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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository管理者ガイド
12c リリース 1 (12.1.3)
E59479-02
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14 プリスクリプティブな再利用の構成

この章では、コンプライアンス・テンプレートの概要と、プリスクリプティブな再利用でのその役割について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

14.1 概要

Oracle Enterprise Repositoryは、プロジェクト評価に関わるステークホルダーとプロジェクトの実装に関わる開発者間の通信メカニズムとして機能します。ビジネス・アナリストまたは設計者は、プロジェクトの要件の確認を担当します。このプロセスで、プロジェクトの機能要件および非機能要件を満たす既存のサービスまたは機能が特定される場合があります。

Oracle Enterprise Repositoryを使用すると、これらのステークホルダーは、プロジェクトに関連する可能性がある既存のアセットのリストを含むコンプライアンス・テンプレートを作成できます。このプロセスはプリスクリプティブな再利用と呼ばれ、請負組織において非常に重要なものです。請負組織は、入札が顧客によって受け入れられる数か月前に、プロジェクトの具体化または入札を行う場合があります。コンプライアンス・テンプレートは、これらの組織が、プロジェクト入札の作成時に設定された想定を捕捉するための方法になります。入札が受け入れられると、作業を実行するチームは、再利用することが想定されたアセットを確認できます。

コンプライアンス・テンプレートという用語は、Oracle Enterprise Repositoryアーティファクトの特定のファミリを示します。具体的なコンプライアンス・テンプレート・タイプの例として、次のものがあります。

  • プロジェクト・プロファイル

  • アーキテクチャ設計図

コンプライアンス・テンプレートは、アセット要件セットまたはアセット・ソリューション・セットを内部またはアウトソーシングされたプロジェクト・チームに示すために使用されます。プロジェクト・プロファイルは、通常、個々のプロジェクトに対して作成されますが、アーキテクチャ設計図は複数のプロジェクトで使用できる再利用可能なソリューション・セットです。

コンプライアンス・テンプレートは、通常、アセットおよびプロジェクト・ポートフォリオを担当する個人またはチームによって生成されます。

  • プロジェクトの計画担当者がポートフォリオの各プロジェクトのプロジェクト・プロファイルを作成し、計画および見積りの想定の概要を示す場合があります。

  • プロジェクト設計者がプロジェクト・プロファイルを作成し、プロジェクトのビジネス要件を満たすアセットを特定する場合があります。

  • 企業の設計者がアーキテクチャ設計図を作成し、これに新しいプロジェクトによって使用される標準のフレームワークおよびサーバーを指定する場合があります。

  • サービス指向アーキテクチャの担当者がアーキテクチャ設計図を作成し、特定のビジネス機能を編成するサービスを判定する場合があります。

  • 製品ラインの設計者がアーキテクチャ設計図を作成し、これに特定の製品ラインで使用するアセットを指定する場合があります。

以前の製品バージョンからアップグレードする場合、インポート/エクスポート・ツールを使用してポリシー管理データパック内の例をインストールすることによって、コンプライアンス・テンプレートの例を取得できます。インポート/エクスポート・ツールの詳細は、第5章「インポート・エクスポート・ツール」を参照してください。

14.2 コンプライアンス・テンプレート・タイプの作成

この手順は、タイプ・マネージャで実行されます。タイプ・マネージャの実行の詳細は、第7章「タイプ・マネージャの使用」を参照してください。この例では、プロジェクト・プロファイルのコンプライアンス・テンプレート・タイプの作成を示します。


注意:

コンプライアンス・テンプレートを追加すると、Oracle Enterprise Repositoryシステムは永続的に変更されます。

データベースの整合性を維持するには、アセットが現在関連付けられていないコンプライアンス・テンプレートのみを削除できます。

タイプ・マネージャでコンプライアンス・テンプレート・タイプを使用できる場合:

  1. 「ファイル」メニューで「新規」を選択します。図14-1に示すように、新しいタイプの作成ダイアログが表示されます。

    図14-1 新しいタイプの作成ダイアログ

    図14-1の説明が続きます
    「図14-1 新しいタイプの作成ダイアログ」の説明

  2. タイプ名テキスト・ボックスに適切な情報を入力します。

  3. デフォルトのタイプ・リストで、リストからコンプライアンス・テンプレート・タイプを選択します。

  4. 「OK」をクリックします。図14-2に示すように、新しいタイプがタイプ・マネージャのサイドバーのツリーに表示されます。

    図14-2 タイプ・マネージャ

    図14-2の説明が続きます
    「図14-2 タイプ・マネージャ」の説明

タイプ・マネージャでコンプライアンス・テンプレート・タイプを使用できない場合:

インポート/エクスポート・ツールを使用して、Oracle Enterprise Repositoryベース・データパックからコンプライアンス・テンプレートおよび例を取得できます。

別の方法が必要な場合に、新しいコンプライアンス・テンプレート・タイプを手動で生成する手順:

  1. 「ファイル」メニューで「新規」を選択します。新しいタイプの作成ダイアログが表示されます。

  2. タイプ名テキスト・ボックスに適切な情報を入力します。

  3. デフォルトのタイプ・リストで、リストから任意のタイプを選択します。

  4. 「OK」をクリックします。新しいタイプがタイプ・マネージャのサイドバーのツリーに表示されます。

  5. タイプ・マネージャで新しいコンプライアンス・テンプレート・タイプを開きます。

  6. 新しいコンプライアンス・テンプレート・タイプのエディタ・タブをクリックします。

  7. 図14-3に示すように、エディタ・タブの「一般」セクションのアーキタイプ・リストでコンプライアンス・テンプレート・タイプを選択します。

    図14-3 エディタ・タブ

    図14-3の説明が続きます
    「図14-3 エディタタブ」の説明

  8. 「ファイル」メニューで「保存」をクリックします。

  9. 図14-4に示すように、タブ・セクションにリストされるタブのいずれかを選択します。

    図14-4 タブ・セクション

    図14-4の説明が続きます
    「図14-4 タブ・セクション」の説明

    そのタブに割り当てられている要素が「要素」セクションのリストに表示されます。

  10. 「要素」セクションの「追加」ボタンをクリックします。図14-5に示すように、追加する要素タイプの選択ダイアログが表示されます。

    図14-5 追加する要素タイプの選択ダイアログ

    図14-5の説明が続きます
    「図14-5 追加する要素タイプの選択ダイアログ」の説明

  11. 追加する要素タイプの選択ダイアログのリストからテンプレートの適用先プロジェクトを選択します。

  12. 「OK」をクリックします。追加する要素タイプの選択が閉じます。

  13. 図14-6に示すように、プロンプトに従って新しい要素のラベルを入力します。

    図14-6 テンプレートの適用先プロジェクトの編集ダイアログ

    図14-6の説明が続きます
    「図14-6 テンプレートを適用するプロジェクトの編集ダイアログ」の説明

  14. 「OK」をクリックします。新しい要素が「要素」セクションのリストに表示されます。

  15. 「ファイル」メニューで「保存」をクリックします。

  16. 新しいコンプライアンス・テンプレート・タイプの「ビューア」タブをクリックします。

  17. 図14-7に示すように、非表示要素のリストで新しい要素を見つけて選択します。

    図14-7 非表示要素セクション

    図14-7の説明が続きます
    「図14-7 非表示要素セクション」の説明

  18. グループでの表示ボタンをクリックします。図14-8に示すように、要素の移動ダイアログが表示されます。

    図14-8 要素の移動ダイアログ

    図14-8の説明が続きます
    「図14-8 要素の移動ダイアログ」の説明

  19. 要素の移動ダイアログのリストを使用して、新しい要素の場所を選択します。

  20. 「OK」をクリックします。新しい要素が「ビューア」タブの「要素」セクションのリストに表示されます。

    図14-9 「要素」セクション

    図14-9の説明が続きます
    「図14-9 「要素」セクション」の説明

  21. 「ファイル」メニューで「保存」をクリックします。

14.3 コンプライアンス・テンプレートの作成

この手順は、アセット・エディタで実行し、9.4項「高度なアセット発行」で説明されている高度なアセット発行に非常に似ています。

  1. 「ファイル」メニューで「新規」を選択します。図14-10に示すように、アセットの新規作成ダイアログが表示されます。

    図14-10 アセットの新規作成ダイアログ

    図14-10の説明が続きます
    「図14-10 アセットの新規作成ダイアログ」の説明

  2. 「名前」テキスト・ボックスと「バージョン」テキスト・ボックスに適切な情報を入力します。

  3. リストから適切な「タイプ」テンプレートを選択します。

  4. 「OK」をクリックします。図14-11に示すように、新しいコンプライアンス・テンプレートがアセット・エディタに表示されます。

    図14-11 アセット・エディタ

    図14-11の説明が続きます
    「図14-11 アセット・エディタ」の説明

  5. 分類タブをクリックし、「リレーションシップ」セクションで、「追加」をクリックしてリレーションシップを追加します。

  6. プロジェクトで使用する必要があるアセットを選択します。

  7. 必要に応じて、適切なリレーションシップ(規定されるアセット、規定されるプロセスおよび規定される環境)を割り当てます。

  8. アセット・エディタで、「ファイル」メニューの「保存」をクリックします。

レビューと登録を行うアセットが発行されます。

この手順に従って、プロジェクト・プロファイル、アーキテクチャ設計図などのコンプライアンス・テンプレートを作成します。

14.4 プロジェクトへのコンプライアンス・テンプレートの適用

この手順は、Oracle Enterprise Repositoryの「アセット」画面で開始します。

  1. 「検索」またはその他の方法を使用して、プロジェクトに適用するコンプライアンス・テンプレートを見つけます。(「検索」セクションの「タイプ」リストで目的のコンプライアンス・テンプレートを選択して、検索結果をフィルタ処理します。)

  2. 「プロジェクトに適用」をクリックします。図14-12に示すように、プロジェクトに適用ダイアログが表示されます。

    図14-12 プロジェクトに適用ダイアログ

    図14-12の説明が続きます
    「図14-12 プロジェクトに適用ダイアログの説明」

  3. 「すべてのプロジェクトをリスト」をクリックするか「検索」を使用して、プロファイルが適用されるプロジェクトを見つけます。使用可能なプロジェクト列にリストが表示されます。

  4. プロファイルが適用されるプロジェクトを選択します。

  5. 右矢印ボタンをクリックして、使用可能なプロジェクト列から適用先プロジェクト列にプロジェクトを移動します。使用可能なプロジェクトから適用先プロジェクトにプロジェクトが移動します。

  6. 「保存」をクリックします。図14-13に示すように、確認ダイアログが表示されます。

    図14-13 プロジェクトに適用の確認ダイアログ

    図14-13の説明が続きます
    「図14-13 プロジェクトに適用の確認ダイアログの説明」

  7. 「閉じる」をクリックします。

  8. Oracle Enterprise Repositoryのメニュー・バーの「プロジェクト」リンクをクリックします。「プロジェクト」画面が表示されます。

  9. 「検索」またはその他の方法を使用して、プロジェクト・プロファイルが適用されたプロジェクトを見つけます。

  10. プロジェクトの詳細でコンプライアンス・テンプレート・タブをクリックします。適用されたコンプライアンス・テンプレートがコンプライアンス・テンプレート・タブに表示されます。

14.5 コンプライアンス・テンプレートに関連付けられたアセット(規定されるアセット)の使用

コンプライアンス・テンプレートを使用して、そのコンプライアンス・テンプレートが適用される任意のプロジェクトで使用される特定のアセットを規定できます。この項では、規定されるアセットを使用するためのプロセスについて説明します。

この手順は、Oracle Enterprise Repositoryの「プロジェクト」画面で開始します。

  1. 図14-14に示すように、「検索」またはその他の方法を使用してプロジェクトを見つけます。

    図14-14 「プロジェクト」画面

    図14-14の説明が続きます
    「図14-14 「プロジェクト」画面」の説明

  2. 図14-15に示すように、プロジェクトに適用されるコンプライアンス・テンプレートがプロジェクト詳細のコンプライアンス・テンプレート・セクションに表示されます。

    図14-15 コンプライアンス・テンプレート

    図14-15の説明が続きます
    「図14-15 コンプライアンス・テンプレート」の説明

  3. リストされているコンプライアンス・テンプレートの名前の右側にある「アセットを使用」をクリックします。図14-16に示すように、使用 - ダウンロード・ダイアログが表示されます。

    図14-16 使用 - ダウンロード・ダイアログ

    図14-16の説明が続きます
    「図14-16 使用 - ダウンロード・ダイアログ」の説明


    注意:

    アセットを使用ボタンは、プロジェクトに割り当てられているユーザーにのみ表示されます。

  4. 「使用」列のオプションを使用して、ダウンロードするアセットを選択します。

  5. 「次」ボタンをクリックします。図14-17に示すように、「使用 - ダウンロード」ダイアログに、アセットの選択の確認が表示されます。

    図14-17 使用 - ダウンロード・ダイアログ

    図14-17の説明が続きます
    「図14-17 使用 - ダウンロード・ダイアログ」の説明

  6. 下矢印ボタンをクリックして、選択したアセットのペイロードをダウンロードします。

  7. 終了したら、「閉じる」をクリックします。図14-18に示すように、ダウンロードされたアセットが、プロジェクト詳細の使用されるアセット・セクションにリストされます。

    図14-18 「使用されるアセット」タブ

    図14-18の説明が続きます
    「図14-18 使用されるアセット・タブ」の説明

14.6 プロジェクト・コンプライアンス・レポートの実行

プロジェクト・コンプライアンス・レポートは、コンプライアンス・テンプレートで使用が規定されたアセットに対するプロジェクトの準拠を検証する方法です。

この手順は、Oracle Enterprise Repositoryの「レポート」画面で実行します。

  1. 図14-19に示すように、「レポート」のサイドバーでプロジェクト・コンプライアンス・リンクをクリックします。

    図14-19 「レポート」セクション

    図14-19の説明が続きます
    「図14-19 「レポート」セクション」の説明

    図14-20に示すように、プロジェクト・コンプライアンス・レポート・フォームがメイン・ペインで開きます。

    図14-20 プロジェクト・コンプライアンス・レポート・フォーム

    図14-20の説明が続きます
    「図14-20 プロジェクト・コンプライアンス・レポート・フォーム」の説明

  2. 「日付範囲」、「ソート順序」および「出力形式」のリストを使用して、レポート・パラメータを設定します。


    注意:

    「日付範囲」は、プロジェクトの作成日に基づきます。

  3. 「レポートの実行」ボタンをクリックします。図14-21に示すように、選択した形式でレポートが表示され、各プロジェクトがリストされ、使用されているコンプライアンス・テンプレート、規定されるアセット、規定されるアセットの使用ステータス、およびプロジェクトで使用されるその他のアセットが示されます。

    図14-21 プロジェクト・コンプライアンス・レポート

    図14-21の説明が続きます
    「図14-21 プロジェクト・コンプライアンス・レポート」の説明