Oracle® Fusion Middleware Oracle Directory Server Enterprise Editionトラブルシューティング・ガイド 11g リリース 1 (11.1.1.7.0) B72443-01 |
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この章では、Directory Server Enterprise Editionの問題のトラブルシューティングに取り組む方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。
問題のトラブルシューティングを開始する前に、最初に問題の範囲を定義する必要があります。範囲を定義する際は、機能しているものと機能していないものを識別する必要があります。期待どおりに機能している別のマシンを確認することが役立つ場合があります。問題が発生しているサーバーを適切に機能しているサーバーと比較することで、トラブルシューティングが単純化され、より早く解決策に達することができます。
たとえば、職場でメールをチェックしているときに、急に新しいメールの読み書きができなくなったとします。問題をすぐに解決できない場合は、同僚のところに行って、同じ問題が発生しているかどうかを確認できます。同僚にも同じ問題が発生していれば、不安が解消され、その問題がネットワークに関するより大きな問題であると判断できます。同僚には問題がなく、メールが期待どおりに機能している場合は、同僚のプロキシ設定を見て、自分のプロキシが同じ設定になっているかどうかを確認できます。
機能しているものと機能していないものについて、次のことを確認すると、問題の範囲を定義するのに役立ちます。
問題が発生しているサーバーはどれか。
問題が発生していないサーバーはどれか。
どのような種類の操作で問題が発生しているか。
どのような種類の操作で問題が発生していないか。
障害が発生しているサーバーでは、どのプラグインまたはコンポーネントで問題が発生しているか。たとえば、レプリケートされた更新、ローカル更新、UID一意性、ACI、ロール、CoS、パスワード・ポリシー、または上記のすべて。
障害が発生しているサーバーでは、どのプラグインまたはコンポーネントで問題が発生していないか。
問題は永続的か、一時的か。
問題が永続的または一時的だった場合に、そうでないのはどこか。
問題はその後も大きくなっているか、減少しているかまたは安定しているか。
問題が大きくなっている場合に、そうでないのはどこか。
問題がある各サーバーで、問題が初めて観察された日付と時刻を確認します。この日付の直前にシステムに加えられた、構成、アップグレード、インストールなどの変更を特定します。
発生している問題の種類に関係なく、収集し、必要に応じてSunのサポートに提供しなければならない最小限のデータのセットがあります。問題がトポロジ全体で発生している場合は、トポロジ内のDirectory ServerまたはDirectory Proxy Serverのすべてのインスタンスについて、この汎用データを提供する必要があります。
収集するDirectory Serverの汎用データには、次のものを含める必要があります。
Directory Serverのバージョン情報を収集します。
# install-path/bin/dsadm --version
問題が発生し始めてからのDirectory Serverのアクセス・ログとエラー・ログを収集します。デフォルトでは、これらのログは次の場所にあります。
instance-dir/logs/access instance-dir/logs/errors
関係のあるコンピュータに関して、そのIPアドレス、オペレーティング・システムのバージョン、ディスク・パーティション、スワップ領域、インストール済のパッチ、ハード・ディスク領域、使用されたファイル・システムなどの情報を提供します。
Directory Serverの構成ファイルinstance-dir
/config/dse.ldif
を収集します。
汎用データの収集の詳細は、『Sun Gathering Debug Data for Sun Java System Directory Server 5』のDirectory Serverの問題に関して必要なデバッグ・データの収集に関する説明を参照してください。
汎用データには、Directory Serverについて収集された汎用データと、次のDirectory Proxy Server情報が含まれます。
Directory Proxy Serverのバージョン情報を収集します。
# install-path/bin/dpadm --version
問題が発生し始めてからのDirectory Proxy Serverのアクセス・ログとエラー・ログを収集します。デフォルトでは、これらのログは次の場所にあります。
instance-dir/logs/
dpconf info
コマンドを使用して、Directory Proxy Serverの構成ファイルを収集します。
トラブルシューティングの目的で一般的な情報を収集するために使用できるいくつかのツールがあります。この項では、次のトラブルシューティング・ツールに関する情報について説明します。
idsktune
コマンドの使用方法idsktune
コマンドは、システム・パラメータおよびチューニング推奨に関する情報を提供します。このコマンドの出力を使用して、スレッド・ライブラリの問題または不足しているパッチを検出できます。idsktune
コマンドの詳細は、「idsktune」を参照してください。
次のように、idsktune
コマンドを実行します。
./idsktune
注意:
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pkgapp
スクリプトの使用方法このスクリプトは、http://www.sun.com/bigadmin/scripts/indexSjs.html
からダウンロードできます。このスクリプトは、実行中プロセスの適切なバージョンのバイナリを取得するか、またはコアから取得し、32ビットおよび64ビットのライブラリで動作します。
Solarisのpkgapp
スクリプトは、実行可能ファイルおよびそのすべての共有ライブラリを1つの圧縮されたtarファイルにパッケージ化します。アプリケーションのプロセスID、および(必要な場合は)開くコア・ファイルの名前を指定します。
ファイルは、ディレクトリパスが取り除かれ、ファイル名のみが維持されて、/app
という相対ディレクトリに格納されるため、1つのディレクトリ内に解凍されます。Solaris 9およびSolaris 10では、pkgapp
スクリプトによって出力されるファイルのリストは、プロセス・イメージではなくコア・ファイル(指定されている場合)から導出されます。さらに、パスの解決に役立つように、実行中のアプリケーションのプロセスIDを指定する必要があります。
superuser
として、pkgapp
スクリプトを次のように実行します。
# pkgapp server-pid core-file
注意: コア・ファイルを指定せずに、 |
dirtracer
スクリプトの使用方法dirtracer
ツールは、実行中、ハングアップまたは停止したDirectory Serverのプロセスに関する情報のデバッグ情報を収集するシェル・スクリプトです。この情報は、Sunのサポートが問題の診断に使用できます。これらのスクリプトは、オペレーティング・システム構成、Directory Server構成および実行時データ要素の他に、ログ・ファイル、データベース、コア、gcoresおよびpstack
出力に関する情報を収集します。収集される情報の種類は、発生している問題の種類によって異なります。
dirtracer
スクリプトは、BigAdmin (http://www.sun.com/bigadmin/scripts/indexSjs.html
)から入手できます。
superuser
として、次のようにdirtracer
スクリプトを実行します。
#./ dirtracer -f ./dirtracer.config
dirtracer.config
ファイルには、dirtracer
スクリプトが出力を生成するために使用する構成パラメータが含まれます。dirtracer
スクリプトには、コンフィギュレータと呼ばれるこの構成ファイルを生成するためのツールが付属しています。この対話モードのシェル・スクリプトは、発生している問題の種類に対応する構成ファイルを自動的に作成します。コンフィギュレータは、ログ収集やコア収集のパラメータ、およびその他の多数のパラメータを設定します。