この章には、次の情報が含まれます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、データ・センター内の物理リソースを統合し、クラウド・サービスを構築および操作するためのプラットフォームを提供します。仮想化サーバー、ストレージおよびネットワークなどの、ユーザーがアプリケーションを構築するためにアクセスする物理リソースがプールされます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、仮想化サーバー、ストレージ・リソースおよびネットワーク・ファブリックをデプロイ、構成および管理するための包括的な管理ソリューションを提供します。また、ストレージおよびネットワーク・リソースを共有する仮想化リソースをプールすることもできます。これらすべての機能は、Oracle Enterprise Manager Ops CenterでIaaS (Infrastructure-as-a-Service)クラウド・プラットフォーム・サービス・モデルとして利用およびデプロイされます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、IaaSクラウド・プラットフォーム・サービスを設定するためのプロビジョニングはvDC管理として使用できます。仮想データ・センターまたはvDCは、共通のストレージおよびネットワーク・リソースを共有するサーバー・プールの集合です。クラウド管理者は、インフラストラクチャを設定し、クラウド・ユーザーにアクセス権を付与します。クラウド・ユーザーは、割り当てられたリソースを使用して、ゲストの作成、様々な種類のOSのインストール、アプリケーションのデプロイ、アプリケーションの監視および管理を行います。クラウド・ユーザーには、アプリケーションを表示および管理するためにOracle Enterprise Manager Ops CenterのUIへのアクセス権が付与されます。
Oracle Enterprise Managerでは、仮想データ・センター機能のサブセットにアクセスするためのAPIおよびコマンドライン・インタフェース(CLI)が公開されます。また、クラウド・ユーザーは、IaaSのWebサービスを直接コールすることにより、割り当てられたリソースをプログラムで管理することもできます。
クラウド・ユーザーは、クラウド・インフラストラクチャAPIおよびCLIを介してアクセスできる機能を使用できます。クラウド管理者に限定されている機能(インフラストラクチャの構成や設定など)は、クラウド・インフラストラクチャAPIおよびCLIを介してアクセスすることはできません。ただし、アクセス可能なアカウントをリストする機能や、すでにアカウントへのアクセス権を持つクラウド・ユーザー用のキー・ベースのアクセス権の作成機能は除きます。クラウド・ユーザーが使用可能な機能はクラウド管理者もすべて使用できます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerにログインする際に、UIの各種セクションに対する表示およびアクセスはクラウド・ユーザーとクラウド管理者では異なります。
クラウド・ユーザー
仮想サーバーの作成および管理に関する詳細を検索するクラウド・ユーザーである場合は、項「クラウド・ユーザーの概要」を参照してください。
クラウドWebサービスとインフラストラクチャAPIおよびCLIの詳細は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerクラウド・インフラストラクチャAPIおよびCLIリファレンス・ガイドを参照してください。
クラウド管理者
クラウド管理者である場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで仮想データ・センターを作成および管理する方法について説明する次の各項に進んでください。
エンジニアド・システム(Oracle Exalogic Elastic Cloudなど)で仮想データ・センターを管理する場合、詳細は、第20章「Oracle Engineered Systems」を参照してください。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、仮想化サーバー、ストレージおよびネットワーク・リソースを統合し、混在した動的ワークロードに対してこれらのリソースを最適かつ安全に利用できます。このようなリソースの最適化は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで仮想データ・センター(vDC)を作成することによって行われます。
vDCで割り当てられる物理リソースには、クラウド管理者によって設定される割当てに基づいて仮想リソースとしてアカウントに権限が付与されます。アカウントには、割り当てられたリソースを管理するために必要な機能が用意されています。アカウントにより、指定されたクラウド・ユーザーに、仮想コンピューティング、ネットワークおよびストレージ・リソースを使用する権限が付与されます。
各種アカウントに対するアクセス権を持つクラウド・ユーザーは、vServerと呼ばれる仮想サーバーの作成、アプリケーションのホスト、またはアプリケーションへのアクセスを行うことができます。
クラウド管理者は、vDCのインフラストラクチャの設定、vDCの作成と管理、アカウントの作成および管理、およびクラウド・ユーザーへのアクセスの管理を行います。
次の表は、タスク、およびタスクを完了するために必要なロールを示しています。タスクを完了するために必要なロールまたは権限がない場合は、管理者に連絡してください。各種ロールおよびロールに付与される権限の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』を参照してください。
表18-1 仮想データ・センターのロールおよび権限
タスク | ロール |
---|---|
Create and Manage Virtual Datacenters |
Cloud Administrator |
Create and Manage Accounts |
Cloud Administrator |
Create and Manage vServer Types |
Cloud Administrator |
Add and Manage Cloud Users |
Cloud Administrator |
仮想データ・センターの構成には、インフラストラクチャの設定、リソース・ワークロードの管理、およびクラウド・ユーザー要件の理解が含まれます。「Cloud Administrator」ロールを持つユーザーは、次のアクションを使用できます。
仮想データ・センターの作成および管理
アカウントの作成および管理
アカウントへのアクセスの管理
仮想データ・センターの物理リソースの管理
vServerタイプの作成および管理
仮想データ・センター(vDC)は、ネットワークおよびストレージ・リソースを共有する物理リソースを統合したものです。仮想データ・センターを形成する物理リソースは、次のとおりです。
同種サーバー・プール
サーバー・プールは、互換性のあるチップ・アーキテクチャを共有する、仮想化対応サーバーのグループです。サポートされている仮想化タイプは、次のとおりです。
Oracle Solaris Zones
Oracle VM Server for x86
Oracle VM Server for SPARC
サーバー・プールは、単一の仮想化技術によるものです。たとえば、Oracle VM Server for SPARCサーバーのサーバー・プールのみの使用が可能であり、Oracle VM Server for x86サーバーとOracle VM Server for SPARCサーバーの混在は不可能です。異なる仮想化技術が混在するサーバー・プールを使用することはできません。vDCは、サポートされている任意の仮想化技術の1つに基づきます。このようなインフラストラクチャの差異により、vDCの使用に関して大きな差異が生じます。クラウド・ユーザーにはバックグラウンドのインフラストラクチャが認識されない可能性がありますが、クラウド管理者は、クラウド・ユーザーがvDCリソースを常に使用可能であることを確認する必要があります。仮想データ・センターに必要なサーバー・プール設定の詳細は、「サーバー・プール設定」を参照してください。
ストレージ
ストレージは、サーバー・プールから継承されます。ストレージは、アカウント内で作成された仮想サーバーのルート・ディスク、仮想サーバー構成データ、テンプレート、ISOイメージ、FLARイメージを格納するために使用される他に、ボリュームとしても使用されます。vDCの作成時には、ボリュームにのみ使用されるストレージ・リソースを割り当てることができます。ボリュームは、vServerにアタッチするために使用されます。仮想データ・センターに必要なストレージ・リソースの詳細は、「ストレージ設定」を参照してください。
ネットワーク
ネットワーク要件を計画し、ネットワークをサーバー・プールにアタッチします。vDCでは、ネットワーク・リソースはサーバー・プールから継承されます。仮想データ・センターのネットワーク・リソースの設定の詳細は、「ネットワーク設定」を参照してください。
vDCは、次の種類の仮想化技術に基づくサーバー・プールを使用して作成できます。
Oracle VM Server for x86
Oracle Solaris Zones
Oracle VM Server for SPARC
サーバー・プールの作成方法の詳細は、第17章「サーバー・プール」を参照してください。
サーバー・プールに関連付けられたユーザー定義のネットワーク・ドメインに必要なネットワークがすべて割り当てられていることを確認してください。vDCの作成ウィザードには、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで使用可能なサーバー・プールのリストが表示されます。リストには、次の特性に適合するサーバー・プールが含まれています。
サーバー・プール内に仮想化サーバーがあり、サーバー・プールは空ではありません。
サーバー・プールはユーザー定義のネットワーク・ドメインに関連付けられています。
サポートされている仮想化技術のサーバー・プールです。
vServerのルート・ディスクおよびボリュームとして使用する、互換性のあるストレージ・リソースがあります。
vServerメタデータを保存するための、互換性のあるストレージ・リソースがあります。
Oracle Solaris Zonesサーバー・プールの場合は、Oracle Solaris 10や11オペレーティング・システムのプール・メンバーが混在していないことが必要です。
vDCでは、サーバー・プールに割り当てられたストレージ・リソースが継承されます。サーバー・プールの仮想化タイプにより、vDCで使用可能なストレージ・リソースのタイプがすべて定義されます。Oracle VM Server for x86ベースのサーバー・プールでは、次のタイプのストレージ・リソースを使用できます。
Oracle VMストレージ・リポジトリ
静的ブロック・ストレージ・ライブラリから割り当てられたLUN
動的ブロック・ストレージ・ライブラリからのLUN
Oracle VM Server for x86サーバー・プールの場合、Oracle VMストレージ・リポジトリをサーバー・プールに関連付ける必要があります。
Oracle Solaris Zonesサーバー・プールには、次のタイプのストレージ・リソースを使用できます。
NASライブラリ
静的ブロック・ストレージ・ライブラリから割り当てられたLUN
動的ブロック・ストレージ・ライブラリからのLUN
Oracle VM Server for SPARCサーバー・プールには、次のタイプのストレージを使用できます。
NASライブラリ
静的ブロック・ストレージ・ライブラリから割り当てられたLUN
動的ブロック・ストレージ・ライブラリからのLUN
Oracle Solaris ZonesおよびOracle VM Server for SPARCサーバー・プールがブロック・ストレージのライブラリにのみ関連付けられている場合、これらをNASライブラリに関連付ける必要があります。ゲスト・メタデータの詳細を格納するには、NASライブラリが必要です。
ボリューム・ストレージ
vDCを作成する場合、vDCで作成されたすべてのアカウントに使用されるストレージ・リソースを割り当てます。割り当てられたストレージ・リソースは、仮想サーバー(vServer)およびボリュームのルート・ディスクとして使用されます。ボリュームは、vServerにアタッチできる追加ストレージです。ボリュームの場合、ストレージは、サーバー・プールに関連付けられたストレージ・ライブラリから割り当てられます。クラウド・ユーザーは、外部ボリュームをアカウントにインポートすることもできます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerには、仮想データ・センターをセキュア管理できる包括的なネットワーク管理オプションが用意されています。
vDCに追加するには、サーバー・プールをユーザー定義のネットワーク・ドメインに関連付ける必要があります。
ネットワーク・ドメイン実装の理解
ネットワーク・ドメインは、Oracle Enterprise Manager Ops Center内の関連するネットワーキング・コンポーネントの論理グループです。次のタイプのファブリックでネットワークを構築できます。
完全管理対象スイッチドファブリック
Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、スイッチおよびスイッチによってサポートされるファブリックが検出および管理され、VLANまたはインフィニバンド・パーティションを作成できます。完全管理対象ファブリックから作成されたネットワーク・ドメインには、動的プライベート・ネットワークを作成するオプションがあります。
ホスト管理対象ファブリック
VLAN IDを管理対象外イーサネット・ファブリックに設定し、これをホスト管理対象ファブリックにします。Oracle Enterprise Manager Ops Centerではスイッチは管理されませんが、VLAN IDをイーサネット・ファブリックに割り当てることができます。VLAN IDは、このファブリックのホストに接続されたスイッチ・ポートで手動で有効化する必要があります。ホスト管理対象ファブリックを使用して、動的プライベート・ネットワークを作成できます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、動的プライベート・ネットワークを作成するために設定されたVLAN IDが使用されます。
管理対象外ファブリック
Oracle Enterprise Manager Ops Centerでネットワークを作成するためのスイッチが管理されたりVLAN IDが使用可能であることはありません。ネットワークは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerでのアセットの検出時に宣言または検出されます。これらのネットワークから作成されるネットワーク・ドメインには、動的プライベート・ネットワークを作成するオプションはありません。ネットワーク・ドメインの作成時には、管理対象外ファブリックでプライベートとして作成されたネットワークは除外できます。
プライベートとして割り当てられたこれらのネットワークが使用されておらず、選択したネットワークと他のネットワーク間のルーティングが存在しないことを確認する必要があります。これらのプライベート・ネットワークは、静的プライベート・ネットワークとして定義されます。vDCの場合、サーバー・プールに使用可能な静的プライベート・ネットワークがある場合にのみ、管理対象外ファブリックを使用したネットワーク・ドメインが割り当てられます。
動的プライベート・ネットワーク
作成される動的プライベート・ネットワークごとに、IETF RFC1918に指定されている標準に応じてサブネット・アドレスが割り当てられます。ネットワーク・ドメインの作成時には、ネットワークを作成するファブリックを選択するオプション、ファブリックで作成するネットワークの数を制限するオプション、および使用から除外するネットワーク・アドレスを選択できます。
完全管理対象ファブリックで作成するプライベート・ネットワークの数は、物理ファブリックのタイプによって異なります。イーサネット・スイッチ上のポートごとに、128の論理ファブリックをサポートできます。インフィニバンド・スイッチ上の各パーティションは、32000の論理ファブリックをサポートできます。論理ファブリックの数により、作成できるプライベート・ネットワークの数が決定されます。インフィニバンド・ファブリックの場合、Pキーごとに1つプライベート・ネットワークをサポートできます。イーサネット・ファブリックの場合、VLAN IDごとに1つプライベート・ネットワークをサポートできます。
ネットワーク・ドメインを作成する場合、選択したファブリックごとにネットワークの作成制限を設定できます。これにより、1つのアカウント内で作成できるプライベートvNetの数が決定されます。このプライベート・ネットワークの数は、vDC内のすべてのアカウントにわたって分散できます。
ネットワーク・ドメインの計画
ネットワーク設定を実装する場合、クラウド・ユーザーがアカウント内に作成した仮想サーバーに割り当てるために必要なネットワーク・リソースを確保する必要があります。クラウド・ユーザーは、プライベート・ネットワークを作成できる必要があります。ネットワークは、完全管理対象スイッチドファブリック、ホスト管理対象ファブリックまたは管理対象外ファブリックのいずれかで作成する必要があります。
ネットワーク・ドメインを作成し、管理対象ネットワークを割り当て、vDCに追加する必要があるサーバー・プールに関連付けます。vDCでは、サーバー・プールからネットワーク・ドメインが継承されます。ネットワーク・ドメイン内の使用可能なネットワークから、必要なネットワークをサーバー・プールにアタッチします。これらの管理対象ネットワークにより、vDCの外部のパブリック・ネットワークが形成されます。これらのネットワークは、vDCで作成されたアカウントに割り当てることができます。
vDCを使用すると、クラウド・ユーザーは仮想マシンを作成し、アプリケーションを実行できるようになります。クラウド・ユーザーが仮想マシンにネットワーキングを提供するには、アカウントごとに割り当てられているパブリック・ネットワークから行うか、プライベート・ネットワークを作成することによって行います。クラウド・ユーザーは、パブリック・ネットワークを使用するか、アカウントで使用するプライベートvNetを作成できます。クラウド・ユーザーによってプライベートvNetが作成されると、動的プライベート・ネットワークが作成されるか、このアカウントで静的プライベート・ネットワークが使用可能になります。
パブリック・ネットワークおよび静的プライベート・ネットワークにはIPアドレスを割り当てる必要があります。これにより、クラウド・ユーザーは割り当てられたIPアドレスを使用できるようになります。
注意: vDC内のサーバー・プールはすべて同じユーザー定義のネットワーク・ドメインに関連付ける必要があります。 |
クラウド・ユーザーによってプライベートvNetが作成されると、これはvDCのネットワーク・ドメインの下にリストされます。
ファブリックの管理、ネットワーク・ドメインの作成、およびプライベート・ネットワークの詳細は、第7章「ネットワーク」を参照してください。
リソースの使用率を上げるために、vDCに割り当てられたCPUリソースのオーバーサブスクリプションを定義できます。CPUのオーバーサブスクリプションを定義する2つのパラメータを定義します。
物理CPUスレッドに対する仮想CPU (vCPU)の数の比率
たとえば、物理CPUスレッドに対するvCPUが2に設定されている場合、仮想CPUごとに物理CPUスレッドのサイクルの少なくとも50%が受け入れられます。
注意: CPUのオーバーサブスクリプション率が上がるにつれ、パフォーマンスに影響する可能性がありますが、CPUリソースの使用率は向上します。設定可能なCPUのオーバーサブスクリプション率は高くても3:1までです。比率が極端に高い場合、システムが不安定になるリスクが増します。 |
vCPUに割当て可能な物理CPUスレッドのサイクルの最大占有率を定義するCPU上限
たとえば、CPU上限が50に設定されている場合、vCPUでは物理CPUスレッドのサイクルの最大50%を使用できます。
物理CPUスレッドに対するvCPUの比率に適したCPU上限を指定し、合理的なvServerパフォーマンスを実現し、バランスのとれたシステムを構築します。
この機能を使用できるのは、Oracle Solaris ZonesおよびOracle VM Server for x86仮想化技術ベースのvDCに対してのみです。Oracle VM Server for SPARCの場合、vCPUと物理CPUスレッドの関係が1対1であるため、この機能は使用できません。
vDCを作成する前に、サーバー・プール、ネットワークおよびストレージが設定されている必要があります。これらが正しく設定されている場合、vDCに必要なリソースを選択できます。
仮想データ・センターの作成の手順
「Navigation」ペインで「vDC Management」を選択します。
「Actions」ペインで「Create Virtual Datacenter」をクリックします。
Create Virtual Datacenterウィザードが表示されます。
最初のステップでは、vDCの概要、およびvDCの作成に関する前提条件が表示されます。
後でvDCを再度作成する場合、このステップをスキップするように選択できます。「Next」をクリックし、vDCの識別の詳細を指定します。
「Specify Virtual Datacenter Details」で、次の情報を入力します。
vDCの名前および説明を指定します。
Oracle Enterprise Manager Ops CenterでvDCを識別および分類しやすくするためのタグを入力します。
「Next」をクリックし、サーバー・プールを選択します。
リストからサーバー・プールを選択します。
選択したサーバー・プールから互換性のあるサーバー・プールを追加するかどうかを選択します。
vDCに割り当てる、互換性のあるサーバー・プールを選択します。
「Next」をクリックし、ボリューム・ストレージを構成します。
ボリュームに使用するストレージ・リソースを指定します。次のストレージ・リソースをボリュームとして指定できます。
Oracle VM Server for x86ベースのvDC
Oracle VMストレージ・リポジトリ
動的ブロック・ストレージ・ライブラリ
Oracle Solaris ZoneベースのvDC
NASライブラリ
動的と静的の両方が含まれるブロック・ストレージ・ライブラリ
Oracle VM Server for SPARCベースのvDC
NASライブラリ
動的と静的の両方が含まれるブロック・ストレージ・ライブラリ
「Next」をクリックし、vCPUのサイズを指定します。
vCPUのサイズ指定に関する次の値を定義します。
1つの物理CPUスレッドに対するvCPUの数の比率を入力します。この値は、1.0以上である必要があります。10進値もサポートされています。vCPUの合計数は物理CPUスレッドの数より多くてもかまいません。CPUサイクルのタイムシェアリングを介して既存の物理CPUスレッドより多くのvCPUを実行できます。
vCPUに割当て可能な物理CPUスレッドのサイクルの最大占有率であるCPU上限を指定します。
vCPUのサイズ指定画面に次の情報が表示されます。
Total number of vCPUs: 更新された物理CPUスレッドに対するvCPUの比率に関するvDC内のvCPUの合計数。
Avg memory per vCPU: GB単位のvCPU当たりの平均メモリー。これは、vDCに使用可能なメモリーをvCPUの合計数で割った値です。CPUおよびメモリー・リソースを最大限使用するには、このリソース量がvServerによって使用される必要があります。
vServerがゾーン・ベースのvDCで作成されている場合、デフォルトのスケジューラは公平配分スケジューラです。vServerごとの物理CPUの割当ては、公平配分スケジューラによって行われます。
これは、Oracle VM Server for SPARC仮想化技術ベースのvDCの場合は該当しません。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
vDCに割り当てられたリソース合計がサマリーにリストされます。サマリーにリストされる情報は、次のとおりです。
vDC Name: vDCに付けられた名前。
Virtualization type: サーバー・プールの仮想化技術。
Total Physical CPU Threads: vDCに対して選択したサーバー・プール内のすべての仮想化サーバーで使用可能な物理CPUスレッド。
Total memory: 選択したサーバー・プールの管理ドメインに割り当てられたRAMの合計。たとえば、Oracle Solaris ZonesベースのvDCの場合は、サーバー・プール内のグローバル・ゾーンのメモリー合計です。Oracle VM Server for x86ベースのサーバー・プールの場合は、仮想マシンが実行されているOracle VM Serverのメモリー合計です。
Total disk space: 選択したサーバー・プールに関連付けられたストレージ・ライブラリから割り当てられたすべてのディスク領域の合計です。
vCPU to Physical CPU Threads ratio: 物理CPUスレッドに対するvCPUの数。
vCPU cap: vCPUに割当て可能な物理CPUスレッドのサイクルの最大占有率。
vDC構成を確認し、「Finish」をクリックしてvDCを作成します。
vDCを管理するために次のアクションを実行できます。
vDC識別およびタグ。
サーバー・プールを追加で割り当てます。
ボリュームに対するストレージを追加で割り当てます。ボリュームに割り当てられたストレージを削除することはできません。
vCPUのサイズ指定を変更します。
vDCを選択し、「Actions」ペインで「Update Virtual Datacenter」オプションをクリックします。必要な属性を変更し、ウィザードを完了します。
Oracle Enterprise Managerでは、vDC内のリソースがすべて表示され、仮想サーバー、ネットワークおよびストレージの使用率が監視されます。クラウド管理者は、リソースの使用率を適切に把握できるため、過剰利用または過少利用されているリソースを簡単に管理できます。
ダッシュボードには、vDCに対して使用可能なリソースの合計や、各アカウントに割り当てられている量が表示されます。コミットしたリソースは、vDC内のすべてのアカウントに権限が付与されているリソースの合計を示します。
「Network」タブには、vDC内のネットワーク使用状況の詳細が表示されます。ここには、vDCのファブリック・ネットワークとパブリック・ネットワーク、およびクラウド・ユーザーによって作成されたすべてのプライベート・ネットワークがリストされます。どのファブリックでプライベートvNetが作成されたかを確認できます。
「Server Pools」タブには、サーバー・プール・リソースの使用状況が表示されます。ここには、vDC内のサーバー・プールがリストされます。vCPUのリソース合計およびコミット済リソース、メモリーおよびストレージが表示されます。これにより、vDCにリソースを追加する必要があるかどうかを計画しやすくなります。
「Incident」タブには、vDC内のすべてのインフラストラクチャ・コンポーネントからレポートされたすべてのインシデントがリストされます。インシデントごとにインシデントの原因を表示すると、コンポーネントおよび問題の原因を簡単に特定できます。また、インシデントは、vDCリソースが過剰使用された場合に発行される警告にも対応します。
アカウントにより、指定したクラウド・ユーザーに、vDCのコンピューティング、ネットワークおよびストレージ・リソースを使用する権限が付与されます。アカウントには、これらのリソースを管理するために必要な機能が用意されています。
アカウント作成の前提条件は、次のとおりです。
アカウントに割り当てるリソース割当ての見積り
アカウントに割り当てるクラウド・ユーザーの識別
vCPU、メモリーおよびストレージ・リソースの割当ては、アカウントの作成時に定義します。「Resource Quota Information」は、アカウント作成ウィザードに表示され、対応するvDCリソースがサブスクライブされている量を示します。また、ここには、vDCが過剰または過少にサブスクライブされているかどうかも示されます。
1つのアカウントで、最大4096のプライベートvNetを作成できます。1つのアカウントで作成できるプライベートvNetの数の制限を設定できます。
アカウントの作成時に、vDC内で使用可能なパブリック・ネットワークがリストされます。リソースからアカウントに割り当てられるパブリックIPアドレスの数を設定できます。クラウド・ユーザーは、必要に応じて、IPアドレスをvServerに割り当てることができます。
アカウントの作成時に、またはそれとは別に、クラウド・ユーザーをアカウントに割り当てます。クラウド・ユーザーは、特定のアカウントにのみアクセスできます。クラウド管理者は、すべてのアカウントに対するクラウド・ユーザーのアクセスを管理できます。
アカウントの仮想リソースに権限を付与します。vDCからアカウントにリソースを割り当てます。vDC内のすべてのアカウントに対するリソース割当ては、vDC内の実際のリソースより多くなる可能性があります。vDCごとに、リソースのオーバーサブスクリプションを識別および計画する必要があります。アカウントごとに、仮想リソースを適切に構成し、要件が増えた場合はリソース構成を更新する必要があります。アカウントに十分なリソースがない場合、クラウド・ユーザーは、リソースが使用できないためにvServerを作成できないことを示す通知を受け取ります。
クラウド管理者は、リソースの使用状況を確認し、アカウントごとのリソースを正しく構成します。
アカウントの作成の手順
アカウントを作成するvDCを選択します。
「Actions」ペインで「Create Accounts」をクリックします。
Create Accountウィザードが表示されます。
最初のステップでは、アカウントの概要、およびアカウントの作成に関する前提条件が表示されます。
後でアカウントを再度作成する場合、このステップはスキップできます。「Next」をクリックし、アカウントの識別の詳細を指定します。
アカウントの名前および説明を入力します。
アカウントの分類および識別用のタグを追加します。「Next」をクリックします。
アカウントのvCPU、メモリーおよびストレージのリソース割当てを指定します。
vDCから使用可能なリソースがvDCに割り当てられます。リソースを過剰にサブスクライブできます。「Resource Quota Information」には、vDCが過剰または過少にサブスクライブされているかどうかが示されます。これにより、vDCリソースの使用状況の全体を把握できます。
クラウド・ユーザーがアカウント内で作成できるプライベートvNetの数を選択します。
アカウント内で作成できるプライベートvNetの最大数は4096です。
アカウントに割当て可能なパブリック・ネットワークをvDCから選択します。
ネットワークごとに、使用可能なIPアドレスの数が表示されます。アカウントに割り当てるIPアドレスの数を入力します。「Next」をクリックします。
アカウントにアクセスできるクラウド・ユーザーを選択します。アカウントの作成時には1人のクラウド・ユーザーを割り当てる必要があります。その後、「Add Users」オプションを使用してユーザーを追加します。
アカウント情報を確認し、「Finish」をクリックしてアカウントを作成します。
vDC内のアカウント構成を管理するために、次のオプションが用意されています。
アカウント・リソース構成の更新
アカウントへのクラウド・ユーザーの割当て
アカウントの削除
クラウド管理者は、識別情報、およびアカウントに割り当てられたリソースを変更できます。アカウントにさらにリソースを割り当てる場合、アカウントを選択し、「Actions」ペインで「Update Account」をクリックすることにより変更できます。リソースを変更し、ウィザードを完了します。
アカウントに割り当てられたリソースがvServerで使用されていない場合、これらを削除できます。同様に、パブリックIPアドレスがvServerによって使用されていない場合も、その制限を削減できます。
アカウントにクラウド・ユーザーを追加し、アカウントに割り当てられたリソースの使用権限をこれらのユーザーに付与できます。アカウントを作成するとき、または「Add Users」オプションを使用して、クラウド・ユーザーを追加できます。
クラウド・ユーザーの追加の手順
アカウントを選択し、「Actions」ペインで「Add Users」をクリックします。
Add Usersウィザードが表示されます。
使用可能なクラウド・ユーザーのリスト、およびアカウントに割り当てられたクラウド・ユーザーのリストが表示されます。アカウントに割り当てるユーザーを選択し、これらを「Assigned Users」に移動します。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
サマリーを確認し、「Finish」をクリックしてユーザーをアカウントに追加します。
クラウド・ユーザーの削除の手順
Oracle VM Server for SPARC仮想化技術ベースのvDCの場合、クラウド・ユーザーが使用環境でvServerを作成するために使用できるOSプロビジョニング・プロファイルを管理する必要があります。vDC内に配置されたサーバー・プールに関連付けられたNASライブラリには、Oracle Solaris 10 ISOまたはFLARイメージをインポートする必要があります。
Oracle Solaris 11ソフトウェア更新ライブラリをエンタープライズ・コントローラで構成し、Oracle Solaris 11パッケージ・リポジトリと同期します。クラウド・ユーザーは、Oracle Solaris 11 OSに対してすべてのプロファイルを使用できます。
使用環境内で必ずDHCPを構成し、クラウド・ユーザーがOracle Solaris 10 ISOイメージをインストールできることを確認してください。
Oracle Solaris 10 FLARイメージおよびOracle Solaris 11 OSベースのOSプロビジョニング・プロファイルの場合は、WANブートを使用し、DHCP構成は必要ありません。
詳細は、第5章「ソフトウェア・ライブラリ」を参照してください。
vServerタイプは、仮想CPU、メモリーおよびストレージ・サイズなどのコンピューティング・リソースを定義する仮想マシンのプロファイルです。クラウド・ユーザーはこれを使用して、vServerを実装および作成できます。
注意: Oracle VM Server for x86ベースのvDCの場合、vServerタイプで定義されたストレージ・サイズによってvServerストレージが制限されることはありません。かわりに、ストレージ・サイズはvServerのサーバー・テンプレートから定義されます。 |
作成されたvServerタイプは、仮想データ・センター内のすべてのアカウントに対して使用可能です。
クラウド管理者は、ユーザー要件を取得し、様々なvServerタイプを作成します。クラウド・ユーザーは、これを使用してvServerを作成できます。デフォルトでは、コンピューティング・リソースを定義するシステム定義vServerタイプは3つあります。
システム定義vServerタイプ
すべてのvDCを対象として3つのシステム定義vServerタイプがあります。3つのvServerタイプは、次のとおりです。
特大
大
小
vServerタイプの構成は、vDCが作成される仮想化技術によって異なります。
vServerタイプの作成の手順
vServerタイプを作成する場合、VMホスティングの詳細では、定義されたリソースに基づいてウィザードに次の情報が表示されます。
選択したリソースでvServerをホストする上で十分な物理リソースがあるvDC内の仮想サーバーの数
vDCの物理リソースの合計数を使用してホスト可能なvServerの数の見積り
メモリー・サイズの現在の値が選択したストレージ・サイズを超えている場合の警告
vServerタイプの作成の手順は、次のとおりです。
vDCを選択し、「Actions」ペインで「Create vServer Type」をクリックします。
Create vServer Typeウィザードが表示されます。
vServerタイプの名前および説明を入力します。
vServerタイプを識別および分類するためのタグを追加します。「Next」をクリックします。
vServerタイプごとに、vCPU、メモリーおよびストレージ・リソースを指定します。
これらの値を入力すると、「VM Hosting」に次の情報が表示されます。
このタイプのvServerをホストする上で十分な物理リソースがvDC内にある仮想サーバーの数
vDCの物理リソースの合計数を使用してvDCでホスト可能なvServerの数
現在のメモリー・サイズがストレージ・サイズを超えると、警告メッセージが表示されます。既存のvServerタイプは、構成の詳細とともに表示されます。重複してvServerタイプを作成することを回避できます。
リソースの値を指定し、「Next」をクリックします。
表示された情報を確認し、「Finish」をクリックしてvServerタイプを作成します。
vServerタイプの更新
名前および説明
新規タグの変更または追加
リソース構成の変更
「Update vServer Type」オプションを使用して、Update vServer Typeウィザードを起動します。構成を変更し、ウィザードを完了します。
vServerタイプの削除
システム定義vServerタイプを削除することはできません。削除できるのは、ユーザーが作成したvServerタイプのみです。
アカウントに対するアクセス権を持つクラウド・ユーザーには、vDC内で割り当てられたコンピューティング、ネットワークおよびストレージ・リソースをアカウント割当ての制限内で管理および使用する権限が付与されます。
クラウド・ユーザーは、アプリケーション用のvServerのライフサイクルを作成および管理できます。vServerの作成および管理には、仮想リソースの設定、仮想リソース・ワークロードの管理、およびアプリケーション要件の理解が含まれます。
クラウド・ユーザーは、次の仮想リソースを管理できます。
仮想ネットワーク(vNet): vServerのネットワークに接続したり、ネットワーク・アクセスを制限するために使用します。
サーバー・テンプレート: vServerの作成において、オペレーティング・システム、およびそのインストール方法を指定します。
仮想ストレージ: vServerにアタッチできるボリューム、および様々な目的のためにボリュームの現在の状態を取得するスナップショットが含まれます。
vServer: スタンドアロン・オペレーティング・システムの外部向けインタフェースを提供するエンティティ。vServerには、vServerの全存続期間にわたって存在する独自のアイデンティティ、ローカル・ストレージ、インタフェースおよび構成があります。
これらの一部の仮想リソースの可用性および管理方法は、vDCの仮想化技術またはvDCによってサポートされるリソース・タイプによって異なります。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerのクラウド・ユーザーには、ブラウザ・インタフェースまたは次を使用してタスクを実行するためのオプションが用意されています。
API: WebサービスAPIおよびJava APIによって、自動化または統合を目的としてvDCアカウントに割り当てられたリソースをプログラムで管理します。
CLI: 自動化または統合を目的としても使用されるテキスト・ベースのコンソールからvDCアカウントに割り当てられたリソースを管理します。
このガイドの以降の各項では、クラウド・ユーザーがOracle Enterprise Manager Ops CenterでUIを使用して実行できるタスクについて説明します。APIおよびCLIの使用の詳細は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerクラウド・インフラストラクチャAPIおよびCLIリファレンス・ガイドを参照してください。
表18-2は、タスク、およびタスクを完了するために必要なロールを示しています。タスクを完了するために必要なロールまたは権限がない場合は、管理者に連絡してください。各種ロールおよびロールに付与される権限の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』を参照してください。
クラウド・ユーザーは、vDCアカウントに割り当てられたリソースを使用および管理するために様々なアクションを実行できます。この項では、リソースの各タイプに対してクラウド・ユーザーが実行可能なアクションをリストします。また、そのアクションが各種vDCアカウント・タイプに対して使用可能かどうかも示します。
アカウント割当ておよび仮想リソースの表示
vServerの作成および管理
仮想ネットワークの作成および管理
ボリュームの作成および管理
スナップショットの作成および管理
サーバー・テンプレートの作成および管理
vDCとそのアカウントが作成された仮想化技術によっては、クラウド・ユーザー・ビューのオプションの可用性が異なる可能性があります。次の表は、vDCが様々な仮想化技術に基づいている場合にクラウド・ユーザーが使用可能なオプションの詳細なリストです。
アカウント
表18-3 アカウントのオプションの可用性
アクション | Oracle VM Server for x86ベースのvDC | Oracle VM Server for SPARCベースのvDC | Oracle Solaris ZonesベースのvDC |
---|---|---|---|
アカウント割当ておよびリソースの表示 |
はい |
はい |
はい |
アカウントのインシデントの表示 |
はい |
はい |
はい |
アカウントのジョブの表示 |
はい |
はい |
はい |
vServer
表18-4 vServerのオプションの可用性
アクション | Oracle VM Server for x86ベースのvDC | Oracle VM Server for SPARCベースのvDC | Oracle Solaris ZonesベースのvDC |
---|---|---|---|
vServerの作成 |
はい |
はい |
はい |
vServerの停止および起動 |
はい |
はい |
はい |
vServerの一時休止および再開 |
はい |
いいえ |
いいえ |
vServerの更新 |
はい |
はい |
はい |
仮想コンソールの起動 |
はい |
いいえ |
いいえ |
すべてのvServerの停止 |
はい |
はい |
はい |
ボリュームのアタッチおよびデタッチ |
はい |
はい |
はい |
HAの有効化および無効化 |
はい |
いいえ |
いいえ |
vServerの削除 |
はい |
はい |
はい |
ネットワーク
表18-5 ネットワークのオプションの可用性
アクション | Oracle VM Server for x86ベースのvDC | Oracle VM Server for SPARCベースのvDC | Oracle Solaris ZonesベースのvDC |
---|---|---|---|
プライベートvNetの作成 |
はい |
はい |
はい |
プライベートvNetの更新 |
はい |
はい |
はい |
プライベートvNetの削除 |
はい |
はい |
はい |
vIPの割当て |
はい |
はい |
はい |
vIPの割当て解除 |
はい |
はい |
はい |
割り当てられたvIPの表示 |
はい |
はい |
はい |
ボリュームおよびスナップショット
表18-6 ボリュームおよびスナップショットのオプションの可用性
アクション | Oracle VM Server for x86ベースのvDC | Oracle VM Server for SPARCベースのvDC | Oracle Solaris ZonesベースのvDC |
---|---|---|---|
ボリュームの作成 |
はい |
はい |
はい |
スナップショットからのボリュームの作成 |
はい |
いいえ |
いいえ |
ボリュームのインポート |
はい |
いいえ |
いいえ |
ボリュームの更新 |
はい |
はい |
はい |
ボリュームの削除 |
はい |
はい |
はい |
スナップショットの作成 |
はい |
いいえ |
いいえ |
サーバー・テンプレート
表18-7 サーバー・テンプレートのオプションの可用性
アクション | Oracle VM Server for x86ベースのvDC | Oracle VM Server for SPARCベースのvDC | Oracle Solaris ZonesベースのvDC |
---|---|---|---|
サーバー・テンプレートのアップロード |
はい |
いいえ |
いいえ |
サーバー・テンプレートの作成 |
いいえ |
はい |
いいえ |
サーバー・テンプレートの更新 |
はい |
はい |
いいえ |
サーバー・テンプレートの削除 |
はい |
はい |
いいえ |
サーバー・テンプレートの登録および登録解除 |
はい |
はい |
いいえ |
テンプレートとしてのvServerの保存 |
はい |
いいえ |
いいえ |
ディストリビューション・グループ
アカウント割当てにより、アカウント内での新規仮想リソースの作成が制限されます。クラウド・ユーザーは、アカウント割当てについて確認し、仮想リソースのワークロードを管理する必要があります。
アカウントの割当ておよび仮想リソースを表示するには、「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
これにより、クラウド・ユーザーがアクセス可能なアカウントが「vDC Accounts」の下にすべてリストされます。
リストされているアカウントを選択し、中央のペインの「Dashboard」タブに一般アカウント情報および割当てを表示できます。「Dashboard」タブには、選択したアカウントに関する一般情報や、仮想リソースのステータスおよび使用状況のサマリーが表示されます。
中央のペインの他のタブには、仮想リソースの詳細が表示されます。
Networks: vNet割当てが表示されます。アカウントで使用可能な各プライベートvNetおよびパブリック・ネットワークに関する情報がリストおよび表示されます。また、vNetに対して実行可能なアクション用のアクション・バーも表示されます。
Storage: ストレージ割当てが表示されます。アカウントで使用可能な各vServerルート・ディスク、ボリュームおよびスナップショットに関する情報がリストおよび表示されます。また、ストレージ・リソースに対して実行可能なアクション用のアクション・バーも表示されます。
vServers: CPU割当てが表示されます。アカウントで使用可能な各vServerに関する情報がリストおよび表示されます。また、vServerに対して実行可能なアクション用のアクション・バーも表示されます。
Server Templates: アカウントで使用可能な各サーバー・テンプレートに関する情報がリストおよび表示されます。また、サーバー・テンプレートに対して実行可能なアクション用のアクション・バーも表示されます。
vServerは、CPU、ストレージおよびメモリー・リソースを使用するスタンドアロン・オペレーティング・システムの外部向けインタフェースを提供するエンティティです。vServerには、vServerの全存続期間にわたって存在する独自のアイデンティティ、ローカル・ストレージ、インタフェースおよび構成があります。
アカウントの割当て制限およびアプリケーション要件に応じて新規vServerの作成を決定します。
vServerを作成するための前提条件として次のタスクを完了する必要があります。
vServerに必要なメモリー、ストレージおよびvCPUの数の定義
メモリー、ストレージおよびvCPUの数を定義した後、アカウントで使用可能なタイプから最も適切なvServerタイプを選択できます。vServerタイプは、vServerの作成中にクラウド・ユーザーに対して表示されます。vServerタイプが必要な場合は、クラウド管理者に連絡してください。
vServerのオペレーティング・システムおよび構成の定義
vServerのOSおよび構成を定義する必要があります。これに基づいて、正しいサーバー・テンプレートを選択できます。vServerを作成する前に、適切なサーバー・テンプレートが存在している必要があります。アカウントに対して存在しているサーバー・テンプレートから選択することも、新規サーバー・テンプレートを作成することもできます。サーバー・テンプレートを使用または作成するためのアクションは、vDCで使用されている仮想化技術によって異なります。サーバー・テンプレートの詳細は、「サーバー・テンプレートの管理」を参照してください。
接続について、vServerにアタッチする仮想ネットワークの定義
vServerのネットワークの接続性を計画します。vServerは、vServerの作成時にのみ仮想ネットワークに割り当てられます。vServerを作成する前に、使用可能なvNetからvNetを1つ以上選択するか新規vNetを作成する必要があります。vNetの詳細は、「vNet作成」を参照してください。
IPアドレスの割当て方法の定義
vServerに対するIPアドレスの割当て方法は2種類から選択できます。
作成するvServerの数の定義
一度に1つまたは複数のvServerを作成できます。一度に複数のvServerを作成する場合、vServerは同じ構成を使用して作成され、vServerの名前ごとに接尾辞が追加されます。また、vServerの数を定義する場合も、IPアドレスの割当て方法を検討する必要があります。
vServerに対する高可用性サポート・オプションの使用の定義
vServerに対して高可用性サポート・オプションを使用するために選択します。高可用性が有効な場合、vServerは中断することなしに使用可能になります。vServerは、バックエンド・インフラストラクチャに障害が発生しても停止されず、別のサーバーに移行されて起動されます。高可用性が無効な場合、vServerが起動するのは、バックエンド・インフラストラクチャが使用可能になった後でのみです。vDCで高可用性機能を提供するためのサーバー・プールの設定は、クラウド管理者が行います。
vServerのアクセス制御メカニズムの決定
システムにログインするためのアクセス・メカニズムを決定する必要があります。セキュアな方法として使用可能な別のオプションでは、パスワードを使用せずに、公開鍵を使用してvServerへのSSHルート・アクセスを認証します。このオプションはすべてのクラウド・ユーザーに対して使用可能ですが、ローカル・ユーザー・アカウントを作成するオプションや、リモートSSHアクセス用のパスワードを提供するオプションは、使用されているvDCの仮想化技術によっては表示される可能性があります。
vServerのディストリビューション・グループの決定
vServerをディストリビューション・グループに追加する必要があるかどうかを決定できます。この機能は、Oracle VM Server for SPARC仮想化技術およびOracle Exalogicシステム・ベースのvDCに対して使用可能です。ディストリビューション・グループを使用すると、同じOracle VM Serverで2つのvServerが実行されていないことを確認できます。vServerをディストリビューション・グループに割り当てるように選択する場合、vServerを作成する前にディストリビューション・グループが存在している必要があります。ディストリビューション・グループの詳細は、「ディストリビューション・グループ作成」を参照してください。
vServerを作成する前または後で実行可能な他の追加タスクは、次のとおりです。
vServerの追加ストレージの使用の定義
vServerに追加ストレージが必要な場合、vServerにボリュームをアタッチします。vServerの作成時にvServerにボリュームをアタッチできます。この場合、vServerを作成する前にボリュームが存在している必要があります。ボリュームの作成の詳細は、「ボリューム作成」を参照してください。
このオプションはvServerの作成時にスキップできます。また、ボリュームは後でアタッチすることもできます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerには、vServerを作成するための情報およびリソースを収集する一連のステップを紹介するためのウィザードが用意されています。ウィザードを実行する前に計画タスクが完了していることが重要です。
vServerの作成の手順
「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Create vServer」をクリックします。
Create vServerウィザードが表示されます。
「vServer Details」ステップで次の情報を入力します。
vServerの名前および説明。
vServerを識別および分類しやすくするためのタグ。
作成するvServerの数。
デフォルトでは、「High Availability Support」オプションが選択されています。
「Next」をクリックし、サーバー・テンプレートを選択します。
リストからサーバー・テンプレートを選択します。
「Next」をクリックし、vServerタイプを選択します。
リストからvServerタイプを選択し、「Next」をクリックします。
「Available Volumes」リストから1つ以上のボリュームを選択します。矢印キーを使用して、選択したボリュームを「Attached Volumes」リストに移動します。
ボリュームはvServerの作成後にアタッチすることもできるため、このステップはスキップできます。「Next」をクリックし、続行します。
リストから1つ以上のvNetを選択します。
「Next」をクリックし、IPアドレスの割当て方法を選択します。
vNetごとにIPアドレスの割当て方法を選択し、「Next」をクリックします。
静的方法を選択した場合、リストからIPアドレスを選択します。
「Distribution Group Selection」ステップが存在する場合、必要に応じて、リストからディストリビューション・グループを選択します。
このステップはスキップできます。「Next」をクリックし、公開鍵を指定します。
「vServer Access」ステップで、vServerへのリモートSSHアクセスを確立するために使用可能なオプションから1つを選択できます。
vServerへのSSHルート・アクセスを認証するための公開鍵を指定します。次のいずれかのオプションを使用して、公開鍵を登録できます。
「Upload Local Key」オプションを選択し、公開鍵をローカル・ファイルからアップロードし、「Next」をクリックしてサマリーを表示します。
公開鍵を「Public Key」テキスト領域に直接貼り付け、「Next」をクリックしてサマリーを表示します。
vServerへのSSHアクセスを認証するためのログイン資格証明を指定します。この作業が可能なのは、vDCでゾーンまたはOracle OVM for SPARCを仮想化技術として使用しているクラウド・ユーザーのみです。次のオプションの1つまたは両方を使用できます。
リモートSSHルート・アクセス用のパスワードを指定するオプションを選択し、「Next」をクリックします。
「Login Credentials」ステップに進みます。パスワードを入力し、これを確認し、「Next」をクリックしてサマリーを表示します。
リモートSSHアクセス用のローカル・ユーザー・アカウントおよびパスワードを作成するオプションを選択し、「Next」をクリックします。
「Login Credentials」ステップに進みます。ローカル・ユーザーの名前およびパスワードを入力し、「Next」をクリックしてサマリーを表示します。
このステップもスキップできます。「Next」をクリックしてサマリーを表示します。
サマリーに表示されたvServer情報を確認し、「Finish」をクリックしてvServerを作成します。
vServerの作成後、vServer管理用として使用可能なアクションを実行することにより、vServerのライフサイクルを管理できます。
vServerを管理するために使用可能なすべてのアクションの検索の手順:
「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
中央のペインで「vServer」タブを選択します。
「vServers」リストからvServerを選択し、表示されたアクションの1つを選択できます。
クラウド・ユーザーは、vServerのライフサイクルを管理するために次のアクションを実行できます。一部のアクションの可用性は、クラウド・インフラストラクチャによって異なります。各種クラウド・インフラストラクチャで使用可能なアクションの詳細は、「クラウド・ユーザーの使用可能なアクション」を参照してください。
vServerの更新: vServerの現在の名前または説明を変更します。また、このアクションを使用してvServerタグを作成または削除することもできます。
vServerの停止: 実行中のvServerを停止します。vServerが停止すると、ゲストのオペレーティング・システムが停止します。停止したvServerは後で起動できます。
vServerの起動: 停止しているvServerを起動します。再起動したvServerは元のvServerとIPアドレスが異なる可能性があります。
vServerの一時休止: 実行中のvServerを一時停止します。
vServerの再開: 一時停止しているvServerを起動します。
すべてのvServerの停止: アカウントに対してリストされているすべてのvServerを停止します。このアクションは、「Actions」ペインでのみ使用可能です。
vServerボリュームのアタッチ: 1つ以上の新規ボリュームをvServerに接続します。ボリュームをアタッチするためにvServerを停止しないでください。ゾーン・ベースのvDCsのvServerは停止が必要な場合があります。
vServerボリュームの接続解除: 1つ以上の新規ボリュームをvServerからデタッチします。ボリュームをデタッチするためにvServerを停止しないでください。ゾーンベースのvDCsのvServerは停止が必要な場合があります。
HAの有効化: vServerの高可用性を有効化します。これにより、現在のOracle VM Serverに障害が発生したときにvServerが別のOracle VM Serverに移行して再起動されるようになります。
HAの無効化: vServerの高可用性を無効化します。Oracle VM Serverに障害が発生した場合、vServerは停止され、Oracle VM Serverが使用可能になると再起動されます。
vServerをテンプレートとして保存: vServerをサーバー・テンプレートとして保存し、新規vServerを作成するために使用します。
vServerの削除: vServerをvDCアカウントから削除します。vServerを削除する場合、vServerは停止された後に削除されます。
vServerは、ネットワークの接続性を制限するために1つ以上のvNetにバインドされます。クラウド・ユーザーが使用可能なvNetには様々なタイプがあります。
パブリック・ネットワーク: クラウド管理者によって作成されます。クラウド・ユーザーは、このタイプのvNetを作成、更新または削除することはできません。クラウド管理者は、このタイプのvNetをvDC内の複数のアカウント間で共有することもできます。パブリックvNetのメンバーであるvServerは、vDC以外の外部通信を行うこともできます。また、vServerを使用してパブリック・サービスをホストすることもできます。
プライベートvNet: クラウド・ユーザーによってその要件に応じてアカウント割当ての制限内で作成されます。プライベートvNetは、vDCのネットワーク・ドメインのプライベート・ネットワークに基づいて作成されます。プライベートvNetは、1つのアカウント内でのみアクセスできます。プライベートvNetに対する共通のメンバーシップを持つすべてのvServerがサブネットを介して自由に通信できます。
vServerにどのvNetを関連付けるかはクラウド・ユーザーによって定義されます。vServerの作成時には、1つ以上のvNetに対して1つのvServerのメンバーシップを指定できます。vNetがvServerに関連付けられると、この関連付けはvServerが削除されるまで永続化されます。
クラウド・ユーザーは、vServerに割り当てられていない予約済IPアドレスを解放できます。割り当てられたIPアドレスが解放されるのは、vServerが削除されるときのみです。
開始する前に
クラウド・ユーザーは、プライベートvNetを作成できます。プライベートvNetを作成するには、次を行う必要があります。
vServerの接続性の計画
プライベートvNetの一部として設定できるvServerの数の定義
プライベートvNetは、アカウントごとに排他的に設定されたプライベート仮想ネットワークです。このvNetに関連付けられたvServerには、内部通信用の仮想IPアドレスがあります。
プライベートvNetの作成の手順
「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Create Private vNet」をクリックします。
Create Private vNetウィザードが表示されます。
「Private vNet Details」ステップで次の情報を入力します。
プライベートvNetの名前および説明
プライベートvNetを識別および分類しやすくするためのタグ
「Next」をクリックし、プライベートvNetを構成します。
プライベートvNetの要素の数を選択します。
これは、このvNetの一部として設定できるvServerの最大数です。スライド・バーを使用して値を設定します。入力した値は、1、5、13、29、61、125、253、509、1021、2045、4093および8189の値に丸められます。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
プライベートvNet情報を確認し、「Finish」をクリックしてプライベートvNetを作成します。
仮想ネットワーク管理には、vServerに接続したりvServerへのネットワーク・アクセスを制約するために必要なアクションが含まれます。vNetの作成後、クラウド・ユーザーは、仮想ネットワークを管理するための次のアクションを実行できます。
vIPの割当て: プライベートまたはパブリックvNetからIPアドレスを1つ以上割り当てます。IPアドレスは、vServerに割り当てられていないか以前に割り当てられていなかった使用可能なIPアドレスから動的に割り当てられます。割当て済vIPアドレスは、vServerに対する静的割当てに使用できます。
割当て済IPアドレスの表示: プライベートまたはパブリックvNetから割り当てられたIPアドレスの全リストを表示します。このリストには、vServerに割り当てられていない割当て済IPアドレスがすべて含まれます。
vIPの割当て解除: プライベートまたはパブリックvNetから以前に割り当てられていたIPアドレスを解放します。vServerに割り当てられたIPアドレスはリストされず、これらの割当てを解除することはできません。IPアドレスの割当てが解除されると、IPアドレスはそのアカウントに対して使用可能になります。
プライベートvNetの更新: プライベートvNetの名前または説明を変更します。また、このアクションを使用してvNetタグを作成または削除することもできます。
プライベートvNetの削除: プライベートvNetを削除します。vServerに関連付けられたvNetを削除することはできません。
サーバー・テンプレートでは、vServerの作成において、オペレーティング・システム、およびそのインストール方法を指定します。サーバー・テンプレートは、サーバー・プールのプロセッサ・アーキテクチャおよび仮想化タイプに固有のものであり、事前に作成されたイメージでもかまいません。また、サーバー・テンプレートは、OSのディストリビューションを識別します。
サーバー・テンプレートは、vDCに関連付けられたストレージ・ライブラリにロードされ、後で変更することはできません。デフォルトでは、サーバー・テンプレートは特定のアカウントにバインドされています。
vServerを作成する前に、適切なサーバー・テンプレートが存在している必要があります。vDCアカウントの仮想化タイプに応じて、クラウド・ユーザーは次のオプションを使用できます。
vServerを作成するには、システムによって提供されるデフォルトのサーバー・テンプレートを使用します。これは、ゾーン・ベースのクラウド・インフラストラクチャの場合にのみ可能です。
vServerを作成するために使用する新規サーバー・テンプレートをアップロードします。これは、Oracle VM Server for x86ベースのクラウド・インフラストラクチャの場合にのみ使用可能です。
vServerをインストールするために新規サーバー・テンプレートを作成します。これは、Oracle VM Server for SPARCベースのクラウド・インフラストラクチャの場合にのみ使用可能です。
vServerを作成するために使用する既存のvServerからのサーバー・テンプレートを保存します。「vServer管理」を参照してください。
サーバー・テンプレートをアップロードする場合、2つの異なるサーバー・テンプレートのサブタイプから選択できます。
テンプレート: 仮想テンプレートにデプロイする準備が整った単一の仮想マシン・テンプレート。テンプレートのフォーマットには、.tgz
、.tar
または他のファイル・タイプがあります。
アセンブリ: 相互に関連付けられたソフトウェア・アプライアンスの集合で、複数の仮想マシンとそれらの仮想ディスクおよび相互接続性を組み合せた構成を含めることができます。アセンブリは、単一の.ova
(Open Virtualization Format Archive)ファイルに含まれます。アセンブリのアップロード時には、スナップショットを作成することもできます。
ローカル・ホスト・マシンに格納されているサーバー・テンプレートを選択することも、アクセス権を持つ他の場所からサーバー・テンプレートを選択することもできます。他の場所からサーバー・テンプレートをアップロードするには、FTP、HTTPまたはHTTPSプロトコルを使用します。
サーバー・テンプレートをアップロードする前に、次の作業を行う必要があります。
適切なサーバー・テンプレートのサブタイプを決定します。
サーバー・テンプレートのファイルのフォーマットが正しいことを確認します。
他の場所にあるファイルからサーバー・テンプレートをアップロードする場合、ファイルにアクセス可能かどうかを確認します。
サーバー・テンプレートのアップロードの手順
「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Upload Server Template」をクリックします。
Upload Server Templateウィザードが表示されます。
「Identify Server Template」ステップで次の情報を入力します。
サーバー・テンプレートの名前および説明。
サーバー・テンプレートを識別および分類しやすくするためのタグ。
「Next」をクリックし、サーバー・テンプレートの詳細を指定します。
サーバー・テンプレートのサブタイプを選択します。
サーバー・テンプレート・ファイルをアップロードするオプションを選択します。
URLオプションを選択する場合は、完全なURLを入力します。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
サーバー・テンプレートを確認し、「Finish」をクリックしてサーバー・テンプレートを作成します。
サーバー・テンプレートを作成するオプションが使用可能なのは、vDCがOracle VM Server for SPARC仮想化技術で構築されている場合のみです。サーバー・テンプレートは、既存のOSプロビジョニング・プロファイルから作成できます。プロファイルのリストがフィルタ処理され、vDCで使用可能なディストリビューションのみが表示されます。必要なプロファイルがない場合は、vServerをインストールするために必要なOSプロビジョニング・プロファイルについてクラウド管理者に連絡してください。選択したISOイメージに対して作成されたOSプロファイルが、サーバー・テンプレートの作成用として使用可能になります。
サーバー・テンプレートの作成の手順
「vDC Management」セクションでアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Create Server Template」をクリックします。
Create Server Templateウィザードが表示されます。
概要をスキップし、「Next」をクリックします。
サーバー・テンプレートの名前および説明を入力します。
必要に応じて、識別および分類しやすくするためのタグを入力します。
「Next」をクリックします。
Oracle Solaris OSをプロビジョニングするプロファイルを選択します。
vServerに対してOracle Solaris 10またはOracle Solaris 11 OSをインストールできます。「Next」をクリックします。
情報を確認し、「Finish」をクリックしてサーバー・テンプレートを作成します。
新規テンプレートが作成され、vServerの作成に使用できるようになります。
サーバー・テンプレートを管理するために次のアクションを実行できます。
サーバー・テンプレートの更新: サーバー・テンプレートの名前または説明を変更します。また、このアクションを使用してサーバー・テンプレートのタグを作成または削除することもできます。
サーバー・テンプレートの登録: サーバー・テンプレートをパブリックに使用するために登録します。サーバー・テンプレートを登録すると、vDC内の他のアカウントでサーバー・テンプレートを使用できるようになります。
サーバー・テンプレートの登録解除: パブリックに使用するためにアクセス可能なサーバー・テンプレートを登録解除します。サーバー・テンプレートを登録が解除されると、サーバー・テンプレートはサーバー・テンプレートの作成元のvDCアカウントに対してのみ使用可能になります。
サーバー・テンプレートの削除: 登録または登録解除されたサーバー・テンプレートを削除します。サーバー・テンプレートを削除しても、サーバー・テンプレートに基づいて作成されたvServerには影響しません。
vDCがゾーンの仮想化技術に基づいて構築されている場合、これらのオプションは無効です。
ボリュームは、vServerへのアタッチまたはvServerからのデタッチが可能な仮想ブロック・ストレージ・デバイスです。ボリュームは、アカウントにバインドされます。ボリュームのストレージ領域は、アカウントの割当てによって制限されます。
vServerの作成時または後で、1つ以上のボリュームをvServerにアタッチできます。
ボリュームを作成するために、次の作業を行うことができます。
サイズのみを指定して空の新規ボリュームを作成します。
スナップショットからボリュームを作成します。スナップショットから作成するボリュームは空であっても空でなくてもかまいません。ボリュームのサイズはスナップショットによって定義されます。このアクションの可用性は、vDCアカウントの仮想化タイプによって異なります。一部のクラウド・ユーザーの場合、このアクションが無効化されている可能性があります。
別の場所からボリュームをインポートします。ボリュームは、.img
フォーマットのファイルに含まれる必要があります。ボリューム・ファイルは、エンタープライズ・コントローラによってHTTP、HTTPSまたはFTPプロトコルを使用してアクセス可能である必要があります。このアクションが使用可能なのは、vDCがOracle VM Server for x86ベースの仮想化技術で構築されている場合のみです。
ボリュームは、ボリューム作成時に共有できます。ボリュームが共有されると、このアカウントのすべてのクラウド・ユーザーがボリュームを使用できるようになります。
開始する前に
ボリュームを作成する前に、クラウド・ユーザーは次の作業を行う必要があります。
アカウントに使用可能なストレージ領域およびそれに応じた計画を確認します。
ボリュームを作成するために適したオプションを決定します。
ボリュームをインポートする場合、アクセス可能性およびフォーマットを確認します。
ボリュームを共有する必要があるかどうかを定義します。
ボリュームは作成またはインポートできます。この項では、ボリュームを作成またはインポートする手順について説明します。
空のボリュームの作成の手順
「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Create Volume」をクリックします。
Create Volumeウィザードが表示されます。
「Volume Details」ステップで次の情報を入力します。
ボリュームの名前および説明。
ボリュームを識別および分類しやすくするためのタグ。
「Next」をクリックし、ボリュームを構成します。
必要に応じて、「Shared」オプションを選択します。
ボリュームのサイズを入力します。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
ボリューム情報を確認し、「Finish」をクリックしてボリュームを作成します。
スナップショットからのボリュームの作成の手順
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
中央のペインで「Storage」タブを選択します。
中央のペインで「Snapshot」サブタブを選択します。
「Snapshots」リストでスナップショットを選択します。
「Snapshot」アクションから「Create Volume」をクリックします。
Create Volume From Snapshotウィザードが表示されます。
「Volume Details」ステップで次の情報を入力します。
ボリュームの名前および説明。
ボリュームを識別および分類しやすくするためのタグ。
必要に応じて、「Shared」オプションを選択します。
「Create」をクリックし、ボリュームを作成します。
ボリュームのインポートの手順
スナップショットは、特定の時点におけるボリュームのイメージです。スナップショットには、ボリュームの現在の状態が取得され、スナップショットは不変です。スナップショットは、次の目的で作成できます。
ボリュームに格納されているデータのバックアップ
スナップショットに基づく新規ボリュームの作成
スナップショットを使用および管理できるのは、vDCのストレージによってサポートされている場合のみです。確認については、クラウド管理者に連絡してください。
スナップショットは次の中から作成できます。
既存のボリューム。
アセンブリのアップロード。「サーバー・テンプレートの管理」を参照してください。
アセンブリのテンプレートには、公開されている4つのタイプのディスクがあります。これらのうち3つがスナップショットとしてクラウド・ユーザーに表示され、クラウド・ユーザーは必要に応じて、これらを使用してスナップショットから共有ボリュームを作成できます。スナップショットとして作成されるディスクのタイプは、次のとおりです。
スナップショットからボリュームを作成し、これらのボリュームをvServerにアタッチできます。
開始する前に
ボリュームを作成する前に、次の作業を行う必要があります。
アカウントに使用可能なストレージ領域およびそれに応じた計画を確認します。
スナップショットを作成するために適したオプション(ボリュームから、またはアセンブリから)を決定します。
ボリュームからのスナップショットの作成の手順
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Create Snapshot」をクリックします。
Create Snapshotウィザードが表示されます。
「Snapshot Details」ステップで次の情報を入力します。
スナップショットの名前および説明。
スナップショットを識別および分類しやすくするためのタグ。
「Next」をクリックし、ボリュームを選択します。
リストからボリュームを選択します。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
スナップショット情報を確認し、「Finish」をクリックします。
スナップショットの更新: スナップショットの名前または説明を変更します。また、このアクションを使用してスナップショット・タグを作成または削除することもできます。
スナップショットからのボリュームの作成: スナップショットに基づいてボリュームを作成するには、「ボリューム作成」を参照してください。
スナップショットの削除: スナップショットをvDCアカウントから削除します。スナップショットを削除しても、ボリュームには影響しません。スナップショットはボリュームとは関係なく存在します。
ディストリビューション・グループは、アンチアフィニティ・スケーリングに類似するプロパティに必要です。ディストリビューション・グループは、Oracle VM Server for SPARC仮想化技術およびOracle Exalogicシステム・ベースのvDCに対して使用可能です。一部のクラウド・ユーザーの場合、ディストリビューション・グループを作成するアクションが無効化されている可能性があります。
ディストリビューション・グループは、特定のアカウントにバインドされます。ディストリビューション・グループにvServerを割り当てることができるのは、vServerの作成時のみです。ディストリビューション・グループ内で作成されたすべてのvServerは、アカウントで使用されるサーバー・プールの個別サーバーに配置されます。スペア・サーバーがない場合、vServerの作成タスクは失敗します。
ディストリビューション・グループのサイズにより、ディストリビューション・グループに関連付けることができるvServerの最大数が定義されます。ディストリビューション・グループのサイズは、vDCのサーバー・プール内で使用可能なOracle VM Serverの実際の数によって制限されます。
開始する前に
ディストリビューション・グループを作成する前に、次の作業を行う必要があります。
ディストリビューション・グループの作成に関するサイズ制限を確認します。確認については、クラウド管理者に連絡してください。
ディストリビューション・グループの作成およびvServerのディストリビューションについて計画します。
ディストリビューション・グループの作成の手順
「Navigation」ペインで「vDC Management」を展開します。
「vDC Accounts」リストからアカウントを選択します。
「Actions」ペインで「Create Distribution Group」をクリックします。
Create Distribution Groupウィザードが表示されます。
「Distribution Group Details」ステップで次の情報を入力します。
ディストリビューション・グループの名前および説明。
ディストリビューション・グループを識別および分類しやすくするためのタグ。
「Next」をクリックし、ディストリビューション・グループを構成します。
ディストリビューション・グループのサイズを定義します。
「Next」をクリックし、サマリーを表示します。
ディストリビューション・グループ情報を確認し、「Finish」をクリックします。
ディストリビューション・グループを管理するために次のアクションを実行できます。
ディストリビューション・グループの更新: ディストリビューション・グループの名前または説明を変更します。また、このアクションを使用してディストリビューション・グループ・タグを作成または削除することもできます。
ディストリビューション・グループを削除します。
ディストリビューション・グループ・ルールに違反すると、アラートが生成され、アカウントおよびvDCレベルのインシデント・レポートに表示されます。ディストリビューション・グループ・ルールに違反したvServerは再起動する必要があります。vServerを再起動すると、vServerを配置するためにアカウント・リソースおよびディストリビューション・グループ・ルールが確認されます。
アクションの実行の手順、またはこの機能のロールの詳細は、次のいずれかのリソースを参照してください。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerクラウド・インフラストラクチャAPIおよびCLIリファレンス・ガイド
『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』