| Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository管理者ガイド 12c リリース 1 (12.1.3) E59479-02 |
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この章では、ポリシー管理の様々な側面およびOracle Enterprise Repositoryでのポリシーの使用方法について説明します。
この章には次の項が含まれます:
ポリシーは、設計および開発の段階で考慮する必要があるアセット要件を伝えたり、ガバナンス、アーキテクチャおよびその他の組織標準にアセットを準拠させ、その状況を監視する手段を管理者に提供する目的で、アセットに適用されます。たとえば、アセットを実行するプラットフォームや許容される不具合密度レートを指定して、企業品質標準を規定するポリシーなどがあります。
ポリシーは複数のアセットに適用できます。複数のポリシーを任意のアセットに適用できます。各ポリシーは、少なくとも1つのアサーション文から構成されます。
各アサーションには名前と説明があり、技術的な定義が含まれています。技術的な定義には追加のメタデータが含まれており、これは、サード・パーティのテスト/検証ツールを使用してアサーションを自動的に検証する場合に必要となることがあります。このメタデータは、Webサービス固有のポリシー情報、XML、または外部システムで読取り可能な他の形式である場合があります。
たとえば、不具合密度に関するアサーション文では、不具合密度を1%未満にする必要がある旨を宣言できます。
Oracle Enterprise Repositoryベース・データパックにはサンプル・ポリシーが用意されており、それらをOracle Enterprise Repositoryインスタンスにインポートできます。Oracle Enterprise Repositoryのインポート/エクスポート機能の詳細は、第5章「インポート・エクスポート・ツール」を参照してください。
ポリシー管理機能をアクティブにするには、次の手順を実行します。
手順1: ポリシー管理システム設定の有効化
この手順は、Oracle Enterprise Repositoryの「管理」画面で実行します。
左ペインの「システム設定」をクリックします。
図16-1に示すように、「ポリシー管理」セクションにナビゲートします。
アセット・ポリシーの有効化プロパティがTrueに設定されていることを確認します。
ポリシー・アサーションを閉じるプロパティについて適切なオプションを選択します。
Trueの場合、アサーションのデフォルトのアセット詳細表示が閉じます。
Falseの場合、アサーションのデフォルトのアセット詳細表示が開きます。
アセット・ポリシー・リレーションシップのリストからポリシーの適用先を選択します。
終了したら、「保存」ボタンをクリックします。これで、ポリシー管理機能がアクティブになります。
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注意: この設定は、インストール時にはデフォルトでオフの状態で表示されます。この機能をオンにするには、ドキュメントの説明に従って、ユーザーがプロパティを適切な値に設定する必要があります。 |
手順2: ポリシー管理ソリューション・パックのインポート
ポリシー管理システム設定の構成が終了したら、<ORACLE_HOME>/oer/modules/tools/solutionsからPolicy-Management-Solution-Pack.zipをインストールし、インポート/エクスポート・ツールにより対象環境にインポートすることによって、サンプル・ポリシー・タイプとポリシーの例を入手できます。
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注意: ポリシー管理ソリューション・パックは、「手順1: ポリシー管理システム設定の有効化」に従ってシステム設定を有効化した後にインポートしてください。これらの設定を有効化する前にソリューション・パックをインポートすると、問題が発生する可能性があります。 |
必要に応じて、ベース・データ内のポリシー・テンプレートを使用するかわりに独自のポリシーを作成することもでき、この項ではその方法について説明します。ポリシー・タイプ・テンプレートは、既存のアセット・タイプまたはコンプライアンス・テンプレート・タイプを基準に作成できます。ポリシー・タイプはポリシー管理ソリューション・パックに含まれています。
Oracle Enterprise Repositoryの「アセット」画面にある「アセットの編集/管理」をクリックしてアセット・エディタを起動します。
アセット・エディタの「アクション」メニューを開きます。
「タイプの管理」をクリックしてタイプ・マネージャを起動します。
「ファイル」メニューを開き、「新規」をクリックします。新しいタイプの作成ダイアログが表示されます。
図16-3に示すように、「タイプ名」フィールドに「Policy」と入力し、デフォルトのタイプのリストからテンプレートを選択します。
「OK」をクリックします。
タイプ・マネージャのエディタ・タブで、アーキタイプのリストから「ポリシー・タイプ」を選択します。
独自のポリシー・タイプが正常に作成されます。
ポリシー・アサーションは、アセットに関する条件を満たす必要があることを宣言するものです。たとえば、アセットの不具合密度レートが1%未満であることを条件とするようにポリシー・アサーションで宣言します。各アサーションは個別に検証されます。アセットがすべてのアサーションを満たした場合(つまり、Oracle Enterprise Repositoryですべてのアサーションが可ステータスになった場合)、適用対象ポリシーにアセットが準拠していることになります。新規ポリシー・テンプレートが正しく機能するようにするには、ポリシー・アサーション要素を追加する必要があります。この単純な手順は、タイプ・マネージャで実行します。
ポリシー・アサーション要素は、ポリシー・テンプレートの任意のタブに追加できます。次の説明では、「概要」タブにポリシー・アサーション要素を追加しています。
タイプ・マネージャのタブ・セクションで「概要」を選択します。
図16-5に示すように、「概要」タブにすでに割り当てられている要素がタイプ・マネージャの「要素」セクションに一覧表示されます。
「追加」をクリックします。追加する要素タイプの選択ダイアログが表示されます。
図16-6に示すように、「要素タイプ」リストからポリシー・アサーションを選択します。
「OK」をクリックします。図16-7に示すように、ポリシー・アサーションの編集ダイアログが表示されます。
「表示名」テキスト・ボックスにポリシー・アサーションの名前を入力します。(次の例では、要素の名前として「Policy Assertions」を使用しています。)
「OK」をクリックします。これで、ポリシー・アサーション要素が「要素」リストに表示されるようになります。
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注意: ポリシーに関連付けられたアセットを扱うアセット・タイプでは、ポリシー・アサーション要素が必要になります。 |
ポリシーは、他のアセットと固有のリレーションシップを持つ特殊なタイプのアセットです。ポリシーはポリシー・タイプに基づいて作成されます。
この手順は、アセット・エディタで実行されます。
「ファイル」メニューを開き、「新規」をクリックします。アセットの新規作成ダイアログが表示されます。
図16-8に示すように、「名前」テキスト・ボックスにポリシーの名前を入力します。
バージョン番号を入力します(オプション)。
「タイプ」プルダウンから適切なポリシー・タイプを選択します。
初期状態プルダウンから適切な状態を選択します。
「OK」をクリックします。ポリシーがアセット・エディタに開きます。
ポリシー・アサーション・セクションで「追加」をクリックします。「編集」ダイアログが表示されます。
「名前」、「説明」および技術的な定義の各セクションに適宜入力します。
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注意: 「名前」と「説明」は、人間が読める情報です。技術的な定義は、アサーションをその他のプロセスやツールに渡して検証できるように、マシンで読取り可能な(XMLのような)情報にする必要があります。 |
「OK」をクリックします。新規ポリシー・アサーションがポリシー・アサーション・セクションに表示されます。
同じ手順を繰り返して、ポリシーに別のアサーションを追加します。
ポリシーは、適用されたアセット・ポリシー要素が追加されているタイプのアセットにのみ適用できます。たとえば、企業品質ポリシーがすべてのサービスに当てはまる場合、そのポリシーが適用されるようにするには、「サービス」アセット・タイプに、適用されたアセット・ポリシー要素を追加する必要があります。
適用されたアセット・ポリシー要素を追加する手順は、タイプ・マネージャで実行し、「ポリシー・タイプへのポリシー・アサーション要素の追加」の手順とほぼ同じです。
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注意: Oracle Enterprise Repositoryでポリシーを有効化する前に、次の手順を記載の順序で実行してください。
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選択したアセット・タイプを開きます。右側のパネルで、エディタ・タブを選択します。
タブ・セクションで、適用されたアセット・ポリシー要素の追加先のタブを選択します。
「要素」セクションで、「追加」をクリックします。追加する要素タイプの選択ダイアログが表示されます。
「要素タイプ」リストから適用されたアセット・ポリシー・オプションを選択します。
「OK」をクリックします。適用されたアセット・ポリシーの編集ダイアログが表示されます。
「表示名」テキスト・ボックスに適切な名前を入力します。
「OK」をクリックします。割り当てた名前を持つ、適用されたアセット・ポリシー要素が「要素」セクションのリストに表示されます。
右側のパネル表示を「ビューア」タブに切り替えます。
非表示要素セクションで、適用されたアセット・ポリシー要素を選択します。要素の移動ダイアログが表示されます。
適用されたアセット・ポリシーの移動先のリストから適切な適用されたアセット・ポリシー要素を選択します。
アセット・タイプを保存します。
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注意: ポリシーの基本アクセス設定で、ユーザーにポリシーの適用権限を割り当てる必要があります。 |
アセットにポリシーを追加する手順は、アセット詳細表示で実行します。
Oracle Enterprise Repositoryの検索機能またはその他の手段を使用して、ポリシーの追加先のアセットを探します。
図16-12に示すように、アセット詳細表示でポリシーの適用ボタンをクリックします。
図16-13に示すように、「すべてのポリシーの一覧表示」をクリックして、使用可能なアセット・ポリシー・ボックスにリストを表示します。
矢印ボタンを使用して、選択したポリシーを適用されたアセット・ポリシー・ボックスに移動します。
上の例では、サンプル・ポリシー - 企業品質標準というポリシーが適用されています。
「保存」をクリックします。
図16-14に示すように、確認メッセージが表示されます。
「閉じる」をクリックします。
アセット詳細フレームをリフレッシュします。
ポリシーが適用された場合は、アセット詳細の「概要」セクションに図16-15に示すようなアイコンが表示されます。(検索結果リストのアセットにポリシーが割り当てられている場合は、同じアイコンの小さいバージョンが表示されます。)
図16-16に示すように、アセット詳細の「リレーションシップ」セクションでは、サンプル・ポリシー - 企業品質標準が適用対象ポリシーとして指定されています。指定されたポリシーのテキスト・リンクをクリックすると、その詳細が表示されます。
ポリシー詳細の「リレーションシップ」セクションには、サンプル・ポリシー - 企業品質標準が適用されているアセットが一覧表示されます。サンプル・サービス - アカウント詳細(2.0)のリンクをクリックすると、そのアセットの詳細表示に戻ります。
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注意: 適格な任意のアセットに複数のポリシーを適用することもできます。 |
ポリシー・ステータスは、アセット詳細表示と検索結果に表示される特定のアイコンで示されます。(また、ポリシー・ステータスはオプションのナビゲータにも示されます。)
ポリシー・ステータスは、適用対象ポリシー内のアサーション文にアセットが準拠しているかどうかによって決定されます。複数のポリシーが適用される場合は、それぞれのポリシーに準拠しているアセットのみが可ステータスになります。
同様に、ポリシーは複数のアサーション文で構成されている場合があるため、すべての適用対象ポリシー内のすべてのアサーション文に準拠しているアセットのみが可ステータスになります。
| image | 説明 |
|---|---|
図exckicon.gifの説明 |
ステータス: 適用済
1つ以上のポリシーがアセットに適用されていて、可/不可ステータスが不明であることを示します。 可と不明のアサーション文が混在している場合、アセット・ステータスは不明になります。 |
図passed_icon.gifの説明 |
ステータス: 可
アセットがすべての適用対象ポリシー内のすべてのアサーション文に準拠していることを示します。 |
図failed_icon.gifの説明 |
ステータス: 不可
アセットがすべての適用対象ポリシー内のすべてのアサーション文に必ずしも準拠しているわけではないことを示します。 いずれかの適用対象ポリシー内のいずれかのアサーション文に準拠していない場合は、不可ステータスになります。 |
ポリシー・アサーションは、Oracle Enterprise Repositoryを使用して手動で検証することも、テスト/検証ツールを使用して自動的に検証することもできます。このドキュメントでは、ポリシー・アサーションの手動検証について説明します。自動検証プロセスについては、特定のテスト/検証ツールのドキュメントを参照してください。
ポリシー・アサーションの手動検証はアセット・エディタで実行します。アセット・エディタの詳細は、第9章「アセット・エディタの使用」を参照してください。
更新するアセットを探します。
アセット内の適用されたアセット・ポリシー・セクションを探します。
このセクションの特定のラベルおよび場所は、タイプ・テンプレート内のポリシー要素の構成によって決まります。
図16-17に示すように、更新するポリシーを選択します。
「詳細」をクリックします。図16-18に示すように、「ポリシーの表示」ダイアログが表示されます。
「ポリシーの表示」セクションに表示されるポリシーへのアセットの準拠ステータスは、「結果」列に示されます。上の例の「不明」ステータスは、ポリシーがアセットに適用されているが、そのポリシーのアサーション文への準拠はまだ評価されていないことを示します。
更新するアサーション文を選択します。
「編集」をクリックします。図16-19に示すように、アサーション結果の編集ダイアログが表示されます。
図16-20に示すように、評価値リストをクリックし、適切なステータスを選択します。
この例では、可ステータスが選択されています。その他の詳細は、評価情報に入力できます。
「OK」をクリックします。図16-21に示すように、更新されたステータスが「ポリシーの表示」ダイアログの「結果」列に表示されます。
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注意: アサーション値を「不明」に戻すには、アサーションを選択し、「クリア」をクリックします。 |
残りのアサーションについても同じ手順で検証します。
終了したら、「OK」をクリックして「ポリシーの表示」ダイアログを閉じます。
アサーションに加えた変更を保存します。
図16-22に示すように、緑のチェック・マーク付きのアイコンがアセット詳細に表示されます。
図16-23に示すように、検索結果内のポリシー準拠のアセット名の横にも同じものが表示されます。
この項で説明する2種類のポリシー・レポートが用意されています。
アセット・ポートフォリオ・ポリシー・ステータス
このレポートは、組織のアセット・ポートフォリオ全体に関して、ポリシー・ステータス(可、不可、不明)の概要を示します。このレポートを使用すると、各ステータスのアセットのリスト(たとえば、不可となるすべてのアセット)を表示できます。詳細なレポートには、各アセットに適用されるすべてのポリシーと、すべてのポリシー・アサーションのステータスがリストされます。
ポリシー・ステータス・レポート
このレポートは、組織のポリシー・ポートフォリオのすべてのポリシーの概要と、ステータスが可、不可、または不明のアセットの数を示します。このレポートは、各ポリシーで管理されるアセットの詳細リストと、ステータスが可、不可または不明のアサーションの数も示します。
Oracle Enterprise Repositoryレポートを実行するには、次の手順を実行します。
Oracle Enterprise Repositoryの「レポート」ページで、レポート名をクリックします。図16-24に示すように、BI Publisherの「レポート」タブが新しいブラウザ・ウィンドウで開きます。
「View」ボタンをクリックします。図16-25に示すように、選択したレポートの詳細が表示されます。
図16-26に示すように、「テンプレート」の横に表示される2つ目のリストから様々な形式を選択できます。
アセット・ポートフォリオ管理セクションで、アセット・ポートフォリオ・ポリシー・ステータス・オプションをクリックします。図16-27に示すように、アセット・ポートフォリオ・ポリシー・ステータス・ページが表示されます。
一連のアセットの詳細を表示するには、該当するポリシー・ステータスのアイコンの横にある数字をクリックします。図16-28に示すように、アセット・ポートフォリオ・ポリシー・ステータスのステータス詳細レポートが表示されます。
アセット・ポートフォリオ管理セクションで、ポリシー・ステータス・オプションをクリックします。図16-29に示すように、ポリシー・ステータス・レポート・ページが表示されます。