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Oracle® Database 2日でデータベース管理者
12c リリース1 (12.1)
B71307-08
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3.5 EM ExpressのHTTPSポートの構成

この項の手順を実行する必要があるのは、データベースまたはプラガブル・データベース(PDB)の構成時にDatabase Configuration Assistant (DBCA)によってOracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)のURLが指定されなかった場合、またはEM Expressのポートを後で変更する必要がある場合のみです。それ以外の場合は、EM Expressの起動の指示に従って、EM Expressを起動できます。

WebブラウザからEM Expressにアクセスする前に、EM ExpressのHTTPSポートを構成する必要があります。EM ExpressのHTTPSポートを構成したら、それを使用してEM Expressにアクセスします。

EM ExpressのHTTPSポートを手動で構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Netリスナー(リスナー)を構成および起動します。lsnrctlを使用すると、リスナーのステータスを開始、停止、および表示できます。
  2. リスナーが標準ポート以外(例: 1521)で起動中の場合には、HTTPSポートを正しいリスナーに登録できるように、EM Expressを使用して管理するデータベースのinit.oraファイルにlocal_listenerエントリを含める必要があります。local_listenerエントリによって、正しいリスナーを指すTNSNAMESエントリが参照されます。次に例を示します。
    local_listener=inst1
    

    ここで、inst1は、リスナーを指すtnsnames.oraで定義されているTNSNAMESエントリです。次に例を示します。

    inst1= (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host_name)(PORT=1234))
    (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=service_name)(SERVER=DEDICATED)))
    

    たとえば、1234は、リスナーがリスニングするように構成されている標準以外のポートです。

  3. EM Expressを使用して管理するデータベースのinit.oraファイルに次のエントリを追加することによって、TCPディスパッチャを有効にします。
    dispatchers="(PROTOCOL=TCP)(SERVICE=<sid>XDB)"
    

    たとえば、データベースSIDがORCLである場合、エントリは次のようになります。

    dispatchers="(PROTOCOL=TCP)(SERVICE=ORCLXDB)"
    
  4. init.oraファイルで行われた変更を有効にするために、データベースを再起動します。
  5. PL/SQLプロシージャDBMS_XDB_CONFIG.SETHTTPSPORTを使用して、データベース用のEM ExpressのHTTPSポートを未使用のポートに設定します。これによって、Oracle XML DBリポジトリのxdbconfig.xmlファイルのHTTPS portが更新されます。プロシージャを実行するには、SYS / AS SYSDBAとして接続する必要があります。

    たとえば、非CDB用のEM ExpressのHTTPSポートは、次のように設定します。

    SQL> exec DBMS_XDB_CONFIG.SETHTTPSPORT(5500);
    

    マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)用にEM ExpressのHTTPSポートを設定するには、CDBのルートに移動してから、CDB内でPL/SQLプロシージャDBMS_XDB_CONFIG.SETHTTPSPORTを使用して、CDB用のEM ExpressのHTTPSポートを未使用のポートに設定します。これによって、Oracle XML DBリポジトリのxdbconfig.xmlファイルのHTTPS portが更新されます。プロシージャを実行するには、SYS / AS SYSDBAとして接続する必要があります。次に例を示します。

    SQL> alter session set container=CDB$ROOT;
    SQL> exec DBMS_XDB_CONFIG.SETHTTPSPORT(5501);
    

    PDB用にEM ExpressのHTTPSポートを設定するには、PDBが読取り/書込みモードでオープンしていることを確認してから、PDB内でPL/SQLプロシージャDBMS_XDB_CONFIG.SETHTTPSPORTを使用して、PDB用のEM ExpressのHTTPSポートを未使用のポートに設定します。これによって、Oracle XML DBリポジトリのxdbconfig.xmlファイルのHTTPS portが更新されます。プロシージャを実行するには、SYS / AS SYSDBAとして接続する必要があります。次に例を示します。

    SQL> alter session set container=PDB1;
    SQL> exec DBMS_XDB_CONFIG.SETHTTPSPORT(5502);
    

    次のコマンドを使用して、ポートがリスナーに登録されていることを確認します。

    $ lsnrctl status | grep -i 5502
    (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcps)(HOST=hostname.example.com)(PORT=5502)
    )(Security=(my_wallet_directory=/$ORACLE_BASE/admin/sid/xdb_wallet))
    (Presentation=HTTP)(Session=RAW))
    
  6. 非CDB、CDBまたはPDB用のEM Expressにアクセスするには、Webブラウザに次の形式でURLを入力して、管理する非CDB、CDBまたはPDB用のEM Expressのポート番号を指定します。
    https://database-hostname:portnumber/em/
    

    次に例を示します。

    https://mydbhost.example.com:5500/em/
    

    ユーザー名とパスワードの入力を求めるプロンプトが表示された場合は、DBA権限を持つユーザー(SYSSYSTEMなど)としてログインします。

    関連項目:

    • リスナーの構成と使用方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

    • リスナー・パラメータの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。

    • local_listenerエントリの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

    • Oracle XML DBリポジトリへのアクセスの詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

    • Oracle XML DBの管理の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

    • sethttpsportプロシージャの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。

    • ALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用したPDBのモード変更の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

    • ALTER SESSION文を使用したコンテナへの切替えの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

    • EM Expressを使用してCDB内のPDBを管理する詳細は、「EM Expressを使用したPDBの管理」を参照してください

    • 日常的な管理タスクでのSYSTEMアカウント使用の推奨代替手段の詳細は、SYSおよびSYSTEMユーザーを参照してください