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Oracle® Enterprise Data Qualityインストレーションおよびアップグレード・ガイド
リリース11g R1 (11.1.1.7)
E51452-01
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7 EDQのアップグレード

この章では、前のリリースのEDQから11g (11.1.1.7)リリースにアップグレードする方法について、次の内容で説明します。

この製品にはJavaアーカイブ(JAR)ファイルが付属しており(toolsディレクトリ)、これを使用して、この章で説明するEDQのアップグレードを行います。

7.1 アップグレードの準備

この項の説明に従って、サーバー上のEDQのアップグレードを準備します。

7.1.1 アップグレードの考慮事項

EDQリリース11g R1 (11.1.1.7)には完全にリファクタリングされた結果表が保持されているため、前回の結果(前のバージョンのEDQからのアップグレード)を持つジョブ内のすべてのプロセス・タスクについては、インテリジェント実行をオフにして実行し、新しい結果表が適切な形式で生成されるようにする必要があります。インテリジェント実行をオンにして実行したプロセス・タスクでは、エラーが生成されます。これは、前のバージョンから生成された結果を持たないプロセスには影響を与えません。

EDQリリース11g R1 (11.1.1.7)へのアップグレード後には、既存の結果を(アップグレード済のEDQ結果データベースに)持つすべてのジョブが、すべてのプロセス・タスクでインテリジェント実行がオフの状態で実行されるようにし、新しい結果表が生成されるようにします。

結果表がすでに存在する場合、インテリジェント実行をオンにして実行したプロセス・タスクでは、エラーが生成されます。

7.1.2 必要なアップグレード情報の収集

次の情報を収集して書き留めてください。

  • 現在のEDQ構成ディレクトリの場所(EDQ Launchpadで表示できます)。

    既存のconfigディレクトリの場所は、デプロイされたアプリケーションのWEB-INFディレクトリ内のconfigdir.txtファイルに記述されています。このディレクトリ内のカスタム構成は、EDQ 11gをサポートする新しいディレクトリに後でコピーされます。

  • EDQリポジトリ・データベース・スキーマへの接続の詳細(DIRECTORおよびRESULTS)。これらのスキーマは、EDQリリース11g R1 (11.1.1.7)をサポートするようにアップグレードされます。

7.1.3 ケース管理のアップグレード


注意:

この項は、ケース管理を使用する場合にのみ当てはまります。


リリース11g R1 (11.1.1.7)より前のリリースからEDQをアップグレードする場合は、移行前スクリプトを実行して、アップグレードによってケース管理データが適切に移行されるようにします。移行前スクリプトは、EDQ OUIインストーラでインストールされるEDQディストリビューションの一部であり、migration.jarファイルにパッケージ化され、これを使用して実行されます。移行上の問題が存在する場合は、それを修正できるように、問題の詳細を説明するレポートが生成されます。

使用するシステムでEDQをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 第4章「EDQインストーラの実行」の説明に従って、EDQ OUIインストーラを実行して、システムにmigration.jarをインストールします。

  2. 次のコマンドを実行して移行前レポートを実行します(db_connectionには、ディレクタ・データベース・スキーマへの接続方法を指定します)。

    java -jar migration.jar premigrate db_connection
    

    たとえば、データベース接続は次のようになります。

    dbtyp:dbid@host:port/user/password

    次に、前の例の構文を説明します。

    • dbtype: PostgreSQLデータベースの場合はpgsqlを、Oracle Databaseの場合はorclを設定します。

    • dbid: PostgreSQLデータベースの場合はデータベース名を、Oracle Databaseの場合はSIDを設定します。

    • host: RDBMSホスト・マシンの名前を設定します。

    • port: オプション。値を指定しない場合は、そのデータベース・タイプのデフォルトのポートが前提となります。デフォルト以外のポート番号でデータベースを実行する場合、データベース・ポート番号の値を指定する必要があります。

    • user: EDQがディレクタ・データベースへの接続に使用するユーザーIDを設定します。

    • password: データベース・ユーザーのパスワードを設定します(パスワードを指定しない場合はそのユーザー名がデフォルトとなります)。

  3. 移行前レポートを確認します。移行前レポートからの出力になんらかの問題が記載されている場合は、更新に進む前に対処する必要があります。

7.2 WebLogic Serverでのアップグレード

以降の項では、EDQとWebLogic Serverの環境のアップグレードについて説明します。

7.2.1 EDQリポジトリ・データベースのアップグレード

リポジトリ・データベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. WebLogic Serverを停止します。

  2. 次のコマンドを実行してディレクタ・データベース・スキーマをアップグレードします(db_connectionには、ディレクタ・データベース・スキーマへの接続方法を指定します)。

    java -jar migration.jar migrate db_connection
    

    データベース接続(db_connection)の構文については、第7.1項「アップグレードの準備」を参照してください。

    たとえば、SIDがorclおよびユーザー名がdirectorでローカルにデプロイされたOracle DatabaseのOracleインスタンスをアップグレードする場合、コマンドは次のようになります(passwordには、directorユーザーのパスワードを指定します)。

    java -jar migration.jar migrate oracle:orcl@localhost:1521/director/password
    

    注意:

    RCUは、EDQスキーマの作成には使用しないでください。


  3. PATH変数には、JDK/JRE実行可能ファイルの場所が含まれています。

  4. migration.jarを含むディレクトリにナビゲートします。

  5. 次のコマンドを実行します(db_connectionは、ディレクタ・データベースへの接続方法を指定します)。

    java -jar migration.jar cm -db db_connection
    

    たとえば、データベース接続は次のようになります。

    dbtyp:dbid@host:port/user/password

    データベース接続(db_connection)の構文については、第7.1項「アップグレードの準備」を参照してください。

7.2.2 EDQ構成ディレクトリのアップグレード

構成ディレクトリをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. EDQ構成アプリケーションを実行して(第5.2項「EDQの構成」を参照)、EDQリリース11g R1 (11.1.1.7)に必要な2つの新しい構成ディレクトリ(edq.homeおよびedq.local.home)を作成します。

  2. 既存の(アップグレード前の) EDQ configディレクトリの内容を、次のものを除いて、新しいedq.local.homeディレクトリにコピーします。

    logsサブディレクトリ
    director.propertiesファイル
  3. 既存のdirector.propertiesファイルからのオーバーライド設定を、新しいリリース・ファイルにコピーし、新しいファイルにデータベース接続設定を保持するようにします。

7.3 前のリリースのアンデプロイと新しいリリースのデプロイ

次の手順を実行して、既存のデプロイメントを削除し、EDQリリース11g R1 (11.1.1.7)をデプロイします。

  1. 前のアプリケーション・デプロイメントを削除します。

    Tomcatの場合: 既存のEDQ WARファイルと、Tomcat webappsディレクトリ内の同名の展開済ディレクトリを削除します。

    WebSphereの場合: WebSphere管理コンソールを使用するEDQをアンデプロイします。

  2. EDQを新しい構成ディレクトリにリンクするには、edq.config.pathという新しいJavaプロパティを使用して、第5.2項「EDQの構成」で作成した新しいディレクトリへのパスを指定します(たとえば、edq.homeおよびedq.local.home)。このパスは、LinuxおよびUNIXの場合はコロンで区切り、Windowsの場合はセミコロンで区切る必要があります。

    また、環境変数を使用してEDQを構成ディレクトリにリンクすることもできます。それには、EDQ_CONFIG_PATHという環境変数をJAVA_OPTS環境変数に追加しますが、その際に次のようにPath_to_config_directory1およびPath_to_config_directory2「EDQの構成」の部で作成した新しいディレクトリへのパスで置き換えます。

    オペレーティング・システム Tomcat WebSphere

    LinuxおよびUNIX

    EDQサーバーのJavaオプションを次のように設定します。

    Dedq.config.path=[Path_to_config_directory1]:[Path_to_config_directory2] -Doracle.mds.cache=simple
    

    EDQサーバーのJavaオプションを次のように設定します。

    Dedq.config.path=[Path_to_config_directory1]:[Path_to_config_directory2]  -Doracle.mds.cache=simple
    

    Windows

    EDQ_CONFIG_PATH="[Path_to_config_directory1];[Path_to_config_directory2]"を、JAVA_OPTS環境変数に追加します。

    または

    EDQアプリケーション・サービスのJavaオプションを、次のように設定します。

    Dedq.config.path=[Path_to_config_directory1];[Path_to_config_directory2] -Doracle.mds.cache=simple

    Javaパラメータの設定の詳細は、次に示すApache TomcatのドキュメントWebサイトを参照してください。

    http://tomcat.apache.org/

    EDQサーバーのJavaオプションを次のように設定します。

    Dedq.config.path=[Path_to_config_directory1];[Path_to_config_directory2]  -Doracle.mds.cache=simple
    

    一般的なJVMパラメータの詳細は、次に示すIBM社のWebSphereのドキュメントWebサイトを参照してください。

    http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21417365#v51


  3. ADFライブラリをデプロイします(第2.2.5.2項「Tomcatの構成」または第2.2.5.3項「WebSphereの構成」の手順を使用)。

  4. edq.warファイルをデプロイします。

    Tomcatの場合: WARファイルをTomcat webappsディレクトリにコピーします。

    WebSphereの場合: WebSphere管理コンソールを使用してEDQアプリケーションをデプロイします。

  5. アプリケーション・サーバーを起動します。