この章では、Oracle Database Advanced Queuing (AQ)の管理インタフェースについて説明します。
内容は次のとおりです。
関連項目
|
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table IN VARCHAR2, queue_payload_type IN VARCHAR2, [storage_clause IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,] sort_list IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, multiple_consumers IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, message_grouping IN BINARY_INTEGER DEFAULT NONE, comment IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, primary_instance IN BINARY_INTEGER DEFAULT 0, secondary_instance IN BINARY_INTEGER DEFAULT 0, compatible IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, secure IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
このプロシージャは、事前定義タイプのメッセージ用のキュー表を作成します。次の必須およびオプションのパラメータがあります。
パラメータ | 説明 |
---|---|
queue_table |
この必須パラメータは、キュー表名を指定します。
データベースの互換性が10.0である場合のみ、大文字と小文字が混在するキュー表の名前を指定できますが、名前を二重引用符で囲む必要があります。したがって、 キュー表名は、24文字より長くできません。長い名前のキュー表を作成しようとすると、エラーORA-24019が発生します。 |
queue_payload_type |
この必須パラメータは、ペイロード型をRAWまたはオブジェクト型として指定します。詳細は、「ペイロード型」を参照してください。 |
storage_clause |
このオプション・パラメータは、キュー表の表領域を指定します。詳細は、「STORAGE句」を参照してください。 |
sort_list |
このオプション・パラメータは、昇順でソート・キーとして使用される1つまたは2つの列を指定します。sort_column1,sort_column2 という書式を使用します。詳細は、「ソート・キー」を参照してください。 |
multiple_consumers |
このオプション・パラメータは、キュー表をシングル・コンシューマまたはマルチ・コンシューマとして指定します。デフォルトのFALSE は、表で作成されたキューにはメッセージごとに1つのコンシューマのみ指定できることを意味します。TRUE の場合、表内に作成されたキューには、各メッセージに対して複数のコンシューマを設定できます。 |
message_grouping |
このオプション・パラメータは、メッセージがグループ化されるかどうかを指定します。デフォルトのNONE は、各メッセージが個別に処理されることを意味します。TRANSACTIONAL は、1つのトランザクションでエンキューされるすべてのメッセージが同じグループの一部とみなされ、関連するメッセージのグループとしてデキューされることを意味します。 |
comment |
このオプション・パラメータは、ユーザーが指定したキュー表の説明です。このユーザー・コメントは、キュー・カタログに追加されます。 |
primary_instance |
このオプション・パラメータは、キュー表の1次所有者を指定します。キュー・モニターのスケジューリングとキュー表内のキューの伝播は、このインスタンスで実行されます。デフォルト値の0 は、キュー・モニターのスケジューリングと伝播が使用可能な任意のインスタンスで実行されることを意味します。
|
secondary_instance |
このオプション・パラメータは、プライマリ・インスタンスが使用できない場合のキュー表の所有者を指定します。デフォルト値の0 は、キュー表が使用可能な任意のインスタンスにフェイルオーバーされることを意味します。
|
compatible |
このオプション・パラメータは、そのキュー表が互換性を持つ最も低いデータベース・バージョンを指定します。可能な値は、8.0 、8.1 および10.0 です。データベースが10.1互換モードの場合、デフォルト値は10.0 です。データベースが8.1互換または9.2互換モードの場合、デフォルト値は8.1 です。データベースが8.0互換モードの場合、デフォルト値は8.0 です。値8.0 は、Oracle Database Advanced Queuing 10gリリース2 (10.2)では非推奨になりました。
互換性の詳細は、「Oracle Database Advanced Queuingの互換性パラメータ」を参照してください。 |
secure |
キュー表を保護キューに使用する場合は、このオプション・パラメータをTRUE に設定する必要があります。保護キューとは、エンキューやデキューなどのキュー操作を実行できる1人以上のデータベース・ユーザーに対して、AQエージェントを明示的に関連付ける必要があるキューのことです。保護キューの所有者は、キューですべてのキュー操作を実行できますが、その他のユーザーは、保護キュー・ユーザーとして構成されないかぎりキュー操作を実行できません。 |
ペイロード型をオブジェクト型として指定するには、オブジェクト型を定義する必要があります。
注意: オブジェクト型のシノニムを作成している場合、それをDBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE で使用することはできません。エラーORA-24015が発生します。 |
CLOB、BLOBおよびBFILEオブジェクトはOracle Database Advanced Queuingメッセージで有効です。これらのオブジェクト型は、Oracle8iリリース8.1.x以降のOracleソフトウェアを使用してOracle Database Advanced Queuing伝播で伝播できます。 LOBのオブジェクト型をエンキューするには、まずLOB_attribute
をEMPTY_BLOB
()に設定した後に、エンキューを実行する必要があります。その後、キュー表のビューから生成されたLOB
ロケータを選択して標準のLOB
操作を使用できます。
注意: LOBを含むペイロードの場合、エンキューおよびデキュー操作を実行するには、キュー表に対する明示的なSelect 、Insert およびUpdate 権限を付与する必要があります。 |
storage_clause
引数には、標準のCREATE TABLE
storage_clause
引数に使用できるテキストを入力できます。
表領域が指定されたキュー表では、索引構成表(IOT)および索引は、すべてその表領域に作成されます。現在、これらを異なる表領域間に分割することはできません。
注意: 11gリリース2 (11.2)のqmonプロセスでは、デキューIOT、履歴IOTおよびタイム・マネージャIOTの自動結合を実行します。手動でAQのIOTを結合する必要はありません。ただし、パフォーマンスの低下が見られる場合、回避策として実行することが可能です。ローカル管理表領域にキュー表を作成するか、2つ以上の空きリスト・グループがあるキュー表を作成する場合、キュー・モニター・コーディネータはそのブロックのクリーン・アップをスキップします。これにより、時間の経過とともにパフォーマンスが低下する可能性があります。 デキューIOTを結合するには次を実行します。
ALTER TABLE AQ$_queue_table_I COALESCE;
このコマンドは、キューの同時デキュー元およびエンキュー元がある場合に実行できますが、コマンドの実行中に、同時ユーザーのパフォーマンスが若干低下する可能性があります。 |
sort_listパラメータは、メッセージがデキューされる順序を決定します。キュー表を作成した後は、メッセージのソート順序を変更することはできません。選択肢は次のとおりです。
ENQ_TIME
ENQ_TIME、PRIORITY
PRIORITY
PRIORITY、ENQ_TIME
PRIORITY、COMMIT_TIME
COMMIT_TIME
COMMIT_TIME
は、Oracle Database Advanced Queuing 10gリリース2 (10.2)の新機能です。指定すると、キュー表を使用する任意のキューがコミット時間キューになり、Oracle Database Advanced Queuingは、トランザクションをコミットするときに、エンキューされたメッセージごとに近似CSCNを計算します。
COMMIT_TIME
をソート・キーとして指定する場合、次の値も指定する必要があります。
multiple_consumers
= TRUE
message_grouping
= TRANSACTIONAL
compatible
= 8.1
以上
コミット時間順序付けは、トランザクションが相互に依存している場合、またはキュー内のメッセージを参照するときに一貫した結果が必要な場合に便利です。
表の作成時に、次のオブジェクトが作成されます。
AQ$
_queue_table_name
: Oracle Database Advanced Queuingアプリケーションでキュー・データの問合せに使用される読込み専用のビュー
AQ$_
queue_table_name
_E
: キュー表に対応付けられたデフォルトの例外キュー
AQ$_
queue_table_name
_I
: マルチ・コンシューマ・キューの場合にデキュー操作に使用される索引または索引構成表(IOT)
AQ$_
queue_table_name
_T
: キュー・モニター操作の索引
次のオブジェクトは、8.1互換のマルチ・コンシューマ・キュー表でのみ作成されます。
AQ$_
queue_table_name
_S
: サブスクライバに関する情報の格納に使用される表
AQ$_
queue_table_name
_H
: デキュー履歴データの格納に使用される索引構成表(IOT)
AQ$_
queue_table_name
_L
: コミットされたデキュー操作のメッセージ識別子のキューの格納に使用されるデキュー・ログ表
注意: Oracle Database Advanced Queuingでは、これらの内部AQのキュー表に対するトリガーの使用はサポートされていません。 |
関連項目: 『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』 |
スキーマを指定しない場合、デフォルトのスキーマはそのユーザーのスキーマになります。
GLOBAL_TOPIC_ENABLED
=
TRUE
の場合は、キュー表が作成されると、対応するLightweight Directory Access Protocol(LDAP)エントリも作成されます。
キュー・タイプがANYDATA
の場合、バッファ済キューと2つの追加オブジェクトが作成されます。バッファ済キューには、取得プロセスによって作成された論理変更レコードが格納されます。論理変更レコードがキューに関連付けられたメモリー・バッファにステージングされた場合、通常はディスクに書き込まれません。
デキューされずに一定の期間バッファ内でステージングされているか、すべての取得済イベントを保持するのに十分な空きがメモリーにない場合、論理変更レコードは次の表に流出します。
AQ$_
queue_table_name
_P
: メモリーから流出した取得済イベントの格納に使用される表
AQ$_
queue_table_name
_D
: 伝播に関する情報の格納と、各イベントの処理に適したプロセスの適用に使用される表
関連項目: 『Oracle Streams概要および管理』の第3章「Oracle Streamsのステージングおよび伝播」 |
例
次の例では、SQL*Plusテスト環境を使用していることを前提にしています。例8-1では、この章にある他の例の準備としてユーザーを作成します。この例では、管理者権限を持つユーザーとして接続する必要があります。この章にある他の例のほとんどでは、ユーザーtest_adm
として接続できます。いくつかの例は、DBMS_AQADM
のEXECUTE
権限を使用してtest
として実行する必要があります。
例8-1 AQ管理ユーザーの設定
CREATE USER test_adm IDENTIFIED BY test_adm DEFAULT TABLESPACE example; GRANT DBA, CREATE ANY TYPE TO test_adm; GRANT EXECUTE ON DBMS_AQADM TO test_adm; GRANT aq_administrator_role TO test_adm; BEGIN DBMS_AQADM.GRANT_SYSTEM_PRIVILEGE( privilege => 'MANAGE_ANY', grantee => 'test_adm', admin_option => FALSE); END; / CREATE USER test IDENTIFIED BY test; GRANT DBA TO test; GRANT EXECUTE ON dbms_aq TO test;
例8-2 AQ管理のサンプル・タイプの設定
CREATE TYPE test.message_typ AS object( sender_id NUMBER, subject VARCHAR2(30), text VARCHAR2(1000)); / CREATE TYPE test.msg_table AS TABLE OF test.message_typ; / CREATE TYPE test.order_typ AS object( custno NUMBER, item VARCHAR2(30), description VARCHAR2(1000)); / CREATE TYPE test.lob_typ AS object( id NUMBER, subject VARCHAR2(100), data BLOB, trailer NUMBER); /
例8-3 オブジェクト型メッセージのキュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.obj_qtab', queue_payload_type => 'test.message_typ'); END; /
例8-4 RAW型メッセージのキュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.raw_qtab', queue_payload_type => 'RAW'); END; /
例8-5 LOB型メッセージのキュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.lob_qtab', queue_payload_type => 'test.lob_typ'); END; /
例8-6 XMLTypeメッセージのキュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.xml_qtab', queue_payload_type => 'SYS.XMLType', multiple_consumers => TRUE, compatible => '8.1', comment => 'Overseas Shipping multiconsumer orders queue table'); END; /
例8-7 グループ化メッセージのキュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.group_qtab', queue_payload_type => 'test.message_typ', message_grouping => DBMS_AQADM.TRANSACTIONAL); END; /
例8-8 優先メッセージおよびマルチ・コンシューマのキュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.priority_qtab', queue_payload_type => 'test.order_typ', sort_list => 'PRIORITY,ENQ_TIME', multiple_consumers => TRUE); DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.multiconsumer_qtab', queue_payload_type => 'test.message_typ', sort_list => 'PRIORITY,ENQ_TIME', multiple_consumers => TRUE); END; /
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.commit_time_qtab', queue_payload_type => 'test.message_typ', sort_list => 'COMMIT_TIME', multiple_consumers => TRUE, message_grouping => DBMS_AQADM.TRANSACTIONAL, compatible => '10.0'); END; /
例8-10 マルチ・コンシューマの8.1互換キュー表の作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.multiconsumer_81_qtab', queue_payload_type => 'test.message_typ', multiple_consumers => TRUE, compatible => '8.1'); END; /
DBMS_AQADM.ALTER_QUEUE_TABLE ( queue_table IN VARCHAR2, comment IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, primary_instance IN BINARY_INTEGER DEFAULT NULL, secondary_instance IN BINARY_INTEGER DEFAULT NULL);
このプロシージャは、キュー表の既存のプロパティを変更します。
パラメータ | 説明 |
---|---|
queue_table |
この必須パラメータは、キュー表名を指定します。 |
comment |
このオプション・パラメータは、ユーザーが指定したキュー表の説明です。このユーザー・コメントは、キュー・カタログに追加されます。 |
primary_instance |
このオプション・パラメータは、キュー表の1次所有者を指定します。キュー・モニターのスケジューリングとキュー表内のキューの伝播は、このインスタンスで実行されます。
|
secondary_instance |
このオプション・パラメータは、プライマリ・インスタンスが使用できない場合のキュー表の所有者を指定します。
|
注意: 一般に、キュー表ではDDL文はサポートされていないため、キュー表が操作不可能になる場合があります。たとえば、キュー表に対してALTER TABLE ...SHRINK 文を発行すると、内部エラーが発生し、その後キュー表を使用しようとしても、常にエラーになります。キュー表ではDDL文を使用しないことをお薦めします。 |
GLOBAL_TOPIC_ENABLED = TRUE
の場合は、キュー表が変更されると、対応するLDAPエントリも変更されます。
DBMS_AQADM.DROP_QUEUE_TABLE( queue_table IN VARCHAR2, force IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
このプロシージャは、既存のキュー表を削除します。キュー表を削除する前に、そのキュー表内のすべてのキューを停止して削除する必要があります。force
がFALSE
に設定されている場合、明示的に実行する必要があります。force
がTRUE
に設定されている場合、キュー表内のすべてのキューと関連付けられた伝播スケジュールが自動的に削除されます。
GLOBAL_TOPIC_ENABLED = TRUE
の場合は、キュー表が削除されると、対応するLDAPエントリも削除されます。
DBMS_AQADM.PURGE_QUEUE_TABLE( queue_table IN VARCHAR2, purge_condition IN VARCHAR2, purge_options IN aq$_purge_options_t);
このプロシージャは、キュー表からメッセージをパージします。次のパラメータがあります。
このプロシージャを実行すると、トレース・ファイルがudumpの宛先に生成されます。プロシージャの実行内容の詳細が示されます。このプロシージャはすべてのメッセージの処理後にコミットされます。
関連項目: DBMS_AQADM.PURGE_QUEUE_TABLE の詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』のDBMS_AQADMに関する項を参照してください。 |
例8-17 キュー表のすべてのメッセージのパージ
DECLARE po dbms_aqadm.aq$_purge_options_t; BEGIN po.block := FALSE; DBMS_AQADM.PURGE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.obj_qtab', purge_condition => NULL, purge_options => po); END; /
例8-18 指定したキューのすべてのメッセージのパージ
DECLARE po dbms_aqadm.aq$_purge_options_t; BEGIN po.block := TRUE; DBMS_AQADM.PURGE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.obj_qtab', purge_condition => 'qtview.queue = ''TEST.OBJ_QUEUE''', purge_options => po); END; /
例8-19 指定したキューのすべてのPROCESSEDメッセージのパージ
DECLARE po dbms_aqadm.aq$_purge_options_t; BEGIN po.block := TRUE; DBMS_AQADM.PURGE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.obj_qtab', purge_condition => 'qtview.queue = ''TEST.OBJ_QUEUE'' and qtview.msg_state = ''PROCESSED''', purge_options => po); END; /
例8-20 指定したキューと指定したコンシューマのすべてのメッセージのパージ
DECLARE po dbms_aqadm.aq$_purge_options_t; BEGIN po.block := TRUE; DBMS_AQADM.PURGE_QUEUE_TABLE( queue_table => 'test.multiconsumer_81_qtab', purge_condition => 'qtview.queue = ''TEST.MULTICONSUMER_81_QUEUE'' and qtview.consumer_name = ''PAYROLL_APP''', purge_options => po); END; /
注意: 例8-20のconsumer_name 、例8-21のsender_name など、一部のパージ条件は、8.1互換のキュー表でのみサポートされています。詳細は、表9-1「AQ$<Queue_Table_Name>ビュー」を参照してください。 |
DBMS_AQADM.MIGRATE_QUEUE_TABLE( queue_table IN VARCHAR2, compatible IN VARCHAR2);
このプロシージャは、8.0、8.1または10.0のキュー表を8.0、8.1または10.0に移行します。移行を実行できるのは、キュー表の所有者のみです。
注意: このプロシージャでは、キュー表の所有者(通常のキュー・ユーザー)にDBMS_AQADM のEXECUTE 権限を付与する必要があります。通常のキュー・ユーザーに対してキューおよびキュー表の作成と削除、サブスクライバの追加と削除などを許可しない場合は、移行完了の直後にEXECUTE 権限を取り消す必要があります。 |
注意: compatible が8.0 に設定されているキュー表で作成されたキュー(このマニュアルでは8.0形式のキューと呼びます)は、Oracle Database Advanced Queuing 10gリリース2 (10.2)では非推奨になっています。したがって、新しいキューの作成には8.1以降の形式を使用し、既存の8.0形式のキューをなるべく早く移行することをお薦めします。 |
スキーマが下位リリースからエクスポートされたダンプのインポートによって作成された場合、またはスキーマに下位リリースからアップグレードされたOracle Database Advanced Queuingキューがある場合は、DROP USER CASCADE
を使用してスキーマを削除しようとすると、ORA-24005エラーが発生します。このようなスキーマを削除するには、次の手順に従います。
イベント10851をレベル1に設定します。
AQ$_
queue_table_name
_NR
という形式のすべての表をスキーマから削除します。
イベント10851をオフにします。
スキーマを削除します。
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name IN VARCHAR2, queue_table IN VARCHAR2, queue_type IN BINARY_INTEGER DEFAULT NORMAL_QUEUE, max_retries IN NUMBER DEFAULT NULL, retry_delay IN NUMBER DEFAULT 0, retention_time IN NUMBER DEFAULT 0, dependency_tracking IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, comment IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
このプロシージャはキューを作成します。次のパラメータがあります。
パラメータ | 説明 |
---|---|
queue_name |
この必須パラメータは、新しいキューの名前を指定します。
データベースの互換性が10.0である場合のみ、大文字と小文字が混在するキュー名を指定できますが、名前を二重引用符で囲む必要があります。したがって、 ユーザーが生成したキュー表名は、24文字より長くできません。長い名前のキューを作成しようとすると、エラーORA-24019が発生します。「その他の表およびキュー」にリストされているキュー名など、Oracle Database Advanced Queuingで生成されたキュー名は、30文字より長くできません。 |
queue_table |
この必須パラメータは、キューが作成されるキュー表を指定します。 |
queue_type |
このパラメータは、作成されるキューのタイプを指定します。デフォルトのNORMAL_QUEUE は、通常のキューを作成します。EXCEPTION_QUEUE は、例外キューを生成します。 |
max_retries |
このパラメータは、メッセージに対するREMOVE モードのデキューの試行回数を制限します。max_retries の最大値は2**31 -1です。 |
retry_delay |
このパラメータは、アプリケーションのロールバック後、スケジュールされたメッセージの再処理が行われるまでの時間を秒単位で指定します。デフォルトは0(ゼロ)で、メッセージを最も迅速に取り出せます。このパラメータは、max_retries が0(ゼロ)に設定されている場合は無効です。
このパラメータは、シングル・コンシューマ・キューおよび8.1形式以上のマルチ・コンシューマ・キューではサポートされていますが、8.0形式のマルチ・コンシューマ・キュー(Oracle Database Advanced Queuing 10gリリース2 (10.2)では非推奨)ではサポートされていません。 |
retention_time |
このパラメータは、キューからデキューされた後、メッセージがキュー表内に保持される秒数を指定します。retention_time が期限切れになると、メッセージはタイム・マネージャ・プロセスによって削除されます。INFINITE では、メッセージが無期限で保持されます。デフォルトは0(ゼロ)で、保持されません。 |
dependency_tracking |
このパラメータは、将来の使用に備えて確保されています。FALSE がデフォルトです。このリリースでは、TRUE は使用できません。 |
comment |
このオプション・パラメータは、ユーザーが指定したキューの説明です。このユーザー・コメントは、キュー・カタログに追加されます。 |
すべてのキュー名は、スキーマ内において一意である必要があります。キューは、CREATE_QUEUE
で作成した後、START_QUEUE
をコールすると有効になります。デフォルトでは、キューはエンキューとデキューの両方を無効にして作成されます。保存されているメッセージを参照するには、メッセージIDによってデキューするか、またはSQLを使用します。GLOBAL_TOPIC_ENABLED = TRUE
の場合は、キューが作成されると、対応するLDAPエントリも作成されます。
次の例(例8-23から例8-30)は、例8-1から例8-12で作成したデータ構造を使用しています。
例8-23 オブジェクト型メッセージのキューの作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name => 'test.obj_queue', queue_table => 'test.obj_qtab'); END; /
例8-24 RAW型メッセージのキューの作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name => 'test.raw_queue', queue_table => 'test.raw_qtab'); END; /
例8-25 LOB型メッセージのキューの作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name => 'test.lob_queue', queue_table => 'test.lob_qtab'); END; /
例8-26 グループ化メッセージのキューの作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name => 'test.group_queue', queue_table => 'test.group_qtab'); END; /
例8-27 優先メッセージのキューの作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name => 'test.priority_queue', queue_table => 'test.priority_qtab'); END; /
例8-28 優先メッセージおよびマルチ・コンシューマのキューの作成
BEGIN DBMS_AQADM.CREATE_QUEUE( queue_name => 'test.multiconsumer_queue', queue_table => 'test.multiconsumer_qtab'); END; /
DBMS_AQADM.ALTER_QUEUE( queue_name IN VARCHAR2, max_retries IN NUMBER DEFAULT NULL, retry_delay IN NUMBER DEFAULT NULL, retention_time IN NUMBER DEFAULT NULL, comment IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
このプロシージャは、キューの既存のプロパティを変更します。
max_retries
、comment
、retry_delay
およびretention_time
のみ変更できます。保存されているメッセージを参照するには、メッセージIDによってデキューするか、またはSQLを使用します。GLOBAL_TOPIC_ENABLED = TRUE
の場合は、キューが変更されると、対応するLDAPエントリも変更されます。
例8-31は、保存時間を変更して、デキュー後1日間メッセージを保存します。
DBMS_AQADM.START_QUEUE( queue_name IN VARCHAR2, enqueue IN BOOLEAN DEFAULT TRUE, dequeue IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);
このプロシージャは、指定したキューに対するエンキューまたはデキューを有効にします。
管理者は、キューを作成した後、START_QUEUE
を使用してそのキューを有効にする必要があります。デフォルトでは、エンキューおよびデキューの両方が有効になります。例外キューに対しては、デキュー操作のみが可能です。この操作は、コールが完了し、コールにトランザクションの特性がない場合にのみ有効になります。
DBMS_AQADM.STOP_QUEUE( queue_name IN VARCHAR2, enqueue IN BOOLEAN DEFAULT TRUE, dequeue IN BOOLEAN DEFAULT TRUE, wait IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);
このプロシージャは、指定したキューに対するエンキュー、デキューまたはその両方を無効にします。
デフォルトでは、このコールによってエンキューおよびデキューの両方が無効になります。キューは、未完了のトランザクションが存在する場合には停止できません。この操作は、コールが完了し、コールにトランザクションの特性がない場合にのみ有効になります。
変換はメッセージのフォーマットを変更するため、あるアプリケーションによって作成されたメッセージを、別のアプリケーションで認識できます。永続メッセージとバッファ済メッセージの両方で変換を使用できます。
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_TRANSFORM.CREATE_TRANSFORMATION( schema VARCHAR2(30), name VARCHAR2(30), from_schema VARCHAR2(30), from_type VARCHAR2(30), to_schema VARCHAR2(30), to_type VARCHAR2(30), transformation VARCHAR2(4000));
このプロシージャは、メッセージ・フォーマットの変換を作成します。変換は、入力の型がfrom_type
で、to_type
型のオブジェクトを返すSQLファンクションである必要があります。また、to_type
型でfrom_type
を参照するSQL式も使用できます。from_type
に対するすべての参照は、source.user_data
という形式である必要があります。
この機能を使用するには、dbms_transform
に対するEXECUTE
権限が必要です。この権限は、AQ_ADMINISTRATOR_ROLE
に含まれています。
また、変換のソース・タイプおよび宛先タイプであるユーザー定義型に対するEXECUTE
権限、および変換ファンクションで使用するすべてのPL/SQLファンクションに対するEXECUTE
権限も必要です。変換では、データベースの状態の書込み(DML操作の実行)、カレント・トランザクションのコミットまたはロールバックはできません。
例8-36 変換の作成
BEGIN DBMS_TRANSFORM.CREATE_TRANSFORMATION( schema => 'test', name => 'message_order_transform', from_schema => 'test', from_type => 'message_typ', to_schema => 'test', to_type => 'order_typ', transformation => 'test.order_typ( source.user_data.sender_id, source.user_data.subject, source.user_data.text)'); END; /
DBMS_TRANSFORM.MODIFY_TRANSFORMATION( schema VARCHAR2(30), name VARCHAR2(30), attribute_number INTEGER, transformation VARCHAR2(4000));
このプロシージャは、変換ファンクションを変更して、ターゲット型の各属性ごとに変換を指定します。属性の番号が0(ゼロ)に指定された場合、変換式は単純にソース・タイプからターゲット型への変換を定義します。
from_type
に対するすべての参照は、source.user_data
という形式である必要があります。ソース・タイプの属性に対するすべての参照には、source.user_data
という接頭辞が付きます。
この機能を使用するには、dbms_transform
に対するEXECUTE
権限が必要です。また、変換のソース・タイプおよび宛先タイプであるユーザー定義型に対するEXECUTE
権限、および変換ファンクションで使用するすべてのPL/SQLファンクションに対するEXECUTE
権限も必要です。
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_AQADM.GRANT_SYSTEM_PRIVILEGE( privilege IN VARCHAR2, grantee IN VARCHAR2, admin_option IN BOOLEAN := FALSE);
このプロシージャは、ユーザーおよびロールにOracle Database Advanced Queuingシステム権限を付与します。権限は、ENQUEUE_ANY
、DEQUEUE_ANY
およびMANAGE_ANY
です。初期設定では、SYS
およびSYSTEM
のみがこのプロシージャを正常に使用できます。
ENQUEUE_ANY
権限を付与されたユーザーは、データベース内の任意のキューにメッセージをエンキューできます。DEQUEUE_ANY
権限を付与されたユーザーは、データベース内の任意のキューからメッセージをデキューできます。MANAGE_ANY
権限を付与されたユーザーは、データベースのすべてのスキーマに対してDBMS_AQADM
コールを実行できます。
DBMS_AQADM.REVOKE_SYSTEM_PRIVILEGE( privilege IN VARCHAR2, grantee IN VARCHAR2);
このプロシージャは、ユーザーおよびロールからOracle Database Advanced Queuingシステム権限を取り消します。権限には、ENQUEUE_ANY
、DEQUEUE_ANY
およびMANAGE_ANY
があります。システム権限のADMIN
オプションは、選択的に取り消すことはできません。
ENQUEUE_ANY
権限を付与されたユーザーは、データベース内の任意のキューにメッセージをエンキューできます。DEQUEUE_ANY
権限を付与されたユーザーは、データベース内の任意のキューからメッセージをデキューできます。MANAGE_ANY
権限を付与されたユーザーは、データベースのすべてのスキーマに対してDBMS_AQADM
コールを実行できます。
DBMS_AQADM.GRANT_QUEUE_PRIVILEGE( privilege IN VARCHAR2, queue_name IN VARCHAR2, grantee IN VARCHAR2, grant_option IN BOOLEAN := FALSE);
このプロシージャは、ユーザーおよびロールにキューに関する権限を付与します。権限は、ENQUEUE
、DEQUEUE
またはALL
です。最初は、キュー表の所有者のみがキューを付与するプロシージャを使用できます。
注意: このプロシージャでは、キュー表の所有者(通常のキュー・ユーザー)にDBMS_AQADM のEXECUTE 権限を付与する必要があります。通常のキュー・ユーザーに対してキューおよびキュー表の作成と削除、サブスクライバの追加と削除などを許可しない場合は、初期のGRANT_QUEUE_PRIVILEGE の完了直後にEXECUTE 権限を取り消す必要があります。 |
DBMS_AQADM.REVOKE_QUEUE_PRIVILEGE ( privilege IN VARCHAR2, queue_name IN VARCHAR2, grantee IN VARCHAR2);
このプロシージャは、ユーザーおよびロールからキューに関する権限を取り消します。この権限とは、ENQUEUE
またはDEQUEUE
です。
権限の取消しを行うユーザーは、取消し対象となる権限の付与者である必要があります。GRANT
オプションによって伝播された権限は、付与者の権限が取り消されたときに取り消されます。
例8-40に示すように、権限受領者から特定のキューに関するデキュー権限を取り消して、エンキュー権限のみを付与しておくこともできます。
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_AQADM.ADD_SUBSCRIBER ( queue_name IN VARCHAR2, subscriber IN sys.aq$_agent, rule IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, transformation IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, queue_to_queue IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, delivery_mode IN PLS_INTEGER DEFAULT PERSISTENT);
このプロシージャは、デフォルトのサブスクライバをキューに追加します。
アプリケーションは、特定の受信者リストまたはデフォルトのサブスクライバ・リストに対してメッセージをエンキューできます。この操作は、マルチ・コンシューマが許可されているキューでのみ成功し、サブスクライバの合計は1024以下である必要があります。この操作はすぐに有効になり、この操作を含むトランザクションはコミットされます。このコール後に実行されたエンキュー要求は、新しいアクションを反映します。rule
内のすべての文字列は、次のように、一重引用符で囲まれている必要があります。
rule => 'PRIORITY <= 3 AND CORRID = ''FROM JAPAN'''
ユーザー・データ・プロパティまたは属性は、オブジェクト・ペイロードのみに適用され、常に接頭辞としてtab.userdata
を付ける必要があります。
GLOBAL_TOPIC_ENABLED
がTRUEの場合は、サブスクライバが作成されると、対応するLDAPエントリも作成されます。
デキューまたは伝播中に適用する変換の名前を指定します。変換は、DBMS_TRANSFORM
パッケージを使用して作成します。
関連項目: DBMS_TRANSFORM パッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。 |
XMLType属性を持つペイロードを含むキューに対しては、XMLType.existsNode()
メソッドおよびXMLType.extract()
メソッドを含むルールを指定できます。
パラメータqueue_to_queue
がTRUE
に設定されている場合、追加されたサブスクライバは、キューからキューへのサブスクライバです。ソース・キューと宛先キューの間にキューからキューへの伝播が設定されている場合、キューからキューへのサブスクライバは、その伝播スケジュールによってメッセージを受信します。
delivery_mode
パラメータがデフォルトのPERSISTENT
の場合、サブスクライバは永続メッセージのみを受信します。BUFFERED
に設定されている場合、サブスクライバはバッファ済メッセージのみを受信します。PERSISTENT_OR_BUFFERED
に設定されている場合、サブスクライバは両方のタイプを受信します。ALTER_SUBSCRIBER
を使用してこのパラメータを変更することはできません。
宛先キューがシングル・コンシューマ・キューの場合、エージェント名は、NULL
である必要があります。
注意: ADD_SUBSCRIBER はキューに対する管理操作です。Oracle Database AQでは、アプリケーションによる管理コールおよび操作コールの同時発行が可能ですが、実行は逐次行われます。ADD_SUBSCRIBER は、メッセージをエンキューまたはデキューしている保留中のコールが完了するまでブロックします。保留中のトランザクションの完了は待機しません。 |
例8-41 データベース・リンクの指定されたキューでのサブスクライバの追加
DECLARE subscriber sys.aq$_agent; BEGIN subscriber := sys.aq$_agent('subscriber1', 'test2.msg_queue2@london', null); DBMS_AQADM.ADD_SUBSCRIBER( queue_name => 'test.multiconsumer_81_queue', subscriber => subscriber); END; /
例8-42 データベース・リンクへのサブスクライバとしてのシングル・コンシューマ・キューの追加
DECLARE subscriber sys.aq$_agent; BEGIN subscriber := sys.aq$_agent('subscriber1', 'test2.msg_queue2@london', null); DBMS_AQADM.ADD_SUBSCRIBER( queue_name => 'test.multiconsumer_81_queue', subscriber => subscriber); END; /
例8-43 ルールを使用したサブスクライバの追加
DECLARE subscriber sys.aq$_agent; BEGIN subscriber := sys.aq$_agent('subscriber2', 'test2.msg_queue2@london', null); DBMS_AQADM.ADD_SUBSCRIBER( queue_name => 'test.multiconsumer_81_queue', subscriber => subscriber, rule => 'priority < 2'); END; /
DBMS_AQADM.ALTER_SUBSCRIBER ( queue_name IN VARCHAR2, subscriber IN sys.aq$_agent, rule IN VARCHAR2 transformation IN VARCHAR2);
このプロシージャは、指定されたキューのサブスクライバの既存のプロパティを変更します。
ルールまたは変換(あるいはその両方)を変更できます。これらの属性のいずれか1つのみを変更する場合は、他の属性の既存の値を変更コールに指定します。GLOBAL_TOPIC_ENABLED = TRUEの場合は、サブスクライバが変更されると、対応するLDAPエントリが作成されます。
DBMS_AQADM.REMOVE_SUBSCRIBER ( queue_name IN VARCHAR2, subscriber IN sys.aq$_agent);
このプロシージャは、デフォルトのサブスクライバをキューから削除します。
この操作はすぐに有効になり、この操作を含むトランザクションはコミットされます。既存メッセージ内のこのサブスクライバに対するすべての参照は、操作の一部として削除されます。GLOBAL_TOPIC_ENABLED = TRUE
の場合は、サブスクライバが削除されると、対応するLDAPエントリも削除されます。
そのコンシューマがデキューできるが保留しているメッセージがあるときに、REMOVE_SUBSCRIBER
プロシージャを実行してもエラーにはなりません。このメッセージは、REMOVE_SUBSCRIBER
プロシージャが完了すると自動的にデキュー不可になります。
注意: REMOVE_SUBSCRIBER はキューに対する管理操作です。Oracle Database AQでは、アプリケーションによる管理コールおよび操作コールの同時発行が可能ですが、実行は逐次行われます。REMOVE_SUBSCRIBER は、メッセージをエンキューまたはデキューしている保留中のコールが完了するまでブロックします。保留中のトランザクションの完了は待機しません。 |
あるキューに定義された伝播スケジュールは、そのキューの有効期間中いつでも変更または削除できます。スケジュールを削除するかわりに一時的に使用不可にすることもできます。すべての管理コールは、スケジュールがアクティブかどうかに関係なく実行されます。スケジュールがアクティブの場合、コールが処理されるまでに数秒かかります。
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_AQADM.SCHEDULE_PROPAGATION ( queue_name IN VARCHAR2, destination IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, start_time IN DATE DEFAULT SYSDATE, duration IN NUMBER DEFAULT NULL, next_time IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, latency IN NUMBER DEFAULT 60, destination_queue IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
このプロシージャは、メッセージの伝播をスケジュールします。
宛先は、destination
パラメータのデータベース・リンクまたはdestination_queue
パラメータのキュー名、あるいはその両方によって識別されます。データベース・リンクのみを指定すると、キューからdblinkへの伝播が行われます。別のデータベースにある複数のキューにメッセージを伝播する場合、すべての伝播が同じ頻度で行われます。
キュー表所有者のスキーマ内のプライベート・データベース・リンクが、パブリック・データベース・リンクと同じ名前の場合、AQは常にプライベート・データベース・リンクを使用します。
宛先キュー名を指定すると、キューからキューへの伝播が行われる機能が、Oracle Database Advanced Queuing 10gリリース2 (10.2)で導入されました。別のデータベース内の複数のキューにメッセージを伝播すると、キューからキューへの伝播により、各スケジュールを独立して構成できます。個別の伝播を有効化または無効化できます。
注意: あるキューから別のデータベース内のキューへの伝播が必要な場合は、パラメータdestination およびdestination_queue を指定する必要があります。 |
キューからキューへの伝播モードは、宛先Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)システムに伝播する場合、透過的なフェイルオーバーをサポートします。キューからキューへの伝播では、Oracle RACでキューの所有者インスタンスが失敗した場合、データベース・リンクを再指定する必要がありません。
宛先にNULL
を指定すると、メッセージを同じデータベース内の他のキューにも伝播できます。同じ宛先に複数の受信者を持つ場合、(キューが同じかどうかにかかわらず)メッセージは、すべての受信者に同時に伝播されます。
ソース・キューは、マルチ・コンシューマ向けのキュー表内に存在する必要があります。シングル・コンシューマ・キューを指定すると、エラーORA-24039が発生します。キューまたはデータベース・リンクを参照する場合、Oracle Database Advanced Queuingはシノニムの使用をサポートしていません。
伝播next_time
およびduration
を指定すると、伝播は指定された期間、定期的に実行されます。next_time
またはduration
を指定せずに待機時間をゼロに指定すると、結果の伝播は永久に実行され、メッセージがキューに表れると伝播し、それ以外のときはアイドルになります。next_time
またはduration
が指定されずにゼロ以外の待機時間が指定されると(デフォルト)、伝播スケジュールはイベントに基づきます。伝播する必要のあるメッセージがキューにあるときに実行されるよう、スケジュールされます。システム定義の期間、メッセージがないと、伝播する新規メッセージが表れるまでジョブは実行を停止します。ジョブが実行される時間は、準備の完了しているジョブの数やジョブ・キュー・プロセスの数などの他の要因に応じて変化します。
伝播は線形バックオフ・スキームを使用して、障害が発生したスケジュールからの伝播を再試行します。あるスケジュールで続けて障害が発生したときは、最初の再試行は30秒後、次の再試行は60秒後、3回目の再試行は120秒後、というように続きます。再試行時間が現行の伝播枠の期限切れ時刻を超える場合は、次の再試行は、次の伝播枠の開始時刻に行われます。最大16回の再試行が行われた後、そのスケジュールは自動的に使用不可能になります。
注意: 再試行が次の伝播ウィンドウに移動されると、常に移動されるようになり、指数バックオフ・スキームは再試行のスケジュールを管理しません。DBMS_AQADM.SCHEDULE_PROPAGATION のnext_time パラメータで指定された日付関数の結果、ウィンドウ間の間隔が短くなると、再試行の失敗数はすぐに16に達し、スケジュールが無効になります。 |
存在しないdestination
の値を指定すると、このプロシージャはエラーをスローせずに実行します。USER_QUEUE_SCHEDULES
ビューのLAST_ERROR_MSG
列で、ランタイム伝播エラーを問い合せることができます。
例8-48 同じデータベース内のキューへの伝播のスケジューリング
BEGIN DBMS_AQADM.SCHEDULE_PROPAGATION( queue_name => 'test.multiconsumer_queue'); END; /
DBMS_AQADM.VERIFY_QUEUE_TYPES( src_queue_name IN VARCHAR2, dest_queue_name IN VARCHAR2, destination IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, rc OUT BINARY_INTEGER);
このプロシージャは、ソース・キューおよび宛先キューが同じ型を持っているかどうかを検証します。検証の結果は、ディクショナリ表SYS.AQ$_MESSAGE_TYPES
表に格納され、以前にこのコマンドから出力されたすべての結果は上書きされます。
ソースおよび宛先に同じ型のキューがない場合に指定された変換では、ソース・キュー・タイプを宛先キュー・タイプにマップする必要があります。
注意: SYS.AQ$_MESSAGE_TYPES は、同じソース・キュー、宛先キューおよびデータベース・リンクに対して複数のエントリを持ちますが、変換は異なります。 |
例8-51 キュー・タイプの検証
SET SERVEROUTPUT ON DECLARE rc BINARY_INTEGER; BEGIN DBMS_AQADM.VERIFY_QUEUE_TYPES( src_queue_name => 'test.multiconsumer_queue', dest_queue_name => 'test.another_queue', rc => rc); DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Compatible: '||rc); END; /
例8-51には、同じタイプの2つのキューが含まれます。戻り値は次のとおりです。
VQT: new style queue Compatible: 1
test.another_queue
のかわりにtest.raw_queue
(RAW型のキュー)を使用して同じ例を実行すると、この例は次の行を戻します。
VQT: new style queue Compatible: 0
DBMS_AQADM.ALTER_PROPAGATION_SCHEDULE( queue_name IN VARCHAR2, destination IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, duration IN NUMBER DEFAULT NULL, next_time IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, latency IN NUMBER DEFAULT 60, destination_queue IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
このプロシージャは、伝播スケジュールのパラメータを変更します。キューからキューへの伝播のdestination_queue
パラメータは変更できません。
DBMS_AQADM.ENABLE_PROPAGATION_SCHEDULE( queue_name IN VARCHAR2, destination IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, destination_queue IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
このプロシージャは、以前に無効化した伝播スケジュールを有効化します。
DBMS_AQADM.DISABLE_PROPAGATION_SCHEDULE( queue_name IN VARCHAR2, destination IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, destination_queue IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
このプロシージャは、以前に有効化した伝播スケジュールを無効化します。
DBMS_AQADM.UNSCHEDULE_PROPAGATION ( queue_name IN VARCHAR2, destination IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, destination_queue IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);
このプロシージャは、以前にスケジュールした、あるキューから宛先へのメッセージ伝播のスケジュールを解除します。宛先は、destination
パラメータの特定のデータベース・リンク、またはdestination_queue
パラメータの名前によって識別されます。
この項の内容は次のとおりです。
DBMS_AQADM.CREATE_AQ_AGENT ( agent_name IN VARCHAR2, certificate_location IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, enable_http IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, enable_anyp IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
このプロシージャは、HTTPプロトコルを使用して、Oracle Database Advanced Queuingインターネット・アクセスのためのエージェントを登録します。
SYS.AQ$INTERNET_USERS
ビューには、すべてのOracle Database Advanced Queuingインターネット・エージェントのリストが表示されます。エージェントが作成、変更または削除された場合、次の条件が満たされていれば、そのエージェントに対してLDAPエントリが作成されます。
GLOBAL_TOPIC_ENABLED
= TRUE
certificate_location
を指定
DBMS_AQADM.ALTER_AQ_AGENT ( agent_name IN VARCHAR2, certificate_location IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, enable_http IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, enable_anyp IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
このプロシージャは、Oracle Database Advanced Queuingインターネット・アクセスに登録されたエージェントを変更します。
Oracle Database Advanced Queuingエージェントが作成、変更または削除された場合、次の条件が満たされていれば、そのエージェントに対してLDAPエントリが作成されます。
GLOBAL_TOPIC_ENABLED
= TRUE
certificate_location
を指定
DBMS_AQADM.DROP_AQ_AGENT ( agent_name IN VARCHAR2);
このプロシージャは、以前にOracle Database Advanced Queuingインターネット・アクセスに登録されたエージェントを削除します。
Oracle Database Advanced Queuingエージェントが作成、変更または削除された場合、次の条件が満たされていれば、そのエージェントに対してLDAPエントリが作成されます。
GLOBAL_TOPIC_ENABLED
= TRUE
certificate_location
を指定
DBMS_AQADM.ENABLE_DB_ACCESS ( agent_name IN VARCHAR2, db_username IN VARCHAR2)
このプロシージャは、Oracle Database Advanced Queuingインターネット・エージェントに特定のデータベース・ユーザーの権限を付与します。このエージェントは、CREATE_AQ_AGENT
プロシージャを使用して事前に作成されています。
SYS.AQ$INTERNET_USERS
ビューには、すべてのOracle Database Advanced Queuingインターネット・エージェント、および権限が付与されているデータベース・ユーザーの名前のリストが表示されます。
関連項目: 保護キューの詳細は、『Oracle Streams概要および管理』を参照してください。 |
DBMS_AQADM.ADD_ALIAS_TO_LDAP( alias IN VARCHAR2, obj_location IN VARCHAR2);
このプロシージャは、LDAPサーバーに別名を追加します。
このコールは、LDAPのOracle Database Advanced Queuingオブジェクトの別名および識別名を使用して、Oracle Database Advanced Queuingオブジェクトを指す別名を作成します。この別名は、データベース・サーバーの識別名の直下に配置されます。別名が指すオブジェクトは、キュー、エージェントまたはConnectionFactoryです。
関連項目: 保護キューの詳細は、『Oracle Streams概要および管理』を参照してください。 |