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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Schedulerの管理
12c (12.1.3)
E59386-02
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B.2 Oracle Enterprise Schedulerジョブのトラブルシューティングのスタート・ガイド

Oracle Enterprise Schedulerジョブの実行中に発生する次のような一般的な問題について、トラブルシューティングを行う場合があります。

Oracle Enterprise Schedulerのトラブルシューティングには、標準のOracle WebLogic Serverシステム・ログを使用します。ジョブ・リスクエスト・ログを表示する方法の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerのロギングの管理」を参照してください

この項では、次の項目について説明します。

B.2.1 非同期スケジュール済ジョブのトラブルシューティング

非同期ジョブは別のJVMSで実行されるジョブで、非同期Oracle BI Reporting and Publishing、PL/SQLジョブ、および非同期SOAまたはADFビジネス・コンポーネント・サービスを呼び出すJavaジョブが含まれます。非同期スケジュール済ジョブを処理する際、Oracle Enterprise Schedulerは、実行後のジョブの結果を定義する完了ステータスを送信するリモート・ジョブに依存します。しかし、次のような理由から、完了ステータスが生成されなかったり失われたりすることがあります。

  • スケジュール済ジョブがクラッシュしました。

  • ジョブが停止状態でスタックしています。

  • ジョブの完了時にOracle Enterprise Schedulerがダウンしていました。

  • ネットワークの問題。

いずれかの状況に当てはまる場合、非同期ジョブがいつまでも実行状態のままになります。その結果、ジョブ・セットの後続のステップが実行されなかったり、非互換ジョブが無期限にブロックされることがあります。

Oracle Enterprise Schedulerの情報はFusion Middleware Controlに表示されるため、ここでリモート・システム上のジョブと外部識別子を確認できます。

実行状態でスタックしている非同期ジョブは、次の方法でトラブルシューティングできます。

ジョブのタイムアウトを構成するときには、Fusion Middleware Controlを使用して、タイムアウトしたジョブをすべて表示できます。ただし、タイムアウトしたジョブはまだ実行中の状態です。タイムアウトしたジョブの状態を手動で変更する必要があります。ステータス・コールバックはタイムアウトになったジョブにも有効で、ジョブは完了の状態に遷移します。

タイムアウトしていない非同期ジョブの状態を変更することもできます。これに該当するのは、タイムアウトを構成していないジョブで完了ステータスが失われ、ジョブが長時間実行されていることに気づいた場合などです。

B.2.1.1 非同期Javaジョブのトラブルシューティング

非同期Javaジョブ(リモートOracle SOA SuiteまたはOracle ADFビジネス・コンポーネント・サービスを呼び出すジョブを含む)の場合、ログ・レコードにECIDのタグが付加されます。ECIDにより、ドメイン全体のログを表示してジョブ実行の問題を解決できます。Oracle ADFビジネス・コンポーネント、SOAコンポジット、Webサービス・スタックおよびアプリケーションはレコードをECIDとともにログ記録します。

非同期SOAジョブの場合は、「非同期Java SOAジョブのRUNNING状態が続く」の説明のとおり、Fusion Middleware Controlでインスタンスの監査証跡を使用してコンポジット実行の問題を解決できます。

例B-1は、JRF Webサービスがserver-diagnostic.logにスタックした、サンプルのログ・メッセージ・ファイルであり、各ログにインライン注釈が含まれています。このログは次のディレクトリに格納されています。

(UNIX) DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs
(Windows) DOMAIN_HOME\servers\server_name\logs

ジョブのパラメータ構成の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerジョブ・リクエストの送信」を参照してください。server-diagnostic.logファイルの表示の詳細は、「ジョブ・リクエスト・ログの保存」を参照してください。

例B-1 server-diagnostic.log内の非同期ジョブのロギング・メッセージ

Sending message to JMS queue "oracle.j2ee.ws.server.async.DefaultRequestQueue" for asynchronous
processing of service b99d80e5-42aa-423a-9e98-f6f88b8b79dfRequest.

[2010-08-30T18:28:13.519-07:00] AdminServer NOTIFICATION []
oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages [tid: ACTIVE.ExecuteThread: '0' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId: <anonymous>] 
[ecid: 0000If5kZGS76EWLHyo2yf1CV5eh000000,0:1] [WEBSERVICE\_PORT.name:
 EmployeeModuleServiceSoapHttpPort] [APP: ADFBCAsync] [J2EE\_MODULE.name: ADFBCAsync\-ejb]
[WEBSERVICE.name: EmployeeModuleService] [J2EE\_APP.name: ADFBCAsync] [MessageID:
urn:uuid:01994234-4442-4dee-82a6-e1e04407af56] 

An asynchronous request message is received and successfully recorded for the service
EmployeeModuleService with the replyTo address
http://adc2180314:7001/ADFBCAsyncCallback/EmployeeModuleServiceCallbackResponseImplService.

[2010-08-30T18:28:13.724-07:00] AdminServer NOTIFICATION []
oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages [tid: ACTIVE.ExecuteThread: '0' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId: <anonymous>]
[ecid: 0000If5kZGS76EWLHyo2yf1CV5eh000000,0:1] [WEBSERVICE\_PORT.name:
EmployeeModuleServiceSoapHttpPort] [APP: ADFBCAsync] [J2EE\_MODULE.name: ADFBCAsync\-ejb]
[WEBSERVICE.name: EmployeeModuleService] [J2EE\_APP.name: ADFBCAsync] [MessageID:
urn:uuid:01994234-4442-4dee-82a6-e1e04407af56] 
Unknown macro: {/service/common/} 

Started asynchronous request processing for the service EmployeeModuleService with the message
selector "b99d80e5-42aa-423a-9e98-f6f88b8b79dfRequest". Transaction enabled: "true".

[2010-08-30T18:28:13.811-07:00] AdminServer NOTIFICATION []
oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages [tid: ACTIVE.ExecuteThread: '2' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId: OracleSystemUser] 
[ecid: 0000If5kZGS76EWLHyo2yf1CV5eh000000,0] [APP: ADFBCAsync] [MessageID:
urn:uuid:01994234-4442-4dee-82a6-e1e04407af56] 

Completed asynchronous request processing. A response is sent to the client.

[2010-08-30T18:28:17.307-07:00] AdminServer NOTIFICATION []
oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages [tid: ACTIVE.ExecuteThread: '2' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId: OracleSystemUser] 
[ecid: 0000If5kZGS76EWLHyo2yf1CV5eh000000,0] [APP: ADFBCAsync] [MessageID:
urn:uuid:01994234-4442-4dee-82a6-e1e04407af56]

Started asynchronous response processing for the service EmployeeModuleService with the message
selector "b99d80e5-42aa-423a-9e98-f6f88b8b79dfResponse".

[2010-08-30T18:28:17.330-07:00] AdminServer NOTIFICATION []
oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages [tid: ACTIVE.ExecuteThread: '0' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId: OracleSystemUser] 
[ecid: 0000If5kZGS76EWLHyo2yf1CV5eh000000,0] [APP: ADFBCAsync] [MessageID:
urn:uuid:01994234-4442-4dee-82a6-e1e04407af56] 
Unknown macro: {/service/common/} 

Completed asynchronous response processing successfully. The client should have received the
response at this point.

[2010-08-30T18:28:17.825-07:00] AdminServer NOTIFICATION []
oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages [tid: ACTIVE.ExecuteThread: '0' for queue:
'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId: OracleSystemUser] 
[ecid: 0000If5kZGS76EWLHyo2yf1CV5eh000000,0] [APP: ADFBCAsync] [MessageID:
urn:uuid:01994234-4442-4dee-82a6-e1e04407af56] 

Completed asynchronous response processing with exceptions. The client does not receive any
response.

[2010-08-31T09:55:33.939-07:00] AdminServer ERROR [] oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages
[tid: ACTIVE.ExecuteThread: '5' for queue: 'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId:
OracleSystemUser] [ecid: 0000If94mKW76EWLHyo2yf1CVJG1000000,0] [APP: j2wpojoasync] [MessageID:
urn:uuid:5b9a5134-1416-4bda-95fd-da6e624466d7] 

The response is not sent again as the callback service has replied with a SOAP fault. The HTTP
response code is 500.

[2010-08-31T10:17:35.852-07:00] AdminServer ERROR [] oracle.j2ee.ws.common.jaxws.JAXWSMessages
[tid: ACTIVE.ExecuteThread: '0' for queue: 'weblogic.kernel.Default (self-tuning)'] [userId:
OracleSystemUser] [ecid: 0000If99plA76EWLHyo2yf1CVĴi000000,0] [APP:
ADFBCAsyncInvalidCallbackCreds] [MessageID: urn:uuid:7e355428-f68f-4c3f-a368-baf529048323] 

B.2.1.2 非同期PL/SQLジョブのトラブルシューティング

Oracle Database内では、PL/SQLジョブをジョブ名で特定できます。リクエストに関連付けられているデータベース・ジョブ名は、Fusion Middleware Controlの「ジョブ詳細」ページで確認できます。ジョブ・リクエスト詳細の表示の詳細は、「ジョブ・リクエストの詳細の表示」を参照してください。

B.2.2 SOAコンポジット・ジョブのトラブルシューティング

Webサービスのジョブとして呼び出されたSOAコンポジットがスタックしているか、エラーが戻された場合は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの「リクエスト詳細」ページに移動し、SOAフローのトレースに移動します。

B.2.3 プロセス・ジョブのトラブルシューティング

生成されたジョブ・プロセスは、ホスト名、プロセスIDおよびプロセス・グループIDの組合せで特定できます。これは、Fusion Middleware Controlの「ジョブ詳細」ページに追加情報とともに表示されます。ジョブ・リクエスト詳細の表示の詳細は、「ジョブ・リクエストの詳細の表示」を参照してください。

B.2.4 手動リカバリの手順

様々な理由から、ジョブ・リクエストのエラーを手動でリカバリする必要がある場合があります。たとえば、非同期ジョブ・リクエストの場合、ジョブ実装がジョブ・リクエストが正常に起動されたかどうかを把握することができず、手動リカバリ例外がスローされることがあります。ジョブ・リクエストが手動エラー・リカバリになった場合は、そのジョブ・リクエストを手動で完了させる必要があります。ジョブ・リクエストが実際に正常に起動され、完了時に完了ステータスを返した場合、このステータスは無視されます。

ジョブ・リクエストが手動エラー・リカバリになる可能性があるのは、次のような場合です。

  • 非同期Javaジョブ・リクエストがExecutionManualRecoveryExceptionをスローし、Oracle Enterprise Schedulerに手動リカバリの必要性があることを通知します。ジョブ・リクエストはERROR_MANUAL_RECOVERY状態になります。原因はCause.PROCESS_MANUAL_RECOVER_ERROR (209)に設定されます。

  • 非同期Javaジョブ・リクエストがランタイム例外またはエラーをスローします。スローされた例外がジョブ実装によって処理されない場合、Oracle Enterprise Schedulerはリモート・ジョブが呼び出されたかどうかを知ることができず、手動リカバリが必要になります。原因はCause.PROCESS_MANUAL_RECOVER_ERROR (209)に設定されます。

  • 非同期ジョブ・リクエストの開始処理を終了する前にOracle Enterprise Schedulerがクラッシュした場合、Oracle Enterprise Schedulerはリモート・ジョブが呼び出されたかどうかを知ることができません。ジョブ・リクエストの状態はERROR_MANUAL_RECOVERYになり、非互換ロックを保持します。原因はCause.PROCESS_RECOVER (210)に設定されます。非同期ジョブの開始処理が終了してジョブが実行中の状態になってからサービスがクラッシュした場合、ジョブは実行中状態を維持し、コールバックの発生時に完了します。

  • 生成されたジョブがクラスタ環境で実行され、ジョブ・リクエストがOracle Enterprise Schedulerの最初のインスタンスで実行され、これが関連付けられている生成エージェントとともにダウンします。Oracle Enterprise Schedulerの最初のインスタンスがバックアップされておらず、しばらく実行を続けている場合、Oracle Enterprise Schedulerは生成されたプロセスが実際に実行しているかどうかを知ることができません。手動の検出およびリカバリが必要になります。原因はCause.PROCESS_RECOVER(210)に設定されます。

B.2.4.1 手動リカバリを要する同期Javaジョブの処理

Javaジョブがタイムアウトした場合や実行時間が異常に長い場合、通常どおりジョブが完了するまで実行を続けるか、終了させることができます。

同期Javaジョブをリカバリするには:

  1. ジョブがERROR_MANUAL_RECOVERY状態でない場合は、ジョブを取り消します。「Oracle Enterprise Schedulerジョブ・リクエストの取消し」を参照してください。ジョブのCANCELLING状態が異常に長く続く場合は、次の手順に進みます。

  2. 次のいずれかのアクションを実行します。

    • しばらくしてリクエストが終了状態に遷移した場合は、これ以上の作業は不要です。

    • リクエストの状態がCANCELLING状態から遷移しない場合は、リクエストが実行されているOracle Enterprise Schedulerサーバーを、サーバーとクラスタ名を探して確認します。

      Oracle Enterprise Schedulerプロセス・グループからクラスタ名を判断します。プロセス・グループ情報が検索結果に表示されるのは、ジョブ・リクエスト検索のスコープを「ESSリポジトリを共有するすべてのスケジューリング・サービス」に設定している場合のみです。検索の実行方法の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerジョブ・リクエストの検索」を参照してください。

  3. ジョブの取消しが効果的でない場合は、関連するOracle Enterprise Schedulerサーバーを再起動します。

    1. ナビゲーション・ペインでファームを開いて「WebLogicドメイン」を開きます。

    2. Oracle Enterprise Schedulerクラスタを展開し、Oracle Enterprise Schedulerサーバーを選択します。

    3. WebLogic Serverホームページで、「WebLogic Server」メニューから、「コントロール」「停止」を選択します。

    4. サービスの停止後、WebLogic Serverホームページで、「WebLogic Server」メニューから、「コントロール」「起動」を選択します。

  4. 「リクエスト詳細」ページの「アクション」メニューから、「スタック・リクエストのリカバリ」を選択します。

B.2.4.2 手動リカバリを要するスタック非同期ジョブの処理

非同期ジョブ・リクエストの手動リカバリが必要な場合は、次の基本の手順を実行します。追加の手順はジョブ・タイプによって異なります。

リクエストがスタックしている(手動リカバリとしてマーキングされている、長時間実行している、またはタイムアウトになっている)場合で、そのリクエストが非同期リモート・ジョブであるときは、まずリモート・ジョブがまだ実行中であるかどうかを調べます。

非同期ジョブを処理するには:

  1. リモート・ジョブがまだ実行中であるかどうかを調べます。

    1. 「リクエスト詳細」ページにナビゲートし、リモート・ジョブを特定します。「リクエスト詳細」ページを表示する方法の詳細は、「ジョブ・リクエストの詳細の表示」を参照してください。

      - PL/SQLジョブの場合は、「リクエスト詳細」ページにナビゲートし、「実行タイプ」アイコンをクリックします。スケジュール済ジョブ・リクエストとデータベース・スケジューラ・ジョブの相関関係を示す、データベース・セッション情報が表示されます。これでジョブ・リクエストがまだ実行中であるかどうかを確認できます。

      - 生成されたジョブの場合、「リクエスト詳細」ページにナビゲートし、「実行タイプ」アイコンをクリックして生成されたプロセスの情報を表示します。これはスケジュール済ジョブ・リクエストと外部ジョブ(この場合オペレーティング・システム・プロセス)の相関関係を示します。この相関関係でジョブがまだ実行中であるかどうかを確認できます。

    2. リモート・ジョブがもう実行していないことを確認します。

      - リモート・ジョブがリモート・システムで正常に作成されていなかった場合は、ジョブ・リクエストのステータスをERRORに設定します。

      - リモート・ジョブが作成され実行を終了している場合は、そのステータスを確認し、ジョブ・リクエストのステータスを適宜設定します。

      - リモート・ジョブ・インスタンスの実行が終了してない場合、ジョブの完了を待ち、ジョブ・リクエストのステータスを適宜設定します。

  2. リモート・ジョブが実行中の状態でなくなったら、Oracle Enterprise Schedulerでジョブ・リクエストを終了させ、Oracle Enterprise Schedulerがそのジョブを追跡しないようにします。

    1. 「スケジューリング・サービス」メニューをクリックし、「ジョブ・リクエストの検索」を選択し、「リクエストの検索」ページにナビゲートします。

    2. 「クイック検索」リストで、手動リカバリ(ERROR_MANUAL_RECOVERY)としてマーキングされた非同期ジョブの場合は、「手動リカバリが必要な非同期リクエスト」を選択します。リクエストはRUNNING状態です。ERROR_MANUAL_RECOVERY状態でない非同期ジョブの場合は、「手動リカバリが必要な非同期リクエスト」オプションを使用するのではなく、更新が必要な既知のリクエストを検索します。

    3. 検索結果で、「リクエスト詳細」ページを表示するリクエストIDをクリックします。

    4. 「リクエスト詳細」ページの「アクション」メニューから、「スタック・リクエストのリカバリ」を選択します。

    5. 「スタック・リクエストのリカバリ」ダイアログ・ボックスで、ジョブ・リクエストの状態を適宜設定します。オプションで、ジョブ・リクエストのステータスの説明を追加します。

      ステータスをERRORに設定した場合、追加した説明が「リクエスト詳細」ページに表示されます。

B.2.5 ジョブ診断

様々な理由からスケジュール済ジョブが実行されなかったり、実行に失敗したりすることがあります。いずれの場合でも、Fusion Middleware Controlの「ジョブ詳細」ページにある組込み診断を使用できます。エラーで失敗したジョブの場合、「ジョブ詳細」ページに理由が表示され、ジョブ・リクエスト・ログへのアクセス手段が提供されます。

Fusion Middleware Controlでは次のものが提供されます。

  • ジョブ・リクエスト・ログへのアクセス。

  • PL/SQLジョブ・リクエストの場合は、データベース・セッション情報。PL/SQLジョブ・リクエストの「ジョブ詳細」ページに表示されます。

  • プロセス・ジョブ・リクエスト場合は、生成されたプロセスの情報。プロセス・ジョブ・リクエストの「ジョブ詳細」ページに表示されます。

  • 待機、準備完了またはブロックされている状態のジョブ・リクエストの場合は、ジョブ・リクエストがその状態になっている理由を示すメッセージが「ジョブ詳細」ページに表示されます。

  • 「ジョブ詳細」ページにエラーと警告のメッセージが表示されます。スタック・トレースなどの追加情報も表示されます。

  • 再試行されたジョブ・リクエストの場合は、「ジョブ詳細」ページに、実行した再試行回数、次の再試行時間、エラーが続く場合に実行される残りの再試行回数が表示されます。

  • 手動リカバリを要するジョブ・リクエストまたはタイムアウトしたジョブ・リクエストの場合は、「ジョブ詳細」ページに、手動リカバリの必要性を示すメッセージが表示されます。

ジョブ・リクエスト詳細の表示の詳細は、「ジョブ・リクエストの詳細の表示」を参照してください。

表B-1に、各状態に関連付けられている診断コード、説明および追加情報を示します。この表に記載されていない状態のリクエストについては、その診断にリクエストの状態しか含まれません。


表B-1 ジョブ・リクエストの状態と関連付けられている診断コード

状態 診断コード 説明 関連ドキュメント

BLOCKED

BLOCKED

非互換のジョブ・リクエストによりブロックされました。ブロックしているリクエストのリクエストIDが含まれます。

ジョブ・リクエストを取り消す方法の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerジョブ・リクエストの取消し」を参照してください。

COMPLETED

POSTPROCESS_DELAY

ポストプロセッサが原因で、ジョブ・リクエストが遅れています。遅延の終了時間が含まれます。

PAUSED

PAUSED

ジョブ・リクエストは1つ以上のサブリクエストの親であり、一時停止されている状態です。非終了状態のサブリクエストがある場合は、そのリクエストIDが含まれます。

一時停止されているジョブ・リクエストを再開する方法の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerジョブ・リクエストの保留と再開」を参照してください。

READY

NO_ACTIVE_SERVER

プロセス・グループにアクティブなサーバーがありません。プロセスおよび分離グループの名前が含まれます。

Oracle Enterprise Schedulerのアクティブ化の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの起動と停止」を参照してください。

READY

REQUESTED_PROCESSOR_NOT_ACTIVE

ジョブ・リクエストのSYS_requestedProcessorプロパティによって指定されたサーバーは使用不可です。リクエストされたプロセッサの名前が含まれます。

-

READY

NO_APPLICATION

アプリケーションがデプロイされていないか、非アクティブです。アプリケーション、プロセス・グループおよび分離グループの名前が含まれます。

-

READY

PROCESSOR_STOPPED

アプリケーションがデプロイされていてアクティブ・プロセッサのあるサーバーがないため、リクエストを処理できません。

リクエスト・プロセッサの起動の詳細は、「リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止」を参照してください。

READY

PROCESSOR_FAILED

アプリケーションがデプロイされているすべてのサーバーにおいてプロセッサでエラーが発生したため、リクエストを処理できません。

-

READY

PROCESSOR_WAIT

プロセッサ・スレッドが使用可能になるのをジョブ・リクエストが待機しています。ジョブ・リクエストを処理できる作業割当ての名前が含まれます。

-

READY

INACTIVE_WORK_ASSIGNMENT_WAIT

作業割当てがアクティブになるのを待機しています。アクティブである場合にジョブ・リクエストを処理できる現在非アクティブな作業割当ての名前が含まれます。

-

READY

NO_LOADED_WORK_ASSIGNMENT

リクエストを処理できる作業割当てがバインドされていますが、バインディングがロードされていません。サーバーがダウンしている可能性があります。リクエストを処理できる未ロードの作業割当ての名前が含まれます。

Oracle Enterprise Schedulerのアクティブ化の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの起動と停止」を参照してください。

READY

NO_BOUND_WORK_ASSIGNMENT

特殊化された作業割当てをジョブ・リクエストにバインドする必要があります。

作業割当てのバインドの詳細は、「リクエスト・プロセッサの構成」を参照してください。

READY

THROTTLED

ジョブ・リクエストは非同期リクエストであり、これと同じタイプのアクティブな非同期ジョブの数が制限数と同じです。作業割当て、稼働シフト、非同期ジョブ・タイプおよび非同期制限が含まれます。

ジョブに割り当てるスレッド数を変更するか、稼働シフトの非同期ジョブ制限を変更します。稼働シフトの編集の詳細は、「作業割当ての作成または編集」を参照してください。

READY

DISABLED_WORK_ASSIGNMENT

リクエストを処理できる作業割当てがバインドされていますが、作業割当てが無効です。無効の作業割当ての名前が含まれます。

作業割当てを有効にします。作業割当ての編集の詳細は、「作業割当ての作成または編集」を参照してください。

RUNNING

PREPROCESS_DELAY

プリプロセッサが原因で、リクエストが遅れています。遅延の終了時間が含まれます。

-

RUNNING

TIMED_OUT

ジョブ・リクエストがタイムアウトになりました。通常、このコードはタイムアウトになった非同期Javaジョブ・リクエストに対して表示されます。

-

RUNNING

NO_ACTIVE_SERVER

プロセス・グループ内にアクティブなサーバーがないため、ジョブ・リクエストの処理を継続できません。プロセスおよび分離グループの名前が含まれます。

Oracle Enterprise Schedulerサーバーが実行していることを確認します(「Oracle Enterprise Schedulerリクエストのアクティビティの監視」を参照)。必要であれば、「Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの起動と停止」の説明のとおり、Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの1つを再起動します。

RUNNING

REQUESTED_PROCESSOR_NOT_ACTIVE

ジョブ・リクエストのSYS_requestedProcessorプロパティによって指定されたサーバーが使用不可であるため、ジョブ・リクエストの処理を継続できません。リクエストされたプロセッサの名前が含まれます。

Oracle Enterprise Schedulerサーバーが実行していることを確認します(「Oracle Enterprise Schedulerリクエストのアクティビティの監視」を参照)。必要であれば、「Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの起動と停止」の説明のとおり、Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの1つを再起動します。

RUNNING

NO_APPLICATION

アプリケーションがデプロイされていないか、非アクティブであるため、ジョブ・リクエストの処理を継続できません。アプリケーション、プロセス・グループおよび分離グループの名前が含まれます。

-

RUNNING

PROCESSOR_STOPPED

アプリケーションがデプロイされていてアクティブ・プロセッサのあるサーバーがないため、ジョブ・リクエストの処理を継続できません。

Oracle Enterprise Schedulerサーバーが実行していることを確認します(「Oracle Enterprise Schedulerリクエストのアクティビティの監視」を参照)。「リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止」の説明に従って、リクエスト・プロセッサを起動します。

RUNNING

PROCESSOR_FAILED

アプリケーションがデプロイされているすべてのサーバーにおいてプロセッサでエラーが発生したため、ジョブ・リクエストの処理を継続できません。

Oracle Enterprise Schedulerサーバーが実行していることを確認します(「Oracle Enterprise Schedulerリクエストのアクティビティの監視」を参照)。「リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止」の説明に従って、リクエスト・プロセッサを再起動します。

RUNNING

PROCESSOR_WAIT

使用可能なプロセッサ・スレッドが非同期Javaジョブ・リクエストの更新イベントを処理するのを待っています。リクエストを処理できる作業割当ての名前が含まれます。ジョブ・リクエストが更新イベントを無効にしたかどうかを示します。

-

RUNNING

INACTIVE_WORK_ASSIGNMENT_WAIT

作業割当てがアクティブになり非同期Javaリクエストの更新イベントを処理するのを待っています。アクティブである場合にリクエストを処理できる現在非アクティブな作業割当ての名前が含まれます。ジョブ・リクエストが更新イベントを無効にしたかどうかを示します。

ジョブ・リクエストを処理できるようにするため、非アクティブな作業割当てをアクティブ化します。詳細は、「作業割当ての作成または編集」を参照してください。

RUNNING

NO_LOADED_WORK_ASSIGNMENT

非同期Javaジョブ・リクエストの処理が遅れている可能性があります。更新イベントを処理できる作業割当てがバインドされていますが、バインディングがロードされていません。サーバーがダウンしている可能性があります。ジョブ・リクエストを処理できる未ロードの作業割当ての名前が含まれます。ジョブ・リクエストが更新イベントを無効にしたかどうかを示します。

Oracle Enterprise Schedulerサーバーが実行していることを確認します(「Oracle Enterprise Schedulerリクエストのアクティビティの監視」を参照)。必要であれば、「Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの起動と停止」の説明のとおり、Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントの1つを再起動します。

RUNNING

NO_BOUND_WORK_ASSIGNMENT

非同期Javaジョブ・リクエストの処理が遅れている可能性があります。非同期Javaジョブ・リクエストの更新イベントを処理できる作業割当てがバインドされていません。リクエストが更新イベントを無効にしたかどうかを示します。

作業割当てをリクエスト・プロセッサにバインドします。詳細は、「リクエスト・プロセッサの構成」を参照してください。

RUNNING

DISABLED_WORK_ASSIGNMENT

非同期Javaジョブ・リクエストの処理が遅れている可能性があります。ジョブ・リクエストの更新イベントを処理できる作業割当てがバインドされていますが、作業割当てが無効です。無効の作業割当ての名前が含まれます。ジョブ・リクエストが更新イベントを無効にしたかどうかを示します。

作業割当てを有効にします。作業割当ての編集の詳細は、「作業割当ての作成または編集」を参照してください。

RUNNING

ASYNC_WAIT_COMPLETION

ジョブ・リクエストは、実行が開始されている非同期リクエストです。Oracle Enterprise Schedulerは、非同期実行が完了したという通知を待っています。

リモート実行が完了した場合、そのリクエストを手動でリカバリすることが必要になる場合があります。非同期ジョブ・リクエストの詳細は、「非同期スケジュール済ジョブのトラブルシューティング」を参照してください。

WAIT

FUTURE_START

ジョブ・リクエストに将来のスケジュール時間があります。ジョブ・リクエストのスケジュール時間が含まれます。

-

WAIT

RETRY_DELAY

ジョブ・リクエストでエラーが発生し、再試行が実行される前にジョブ・リクエストが遅れています。スケジュールされている再試行時間が含まれます。

-

WAIT

NO_APPLICATION

ジョブ・リクエストのスケジュール時間に到達しましたが、アプリケーションが使用不可(デプロイされていない、またはアクティブでない)であるためジョブ・リクエストをディスパッチできません。アプリケーション、プロセス・グループおよび分離グループの名前が含まれます。

-

WAIT

PARENT_NOT_PAUSED

ジョブ・リクエストはサブリクエストであり、その親が一時停止していません。親が一時停止するまで、サブリクエストはWAIT状態に留まります。親リクエストIDが含まれます。

一時停止されているジョブ・リクエストを一時停止する方法の詳細は、「Oracle Enterprise Schedulerジョブ・リクエストの保留と再開」を参照してください。

WAIT

DEFERRED

ジョブ・リクエストは、前の再帰インスタンスがまだ実行中の再帰インスタンスです。Oracle Enterprise Schedulerでは再帰インスタンスを同時実行できず、現在の再帰がアクティブである間、次の再帰はWAIT状態のままです。

-

WAIT

DISPATCHER_STOPPED

アプリケーションがデプロイされていてディスパッチャが実行中のサーバーがないため、ジョブ・リクエストをディスパッチできません。

リクエスト・ディスパッチャを再起動します。詳細は、「リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止」を参照してください

WAIT

DISPATCHER_FAILED

アプリケーションがデプロイされているすべてのサーバーにおいてディスパッチャでエラーが発生したため、ジョブ・リクエストをディスパッチできません。

リクエスト・ディスパッチャまたは他のOracle Enterprise Schedulerコンポーネントを再起動します。詳細は、「リクエスト・プロセッサまたはディスパッチャの起動と停止」および「Oracle Enterprise Schedulerサービス・インスタンスの起動と停止」を参照してください。

WAIT

WAIT_QUEUE_MISSING

リクエストの予期した待機中のキュー・エントリが存在しません。

-

終了状態

TERMINAL

ジョブ・リクエストは終了状態(SUCCEEDEDWARNINGERRORCANCELLEDEXPIREDVALIDATION_FAILEDFINISHED)です。アプリケーション、プロセス・グループ、分離グループ、作業割当ておよび稼働シフトが含まれます。

-


注意:

ジョブの状態の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Scheduler Java APIリファレンスを参照してください。