SQLチューニング・アドバイザは、特定のSQL文またはSQL文のセットを検討し、効率を高めるための推奨事項を提供します。これにより、SQLプロファイル(問合せオプティマイザでSQL文の最適な実行計画を作成できるようにする情報の集合)の作成、SQL文の再構築、オプティマイザ統計のリフレッシュなどの各種推奨事項が生成されます。また、SQLチューニング・アドバイザを使用すると、(AWRに格納されている)過去の代替実行計画を選択してSQL文で使用することができ、このアドバイザは並列度プロファイルを推奨することもできます。EM Expressを使用すると、数回のマウス・クリックでこれらの推奨事項の多くを受け入れ、実装できます。
SQLチューニング・アドバイザを使用して、単一または複数のSQL文をチューニングできます。通常は、SQLチューニング・アドバイザの使用を推奨するADDMパフォーマンス結果を受けて実行します。リソース使用量が最も多いSQL文やSQLワークロードに対して定期的に実行することも可能です。
複数のSQL文をチューニングする場合、SQLチューニング・アドバイザはSQL文間の相互依存性を認識しません。SQLチューニング・アドバイザは、最適化の計画の問題点や特定のSQL構造体の誤った使用など、SQL文ごとに個別に問題を特定して、SQLパフォーマンスの問題を解決します。
SQLチューニング・アドバイザは次のソースに対して実行できます。
アクティビティ: 「パフォーマンス・ハブ」の「アクティビティ」タブに表示される、過去1時間に実行された、最もリソース集中型であるSQL文(最近のパフォーマンスの問題の原因となる可能性がある)。
履歴SQL: 「期間の選択」フィールドで履歴設定のいずれかが選択されている場合に、「パフォーマンス・ハブ」の「アクティビティ」タブに表示される、過去1日間、過去1週間または過去1か月のSQL文。このオプションは、SQL文のプロアクティブなチューニングに使用します。
ADDMの履歴SQL: 「パフォーマンス・ハブ」の「ADDM」タブのタスクを分析する際に検出される、ADDMタスクのリソース集中型であるSQL文。
SQLチューニング・アドバイザのSQL文: SQLチューニング・アドバイザのチューニング・タスクとして表示される、リソース集中型であるSQL文。
SQLチューニング・セット(STS): 指定した一連のSQL文。STSはAWRスナップショットによって取得されたSQL文またはSQLワークロードから作成されます。
注意:
EM Expressを使用してSTSを作成することはできません。STSの作成については、『Oracle Database SQLチューニング・ガイド』を参照してください。
関連項目:
SQLチューニング・アドバイザを使用したSQL文のチューニングの詳細は、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。