この章では、WebCenter PortalユーザーがWikiドキュメントを作成、編集および管理できるWiki機能を有効にする方法について説明します。ナレッジ・ワーカーが利用できるこれらのタスクについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「Wikiの使用」の章で説明しています。
この章の内容は、次のとおりです。
権限: この章のタスクを実行するには、次の権限が必要です。
Wikiドキュメントの作成と編集、Wikiの表示、およびWikiページ・スタイルを使用した個人用ページの作成は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「Wikiの使用」の章で説明する権限を持つナレッジ・ユーザーが利用できるタスクです。 権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。 |
権限を持つすべてのコミュニティ・メンバーが各自の情報をより大きなひとまとまりの知識に集約できるWikiは、コミュニティおよび共同作業の概念を典型的に示すものです。Wikiは、HTMLまたはWikiマークアップと呼ばれる単純なマークアップ言語を使用してその場で編集可能なWebページです。Wikiに対する十分な権限を持つユーザーは、コンテンツの追加、修正または削除を行うことができます。Wikipedia (http://www.wikipedia.com
)は、Wikiドキュメントの有名な使用例です。世界中のユーザーが共同でWikipediaページの作成および編集を行うことで、すべてのユーザーが恩恵を受けることができる充実した動的なナレッジ・ベースを得ることができます。
WebCenter PortalのWikiとブログ機能では、Content Serverがコンテンツ・リポジトリである必要があります。ただし、重要なのは、Wikiとブログを管理するのは、Content ServerではなくWebCenter Portalであるということです。このため、Content Serverのフォルダ設定は影響を与えません。たとえば、Wikiまたはブログが格納されているContent Serverフォルダでデフォルト・プロファイルを指定しても、そのフォルダで新しいWikiまたはブログ・ドキュメントを作成する作業には影響を与えません。
WikiをWebCenter Portalで使用できるようにするには、次の前提条件を満たす必要があります。
Content Server 11gが、WebCenter Portalのデフォルトのコンテンツ・リポジトリとして構成されている必要があります。Wiki機能は、Content Server 10gでは使用できません。システム管理者は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「コンテンツ・リポジトリの管理」の章で、Content Server 11gのインストールおよび構成の情報を確認できます。
Content Server 11gへの接続が確立されている必要があります(『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発』のコンテンツ・リポジトリ接続の構成に関する項を参照)。
Wikiドキュメントを作成する予定のポータルに対して、ドキュメント・ツールが有効になっている必要があります。詳細は、第39.2項「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。
組織においてポータルに追加するWikiを開発した場合、そのWikiを様々な方法でポータルにアクセスするようにできます。
Wikiを、既存のページ上の領域に追加するか、または新しい空白ページに追加してページ全体に表示します。Wikiは、リンク、イメージ、プレビュー、編集可能なビュー、編集不可のビューなどの様々な方法で公開できます。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」を参照してください。
Wikiをポータル・ナビゲーションに追加しますが、ここではユーザーがターゲットWikiを編集可能または編集不可のいずれかに設定できます。第22.2.3項「ナビゲーション・モデルへのリソースの追加」を参照して、次のいずれかの方法でWikiをナビゲーション・アイテムとして追加します。
Wikiがページに追加されている場合は、ポータル・ナビゲーションにページ・リンクを追加します。Wikiを表示する際のエンド・ユーザーの編集コントロールの可用性は、Wikiをページに追加するために使用したコンテナに応じて異なります。「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローを使用して追加されたWikiは編集コントロールを公開しませんが、「ドキュメント・ビューア」タスク・フローを使用して追加されたWikiは編集コントロールを公開し、これは「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのFeatures Off
プロパティを使用してカスタマイズできます(表35-7 「「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのパラメータ」を参照)。
または、ナビゲーションにコンテンツ・アイテムを追加して、接続されているコンテンツ・リポジトリからWikiドキュメントを選択します。この方法で追加されたWikiは表示専用で、エンド・ユーザーは編集コントロールを使用できません。
WebCenter Portalでは、次のいずれかの方法を使用してWikiを作成できます。
「新規Wikiドキュメント」アクションを使用しますが、このアクションは「ドキュメント」ページ、またはページの「ドキュメント・エクスプローラ」、「ドキュメント・マネージャ」、「フォルダ・ビューア」のタスク・フローで利用できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の新規Wikiドキュメント・アクションを使用したWikiドキュメントの作成に関する項を参照してください。
簡略化されたユーザー・インタフェースと専用のWikiエクスペリエンスを提供するデフォルトのWikiドキュメントが表示される専用のWikiページをサポートするには、「Wiki」ページ・スタイルを使用してページを作成します。Wikiページ・スタイルは、ドキュメント・ツールがポータルで有効な場合に利用できます。Wikiページ・スタイルを使用して、次のいずれかのページを作成できます。
ホーム・ポータルの個人用ページ。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の個人用ページの作成に関する項を参照し、ページ・スタイルに「Wiki」を選択します。
ポータルのポータル・ページ。ページ・スタイルに「Wiki」を選択します。第12.2.2項「既存のポータルでのページまたはサブページの作成」を参照してください。
2つの方法のいずれかで作成したWikiは、リッチ・テキスト・エディタ(RTE)を使用してその場で編集可能な同様の機能を備えています(『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のリッチ・テキスト・エディタ(RTE)の使用に関する項を参照)。
どちらの場合も、最初のWikiページには、図37-1のようなデフォルトのテキストによるデフォルトのWikiドキュメントが含まれます。
「ドキュメント」ページで、ルート・フォルダのWikiページ用の個別フォルダに格納されている新規作成されたWikiドキュメントを確認できます(図37-2)。フォルダとデフォルトのWikiドキュメントの両方が同じ名前を共有します。
Wikiの作成、編集および管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「Wikiの使用」の章を参照してください。
表37-1では、ポータルにWikiを組み込む際の一般的なシナリオに対するソリューションを示し、必要な情報が記載されているドキュメントを参照します。
表37-1 一般的なWikiユースケース
行う作業 | 理解して実行する必要がある項目 |
---|---|
ポータル・ナビゲーションで、ポータル内の既存のWikiページにリンクを追加する |
デフォルトでは、Wikiページなどのポータル・ページは、作成時にポータル・ナビゲーションに自動的に追加されます(第12.2.2項「既存のポータルでのページまたはサブページの作成」を参照)。 ポータル・ナビゲーションにポータル・ページが表示されない場合は、非表示にされている可能性があります。ページを表示するには、ページのプロパティを編集して、可視性プロパティを選択します。第13.9項「ポータル・ナビゲーションでのページの表示と非表示の切替え」を参照してください。 ポータル・ナビゲーションの2番目の場所にポータル・ページを追加するには:
第13.2項「ポータル・ナビゲーションへの既存ページの追加」も参照してください。 |
ポータル・ナビゲーションで、別のポータル内の既存のWikiページにリンクを追加し、ページを表示する際に、他のポータルのナビゲーションを表示するかまたは非表示にするかを選択する |
ポータルの外部から、接続されているコンテンツ・リポジトリに存在するページヘのリンクを作成するには:
ブラウザのアドレス・フィールドに示されているように、ターゲット・ページのURLを入力すると、トップ・ナビゲーションを使用したこの例のように、ポータル内にターゲット・ページが表示されます。 ターゲットのポータル・ナビゲーションを非表示にして、ターゲット・ページのみを表示するには、ターゲット・ページを編集して、パス・プロパティ(ページ・プロパティの「詳細設定」タブにあります)の値をナビゲーション・アイテムの「パス」フィールドにコピーします。ナビゲーション・アイテムをクリックすると、次に示すように、ポータルを囲まずにページが表示されます。 |
ポータルに新しいWikiページを追加する(ページ全体をWikiにする) |
次のいずれかの操作を行います。
ヒント: Wikiで作業するには、ドキュメント・ツールを有効にします。第39.2項「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。 第37章「ポータルへのWikiの追加」も参照してください。 |
ポータルのページに既存のWikiドキュメントを表示する |
Wikiドキュメントを追加するページを編集します。Wikiを、その他のコンポーネントを含む既存のページ上の領域に追加するか、または新しい空白ページに追加してドキュメントをページ全体に表示できます。リソース・カタログを使用して、Wikiをページに追加します。
Wikiは、リンク、イメージ、プレビュー、編集可能なビュー(ドキュメント・ビューア)、編集不可のビュー(コンテンツ・プレゼンタ)などの様々な方法で公開できます。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」およびこの表の次の2行を参照してください。 |
ポータルのページに既存のWikiドキュメントを追加する(編集コントロールを含む) |
ユーザーがWikiを編集できるようにするには、「ドキュメント・ビューア」タスク・フローでWikiドキュメントを追加します。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」を参照してください。 「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのFeatures Offプロパティを使用して、公開されている編集コントロールをカスタマイズできます。表35-7 「「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのパラメータ」を参照してください。 |
ポータルのページに既存のWikiドキュメントを追加する(編集コントロールを含まない) |
ドキュメントの編集コントロールをユーザーからは非表示にするには、「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローでWikiドキュメントを追加します。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」を参照してください。 注意: 「ページ・リンク」を使用して、ポータル・ナビゲーションにページを公開できます。Wikiを表示する際に、ポータル・ナビゲーションに公開する(編集コントロールを含まない)別の方法は、Wikiを「コンテンツ・アイテム」としてポータル・ナビゲーションに追加することです。第22.2.3項「ナビゲーション・モデルへのリソースの追加」を参照してください。 |
フォーカスを、下部(「コメント」タブ)にあるデフォルトのフォーカスからターゲットのWikiドキュメントの上部に移動して、下部にあるすべてのタブ付きペインを削除する |
ページ・エディタ(コンポーザ)で、「ドキュメント・ビューア」または「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローの (レンチ)アイコンをクリックして、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログを開きます。 Features Offプロパティに追加します( |