この章では、WebCenter Portalで利用できるツールおよびサービスの概要と、ポータルでツールを有効または無効にする方法について説明します。これらのタスクは、ポータル・モデレータが行います。ただし、アプリケーション・レベルでツールとサービスを使用する場合はシステム管理者のタスクになります(Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「ツールとサービスの管理」の章を参照)。
この章の内容は、次のとおりです。
権限: この章のタスクを実行するには、ポータルの 権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。 |
WebCenter Portalでは、ポータル・メンバーがコラボレーションおよびコミュニケーションに使用できるツールおよびサービスが提供されます。WebCenter Portalが正しくインストールおよび構成され、必要な外部バックエンド・サーバーへの有効な接続がシステム管理者によって設定されると、ツールおよびサービスがポータルで使用できるようになります。
表39-1に、デフォルトで提供されるツールおよびサービスと、追加構成が必要なツールおよびサービスを示します。
表39-1 WebCenter Portalのツールとサービスの可用性
WebCenter Portal (すべてのポータル) | ツールとサービス |
---|---|
デフォルトで自動的に使用可能です。 |
ポータルのイベント、リンク、リスト、検索、ピープル・コネクション、投票、タグ |
バックエンド・サーバーまたはデータベースへの有効な接続が存在する場合のみ使用可能 |
アクティビティ・グラフ、分析、お知らせ*、ディスカッション*、ドキュメント*、カレンダ・イベント、インスタント・メッセージおよびプレゼンス、メール、検索(Oracle SESを使用)、ワークリスト* *デフォルトの接続はインストール時に設定されます。 バックエンド構成は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』の「ツールとサービスの管理」の章の説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してシステム管理者が行います。 |
必要な接続が存在してツールとサービスが使用可能になる場合、表39-2に、ポータルで常に利用できるツールおよびサービスと、ポータル・モデレータが有効にする必要があるツールおよびサービスを示します。
表39-2 ポータルでのツールとサービスの有効化
個別のポータル | ツールとサービス |
---|---|
常に有効(使用可能な場合) |
アクティビティ・グラフ、分析、リンク、ピープル・コネクション、投票、タグ |
ポータル・モデレータによる有効と無効の切替えが可能(使用可能な場合) |
お知らせ、ディスカッション、イベント、リスト、ドキュメント |
バックエンド・サーバーを構成していない場合、ポータルは、ツールやサービスに関連する機能を使用できません。
関連するタスク・フローがリソース・カタログに表示されません。
既存のタスク・フローでは、ツールやサービスが使用できないことを示すメッセージが表示されます。
ツールやサービスは、ポータルの管理設定の「ツールとサービス」ページで使用不可としてリスト表示されます。
次のツールとサービスでは、関連情報(リレーションシップのマッピングなど)が格納されているデータベース・スキーマへの接続が必要です。
アクティビティ・グラフ
分析
ドキュメント(コメントおよびアクティビティ・ストリームを追加するドキュメント、Wikiおよびブログの場合)
リンク
リスト
ピープル・コネクション
投票
タグ
ポータルの作成に使用されるポータル・テンプレートで、ポータルでツールを最初に有効と無効のどちらにするかを定義します。
注意: メールはポータルの作成時に有効になります。システム管理者がメールを構成する場合、個別のポータルに対してメールを無効にすることはできません。 |
ツールがポータル・テンプレートで無効になっている場合、ポータル・モデレータは、ポータルでツールを使用できるようにポータルの管理設定からツールを手動で有効にすることができます。
ツールがポータル・テンプレートで有効になっている場合、ポータル・モデレータは、不要なツールをポータルの管理設定から手動で無効にすることができます。
第39.2項「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。
ポータルのツールとサービスを有効にした後、モデレータは、お知らせ、ディスカッション、リストなどのツールの使用に必要な権限をポータルの参加者が所持しているかどうかも確認する必要があります。ポータル・レベルの権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。
また、モデレータは、ポータルの参加者が次の方法でツールとサービスにアクセスできるかどうかも確認する必要があります。
ツール・ページにアクセスするプリティURLをユーザーに提供します。詳細は、第A.7項「指定されたポータルのページに対するプリティURL」を参照してください。
関連するツールやサービスのタスク・フローをポータル・ページに追加します。詳細は、第14.2項「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。
第13.2項「ポータル・ナビゲーションへの既存ページの追加」の説明に従い、ポータル・ナビゲーションのツール・ページにページ・リンクを追加します
表39-3に、ポータルで使用可能なツールとサービスを示します。
表39-3 ポータルのツールとサービス
ツールとサービス | 説明 | 詳細情報 |
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アクティビティ・グラフ |
既存のコネクションや、ポータル内で共通して使用しているオブジェクトに基づいて、ユーザーが関心を持つ可能性のある人、ポータルおよびコンテンツを推奨します。 |
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アクティビティ・ストリーム |
コネクションのアクティビティ、ポータル内でのアクションおよびビジネス・アクティビティを提供します。 |
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分析 |
ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます。 |
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お知らせ |
重要なアクティビティおよびイベントに関するお知らせを投稿できる機能を、認証されたすべてのユーザーに提供します。 |
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ディスカッション |
スレッドで構成されるディスカッションの作成、質問の投稿と返信、および回答の検索が可能な機能を提供します。 |
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ドキュメント |
ファイルのアップロード、ファイルおよびフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどのコンテンツ管理および保存機能が提供されます。これらの機能は、ドキュメント・ツールのコンソール、または「ドキュメント・エクスプローラ」、「ドキュメント・リスト・ビューア」、「ドキュメント・マネージャ」などのタスク・フローを使用して公開されます。個々のファイルをリンク付きのドキュメント、インライン・プレビューまたはイメージとしてページに表示するコンポーネントを提供します。ドキュメント・ツールもWiki機能とブログ機能をサポートします。 |
第34章「ドキュメント・タスク・フローおよびドキュメント・コンポーネントの使用」 第35章「ドキュメント・タスク・フローおよびドキュメント・コンポーネントのプロパティの設定」 |
イベント |
認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合、Outlookカレンダの個人用イベントにアクセスできます。 |
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インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP) |
認証された他のユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認したり、ユーザーに即時に連絡できる機能を提供します。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のインスタント・メッセージおよびプレゼンス・ビューアの使用に関する項 |
リンク |
関連情報の表示、アクセスおよび関連付けの機能を提供します。たとえば、ディスカッションからドキュメントにリンクできます。 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のWebCenter Portalでの情報のリンクに関する項 |
リスト |
リストを作成、公開および管理できる機能を提供します。 |
|
メール |
IMAPおよびSMTPのメール・サーバーとの容易な統合を提供します。これにより、メッセージの表示、添付ファイルを含むメールの作成、メッセージの返信と転送、およびメッセージの削除などのメール機能を実行できます。 |
|
メッセージとフィードバック |
接続に関するメッセージ、添付ファイルおよびフィードバックをアクティビティ・ストリームに投稿する機能を提供します。 |
|
ノート |
素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。 ノートはPortal Frameworkアプリケーションでは使用できません。 |
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通知 |
サービスおよびアプリケーション・オブジェクトをサブスクライブして、それらのオブジェクトが変更されると1つ以上のメッセージング・チャネルから通知を受信するための手段を提供します。 |
|
ピープル・コネクション |
同僚とのソーシャル・ネットワークを確立できる機能を提供します。この機能を使用すると、ユーザーは同僚のポータル・アクティビティと投稿を確認でき、同僚はそのユーザーのポータル・アクティビティと投稿を確認できます。 |
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投票 |
関係者の調査(意見および経験レベルなど)、重要な情報を思い出すことができるかどうかの確認、およびフィードバックの収集ができます。 |
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プロファイル |
ユーザーの連絡先情報(メール・アドレス、勤務先住所、電話番号など)、部署、マネージャ、写真、ポータル・アクティビティ、パブリック・ドキュメント、接続のビューを提供します。 |
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最近のアクティビティ |
ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせに対する最新の変更のサマリー・ビューを提供します。 |
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RSS |
単一の場所(ニュース・リーダー)から多数の異なるWebサイトのコンテンツにアクセスできる機能を提供します。 |
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検索 |
検索機能を提供します。 (これにはOracle Secure Enterprise Searchの統合が含まれます。) |
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タグ |
1つ以上の個人関連キーワードを特定のページまたはドキュメントに割り当てる機能を提供します。 |
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ワークリスト |
注目する必要のあるビジネス・プロセスの個人ビューを提供します。 |
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ツールとサービスをポータルで使用可能にする方法を理解するには、第39.1項「ツールとサービスについて」を参照してください。
ポータルでツールやサービスを有効または無効にするには:
ポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「ツールとサービス」(図39-1)をクリックします。
あるいは、「ツールとサービス」ページに直接移動するには、ブラウザで次のURLを入力します。
http://
host:port
/webcenter/portal/
portalName
/admin
/services
ポータルで使用するツールを有効にするには、そのポータルの横にあるチェック・ボックスを選択します。
注意: システム管理者がバックエンド・サーバーを構成しておらず、アプリケーションとWebCenter Portalとの間にアクティブな接続が存在しない場合、ツールやサービスはポータルで使用できません。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「ツールとサービスの管理」の章を参照してください。 |
「OK」をクリックして、ツールを使用する適切な権限をユーザーに付与する際に表示される警告を閉じます。
ツールの横の「無効」が「有効」に変わり、該当のツールまたはサービスの構成フィールドが表示されます。たとえば、図39-2は、チェック・ボックスを選択した場合に「お知らせ」ツールが「有効」になっている状態を示しています。
オプションで、一部のツールとサービスに追加の構成を行います。
お知らせ: ポータルのお知らせを格納する新しいフォーラムIDを検索します(第43.3項「ポータルのお知らせフォーラムの設定の変更」を参照)。
お知らせの使用の詳細は、第43章「ポータルへのお知らせの追加」を参照してください。
ディスカッション: ポータルのディスカッションを格納する新しいフォーラムIDを検索するか、ポータルで複数のフォーラムをサポートするように選択して(第46.3項「ポータルのディスカッション・フォーラムの設定の変更」を参照) 、ポータル・メールをディスカッション・トピックとして公開します(第46.4項「ディスカッション・フォーラムでのポータル・メールの公開」を参照)。
ディスカッションの使用の詳細は、第46章「ポータルへのディスカッション・フォーラムの追加」を参照してください。
ドキュメント: ドキュメントの使用の詳細は、第VI部「ポータルでのコンテンツの使用」を参照してください。
注意: ドキュメント・ツールは、Content Server 11gの場合のみ、ポータルの「ツールとサービス」ページに表示されます。接続されたコンテンツ・リポジトリがContent Server 10gの場合、ドキュメント・ツールはポータル管理設定では使用できません。10gでドキュメント・ツール機能を使用する場合は、ポータルにページを作成して、そのページにドキュメント・ツール・タスク・フローを追加できます(第34.4項「ドキュメント・タスク・フローのページへの追加」を参照)。 |
イベント: イベントをグループ化する場合にイベント・カテゴリを作成します。第44.3項「ポータル・イベント・カテゴリの作成および管理」を参照してください。
カレンダとイベントの使用の詳細は、第44章「ポータルへのカレンダとイベントの追加」を参照してください。
リスト: リストの使用の詳細は、第47章「ポータルへの情報リストの追加」を参照してください。
メール: デフォルトの配信リストはポータルの作成時に作成されますが、ポータルの配信リストを更新したり(第48.2項「ポータルのメール配信リストの構成」を参照)、ポータルの共有配信リストを指定したりすることができます(第48.3項「「メールの送信」機能の構成」を参照)。
メールの使用の詳細は、第48章「ポータルへのメールの追加」を参照してください。
検索: WebCenter Portalに構成されている検索オプションを示します。検索環境は、構成されているオプションによって異なります。
システムがOracle SES 11.2.2.2で構成されている場合、特定のポータルの該当ページに対して検索のカスタマイズを行うことができます。Oracle SES 11.2.2.2は、ファセット検索とドキュメントのサムネイルをサポートしますが、ライブ(委任)検索を使用する以前のリリースのOracle SESと実装ではこれらをサポートしていません。「ファセットがサポートされた新規検索タスク・フローを使用します」チェック・ボックスの選択を解除すると、このページでOracle SES 11.1.2.*機能に戻ることができます。
システムがOracle SES 11.1.2.*で構成されている場合、検索タスク・フローのパラメータのみで検索のカスタマイズを行うことができます。Oracle SES 11.1.2.*は、検索の保存と検索によるユーザー・プリファレンスの設定をサポートしますが、ライブ(委任)検索を使用する11.2.2.2アダプタと実装ではこれらをサポートしていません。
検索の使用の詳細は、第55章「ポータルへの検索の追加」を参照してください。
ツールを無効にするには、該当ツールの横にあるチェック・ボックスの選択を解除します。
「有効」が「無効」に戻ることに注意してください。
注意: 他のツールやサービスとは異なり、メールがシステム管理者によって構成されている場合、ポータル・モデレータがメール・サービスを無効にすることはできません。 |
「ロール」ページで各メンバー・ロールに適切な権限を付与して、ポータル・メンバーが有効なサービスにアクセスできるようにします。
第29.3項「ポータル・ロールの権限の表示および編集」を参照してください。
ポータルの参加者が次の方法でツールとサービスにアクセスできることを確認します。
ツール・ページにアクセスするプリティURLをユーザーに提供します。詳細は、第A.7項「指定されたポータルのページに対するプリティURL」を参照してください。
関連するツールやサービスのタスク・フローをポータル・ページに追加します。詳細は、第14.2項「ページへのコンポーネントの追加」を参照してください。
第13.2項「ポータル・ナビゲーションへの既存ページの追加」の説明に従い、ポータル・ナビゲーションのツール・ページにページ・リンクを追加します