」の注釈を、操作プロファイルに関連付けることができ、このプロファイルにスクリプトを含めることができます。

特定のインシデントに注釈を追加するとき、インシデントKBに注釈を追加することもできます。

コメントは、一種の注釈です。解決方法を検討する際やインシデントを修正済とマークするとき、およびインシデントをクローズするときに、情報コメントおよびノートを問題点に追加できます。注釈を使用して、コメント、推奨されるアクション、自動アクションの混在したインシデント・ナレッジ・ベースを構築することもできます。コメントを追加するには、「注釈の追加」を参照してください。

インシデント・ナレッジ・ベース(KB)の注釈は、インシデントのタイプに関連付けられています。注釈は、UIの「Plan Management」セクションで削除できます。

9.8 インシデント・ナレッジ・ベース

注釈を使用すると、コメント、推奨されるアクション、自動アクションの混在したインシデント・ナレッジ・ベースを構築できます。

注釈を使用して、会社のポリシー、手順、インシデントに基づくインシデント・ナレッジ・ベースを構築できます。

注釈は、「Plan Management」で、または特定のインシデントからインシデント・ナレッジ・ベースに追加できます。いずれの場合でも、特定のインシデントに対する解決方法や推奨されるアクションを注釈で指定できます。

使用できる注釈のタイプは、次のとおりです。

特定のインシデントの注釈を含むインシデント・ナレッジ・ベースを構築したり、特定のタイプのインシデントに対して推奨される修正方法や自動修正を追加することも可能です。想定される原因と影響を追加したり、注釈を追加することができます。注釈は、コメントまたは推奨されるアクションです。注釈で、特定の問題を修正するユーティリティやスクリプトを含む操作計画を関連付けることができます。タイプと重大度が同じであるすべてのインシデントに注釈を関連付け、インシデント・ナレッジ・ベースに保存する方法もあります。次にそのインシデントが発生したときには、想定される原因および影響と、前のインシデントで特定された注釈を利用して、問題を迅速に解決できます。

インシデントが検出されると、Oracle Enterprise Manager Ops Centerはインシデント・ナレッジ・ベースとインシデント・プロファイルで、アセット・タイプとそれに対応するインシデント・タイプを確認します。関連付けられた注釈はインシデントに追加され、該当するインシデントがオープンされたアセットに対して、「Automated Operation」の注釈で参照されている操作プロファイルが実行されます。注釈の作成、更新および削除は、インシデント・ナレッジ・ベースで行うことができます。

9.9 Oracleサービスとサービス・リクエスト

Oracleサービスでは、管理対象アセットについての現在の契約、保証情報、契約日およびサービス・リクエストの統合的な管理と表示が可能です。

特定のアセットに関する契約や保証の情報、サービス・リクエストを表示するには、Oracleサービスを使用します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerにおけるアラートやインシデントの結果としてのサービス・リクエストの表示、サービス・リクエスト詳細の表示、およびサービス・リクエストのファイリングも可能です。


注意:

Oracle Enterprise Manager Ops Center以外で作成されたサービス・リクエストは、表示できません。Enterprise Manager Ops Center以外でファイリングされたサービス・リクエストのステータスを表示するには、My Oracle Supportで「サービス・リクエスト・ホーム」ページに移動してください。

9.9.1 Oracleサービスの要件

Oracleサービスを使用するには、次の処理を実行します。

  • アセットをMy Oracle Supportに登録します。

  • My Oracle Supportデータベースにアクセスできるように、自分のユーザー・アカウントをMy Oracle Supportユーザーとして登録します。

  • Enterprise Manager Ops Centerを「Connected」モードで実行します。

My Oracle Supportデータベースにアクセスするには、My Oracle Supportユーザーとして登録されている必要があります。これは、My Oracle Supportへのアクセスに使用したアカウントと同じです。

「Connected」モードで実行しているかどうか、My Oracle Supportにアクセスできるかどうかを確認するには、図9-12のようにUIの右上隅にあるアイコンを確認します。アイコンに色が付いていない場合は、接続されていません。

  • 「World」アイコンは、インターネット接続のステータスを表します。

  • 「Shield」アイコンは、Oracle Knowledge Baseへの接続ステータスを表します。

  • 「Phone」アイコンは、My Oracle Supportサービスへの接続のステータスを表します。

図9-12 接続アイコン

図9-12の説明が続きます
「図9-12 接続アイコン」の説明

9.9.2 契約および保証情報の表示

アセット別の契約情報を表示し、ユーザーに対応するすべての契約に関連付けた権限を取得できます。契約や保証の情報は、My Oracle Supportデータベースで契約に関連付けられたシリアル番号のある管理対象サーバーに対して使用できます。

Enterprise Manager Ops Centerの契約および保証情報は毎週更新されるため、契約の変更や新規の契約は、ユーザー・インタフェースに表示されるまでに最大7日間かかることがあります。契約または保証の有効期限が近づくと、メッセージ・センターでインシデントとしてアラートが表示され、契約の詳細がアセットの「Summary」タブにオレンジ色のテキストで表示されます。


注意:

契約および保証情報を更新するには、製品ソフトウェアを「Connected」モードで実行する必要があります。「Disconnected」モードに変更すると、契約情報が古くなります。

アセットの契約および保証情報の表示の手順

  1. 「Navigation」ペインで、「All Asset」リストまたはグループからハードウェアを選択します。

  2. 「Summary」タブをクリックします。Enterprise Manager Ops Centerが「Connected」モードで、選択したアセットのシリアル番号が契約に関連付けられている場合、サマリーに「Support」行が追加されます。「Support」フィールドには、契約のIDと有効期限があります。

  • 契約の有効期限が90日以内で切れる場合には、その情報がオレンジ色のフォントで表示されます。

  • 契約の有効期限がすでに切れている場合には、その情報が赤色のフォントで表示されます。

My Oracle Supportアカウントに関連付けられたすべての契約の表示の手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで、「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインで「Edit Authentications」をクリックします。「Edit Authentications」ウィンドウが開き、オンライン・ユーザー名とそれに対応する契約が表示されます。

9.9.3 サービス・リクエストの表示

現在のサービス・リクエストと、完了したサービス・リクエストをすべて表示できます。

サービス・リクエストの表示の手順

  1. 「Navigation」ペインで「Message Center」をクリックします。

  2. 「Open Service Requests」、「My Service Requests」または「Service Requests Opened by Others」をクリックし、リクエストのリストを表示します。

  3. 特定のサービス・リクエストの詳細を表示するには、行をハイライト表示してから「View Service Request」アイコンをクリックします。

    図9-13 View Service Request

    図9-13の説明が続きます
    「図9-13 View Service Request」の説明

  4. 「Close」をクリックします。

9.9.4 サービス・リクエストのファイリング

アセットが契約に関連付けられ、Oracleデータベースに登録されている場合、インシデントまたはアセットからサービス・リクエストを作成できます。サービス・リクエスト・チケットのファイリングに必要な要件は、「Oracleサービスの要件」を参照してください。たとえば、アセットがMy Oracle Supportに登録されていない場合、サービス・リクエスト・ジョブは失敗します。「Open Service request」アクションが無効の場合、My Oracle Supportには接続できません。

インシデントからのサービス・リクエストのファイリングの手順

  1. 「Navigation」ペインで「Message Center」をクリックします。

  2. 「My Incidents」または「Unassigned Incidents」をクリックします。

  3. インシデントを選択し、中央のペインで「Open Service Request」アイコンをクリックします。

アセットからのサービス・リクエストのファイリングの手順

  1. 「Navigation」ペインの「Assets」セクションで、ハードウェアを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Open Service Request」をクリックします。

9.9.5 自動サービス・リクエスト

手動でサービス・リクエストをファイリングするかわりに、既知の問題に対してサービス・リクエストを自動的に作成するようにOracle Enterprise Manager Ops Centerを構成できます。自動サービス・リクエスト(ASR)を有効にすると、Oracle Enterprise Manager Ops Centerはクリティカル・インシデントに基づいて自動的にサービス・リクエストを生成します。ASRの連絡先情報は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerから、またはアセットに関連付けられたカスタマ・サービス識別子(CSI)から取得されます。ASR作成のステータスを示す注釈がインシデントに追加されます。作成されたASRは他のサービス・リクエストと変わらないため、同じプロセスとツールを使用して表示と管理が可能です。

Ops Centerの「Admin」ロールがあるユーザーが、ASR機能を有効化する必要があります。自動サービス・リクエストを構成および使用する方法は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』を参照してください。

9.10 インシデント・ライフサイクル管理

大量のアセットに対しても簡単にインシデントを管理できるように、Oracle Enterprise Manager Ops Centerでのインシデント管理は、連携する複数のコンポーネントで構成されています。監視ルール、推奨されるアクション、インシデントの識別と解決を自動化する方法などがあります。

監視には標準セットの監視ルールが含まれ、これはアセットの属性とその属性のしきい値で構成されます。監視を実行するOracle Enterprise Manager Ops Centerはアラートを生成し、インシデント管理と通知機能の両方に接続します。

アセットが監視ルールとポリシーで定義されているパラメータの範囲内で動作していない場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerはインシデントを生成し、その情報を「Unassigned Incidents」セクションに表示します。インシデントは、情報レベル、警告、クリティカルの重大度レベルで表示されます。すべてのインシデントがメッセージ・センターに表示されます。インシデントは最初に検出された時点では、「Unassigned」カテゴリに分類されます。インシデントを自分自身に割り当てた場合、インシデントは「Unassigned Incidents」から「My Incidents」に移動します。インシデントを別のユーザーに割り当てると、インシデントは「Assigned Incidents」に表示されます。

たとえば、Sun Fire x4150ホストにおけるCPU使用率が超過すると、インシデントが生成されます。このインシデントをBobに割り当てます。このシステムはOracle Solaris Zonesのホストとして使用されることが多いため、Bobはこれを監視します。

Bobはインシデントを確認し、「このアセットは処理能力が足りず、負荷に対処できない」というコメントをインシデントに追加します。またBobは、「Global Zone」のアセット・タイプにも注釈を関連付けようと考えています。「Global Zone」のCPU使用率が超過するプロセスを確認するために、このアセット・タイプに推奨されるアクションの注釈を追加しようと考えています。そこで、「'prstat 1 1'コマンドを実行してCPU負荷の高いプロセスをチェックする」という注釈をアセット・タイプに追加します。注釈はインシデント・ナレッジ・ベースに保存され、グローバル・ゾーンのアセット・タイプで次回CPU使用率が超過すると表示されます。

9.10.1 インシデント管理の方法

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、ヘルプ・デスクのアプローチを使用してインシデントを管理します。インシデントに対するアクションの実行に使用できる主なツールは、次のとおりです。

  • メッセージ・センター: インシデントのステータスを表示し、インシデントを割り当てます。

  • 注釈 :ノートと変更ステータスを追加します。注釈オプションを使用して推奨されるアクションまたは修正を指定するか、インシデントに自動応答を指定するカスタム・スクリプトを追加します。

  • Operational Plans: 特定のアセット、またはアセットのサブタイプに対してシェル・スクリプトをデプロイし、インシデントの解決を自動化します。

  • Incidents Knowledge Base: 将来的に使用できるように、既知の問題についてコメントと推奨されるアクションを収集します。

メッセージ・センターでインシデントがレポートされるたびに電子メール通知またはページャ通知を受信する場合は、新しいクリティカルまたは警告インシデントをアドバイスするメッセージを送信する通知ルールを作成できます。

メッセージ・センターには、未割当てのインシデント、自分に割り当てられたインシデント、および他のユーザーに割り当てられたインシデントの詳細なリストがあります。

インシデントは、メッセージ・センターからでも「Asset」ビューからでも管理できます。コメントおよび注釈の表示と追加、インシデントに対するアクションの実行、インシデントのクローズを行います。

  • メッセージ・センターには、すべてのインシデントのリストが表示されます。詳細とアクティビティを表示するインシデントを選択します。

  • 「Navigation」ペインの「Asset」ツリーからアセットを選択し、「Incidents」タブをクリックすると、そのアセットのインシデントがリストで表示されます。

アセットに対して「Manage」または「Admin」のロールがある場合、そのインシデントに対してアクションを実行できます。インシデントに割り当てられるユーザーにも、「Manage」または「Admin」ロールが必要です。アイコンがアクティブでない場合、ユーザーには適切なロールがありません。

9.10.2 未解決インシデントの表示

特定のアセットまたはインシデント別に未解決のインシデントを表示できます。

  • 特定のアセットについて未解決のインシデントを表示する場合は、「Navigation」ペインでアセットをクリックし、中央のペインで「Incidents」タブをクリックします。

  • メッセージ・センターから未解決のインシデントを表示する場合は、次のいずれかをクリックします。

    • Unassigned Incidents

    • My Incidents

    • Incidents Assigned to Others

      アセットごとに未解決のインシデントの数が、棒グラフと、重大度別のサマリーに表示されます。表には、未解決のインシデントがすべて表示されます。

概要レベルの詳細を表示するには、インシデントにカーソルを置くか、「Unresolved Incidents」表でインシデントをクリックします。インシデントをクリックし、中央のペインで「Alerts」アイコンをクリックすると、ドリルダウンしてインシデントを構成するアラートを表示できます。

9.10.3 インシデント詳細の表示

インシデントは、1つ以上のアラートで構成されます。構成する個々のアラートなど、インシデントの詳細を表示できます。次のインシデント詳細を使用できます。

  • インシデントがオープン状態だった時間または期間

  • インシデントの割当て先

  • インシデントに対して推奨されるアクションの数

  • インシデントに割り当てられているユーザー

  • 影響を受ける、または原因であるリソース

  • インシデントの説明

インシデントの詳細を表示するには、次のいずれかの手順を実行します。

  1. 「Navigation」ペインで「Assets」を選択します。

  2. アイコンの隣にインシデント・バッジがあるアセットを選択します。「Dashboard」ページにアセットのステータスが表示されます。

  3. 「Incidents」タブをクリックします。

  4. インシデントの上にカーソルを置くと、インシデントの詳細が表示されます。

  5. インシデントに関連付けられているアラートを表示するには、「Alerts」サブタブをクリックするか、中央のペインで「Alerts」アイコンをクリックします。インシデントを構成しているアラートが、現在のアラート・ステータスおよび最も高いアラート・ステータスや、アラート履歴とともに表示されます。

9.10.4 インシデントの割当て

インシデントは、アラートに対する「Manage」または「Admin」ロールを持つユーザーに割り当てることができます。

インシデントを割り当てると、アセットのインシデント重大度バッジに影響する場合があります。インシデントがすでに確認されている場合、または修復済としてマークされている場合、その重大度はナビゲーション・ペインのそれより上の階層にあるアセットには伝播されません。インシデントを割り当てると(ユーザーに、または対象者なしとして)、重大度はナビゲーション・ペインのそれより上の階層にあるアセットに再度伝播されます。

  1. メッセージ・センターでインシデントを表示するには、ナビゲーション・ペインで「Message Center」、「Unassigned Incidents」の順にクリックします。

    アセット・ビューからインシデントを表示する場合は、「Navigation」ペインでアセットをクリックし、「Incidents」タブをクリックします。

  2. 1つ以上のインシデントを選択し、中央のペインで「Assign Incident(s)」アイコンをクリックします。

  3. 「Assign To」リストからユーザー名を選択します。これは、アセットに対して「Manage」または「Admin」ロールを持つユーザーのリストです。割り当てたインシデントを「Unassigned Incidents」キューに戻すには、リストから「No One」を選択します。

  4. (オプション)テキスト・フィールドにノートを追加します。

  5. 「Assign Incidents」をクリックします。

9.10.5 インシデントの確認

インシデントの確認とは、問題を調査することです。インシデントを特定するアセットに対して「Admin」または「Manage」のロールがあれば、インシデントを確認できます。

重大度バッジが有効化されていると、アセットでインシデントが発生すると、「Asset」階層のアセットの隣に重大度バッジが表示されます。このインシデントがメンバーシップの中で最も高い重大度である場合、親アセットの隣にも表示されます。図9-14では、xvmbrm-t5140-2のオペレーティング・システムにクリティカル・インシデントがあります。クリティカル・インシデントのバッジは、システムおよびサービス・プロセッサにも表示されます。このオペレーティング・システムがメンバーとして所属するグループ、たとえば「All Assets」および「「Operating Systems」にもこのバッジが表示されます。

図9-14 アセットと親アセットに表示されたクリティカル・インシデントのバッジ

図9-14の説明が続きます
「図9-14 アセットと親アセットに表示されたクリティカル・インシデントのバッジ」の説明

インシデントが「Unassigned」の状態だった場合、または他のユーザーに割り当てられていた場合には、ナビゲーション・ペインのこれより上の階層にあるアセットに伝播するための最も高い重大度を判別する計算において重大度が考慮されています。インシデントを確認すると、インシデントはメッセージ・センターのキューに移動し、重大度はナビゲーション・ペインのこれより上の階層にあるアセットには伝播されません。

クリティカル・インシデントを確認した場合、バッジは警告「Warning」のバッジに置き換えられます。これが未確認のインシデントの中で最も高いレベルになったためです。

図9-15 クリティカル・インシデントを確認した影響

図9-15の説明が続きます
「図9-15 クリティカル・インシデントを確認した影響」の説明

  1. メッセージ・センターまたは「Assets」ビューからインシデントをオープンします。

    • 「Message Center」ビュー: 「Message Center」をクリックし、「Incident」カテゴリとして「Unassigned Incidents」、「My Incidents」、「Incidents Assigned to Others」のいずれかをクリックします。

    • 「Assets」ビュー: 「Navigation」ペインの「Assets」セクションでアセットをクリックし、中央のペインで「Incidents」タブをクリックします。

  2. 中央のペインで1つ以上のインシデントを選択し、「Acknowledge Incidents」アイコンをクリックします。

9.10.6 注釈の追加

注釈は、アセット・タイプ別に定義されます。注釈はコメント、推奨されるアクション、または操作プロファイルへの参照です。どのユーザーでも注釈をインシデントに追加できます。インシデント・ナレッジ・ベースにエントリを追加するには、Oracle Enterprise Manager Ops Centerの管理者権限が必要です。

  1. メッセージ・センターまたは「Assets」ビューからインシデントをオープンします。

    • 「Message Center」ビュー: 「Message Center」をクリックし、「Incident」カテゴリとして「Unassigned Incidents」、「My Incidents」、「Incidents Assigned to Others」のいずれかをクリックします。

    • 「Assets」ビュー: 「Navigation」ペインの「Assets」セクションでアセットをクリックし、中央のペインで「Incidents」タブをクリックします。

  2. インシデントを選択し、中央のペインで「Add Annotations」アイコンをクリックします。

  3. 「Annotation Type」のドロップダウン・リストから、次のいずれかのタイプを選択します。

    • Comment: ノートまたは編集コメントを追加するための、テキストのみのオプションです。

    • Suggested Action: テキストは必須、スクリプトはオプションです。

  4. このインシデントがオープンであるアセット・タイプとして定義されている操作プロファイルのドロップダウン・リストから、操作計画を選択します。

  5. 「Synopsis」フィールドは、注釈タイプに基づいて入力されます。必要に応じて、シノプシスを編集します。UI上で文字長の制限はありませんが、APIで許容されるのは80文字までです。


    注意:

    入力が80文字を超えると、注釈で表示したときシノプシスは最初の80文字までで切り捨てられます。

  6. 「Note」フィールドに、説明または手順を入力します。文字数の制限はありません。

  7. インシデント・ナレッジ・ベースに注釈を追加し、このタイプと重大度の各インシデントに注釈を含めるには、チェック・ボックスをクリックします。


    注意:

    この操作を完了するには、Oracle Enterprise Manager Ops Centerの「Admin」ロールが必要です。

  8. 「Save and Execute」または「Save」をクリックします。

9.10.7 注釈の表示

アセット・タイプに対する注釈は、インシデント・ナレッジ・ベースで表示できます。

  1. 「Plan Management」をクリックします。

  2. 「Navigation」ペインで「Incidents Knowledge Base」を展開し、アセット・タイプを選択します。アセット・タイプに関連付けられた注釈が、中央のペインに表示されます。

9.10.8 コメントの表示

コメントは、一種の注釈です。解決方法を検討する際やインシデントを修正済とマークするとき、またはインシデントをクローズするときに、情報コメントおよびノートを問題点に追加できます。注釈を使用して、コメント、推奨されるアクション、自動アクションの混在したインシデント・ナレッジ・ベースを構築することもできます。コメントを追加するには、「注釈の追加」を参照してください。

  1. 「Message Center」を展開し、次のいずれかをクリックします。

    • Unassigned Incidents

    • My Incidents

    • Incidents Assigned to Others

  2. 中央のペインでインシデントをクリックし、「View Comments」アイコンをクリックします。

9.10.9 インシデントに対するアクションの実行

アセットに対して「Manage」または「Administration」のロールがある場合、スクリプトまたはコマンドを使用してインシデントの一部を修正できます。この場合、既知の問題に自動アクションを関連付ける必要がある可能性があります。その他のインシデントでは、適切なアクションを決定する前に問題を確認する必要がある場合もあります。

インシデント管理の機能は、様々なレベルで制御されます。自動アクション、推奨されるアクション、コメントの組合せなどの注釈が付いたインシデント・ナレッジ・ベースを構築できます。インシデントに関連付けられた1つ以上の推奨されるアクションを実行するか、操作計画を使用してインシデントを修正することもできます。推奨されるアクションや操作計画でアクションを使用できない場合でも、エンタープライズ・コントローラで管理対象アセットに格納されているコマンドやカスタム・スクリプトを実行できます。

インシデントに対して推奨されるアクションの追加の詳細は、「注釈の追加」を参照してください。

インシデント・ナレッジ・ベースでの推奨されるアクションまたは自動アクションを追加するには、「インシデント・ナレッジ・ベース」を参照してください。操作計画の作成の詳細は、「操作プロファイルと計画の作成」を参照してください。

  1. メッセージ・センターまたは「Assets」ビューからインシデントをオープンします。

    • 「Message Center」ビュー: 「Message Center」をクリックし、「Incident」カテゴリとして「Unassigned Incidents」、「My Incidents」、「Incidents Assigned to Others」のいずれかをクリックします。

    • 「Assets」ビュー: 「Navigation」ペインの「Assets」セクションでアセットをクリックし、中央のペインで「Incidents」タブをクリックします。

  2. インシデントを選択します。

  3. 中央のペインで、「Take Action(s) on a Incident」アイコンをクリックします。

  4. 実行するアクションを選択します。

    • インシデント・ナレッジ・ベースでインシデントの推奨されるアクションが指定されている場合は、「Execute the Selected Suggested Action」オプションを選択し、表からアクションを選択します。

    • 操作計画に推奨されるアクションがある場合には、「Execute an Operational Plan」オプションを選択し、ドロップダウン・リストから計画を選択します。

    • 推奨されるアクションや操作計画に含まれていないスクリプトまたはコマンドを実行するには、「Execute a Command or Script File」オプションを選択します。

      • コマンドを実行する場合は、フィールドにコマンドを入力します。

      • スクリプトを参照する場合は「Browse」をクリックし、「File Chooser」ポップアップからスクリプトを選択します。

  5. インシデントがオープンされている管理対象のアセット上か、エンタープライズ・コントローラ上で、スクリプトを実行する場所を選択します。

  6. アクションのタイムアウト期間を、分、時間、日の単位で定義します。

  7. (オプション)実行されるアクションを説明するノートを追加します。

  8. 「Execute Selected Action」をクリックします。

9.10.10 メンテナンス・モード

メンテナンス・モードは、一時的にアセットがインシデントを生成しないようにするモードです。このモードは、ハードウェア・アセットの電源をオフにしたり、システムを手動で再構築するとき、およびUIにインシデントを表示しない場合に便利です。


注意:

アセットがメンテナンス・モードでも、アラートは引き続き生成されます。「Alerts」タブを選択してアラートを表示してください。これは「Incidents」タブのサブタブです。

アセットがメンテナンス・モードに移行されると、アセットに影響する未割当ておよび割当て済のインシデントとその子の重大度バッジは、ナビゲーション・ペインのアセット・メンバーシップそれより上の階層には伝播されません。

メンテナンス操作が完了したら、「Remove From Maintenance」アクションを使用してアセットの監視を開始します。アセットのメンテナンス・モードが解除されると、ナビゲーション・ペインのメンバーシップ階層で重大度バッジがアセットに表示されるようになります。

  1. アセットを監視対象から除外するには、「Navigation」ペインでアセットをハイライト表示し、「Actions」ペインで「Place in Maintenance」をクリックします。

  2. アセットの監視を開始するには、「Navigation」ペインでアセットをハイライト表示し、「Actions」ペインで「Remove From Maintenance」をクリックします。

9.10.11 インシデントを修復済としてマーク

インシデントが修復されても、ソフトウェアではそれを判定できません。ただし、既知のインシデントをオープンして、手動で修復の詳細が記載されたノートを追加し、そのインシデントを修復済としてマークすることができます。このタスクを実行するには、「Manage」または「Admin」のロールが必要です。

インシデントが「Unassigned」の状態だった場合、または他のユーザーに割り当てられていた場合には、ナビゲーション・ペインのこれより上の階層にあるアセットに伝播するための最も高い重大度を判別する計算において重大度が考慮されています。このインシデントを修復済としてマークすると、その重大度バッジはナビゲーション・ペインのアセット・リストには表示されません。

  1. 「Message Center」から、次のいずれかをクリックします。

    • Unassigned Incidents

    • My Incidents

    • Incidents Assigned to Others

    または

    アセット・ビューから、「Navigation」ペインの「Assets」セクションでアセットをクリックし、「Incidents」タブをクリックします。

  2. 1つ以上のインシデントを選択し、中央のペインで「Mark Incident(s) as Repaired」アイコンをクリックします。

  3. (オプション)インシデントを選択し、「Note」を追加します。

  4. 「Tag Incidents as Being Repaired」をクリックします。

9.10.12 インシデントのクローズ

インシデントは、アラート発生条件がクリアされた場合でも、クローズするまでオープンのままです。メッセージ・センターおよび「Asset」ビューからインシデントを削除するには、インシデントをクローズするか、7日間アクションを行わずにおきます。インシデントに対して、注釈の追加などのアクションを実行すると、カウンタはリセットされます。


注意:

7日間アクションが行われなかったインシデントは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって自動的にクローズされ、UIに表示されなくなります。この値は、パブリックAPIで編集できます。

インシデントをクローズすると、ステータスが「Closed」に変わり、インシデントはアクティブ・インシデントのリストから削除されて、UIにも表示されなくなります。クローズしたインシデントに関する情報は、パブリックAPIを使用して60日間取得できます。60日を過ぎると、クローズしたインシデントは完全に削除されます。この時間制限を編集するには、パブリックAPIで値を編集する必要があります。この値で日数を0に設定すると、時間制限を無効にできます。


注意:

インシデントをクローズした後も引き続き監視の条件がtrueの場合は、新規アラートが生成され、新しいインシデントも作成されます。

インシデントのクローズの手順

インシデントは、アセット・ビューからでも、またメッセージ・センターの次のカテゴリからでもクローズできます。

  • Unassigned Incidents

  • My Incidents

  • Incidents Assigned to Others

アセット・ビューからインシデントをクローズする場合は、次の手順を実行します。

  1. 「Navigation」ペインの「Assets」セクションでアセットをクリックし、「Incidents」タブをクリックします。

  2. 1つ以上のインシデントを選択し、中央のペインで「Close Incident(s)」アイコンをクリックします。

  3. (オプション)インシデントを選択し、「Note」を追加します。

  4. (オプション)インシデントを識別する監視ルールを一時的に無効にするには、「Action」チェック・ボックスをクリックし、いつ監視を有効化するかを定義します。

    このアクションで、すべてのアセットに対する監視ルールが無効になるわけではありません。インシデントに関連していたアセットの監視ルールのみが無効化され、同じアセットの類似のインシデントは発生しなくなります。

  5. 「Close Incidents」をクリックします。

9.11 注釈

より堅牢なインシデント管理には、注釈をルールに関連付けてインシデント・ナレッジ・ベースに格納しておき、特定のインシデントが検出されたときに自動ソリューションまたは推奨されるアクションを指定できます。自動ソリューションを指定するには、シェル・スクリプトを含む操作計画を作成します。特定のインシデントが発生すると、このスクリプトが自動的に実行されます。推奨される修正、または特定のインシデントに対する一連のアクションを指定するには、推奨されるアクションを指定したテキストのみの注釈を作成するか、シェル・スクリプトを含めることができます。

ルールがトリガーされ、アラートまたはインシデントが識別されると、インシデント・タイプと関連する注釈に対するインシデント・ナレッジ・ベースとインシデント・プロファイルがチェックされます。定義されたタイプと重大度レベルのインシデントが生成され、注釈が添付されます。自動操作の注釈がインシデントに関連付けられている場合には、スクリプトが実行されます。推奨されるアクションの注釈がインシデントに関連付けられている場合には、テキストおよびスクリプト(使用可能な場合)がインシデント詳細に表示されます。

注釈は、関連付けされたスクリプト、推奨される修正やアクション、またはテキストのみのコメントから構成される自動操作です。注釈は、インシデントのインタフェースまたはアセット・タイプに関連付けることができます。インシデント・ナレッジ・ベースには、アセット・タイプ別の注釈が含まれ、エンタープライズ・コントローラに関する情報が格納されています。インシデント・ナレッジ・ベースを参照すると、この注釈を表示できます。

  1. メッセージ・センターまたは「Assets」ビューからインシデントをオープンします。

    • 「Message Center」ビュー: 「Message Center」をクリックし、「Incident」カテゴリとして「Unassigned Incidents」、「My Incidents」、「Incidents Assigned to Others」のいずれかをクリックします。

    • 「Assets」ビュー: 「Navigation」ペインの「Assets」セクションでアセットをクリックし、中央のペインで「Incidents」タブをクリックします。

  2. 中央のペインでインシデントをクリックします。

  3. 「View Annotations」アイコンをクリックします。

例9-1 注釈の使用例

The CPU usage on a Sun Fire x4150 host is exceeded and an incident is generated. You assign the incident to Lee. Lee is concerned because these systems are often used to host Oracle Solaris Zones. Lee adds the following comment to the incident: "This asset is not powerful enough and cannot cope with the load". Lee also wants to associate an annotation with the Global Zone asset type to recommend checking for processes that are consuming excessive CPU usage on the Global Zone. Lee adds the following annotation to the asset type: "Run the 'prstat 1 1' command to check which processes are taking CPU." The annotation is saved in the Incidents Knowledge Base and appears the next time CPU usage is exceeded on a global zone asset type.

9.12 インシデント管理の関連リソース

アクションの実行の手順、またはこの機能のロールの詳細は、次のいずれかのリソースを参照してください。