自己回帰和分移動平均(ARIMA)予測手法の普及は、G. E. P.BoxおよびG. M. Jenkinsによります(1970年代)。このようなテクニックはBox-Jenkins予測手法とも呼ばれ、次のようなステップがあります:
モデルの識別および選択
自己回帰(AR)、統合または差別化(I)、および移動平均(MA)パラメータの推定
モデル・チェック
ARIMAは単変量のプロセスです。データ系列の現在の値は、同じ系列の過去の値と相関しており、pとも呼ばれるARコンポーネントを生成します。ランダムな誤差条件の現在の値は、過去の値と相関しており、qとも呼ばれるMAコンポーネントを生成します。現在と過去のデータの平均値と可変値は、固定されており、時間の経過で変化しないと仮定されます。必要に応じて、Iコンポーネント(dとも呼ばれる)が追加され、差別化によって固定されなくなるという欠陥が修正されます。
非季節性ARIMA(p, d, q)モデルでは、pはAR条件の数または順序、dは差異の数または順序、qはMA条件の数または順序を示します。p、dおよびqパラメータは0以上の整数です。
循環性または季節性データ値は、次のフォーマットの季節性ARIMAモデルで示されます:
SARIMA(p,d, q)(P, D, Q)(t)
カッコ内のパラメータ第2グループは季節値です。季節性ARIMAモデルでは、「実測データ - 季節性」ダイアログで定義したとおり、1つの循環の中の期間数を考慮します(図3.1「「実測データ - 季節性」ダイアログ」)。年については、期間数(t)は12です。
注: | Predictorユーザー・インタフェースでは、季節性ARIMAモデルには(t)コンポーネントは含まれませんが、計算にはそのまま使用されます。この手法については、詳細な説明のある参考文献を参照してください。 Crystal Ball ARIMAモデルは、非季節性または季節性の差異別の定数データ・セットに変換できる定数データ・セットとは適合しません。このような特性のため、すべてに定数系列、または直線あるいは鋸歯状のプロットを描画する、完全な規則性のある系列では、ARIMAモデル適合は返されません。 |
ARIMA手法を使用するには:
Predictorウィザードの「手法」パネルで、ARIMAを選択します。
「自己回帰和分移動平均(ARIMA)の詳細」パネルで、「自動」(デフォルト)または「カスタム・モデル」を選択します。
注: | ARIMA手法を完全に理解しており、カスタムのARIMAモデルを構築、または既存のものを使用する場合でないかぎりは、「自動」を選択します。 |
オプション: 「自動」を選択した場合は、モデル選択基準、情報量基準の最小化(デフォルト)または選択された誤差測度の最小化を選択します。デフォルトでは、通常はより正確にARIMAが推定されます。Predictor予測について、他で選択された誤差測度の最小化では、過剰適合になる場合があります。
オプション: 「情報量基準の選択」をクリックして([Alt]キーを押しながら[E]キーを押す)、使用する情報量基準を示します。詳細は、ARIMAモデル選択基準の選択を参照してください。別のものを選択する適切な理由がなければ、通常はBIC(デフォルト)が適しています。
オプション: 拡張モデル検索の実行を選択し、より多くのモデルを実測データと比較します。結果はより正確になりますが、分析に相当の時間がかかります。
オプション: ステップ%nでステップ 2を選択した場合、使用するモデルのリストが構築されます。手順については、ARIMAカスタム・モデルの使用を参照してください。
オプション: 「ARIMAオプション」をクリックして([Alt]キーを押しながら[O]キーを押す)、ARIMA式に定数を含めるかどうか、またBox-Cox変換を実行するかどうかを示します。通常は、デフォルトの「自動選択」または「なし」が両方のオプションに適しています。詳細は、ARIMAオプションの設定を参照してください。
注: | 「自動」が選択されている場合、表示されるモデルはそれぞれの系列に適合します。カスタムの季節性モデルは、非季節性系列には適合しませんが、非季節性モデルは季節性系列に適合します。 「カスタム・モデル」が選択されている場合、モデルは現在選択されているPredictor系列にのみ適用されるため、それぞれの系列について個別に定義する必要があります。 |