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Oracle® Fail Safeインストレーション・ガイド
リリース4.1 for Microsoft Windows
B72448-01
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1 概要およびインストール前のチェックリスト

このマニュアルでは、Oracle Fail Safeのインストールについて順を追って説明します。Oracle Fail Safeのインストールでは、Oracle Fail Safe Manager、Oracle Fail Safe ServerおよびOracle Fail Safeドキュメントをインストールするためのオプションが用意されています。通常、3つのすべてのコンポーネントをインストールしますが、要件に応じてインストールをカスタマイズできます。たとえば、すべてのクラスタを管理するために使用する単一のデスクトップ・システムがある場合、そのシステムにOracle Fail Safe ManagerおよびOracle Fail Safeドキュメントをインストールできます。

Oracle Fail Safe Managerは、Microsoft Windowsフェイルオーバー・クラスタで可用性が高まるようにOracleシングルインスタンス・データベース、Oracle Management Agent、汎用サービスなどを構成および管理するグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。Oracle Fail Safeは、メインのサーバー・コンポーネントです。

Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してインストールを実行します。複数のシステム上に同じインストールを実行する場合には、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行し、バッチ・ファイルまたはスクリプトでインストール・プロセスを自動化できます。サイレント・インストールは、付録Bに説明されています。

この章では、次の項目について説明します。

1.1 クラスタのセットアップ前提条件

Oracle Fail Safeのインストール前に次の構成作業を実行する必要があります。

1.2 ソフトウェアの互換性

各種オペレーティング・システムの現行ソフトウェアの互換性については、『Oracle Fail Safeリリース・ノートfor Microsoft Windows』を参照してください。

1.3 ディスク領域要件

次の表にインストール・タイプごとのディスク領域の要件を示します。

インストール・タイプ ディスク領域(MB)
標準インストール 188
クライアントのみインストール 177

1.4 インストールおよび構成

Oracle Fail Safe Managerには、Microsoft .NET 3.5 Service Pack 1が必要です。.NET 3.5 Service Pack 1がWindows Server 2008 R2以降にインストールされていない場合、次の説明に従って「Server Manager」インタフェースまたはPowerShellを使用して追加してください。

「Server Manager」インタフェースの使用

  1. 「Server Manager」インタフェースで、「Add Features」を選択して、利用可能な機能のリストを表示します。

  2. 「Select Features」インタフェースで、「.NET Framework 3.5.1 Features」を拡張します。

  3. 「.NET Framework 3.5.1 Features」を拡張した後、2つのチェック・ボックスが表示されます。1つは.NET Framework 3.5.1に使用し、もう1つはWCFアクティブ化に使用します。「.NET Framework 3.5.1」の隣にあるボックスを選択して、「Next」をクリックします。


    注意:

    「.NET Framework 3.5.1 Features」を拡張しないで選択すると、Add Featuresウィザードというポップアップが表示されます。

    「Cancel」をクリックして「.NET Framework 3.5.1 Features」を拡張し、その下の「.NET Framework 3.5.1」チェック・ボックスを選択します。

    必要なロール・サービスおよび機能もインストールされていない場合、.NET Framework 3.5.1機能はインストールできません。


  4. 「Confirm Installation Selections」インタフェースで、選択内容を確認して、「Install」をクリックします。

  5. インストール・プロセスの完了したら、「Close」をクリックします。

Windows PowerShellの使用

  1. 「スタート」メニューから「すべてのプログラム」を選択し、「アクセサリ」を選択します。

  2. 拡張して「Windows PowerShell」を右クリックして、「管理者として実行」を選択します。「ユーザー アカウント制御」ボックスで「はい」をクリックします。

  3. PowerShellコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力して、各コマンドの後に[Enter]を押します。

    • Import-Module ServerManager

    • Add-WindowsFeature as-net-framework

1.5 ソフトウェアの推奨インストール順序

このマニュアルではOracle Fail Safeのインストールを詳細に説明していますが、Oracle Fail Safe環境を実装するためには、他の製品のインストールも必要です。図1-1に、2ノード・クラスタへのソフトウェアの推奨インストール順序を示します。


注意:

図1-1の手順番号は、後述するリストの手順番号と一致していません。リストでは、図よりも詳細な情報を説明しているためです。

図1-1 2ノード・クラスタへのソフトウェアの推奨インストール順序

図1-1の説明が続きます
「図1-1 2ノード・クラスタへのソフトウェアの推奨インストール順序」の説明

次のリストに、インストールの順序と、Oracle Fail Safeの起動に役立つ他の作業の詳細を示します。

  1. 各クラスタ・ノードで、Microsoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ機能を追加および構成します。

    Oracle Fail Safeと一緒に使用できるMicrosoft Windowsのバージョンについては、『Oracle Fail Safeリリース・ノートfor Microsoft Windows』を参照してください。

  2. クラスタ・ノードごとに、Oracle Fail Safeとの併用を計画するオプションのOracleソフトウェア(Oracle Databaseと他のアプリケーション)をインストールします。共有クラスタ・ディスク上にすべてのアプリケーションとデータベース・データ、コントロールおよびログ・ファイルを配置し、それらがフェイルオーバーできるようにします。Oracle Fail Safeを起動した後にOracle製品を追加する場合、新しいインストールを識別できるように、Oracle Fail Safeを再起動する必要があります。クラスタの各ノードのクラスタ・サービス・アクションを再起動して、これを実行できます。クラスタ・サービスを再起動すると、ノードのすべてのクラスタ・グループが強制的に別のノードにフェイルオーバーするので注意してください。

    Oracle Databaseソフトウェアをインストールする場合、Oracle Fail Safeをインストールする前でも後でもデータベースを作成できます。非クラスタ環境の場合と同様に、データベース・リスナーも含めてデータベースを作成します。ただし、データベースはクラスタ・ディスク上に作成する必要があります。

  3. 各クラスタ・ノードに、Oracle Fail Safeのサーバー・コンポーネントをインストールします。

    Oracle Fail Safeのインストールの詳細は、第2章を参照してください。

  4. (他の管理コンソールを設定する場合などに)オプションで、Oracle Fail Safe Managerを1台以上のクライアント・システムにインストールします。

図1-2は、プライベート・ディスクおよび非共有クラスタ・ディスク上にインストールする必要のあるソフトウェアおよびファイルを示しています。

図1-2 非共有プライベート・クラスタ・ディスクにインストールされているソフトウェア

図1-2の説明が続きます
「図1-2 非共有プライベート・クラスタ・ディスクにインストールされているソフトウェア」の説明

1.6 既存クラスタへのノードの追加

既存のクラスタにノードを追加する場合は、次の作業を実行します。

  1. Microsoftの手順に従ってノードをクラスタに追加します。

  2. 新しいノードに、Oracle Fail Safeとの併用を計画するオプションのOracleソフトウェア(Oracle Databaseと他のアプリケーション)をインストールします。プライベート・ディスク(たとえば、各ノードのシステム・ディスク)に配置されている実行可能アプリケーション・ファイルをインストールします。

  3. 新しいノードに、Oracle Fail Safeのサーバー・コンポーネントをインストールします。同時にOracle Fail Safe Managerをインストールできます。

1.7 サンプル・データベースの追加

Oracle Fail Safeには、ユーザーが指定したクラスタ・ディスクに事前構成済のサンプル・データベースをインストールする「サンプル・データベースの作成」コマンドがあります。サンプル・データベースの機能は限定されており、テスト目的にかぎり、オンラインの『Oracle Fail Safeチュートリアルfor Microsoft Windows』で使用することが意図されています。サンプル・データベースを本番で使用しないでください。本番用のデータベースを作成するには、Database Configuration Assistantを使用するか、手動でデータベースを作成してください。

1.8 インストール後の手順

Oracle Fail Safeが正常にインストールされた後、次の作業を実行します。

  1. 任意のOracleソフトウェアをインストールした場合、次の作業を実行します。

    • 共有クラスタ・ディスク上のアプリケーション・データおよびログ・ファイルの構成。

    • 共有クラスタ・ディスクまたはプライベート・ディスクのどちらかにおける、アラート・ファイルおよびトレース・ファイルの構成。

      アラート・ファイルおよびトレース・ファイルをプライベート・ディスク上で構成することにより、管理者は問題が発生したノードを判別できますが、複数のファイル・セットをメンテナンスする必要があります。それぞれのクラスタ・ノードで違うパラメータにする場合にのみ、プライベート・ディスクにパラメータ・ファイルを置いてください。たとえば、プライマリ・ノードより少ないリソースのフェイルオーバー・ノード上でデータベースを使用する場合(フェイルオーバー・ノードに、リソースが必要な別のアプリケーションまたはデータベースがある場合など)に利用できます。

      クラスタ・ディスク上のデータベースの再作成については、使用しているデータベースの、インポートおよびエクスポートに関するドキュメントを参照してください。

  2. Oracle Fail Safe Managerを起動し、各クラスタ・ノードで管理者権限を持つドメイン・アカウントでクラスタ別名に接続します。プロンプトが表示されたときにインストールが完了していることを確認する必要があります。サイレント・インストールを実行する場合、fscmd verifyclusterコマンドまたはPowerShellコマンドTest-OracleClusterを実行して、インストールを完了できます。

    コマンドライン・ユーティリティの詳細は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

    Oracle Fail Safeの起動に関する情報は、第3章を参照してください。

  3. グループの作成およびグループへのリソースの追加の順を追った説明は、『Oracle Fail Safeチュートリアルfor Microsoft Windows』を参照してください。