この章では、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイするタスクのチェックリストについて説明します。次のような場合に、この章の手順に従ってください。
第2章で説明されているように、接続した新しいOracle Database Applianceにソフトウェアをデプロイする場合、あるいは
実行中のシステム上のベア・メタル・インストールをOracle Database Appliance仮想化プラットフォームと置き換える場合
この章の手順を完了した後で、ご使用のOracleソフトウェアとオプションの初期データベースがODA_BASEドメインで使用できるようになります。このドメインで必要な追加データベースを作成でき、これらは専用のCPUコアで実行されます。
注意: 事前に構成済のOracle Database ApplianceにOracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイすると、Oracleデータベースを含め、すべての既存のソフトウェアおよびアプリケーションが上書きされます。続行する前に、すべてのデータおよびアプリケーション・ソフトウェアのバックアップを必ず作成してください。 |
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ソフトウェアおよび初期データベースの構成を完了するには、約3時間必要です。この章は次の項で構成されており、ここに列挙されている順に対応する必要があります。
注意: 仮想化されていないOracle Database ApplianceにOracleソフトウェアをデプロイするタスクのチェックリストは、第3章「ベア・メタルOracle Database ApplianceでのOracleソフトウェアのデプロイ」を参照してください。 |
関連項目: デプロイ・プロセスの概要は『Oracle Database Applianceセットアップ・ポスター』を参照 |
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをデプロイする前に、仮想アーキテクチャのコンポーネントを理解する必要があります。特定のドメインに関連するデプロイ手順を完了しているときにプロセスがどこで実行されるかをイメージするには、次の図を参照してください。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデプロイが完了すると、各サーバー・ノードで2つのドメイン、Dom0とODA_BASE (Dom1とも呼びます)を使用できるようになります。これらのドメインの管理や仮想マシン・ドメイン(前述の図のドメインU)のデプロイおよび使用の詳細は、第6章「Oracle Database Applianceでの仮想マシンの管理」を参照してください。
ベンダーがOracle仮想マシン・イメージをOracle Database Applianceにプロビジョニングしている場合があります。続行する前に、パスワードwelcome1
を使用してroot
としてdom0にログインし、コマンドoakcli show env_hw
を入力して出力を調べ、Oracle仮想マシン・イメージをテストします。値VM-Dom0
がご使用のハードウェアのバージョンとともに出力に表示される場合、Oracle Database Applianceには必要なOracle仮想マシン・イメージが含まれているため、仮想化されたソフトウェアのデプロイメントを進めることができます。このコマンドによって必要な出力が生成されない場合、またはエラーが生成される場合は、Oracle仮想マシン・イメージをインストールする必要があります。
注意: Oracle仮想マシン・イメージをインストールする詳しい手順は、https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1520579.1 にあるノート1520579.1を参照してください。 |
他のソフトウェアをデプロイするには、その前にODA_BASEテンプレートを仮想化されたOracle Database Applianceにデプロイする必要があります。これには、次の手順で説明するように、テンプレートを外部クライアントにダウンロードし、これをdom0にコピーしてから、Oracle Appliance Managerのoakcli deploy oda_base
コマンドを実行する必要があります。
注意: Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、テンプレートのインポートのみがサポートされます。 |
ODA_BASEテンプレートをMy Oracle Supportから、接続している外部クライアントにダウンロードします。「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのODA_BASEのサイズ設定」の一覧から選択したテンプレートを選択します。
注意: ODA_BASEテンプレートの最新バージョンは、https://updates.oracle.com/download/16186172.html からダウンロードできます。
「リリースを選択してください」フィールドを使用して目的のリリースを選択してから、ダウンロードを開始します。 |
scp
コマンドを使用して、ODA_BASEテンプレートを外部クライアントからdom0にコピーします。
または、エンドユーザー・バンドルのイメージをUSBストレージ・デバイスに格納し、USBデバイスがアプライアンスに表示された後で、このファイルをコピーすることができます。
注意: USBドライブは、FAT32、ext3またはext4としてフォーマットしてください。NTFSファイル・フォーマットはサポートされていません。 |
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのdom0にログインし、dom0の/OVS
ディレクトリにテンプレートをコピーします。dom0にログインした状態のままで、残りの手順を完了してください。
コマンド構文oakcli deploy oda_base
を使用し、プロンプトに応答してODA_BASEを両方のノードにデプロイします。ODA_BASEテンプレートが/OVS
ディレクトリにある場合、ダイアログの始まりは次の例のようになります(Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのハードウェア・プラットフォームごとに、コア・ライセンス・オプション値は異なります)。
# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy oda_base Enter the template location: /OVS/templateBuild-2012-12-22-12-05.tar.gz Core Licensing Options: 1. 2 CPU Cores 2. 4 CPU Cores 3. 6 CPU Cores 4. 8 CPU Cores 5. 10 CPU Cores 6. 12 CPU Cores Selection [1 : 6] : 3 ODA base domain memory in GB (min 8, max 88)[default 48] : 32
このコマンドにより、両方のノードに要求されたCPU構成のODA_BASEがデプロイされ、ドメインが起動されます。
また、デプロイ時に1つ以上の仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)をODA_BASEへ割り当てることもできます。これを行うには、次の例に示すように、oakcli deploy oda_base
から追加のVLANネットワークに関するプロンプトが表示されたら、y
と応答します。
Additional vlan networks to be assigned to oda_base ? (y/n) : y Select the network to assign [Test00,Test01,Test02,Test03]: Test00 Additional vlan networks to be assigned to oda_base ? (y/n) : y Select the network to assign [Test00,Test01,Test02,Test03]: Test01 Additional vlan networks to be assigned to oda_base ? (y/n) : n
関連項目: Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームへのVLANインタフェースの管理の詳細は、第6章の「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャおよび仮想ローカル・エリア・ネットワークについて」を参照してください。 |
ODA_BASEのデプロイメントが有効であることを確認するには、xm list
コマンドを入力します。出力を調べて、次の例のようにName
列に値Domain-0
およびoakDom1
が含まれることを確認します。
[root@oak1 ~]# xm list Name ID Mem VCPUs State Time(s) Domain-0 0 2039 24 r----- 119879.5 oakDom1 1 32768 12 r----- 1969.7
ヒント: ODA_BASEデプロイメントに問題がある場合は、次のコマンドをノード0のDom0から実行します。/opt/oracle/oak/tools/cleanOdabase.py このコマンドによって、新規のデプロイメントを試行できるように、ODA_BASEが削除されます。 |
デプロイを開始する前に、ご使用のOracle Database Appliance X3-2またはOracle Database Appliance X4-2システムがすでに仮想マシン・イメージで構成されている場合、Oracle Appliance Managerに配線されているストレージをチェックできません。デプロイを継続する前に、この検証を行うことをお薦めします。このチェックを行うには、VNCを使用して、ホスト名にDom0を、ポートに5900を指定してODA_BASEに接続します。ルートとしてログインし(パスワードはwelcome1)、次のコマンドを実行します。
/opt/oracle/bin/oakcli validate -c storagetopology
配線に誤りがあると、このコマンドでエラーが表示されます。詳細は、第4章の配線検証コマンドに関する項を参照してください。
ご使用のOracle Database Applianceの構成をデプロイするには、既存の構成ファイルを使用するか、または構成をその場で行います。まず、VNCを使用してノード0に接続し、「Hostname」にdom0、「Port」に5900を指定します。次に、コマンドstartx
を実行して、Oracle Appliance ManagerコンフィギュレータのためにX Window Systemを準備します。
使用する構成ファイルが外部クライアントにある場合は、まずOracle Database ApplianceのODA_BASEにそのファイルをコピーする必要があります。dom0にログインしているため、コピーには2つのステップが必要です。最初に、scp
コマンドを使用して構成ファイルをdom0にコピーします。次に、内部IPアドレス192.168.16.27を指定してscp
コマンドを入力し、dom0からODA_BASEに構成をコピーします。
既存の構成ファイルを使用してデプロイメントを開始するには、次のようにコマンドを入力します(必要に応じて、ご使用のファイルのディレクトリ・パスとファイル名で置換します)。
# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy -conf /tmp/onecommand.param
このコマンドは、外部ホストからコピーした構成ファイルまたはOracle Database Applianceに作成した構成ファイルに対して使用できます。
注意: 以前のリリースのOracle Appliance Managerコンフィギュレータ用に作成された構成ファイルは使用しないでください。最新の構成ファイルがない場合は、次のステップで説明されているように、リアルタイム構成およびデプロイメントを完了します。 |
すぐに構成とデプロイメントを開始するには、次のコマンドを入力します。
# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy
その後、Oracle Appliance Managerコンフィギュレータの画面で設定を行います(第2章を参照)。コンフィギュレータの「Summary」ページで「Install」オプションを選択して、デプロイメントを完了します。
注意: Oracle Appliance Manager のコンフィギュレータの「Welcome」ウィンドウが正常に開かない場合は、VNCウィンドウでDISPLAY変数を設定します。 |
デプロイメントが両方のノードで完了すると、「Oracle Database Appliance Deployment successful.」
というメッセージが表示されます。