アーカイブREDOログ・ファイルおよびデータファイルをリストアする場合、データベースをオープンする前にメディア・リカバリを実行する必要があります。データファイルに反映されていないアーカイブREDOログ・ファイルのデータベース・トランザクションがすべてデータファイルに適用され、トランザクションの一貫性が保たれた状態になってから、データベースがオープンされます。
メディア・リカバリには、制御ファイル、データファイル(通常、バックアップからリストアされたもの)、およびデータファイルがバックアップされた時点以降の変更を含むオンラインREDOログ・ファイルとアーカイブREDOログ・ファイルが必要です。メディア・リカバリは、ファイルやディスクの消失などのメディア障害から、または表のコンテンツの削除などのユーザー・エラーからリカバリする場合によく使用されます。
メディア・リカバリには、完全リカバリとPoint-in-Timeリカバリがあります。完全リカバリは、個々のデータファイル、表領域またはデータベース全体に適用できます。Point-in-Timeリカバリはデータベース全体に適用されます(また、Oracle Recover Manager (RMAN)の自動化支援によって、個々の表領域に適用されることもあります)。
完全リカバリでは、バックアップのデータファイルをリストアし、すべての変更をアーカイブREDOログ・ファイルおよびオンラインREDOログ・ファイルからデータファイルに適用します。データベースは障害発生時の状態に戻り、データを失うことなくオープンできます。
Point-in-Timeリカバリでは、ユーザーが選択した過去のある時点の内容にデータベースを戻します。ターゲットの時点より前に作成されたデータファイルのバックアップ、およびバックアップ作成時からターゲットの時点までのアーカイブREDOログ・ファイル一式をリストアします。バックアップ時からターゲットの時点までの変更がデータファイルに適用されます。ターゲットの時点より後の変更はすべて破棄されます。
RMANでは、データベースの完全リカバリとPoint-in-Timeリカバリの両方を実行できます。ただし、このマニュアルでは完全リカバリを中心に説明します。
関連項目:
Point-in-Timeリカバリの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。