アドバイザはデータベース管理用の強力なツールです。アドバイザにより、領域、パフォーマンスおよびUNDO管理を含んだ広範囲に及ぶ重要な管理の問題の解決に対し特別なアドバイスが提供されます。通常、アドバイザはアラートよりも包括的な推奨事項を作成します。これはアラート生成が低コストを意図し、パフォーマンスにわずかな影響しかないのに対し、アドバイザは、多くのリソースを消費し、より詳細な分析を実行するためです。これはいくつかのアドバイザのwhat-if機能を使用し、その他のリソースからは得られないチューニングに重要な情報を提供します。一部のアドバイザは自動的に実行されます。
データベースのパフォーマンス改善に役立つアドバイザが用意されています。これには、自動データベース診断モニター(ADDM)、SQLアドバイザ、メモリー・アドバイザなどがあります。たとえば、SGAアドバイザは、システム・グローバル領域(SGA)のサイズ変更がパフォーマンスに与える影響をグラフィカルに示します。
パフォーマンス・アドバイザは次のような状況で実行します。
特定の領域内での問題を解決する場合。たとえば、なぜ特定のSQL文がCPU時間の50パーセントを消費しているのかを判別する場合や、リソースの消費を削減するにはどうしたらよいかといった場合に、SQLチューニング・アドバイザを使用できます。
システムにメモリーを追加する場合。メモリー・アドバイザを使用して、SGAまたはPGA(プログラム・グローバル領域)の増加によるデータベース・パフォーマンスの影響を判別できます。
一部のアドバイザは、パフォーマンス・ハブ・ページまたはADDMの推奨事項からも起動できます。
表10-2では、パフォーマンス・アドバイザについて説明します。
表10-2 パフォーマンス・アドバイザ
アドバイザ | 説明 |
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自動データベース診断モニター(ADDM) |
ADDMを使用すると、Oracle Databaseによってデータベース自身のパフォーマンスが診断され、特定された問題の解決方法が判断されます。「パフォーマンス自己診断: 自動データベース診断モニター」と「ADDMを使用したパフォーマンスの問題の診断」を参照してください。 |
SQLチューニング・アドバイザ |
SQLチューニング・アドバイザは、1つ以上のSQL文を分析してパフォーマンス改善のための推奨事項を提示します。このアドバイザはメンテナンス期間中に自動的に実行されますが、手動での実行も可能です。「自動SQLチューニング・アドバイザについて」および「SQLチューニング・アドバイザの実行」を参照してください。 データベースのメンテナンス・ウィンドウ(期間)の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 |
メモリー・アドバイザ
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メモリー・アドバイザは、合計メモリーのターゲット設定、SGAおよびPGAターゲット設定、またはSGAコンポーネントのサイズ設定の分析結果をグラフィカルに表示します。この分析結果は、データベース・パフォーマンスのチューニングやwhat-if計画に使用できます。現在のメモリー管理モードに応じて、様々なメモリー・アドバイザが使用可能です。
メモリー・アドバイザの詳細は、「メモリー・アドバイザによるメモリー使用率の最適化」を、メモリー管理モードの詳細は、「メモリーの管理」を参照してください。 |
UNDOアドバイザ |
UNDOアドバイザは、UNDO表領域のサイズを正確に設定するのに役立ちます。また、任意のOracle Flashback要件に応じてUNDO保存期間のしきい値に小さな値を設定するときにも使用できます。「UNDOアドバイザを使用したUNDO表領域の最小サイズの計算」を参照してください。 |
関連項目:
『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』