10 製品およびサービス・データの管理: 製品マスター・データのアクセスおよび検索
この章の内容は次のとおりです。
品目属性: 説明
属性とは、値が製品品目の様々な品質を表す名前付きエンティティです。
次のタイプの属性を使用できます。
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メイン属性
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運用属性
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ユーザー定義属性グループおよび属性
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追加情報属性
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トランザクション属性
メイン属性
メイン属性はすべての品目に共通であり、品目のデータ・モデルの一部です。メイン属性は、品目の本質的な側面を表します。メイン属性は、「品目の作成」ページと「品目の編集」ページの「概要」タブに表示されます。
メイン属性の例は次のとおりです。
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品目番号
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摘要
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詳細摘要
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ステータス
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ライフサイクル・フェーズ
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ユーザー品目タイプ
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承認ステータス
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改訂
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梱包タイプ
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品目区分
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単位(8個の属性を含むグループ)
運用属性
運用属性は、品目のデータ・モデルの一部です。Oracle Fusion PurchasingやOracle Fusion Inventory Managementなど、Oracle Fusion Product Hub以外の様々なアプリケーションに関して品目の動作を決定します。「Manage Operational Attributes Control」ページで、運用属性の管理レベルを選択します。リストされた運用属性グループごとに、各グループの属性の管理レベルを選択します。マスター組織レベルまたは組織レベルで運用属性を制御できます。新規品目要求の一部として運用属性を定義できます。
運用属性の例および運用属性が属する属性グループを次の表に示します。
標準運用属性グループ | 属性の例 |
---|---|
在庫 |
保管期限日数 |
オーダー管理 |
出荷可能 |
購買 |
ネゴシエーション要 |
受入 |
代替受入の許可 |
ユーザー定義属性グループおよび属性
品目仕様、および品目のデータ・モデルに追加する製品の定義に関連するその他の情報を取得するために、属性グループと属性を定義できます。このようなユーザー定義属性の値は、品目の作成時に定義しますが、品目のライフ・サイクルを通して変更できます。
Oracle Fusionでは、属性グループ(フレックスフィールド・コンテキストを使用)および属性(フレックスフィールド・セグメントを使用)をサポートするために、拡張可能フレックスフィールドの構成を使用します。
「属性グループの作成」ページで属性グループおよび属性を作成します。このページでは、1つ以上の属性のセットの属性グループを作成した後、その属性グループのコンテキストで属性を作成します。
属性グループの動作を複数行または単一行として選択します。これは、このトピックの他の場所で説明するように、その後の属性の表示および使用に影響します。属性グループに対して選択した動作が複数行の場合、属性には列がコンテキストベースのセグメント(属性)である表の行で表される複数の値が使用されます。
属性ごとに、データ型および関連する検証オプションと表示オプションを選択します。次に、「品目の編集」ページの「仕様」タブにリストされたセクションとして属性グループにアクセスします。属性を、専用のデータベース表内の列にマップします。
属性グループおよび属性を作成した後、「品目区分の編集」ページのと「ページおよび属性グループ」タブで属性グループを品目区分に追加することで、ユーザー定義属性を品目に関連付けます。品目を作成すると、品目の基になった品目区分に関連付けられた属性グループから属性が継承されます。
複数行属性グループ
属性グループは、単一行と複数行のいずれかになります。選択した動作によって、ユーザー・インタフェースでの属性の表示方法および属性の使用方法が決まります。「属性グループの管理」ページで属性グループを作成する場合、動作を複数行または単一行として選択します。
単一行属性グループには、属性グループに由来するリージョンに個別のフィールドとして表示される属性の集合が含まれます。たとえば、自宅住所という名前の単一行属性グループには、自宅住所に適した属性が含まれます。勤務先住所という名前の別の単一行属性グループには、勤務先住所に適した同様の属性が含まれます。これらの属性グループがユーザー・インタフェースに表示される場合、各グループの属性フィールドは、属性グループの名前のタイトルが付いたリージョン内にコンパクトに配置されます。
次の図は、自宅住所および勤務先住所という名前の単一行属性グループのコンパクトなユーザー・インタフェース・レイアウトを示しています。

複数行属性グループでは、属性は属性グループを表す表内の列として表示されます。表の各行は、属性グループ内の属性であるとみなされます。1つの行に含まれる値の集合セットは、属性の意味とみなされます。表は、属性グループ名のタイトルが付いたリージョン内のユーザー・インタフェースに表示されます。他のフィールドは表には表示されません。たとえば、支払という名前の複数行属性グループには、属性の日付、請求書番号および金額が含まれます。表の各行は支払を表し、支払属性グループの値です。
次の図は、支払という名前の複数行属性グループの表形式のユーザー・インタフェース・レイアウトを示しています。

追加情報属性
追加情報属性を作成できます。この属性は、拡張可能フレックスフィールドではなく付加フレックスフィールドに基づきます。付加フレックスフィールドでは1回に1つのコンテキストのみ使用できますが、拡張可能フレックスフィールドでは複数のコンテキストを使用できます。単一カテゴリおよび使用が必要な場合のみ、付加フレックスフィールドで十分です。「設定および保守」作業領域のタスクを使用して、付加フレックスフィールドを作成します。たとえば、カタログの付加フレックスフィールドを定義するには、カタログの付加フレックスフィールドの管理タスクを使用します。その後、「品目の編集」の「仕様」タブの「追加情報」リージョンに、コンテキストの現在の値に基づいたフレックスフィールド・コンテキスト・セグメントが表示されます。
トランザクション属性
トランザクション属性は、品目の作成時ではなく、品目を含むトランザクション・フロー中に生成される値を取得します。「品目区分の編集」ページの「トランザクション属性」タブでトランザクション属性を作成します。属性ごとに、その有効日を指定します。これらの有効日に基づいて、属性が有効な下位アプリケーションを選択し、その属性を許容値の事前定義済セットに関連付け、オプションのデフォルト値および単位を指定します。有効期間中に属性を非アクティブ、必須、読取り専用または非表示に設定することもできます。品目区分のトランザクション属性は、品目区分の子孫によって継承されます。子区分に含まれるトランザクション属性のメタデータを上書きできますが、その場合は継承が破棄されます。トランザクション属性は、すべてのタイプの品目で定義できます。
クイック検索: 概要
「製品情報管理」作業領域でクイック検索を使用して、取引先品目、品目関係性、カタログ、カテゴリ、変更オーダー、新規品目要求および品目バッチを検索できます。検索では、先行入力検索を使用して関連する結果が返されます。テキスト・ボックスに文字を入力すると、提示値がリストに表示されます。検索で品目をクリックすると、関連する詳細ページにアクセスできます。検索にアクセスするには、「製品情報管理」作業領域の端にあるパネル・ドロワーを使用します。
クイック検索を使用した「製品情報管理」作業領域での品目の検索
「製品情報管理」作業領域でクイック検索を使用して、品目を検索できます。検索にアクセスするには、この作業領域の端にあるパネル・ドロワーを使用します。
- 先行入力検索
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「製品情報管理」作業領域の検索パネルでは、先行入力検索が有効になっています。テキスト・ボックスに文字を入力すると、提示値がリストに表示されます。リストから値を選択します。
- キーワード検索
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Oracle Textテクノロジによって、品目表の値から抽出され、索引付けされたファイルに設定されるデータを使用する、キーワード検索機能を利用できるようになっています。索引付けされたデータは、管理者が設定します。管理者は必要に応じて、索引を追加できます。デフォルトでは、索引の次の品目属性が検索で使用されます。
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品目番号
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摘要
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品目区分
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詳細摘要
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組織コード
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製造業者
管理者は、次のような機能をサポートするようにOracle Text検索エンジンを構成できます。
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単語のステミング
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ワイルドカード
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シノニム一致
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あいまい検索
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辞書との照合
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Soundex検索
Oracle Textでは、大文字と小文字が区別されます。
注意: ユーザーが「製品情報管理」作業領域で検索を使用するには、その前に、管理者が索引を構築しておく必要があります。「設定および保守」作業領域で品目キーワード検索の管理タスクを使用して、索引付けプロセスで使用する属性を選択します。次に、「ツール」作業領域で使用可能な「品目キーワード検索」スケジュール済プロセスを「作成」処理とともに実行します。管理者が新規属性または言語を索引に追加した場合は、「品目キーワード検索」スケジュール済プロセスを同期化
処理とともに実行する必要があります。 -
- 演算子
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次の表に示す演算子を検索式で使用できます。
演算子 演算子 演算子 演算子の優先順位
ABOUT
ACCUMulate (,)
AND (&)
Broader Term
EQUIValence (=)
Fuzzy
HASPATH
INPATH
MDATA
MINUS (-)
Narrower Term
NEAR (;)
NOT (~)
OR (|)
Preferred Term
Related Term (RT)
soundex (!)
stem (s)
ストアド・クエリ式
SYNonym (SYN)
threshold (>)
Translation Term (TR)
Translation Term Synonym (TRSYN)
Top Term
weight (*)
ワイルドカード(%_)
WITHIN
Oracle Text検索の機能である次のワイルドカードを使用して、検索を拡張できます。
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パーセント記号(%)は、0個以上の文字に一致します
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アンダースコア(_)は、0または1個の文字に一致します
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バックスラッシュ(\)は、ワイルドカード文字をエスケープします(%_または\)
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- 単語のステミング
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単語のステミングを使用すると、runなどの語幹を、ran、runningおよびrunsなどの他の品詞と照合できます。単語のステミングを使用するには、管理者によって辞書がインストールされ、かつ、単語のステミングが検索で有効になっている必要があります。検索基準でステミングを指定するには、演算子stem ($)を使用します。ここで、$はステミングを使用して検索する単語です。
- Fuzzy演算子
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fuzzy演算子を使用すると、検索基準に入力された単語とスペルが似ている単語を含めるように問合せを拡張できます。fuzzy演算子は、スペルの間違いが多い場合に正確な結果を検出するために役立ちます。
- Synonym演算子
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synonym演算子(SYN)を使用すると、指定された単語のシノニムとしてシソーラスに定義されている単語を含めるように問合せを拡張できます。
- Soundex演算子
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soundex演算子(!)を使用すると、発音の似ている単語を含めるように問合せを拡張できます。この機能では、スペルは異なるが発音が似ている、英語または7ビット文字セットの単語を比較できます。たとえば、!Smytheを検索すると、Smithが返されます。
Oracle Textでは、1つの検索基準内でANDやORなどのキーワードを組み合せて使用できます。また、引用符を使用して、引用符で囲まれている文字を指定したとおりの順序で検索するように指定することもできます。
- Within演算子
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within演算子を使用すると、問合せをドキュメントのセクションに絞り込むことができます。ドキュメントのセクションは次のいずれかです。
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ゾーン・セクション
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フィールド・セクション
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属性セクション
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特殊セクション(文または段落)
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- ABOUT演算子
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ABOUT演算子を使用すると、問合せ語句に関連するドキュメントを返すことができます。英語とフランス語では、ABOUTを使用することで、概念が実際に問合せに含まれていなくても、概念を問い合せることができます。たとえば、heat (熱)に対するABOUT問合せでは、temperature (温度)という語が問合せに含まれていなくても、温度に関連するドキュメントが返されます。
- ANDおよびOR演算子
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AND演算子では、問合せ語がそれぞれ1つ以上存在するところを検索できます。OR演算子では、いずれかの問合せ語が1つ以上存在するところを検索できます。
- 辞書との照合
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検索語の辞書との照合を有効にできます。検索用に辞書を設定する必要があります。入力フィールドの単語のスペルが辞書に照らしてチェックされ、単語のスペルの間違いが修正されます。
品目の検索
アプリケーションが品目を検索する方法には、次のようなものがあります。
アクセスおよび検索に関するFAQ
検索と参照の違いは何ですか
問合せベースの検索では、検索に使用される文字列を入力します。問合せ検索は、検索されるオブジェクトに保存するメタデータに依存します。問合せベースの検索では、カタログ、品目区分、構成などのツリー・オブジェクトを検索する場合、構成の問合せベースの検索が指定されているオブジェクト・ページにナビゲートしないと、上位オブジェクト・メタデータのみが検索されます。
参照ベースの検索では、オブジェクトを視覚的に検索します。オブジェクトの構成をドリルダウンできます。構成化されたオブジェクトの場合、構成内の各層をクリックするだけで済むため、参照ベースの検索は問合せベースの検索よりも簡単に使用できます。