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Oracle® Database Quality of Service Managementユーザーズ・ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71294-06
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4 Oracle Database QoS Managementシステムの管理

この章では、Oracle Database QoS Managementを使用してOracle RACクラスタのパフォーマンスを管理するときに実行する基本的な管理タスクについて説明します。

Oracle Database QoS Managementが有効になっているかどうかの判断

Oracle Database QoS Managementは、クラスタ、サーバー・プール、データベースの3つのレベルで有効にできます。同じOracle RACクラスタ内に複数のデータベースがある場合、そのすべてがOracle Database QoS Managementによって管理されているとはかぎりません。

データベースの有効ステータスの確認

データベースがOracle Database QoS Managementで管理されているかどうかを判断するには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlにログインし、確認するデータベース・ターゲットを選択します。
  2. ターゲットのメニューから、「クラスタ・データベース」「ターゲット情報」の順に選択します。
  3. 「ターゲット情報」ウィンドウの下部で、このデータベースに対してOracle Database QoS Managementが有効になっている場合、「QoSステータス」の値は「アクティブ」である必要があります。

クラスタの有効ステータスの確認

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、Oracle Database QoS Managementがクラスタに対して有効になっているかどうかを判断できます。

クラスタがOracle Database QoS Managementで管理されているかどうかを判断するには、次の手順を実行します。

  1. Cloud Controlにログインし、確認するクラスタ・ターゲットを選択します。
  2. ターゲットのメニューから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「ダッシュボード」の順に選択します。
  3. 要求されたら、QoSAdminユーザーとしてログインします。
  4. ダッシュボードの「一般」セクションで、「QoSステータス」の値をチェックします。ステータス値が「有効」の場合は、クラスタがOracle Database QoS Managementによって管理されています。

Oracle Database QoS Managementでのパフォーマンスの監視

「Oracle Database QoS Managementの有効化」の説明に従ってOracle Database QoS Managementを有効にしてデフォルト・ポリシー・セットを作成したら、Oracle Database QoS Managementの使用を開始してシステムのパフォーマンスを監視できます。

測定のみモードまたはモニター・モードでは、ユーザー定義パフォーマンス・ポリシーのすべてのパフォーマンス・クラスで「測定のみ」ボックスが選択されています。パフォーマンス目標を設定すると、Oracle Database QoS Managementによりダッシュボードにパフォーマンス満足度メトリック(PSM)が表示されます。システムのレスポンス時間が指定されたパフォーマンス目標を超える場合、PSMバーが赤に変わり、オプションのアラートが生成されます(図4-1を参照)。「測定のみ」チェック・ボックスが選択されている場合、Oracle Database QoS Managementは推奨を作成しません。

図4-1 測定のみパフォーマンス・クラスのパフォーマンス満足度メトリック

図4-1の説明が続きます
「図4-1 測定のみパフォーマンス・クラスのパフォーマンス満足度メトリック」の説明

Oracle Database QoS Managementを測定のみモードまたはモニター・モードで実行することで、リソース共有時の各種ワークロードのパフォーマンスを把握できます。測定のみモードまたはモニター・モード(Oracle Database 12cリリース12.1.0.2で使用可能)は、各パフォーマンス・クラスに使用するベースラインのパフォーマンス目標の決定に役立ちます。このモードを使用して、システムのパフォーマンス・ボトルネックを特定することもできます。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降、Oracle Database QoS Managementとシステム上のOracle RACを測定のみモードまたはモニター・モードで使用できます。

Oracle RACをExadataシステム上で使用している場合、Oracle Database QoS Managementをアクティブ管理モードで使用できます。アクティブ管理モードでは、パフォーマンス・クラスごとにパフォーマンス目標を指定し、Oracle Database QoS Managementはパフォーマンス・クラスが目標を満たしていない場合にパフォーマンスを向上させる推奨を作成できます。

Oracle Database QoS Managementダッシュボードの使用方法

Oracle Database QoS Managementダッシュボード(ダッシュボード)は、Oracle Database QoS Managementシステムを管理するための使いやすいインタフェースを提供します。

Oracle Database QoS Managementダッシュボードへのアクセス

ダッシュボードには4つの主要セクションがあります。

  • 一般

  • パフォーマンス概要

  • 推奨

  • リソース待機時間のブレークダウン

ダッシュボードの「一般」セクションには、システムの簡単な概要が表示されます。このセクションには、「QoSステータス」(「有効」または「無効」)、「現在のアクティブ・ポリシー」、パフォーマンス・クラスの詳細をチェックするためのリンク、および使用可能な推奨の通知が表示されます。現在のアクティブ・ポリシーをすばやく変更できるボタンもあります。

「パフォーマンス概要」セクションには、パフォーマンス・クラス、作業が行われているサーバー・プール、それらのランク、測定されているパフォーマンス目標、およびパフォーマンス目標の監視のみ行われているか、または監視と管理が行われているかを示す表があります。パフォーマンス・クラスごとに、パフォーマンス・クラス・メトリックの概要を示すグラフがあります。詳細は、「パフォーマンス概要グラフの解釈」を参照してください。

「推奨」セクションでは、パフォーマンス・クラスがそのパフォーマンス目標を満たしていない場合に使用できる推奨を確認できます。推奨が行われるのを阻止している違反も確認できます。

ダッシュボードの下部には、「リソース待機時間のブレークダウン」セクションがあります。このセクションには、パフォーマンス・クラスごとのリソース待機時間のブレークダウンを示す表があります。各パフォーマンス・クラスについて、ボトルネック・リソースは待機時間が最も長いリソースです。データは、推奨を生成するためにQoS Managementで使用されます。データは、システムを手動で調整するためにも使用できます。表にリストされている各パフォーマンス・クラスを展開すると、そのパフォーマンス・クラスのサーバー・プールと、各サーバー・プールのリソース待機時間を表示できます。

  1. Cloud Controlにログインし、確認するクラスタ・ターゲットを選択します。
  2. ターゲットのメニューから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「ダッシュボード」の順に選択します。
  3. ログイン画面が表示され、Oracle Database QoS Management管理者(QoSAdmin)資格証明の入力を求められます。ユーザー名とパスワードを入力した後で、「ログイン」をクリックします。
  4. 適切な資格証明を入力すると、図4-2に示すように、「サービスのクオリティ管理ダッシュボード」ページが表示されます。

    図4-2 Oracle Database Quality of Service Managementのダッシュボード

    図4-2の説明が続きます
    「図4-2 Oracle Database Quality of Service Managementのダッシュボード」の説明

クラスタに対するOracle Database QoS Managementの有効化

  1. ダッシュボードの「一般」セクションで、「QoSステータス」の横の「無効」をクリックします。
  2. 「サービスのクオリティ管理の有効化/無効化」ページで、「QoS管理の有効化」をクリックします。

クラスタに対するOracle Database QoS Managementの無効化

  1. ダッシュボードの「一般」セクションで、「QoSステータス」の横の「有効」をクリックします。
  2. 「サービスのクオリティ管理の有効化/無効化」ページで、「QoS管理の無効化」をクリックします。

パフォーマンス概要グラフの解釈

ダッシュボードの「パフォーマンス概要」セクションには、図4-3に示すように、現在のパフォーマンス・クラスのリスト、各パフォーマンス・クラスに関する基本情報、およびそのクラスのパフォーマンス・メトリックの最近の傾向を示す2つの棒グラフがあります。

図4-3 「パフォーマンス概要」のグラフの例

図4-3の説明が続きます
「図4-3 「パフォーマンス概要」のグラフの例」の説明

図4-3はダッシュボードの「パフォーマンス概要」セクションで、棒グラフが埋め込まれた表で構成されています。表の行はパフォーマンス・クラスのリストになっており、そのパフォーマンス・クラスに関連付けられているサーバー・プール、ランクおよびオブジェクト・タイプが表示されています。また、各パフォーマンス・クラスの行には、待機時間と比較したリソースの使用を表す棒グラフと、過去5分におけるパフォーマンス満足度メトリックを表す棒グラフの2つがあります。リソースの使用VS待機時間の棒グラフには、リソース使用時間(青)、待機時間(グレーまたは赤)、およびパフォーマンス目標のヘッドルーム(緑)部分を示し、長さと色が変わる3つのセクションがあります。パフォーマンス満足度メトリックの棒グラフは左から右に伸びる1本の棒で表示され、緑と赤のセグメントは、パフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を超過(緑)または違反(赤)した5分間の時間スライスを表します。リソースの使用VS待機時間の棒グラフのセクションにカーソルを置くと、カーソルの側に測定値の説明が表示されます。

リソースの使用VS待機時間

リソースの使用VS待機時間のグラフは、ページの内容をリフレッシュしたときのみリフレッシュされます。次に、このグラフの内容を示します。

  • 青いセクションは、過去5秒間のすべてのデータベース・リクエストについて、そのパフォーマンス・クラスがリソースの使用に費やした平均時間の部分を示します

  • グレーのセクションは、過去5秒間のすべてのデータベース・リクエストについて、そのパフォーマンス・クラスがリソースの待機に費やした平均時間の部分を示します

  • 緑のセクションは、過去5秒間のそのパフォーマンス・クラスのヘッドルーム(すべてのデータベース・リクエストに対し、指定されたパフォーマンス目標を下回った平均時間の割合)を示します。

  • パフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしていない場合は、グレーと緑とセクションが消えてリソース待機時間が赤で表示され、パフォーマンス目標が実際のレスポンス時間に対応する位置を示す線が表示されます。

  • マウスのカーソルをこの棒グラフの任意のセクションの上に置くと、使用、待機およびヘッドルームの実際の値が表示されます。

棒グラフのグレーと緑のセクションの間のポイントは、パフォーマンス目標値です。この値をリソース使用時間より小さい値に設定すると、目標が満たされることがありません。パフォーマンス・クラスのパフォーマンス目標を構成する場合は、(緑で表示される)ヘッドルームを十分に生成できるパフォーマンス目標を設定して、要求が変化した場合にサービスを満たすためにパフォーマンス・クラス間でリソースを共有できるようにする必要があります。

パフォーマンス・クラスの棒グラフに赤のセクションが表示されている場合は、パフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしていないことがわかります。Oracle Database QoS Managementは、可能な場合は問題を解決するために実装する推奨とアクションを発行します。Oracle Database QoS Managementで推奨が生成されるのは1分間に1回であるため、推奨が対応しているのは、現在のパフォーマンス目標グラフより前の時点です。

パフォーマンス満足度メトリック

パフォーマンス満足度メトリックは、特定の5分間のサンプルに対して赤と緑のセグメントを表示するように変化します。これを使用して、システムのパフォーマンスの傾向を見きわめることができます。

パフォーマンス満足度メトリックの棒グラフの意味は次のとおりです。

  • 赤いセクションは、サンプリング期間中にパフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしていなかった期間を表します。

  • 緑のセクションは、サンプリング期間中にパフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしていた期間を表します。

推奨の表示

推奨を表示する場合、予測される結果は次の3つです。
  1. パフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしている場合、「アクションは必要ありません: パフォーマンス目標はすべて達成されています。」という推奨事項が表示されます。
  2. Oracle Database QoS Managementで、パフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしておらず、パフォーマンスを改善するための推奨アクションがあると判断された場合は、ダッシュボードの「パフォーマンス概要」グラフのパフォーマンス・クラス名の前にアスタリスク('*')が付けられ、推奨アクションが表示されます。
  3. 図4-3に示すように、複数のパフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たしていない場合、ターゲットのパフォーマンス・クラスにのみアスタリスクと推奨が表示されます。その推奨事項に関連付けられたアクションがある場合、「実装」ボタンが表示され、それをクリックすると、そのアクションを実装できます。
    推奨されるアクションがない場合は、「詳細」ボタンをクリックして最新の分析結果を表示できます。Oracle Database QoS Managementには、実行できるアクションと、それらのアクションが選択されなかった理由が表示されます。

例4-1 「パフォーマンス概要」ページの出力例および推奨されるアクション

図4-4 パフォーマンス目標を満たしていないパフォーマンス・クラスを示す「パフォーマンス概要」ページ

図4-4の説明が続きます
「図4-4 パフォーマンス目標を満たしていないパフォーマンス・クラスを示す「パフォーマンス概要」ページ」の説明

推奨の詳細の表示

Oracle Database QoS Managementが推奨を生成した場合は、「推奨事項の詳細」ボタンをクリックして、推奨が行われた理由に関する詳細情報と、推奨を実装した場合に予想されるパフォーマンス向上を表示できます。

「アクション」ドロップダウン・リストを使用して、様々な推奨を選択できます。Oracle Database QoS ManagementはQoS管理者に最善の推奨を提供しようとしますが、別のアクションの方がよりよい結果になるとユーザーが判断する場合があります。別のアクションを選択すると、「推奨アクション」および「状況分析」セクションの情報が更新されて、別の推奨の影響が反映されます。別の推奨がシステム全体に十分な利益をもたらさないためOracle Database QoS Managementシステムによって拒否された場合は、その推奨を実装できません。

「推奨アクション」ページには、「状況分析」というセクションもあります。このセクションに出力を表示すると、次のスクリーンショットに示すように、推奨の実装がパフォーマンス・クラスおよびサーバー・プールに与えると予測される影響の説明を参照できます。

推奨の実装

推奨アクションがあり、アクションの実装を決定した場合は、ダッシュボードまたは「詳細」ページの「実装」ボタンをクリックします。

推奨を実装した後で、ダッシュボードの画面が変更され、進行中のアクションがあることが表示されます。リソースの変更後、システムが確定するまで新しい推奨は表示されません。推奨を実装する前に「詳細」ページを表示することにより、新しい推奨が使用可能になるまで待機する必要のある時間を判断できます。

推奨アクションを実装した後で、ダッシュボードの「パフォーマンス概要」チャートを表示して、パフォーマンス・クラスがパフォーマンス目標を満たすようになったかどうかを判断します。

ポリシー・セットの管理

Oracle Database QoS Managementシステムを初めて構成するか、新しいポリシー・セットを作成するかにかかわらず、ポリシー・セットの作成にはポリシー・セットの作成ウィザードを使用します。既存のポリシー・セットを変更するにはポリシー・セットの編集ウィザードを使用します。

注意:

新しいポリシー・セットを作成することに決めた場合は、既存のパフォーマンス・ポリシーとユーザーが追加したパフォーマンス・クラスをすべて再作成する必要があります。格納されているポリシー・セットに対して行った変更は、ポリシー・セット・ウィザードの最後のページで「ポリシー・セットの発行」をクリックするまで保存されません。

ポリシー・セットの編集

既存のポリシー・セットを変更するには、次の手順を実行します。

  1. クラスタ・ターゲット・メニューから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「ポリシー・セットの編集」の順に選択します。

    ポリシー・セット・エディタ・ウィザードが開始します。

  2. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードの最初のページで、現在のサーバー・プール設定を確認できます。

    このページで、Oracle Database QoS Managementで管理するサーバー・プールを指定します。サーバー・プールの「管理」ボックスが選択解除されている場合、そのサーバー・プールを使用するサーバー、データベースまたはワークロードはOracle Database QoS Managementによって表示または管理されません。「詳細」列には、構成違反の詳細と、サーバー・プールの管理を有効にするために実行する修正処理が表示されます。

    終了したら、「次へ」をクリックします。「ポリシー・セット・エディタ: パフォーマンス・クラス」ページが表示されます。

  3. 2番目のページでは、システムのパフォーマンス・クラスを作成、編集、名前変更または削除できます。新しいパフォーマンス・クラスを作成するか、「パフォーマンス・クラスの編集」ボタンを使用して既存のパフォーマンス・クラスの分類子を変更できます。

    「すべてを開く」リンクを使用して各パフォーマンス・クラスの分類子を表示するか、個々のパフォーマンス・クラス・エントリを展開してそのパフォーマンス・クラスの分類子のみ表示できます。

    編集するパフォーマンス・クラスを選択し、適切なアクション・ボタン(「編集」、「名前変更」または「削除」)をクリックします。このポリシー・セットのパフォーマンス・クラスを作成する場合は、「パフォーマンス・クラスの追加」ボタンをクリックします。パフォーマンス・クラスの作成の詳細は、「パフォーマンス・クラスの作成」を参照してください。

    終了したら、「次へ」をクリックします。

  4. パフォーマンス・クラスを作成または変更した後、次の手順は分類子の評価順序の設定です。

    分類子は作業リクエストが配置されるパフォーマンス・クラスを決定するため、この手順は非常に重要です。パフォーマンス・クラスを選択し、分類子の右にある矢印キーを使用してリスト内のエントリを上下に移動します。

    作業リクエストがシステムに入ると、作業リクエストが分類子に照らして評価されます。最初にTRUEに評価された式によって、作業リクエストが属するパフォーマンス・クラスが決まります。よりきめ細かな分類子をリストの上部に配置し、より汎用的な分類子をリストの下部に配置する必要があります。

  5. パフォーマンス・クラスの順序を設定した後、次の手順はパフォーマンス・ポリシーの編集とパフォーマンス目標の設定です。

    このページでは、次の処理を実行できます。

    • 新しいパフォーマンス・ポリシーの作成

    • 既存のパフォーマンス・ポリシーの編集、コピーまたは削除

    • QoS Managementで自動的に実装できるリソース割当て方法を指定します。

    注意:

    DefaultPolicyパフォーマンス・ポリシーは変更できませんが、このポリシーをコピーし、新しいパフォーマンス・ポリシーの基礎として使用できます。

    このページでのタスクの実行方法の詳細は、「パフォーマンス・ポリシーの管理」を参照してください。

  6. パフォーマンス・ポリシーを構成した後で、ポリシー・セットの発行直後に有効にするパフォーマンス・ポリシーを選択する必要があります。

    優先するパフォーマンス・ポリシーを選択し、「ポリシーの設定」をクリックします。終了したら、「次へ」をクリックします。

  7. ポリシー・セットをOracle Database QoS Managementシステムに発行する前に、ポリシー・セット構成の確認を求められます。変更が意図したとおりの場合は、「ポリシー・セットの発行」をクリックします。表示されている設定のいずれかを変更する必要がある場合は、「戻る」または「取消」ボタンをクリックします。

    「ポリシー・セットの発行」をクリックすると、ダッシュボードに戻ります。

ポリシー・セットへのサーバー・プールの追加

サーバー・プールは、クラスタまたはデータベース管理者がOracle Enterprise Manager Cloud ControlまたはServer Control (SRVCTL)を使用して作成します。サーバー・プールの作成方法は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

クラスタ管理者がサーバー・プールを作成した後で、Oracle Database QoS Managementシステムにサーバー・プールを追加できます。「パフォーマンス・ポリシーの作成とパフォーマンス目標の指定」を参照してください。

関連項目:

  • サーバー・プールのサイズの変更の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • 最近割り当てられたサーバーを既存のOracle RACデータベースの一部にするための構成の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

サーバー・プール設定の変更

サーバー・プール設定を変更するには、ポリシー・セットに対してサーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを構成します。

サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを構成した場合は、サーバー・プールの作成時に指定したパラメータのかわりに、サーバー・プールに対して指定する新しいパラメータが使用されます。

注意:

リストされているサーバー・プールの最小および最大設定は変更できますが、このインタフェースを使用して追加のサーバー・プールを作成することはできません。ここで行った変更は、発行された後、関連付けられたパフォーマンス・ポリシーがアクティブなときに、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「サーバー・プールの管理」セクションに設定されている現在のサーバー・プール・プロパティを変更します。

  • Oracle Enterprise Manager Cloud ControlまたはSRVCTLの「サーバー・プールの管理」ページを使用して、サーバー・プール・パラメータを手動で変更できます。
    Oracle Database QoS Managementを有効にした場合は、この方法を使用してサーバー・プール構成を変更しないでください。サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドとサーバー・プール構成の手動変更の両方を使用すると、現在のポリシー・セットに対して指定したサーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドによって手動設定がオーバーライドされるため、混乱が生じることがあります。

ポリシー・セットへのデータベース・サービスの追加

追加サービスを作成して、新規サービスの使用を特定のアプリケーションまたはユーザーに制限することで、より詳細なレベルでワークロード・パフォーマンスを監視できます。データベース・サービスをポリシー・セットに追加するには、新規データベース・サービスごとにパフォーマンス・クラスを作成または変更する必要があります。

  1. データベース管理者は、SRVCTLまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、Oracle Clusterwareで管理するデータベース・サービスを作成します。Enterprise Manager Cloud Controlの「データベース・ターゲット」ページの「可用性」メニューを使用して、Oracle RACデータベースのサービスを作成できます。

    関連項目:

    Enterprise Manager Cloud Controlを使用したサービスの作成の詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください

  2. QoS管理者は、ポリシー・セットに1つ以上のパフォーマンス・クラスを追加するか、新しいデータベース・サービスを含むように既存のパフォーマンス・クラスを変更します。

注意:

Oracle Database QoS Managementにはデータベース・サービスがdb_name:service_nameとして表示されるため、サービス名はデータベース内で一意である必要があります。

ポリシー・セットを更新して新規データベースを追加

新しいデータベースをクラスタに追加すると、このデータベースのワークロードを管理または監視するよう、Oracle Database QoS Managementを構成できます。

  1. データベース管理者は、最初にクラスタ・データベースをサーバーにホストするようクラスタまたはシステム管理者にリクエストします。
  2. クラスタまたはデータベース管理者は、指定された最小ノード数で新しいサーバー・プールを作成します。クラスタまたはデータベース管理者は、新しいサーバー・プールを作成するかわりに、既存のサーバー・プールへのアクセス権を付与することもできます。
  3. データベース管理者は、割り当てられたサーバー・プールに新しいデータベースを作成します。データベース管理者は、Oracle Database QoS Managementで管理するように新しいデータベースが適切に構成されていることを確認します。詳細は、「サポートされるデータベース構成」を参照してください。
  4. データベース管理者は、SRVCTLまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、Oracle Clusterwareが新しいデータベースについて管理するデータベース・サービスを作成します。
  5. データベース管理者は、Cloud Controlの「データベース・ターゲット」ページからデータベースでOracle Database QoS Managementを有効にします。
  6. Cloud Controlの「ポリシー・セットの編集」リンクを使用して、QoS管理者は、「ポリシー・セット」に新しいサーバー・プールを追加、「ポリシー・セット」に1つ以上のパフォーマンス・クラスを追加、または新しいデータベース・サービスを含むように既存のパフォーマンス・クラスを変更します。ポリシー・セットの編集の詳細は、「ポリシー・セットの編集」を参照してください。
  7. 新しいポリシー・セットの発行を完了すると、Oracle Database QoS Managementによって新しいデータベースが監視および管理されます。

パフォーマンス・クラスの管理

各ポリシー・セットには、1つ以上のパフォーマンス・クラスが含まれます。各パフォーマンス・クラスは、使用するサーバー上のワークロードの型を定義します。

パフォーマンス・クラスの作成

パフォーマンス・クラスとそれらで使用される分類子を作成または編集するには、次のタスクを実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「クラスタ・ターゲット」ページから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「ポリシー・セットの編集」の順に選択します。
  2. ウィザードの第2画面に移動します。

    「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに、使用可能なパフォーマンス・クラスが表示されます。今回初めてシステムを構成する場合は、各データベース・サービスのパフォーマンス・クラスがデフォルトのパフォーマンス・クラスとともに表示されます。

    作業リクエストの分類子を指定するには、少なくとも1つのサービス名を指定する必要があります。複数のサービスを指定する場合は、カンマ区切りリストを使用します。オプションで、次のいずれかのフィルタを指定することもできます。

    • モジュール名のカンマ区切りリストと、作業リクエストがこのリストのモジュールを使用するかどうか

    • アクションのカンマ区切りリストと、作業リクエストがこのリストのアクションを実行するかどうか

    • ユーザー名のカンマ区切りリストと、作業リクエストがこのリストのユーザー名を使用するかどうか

    • プログラムのカンマ区切りリストと、作業リクエストがこのリストのプログラムを実行するかどうか

  3. 「パフォーマンス・クラスの追加」をクリックすると、パフォーマンス・クラスの作成ページが表示されます。「パフォーマンス・クラス名」テキスト・フィールドに、パフォーマンス・クラスの名前を入力します。
  4. 「分類子」セクションで、作業リクエストの分類ルールを定義する情報を入力します。最初にデータベース・サービスを選択してから、指定されたデータベース・サービスを使用して作業リクエストに関連付けられているモジュールアクションUserNameまたはプログラム名に対して一致する値(「セット内にある」)を指定します。これらの属性に対して除外値(「セット内にない」)を指定することもできます。

    パフォーマンス・クラスに複数の分類子を追加する場合は、「分類子の追加」ボタンをクリックし、適切な情報を入力します。

    注意:

    パフォーマンス・クラスの分類子を評価する場合は、指定したすべての値がAND演算を使用して作業リクエスト属性と比較されます。パフォーマンス・クラスに複数の分類子を指定した場合は、そのパフォーマンス・クラスの各分類子評価の結果がOR演算を使用して結合されます。

  5. パフォーマンス・クラスのすべての分類子を定義したら、ウィザードの終わりに達するまで「次へ」ボタンをクリックします。指定した情報を確認し、「ポリシー・セットの発行」をクリックします。

パフォーマンス・クラスの削除

不要になったパフォーマンス・クラスを削除できます。

  1. ポリシー・セットの編集ウィザードを開始します。
  2. ウィザードの第2画面に移動します。
    「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに、使用可能なパフォーマンス・クラスが表示されます。
  3. パフォーマンス・クラスを選択し、「パフォーマンス・クラスの削除」をクリックします。
  4. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

パフォーマンス・クラス名の変更

ポリシー・セットの編集ウィザードを使用して、パフォーマンス・クラスの名前を変更することができます。

  1. ポリシー・セットの編集ウィザードを開始します。
  2. ウィザードの第2画面に移動します。
    「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに、使用可能なパフォーマンス・クラスが表示されます。
  3. パフォーマンス・クラスを選択し、「パフォーマンス・クラス名の変更」をクリックします。
  4. 「パフォーマンス・クラス名の変更」ページで、パフォーマンス・クラスの新しい名前を入力し、「OK」をクリックします。
  5. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

既存のパフォーマンス・クラスの編集

パフォーマンス・クラスを編集する際に、システムのパフォーマンス・クラスを作成、編集、名前変更または削除できます。「パフォーマンス・クラスの編集」ボタンを使用して、既存のパフォーマンス・クラスの分類子を変更できます。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
    1. Oracle Enterprise Manager Cloud Control内の「クラスタ・ターゲット」ページから、「管理」を選択します。
    2. 「サービスのクオリティ管理」を選択します。
    3. 「ポリシー・セットの編集」を選択します。
  2. ウィザードの第2画面に移動します。
    「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに、使用可能なパフォーマンス・クラスが表示されます。
  3. 変更するパフォーマンス・クラスを選択し、「パフォーマンス・クラスの編集」をクリックします。
  4. 変更が終了したら、「OK」をクリックします。
  5. 「ポリシー・セット・エディタ」の最後のページまで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックします。

分類子の追加

パフォーマンス・クラスに分類子を追加するには、次の手順を実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. ウィザードの第2画面である「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに移動します。
  3. 変更するパフォーマンス・クラスを選択し、「パフォーマンス・クラスの編集」をクリックします。
  4. 「パフォーマンス・クラスの編集」ページの「分類子」セクションで、「分類子の追加」ボタンをクリックし、適切な情報を入力します。終了したら、「OK」をクリックします。
  5. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

分類子の変更

パフォーマンス・クラスの1つ以上の分類子を変更するには、次の手順を実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. ウィザードの第2画面である「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに移動します。
  3. 分類子を変更するパフォーマンス・クラスを選択し、「パフォーマンス・クラスの編集」をクリックします。
  4. 「パフォーマンス・クラスの編集」ページの「分類子」セクションで、分類子情報を変更し、「OK」をクリックします。
  5. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

分類子の削除

パフォーマンス・クラスの1つ以上の分類子を削除するには、次の手順を実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. ウィザードの第2画面である「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・クラス」ページに移動します。
  3. 分類子を削除するパフォーマンス・クラスを選択し、「パフォーマンス・クラスの編集」をクリックします。
  4. 「パフォーマンス・クラスの編集」ページの「分類子」セクションで、削除する分類子を選択し、「分類子の削除」をクリックします。終了したら、「OK」をクリックします。
  5. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

分類子の評価順序の指定

分類子は、作業リクエストがシステムに入るたびに評価されるブール式を生成します。最初にTRUEに評価された分類子によって、作業リクエストのパフォーマンス・クラスが決まります。作業リクエストが適切なパフォーマンス・クラスに入るようにするには、分類子が評価される順序を慎重に指定する必要があります。

分類子の評価順序を設定するには、次の手順を実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. 「ポリシー・セットの編集: 分類子の順序付け」というタイトルのウィザードの第3画面まで進みます。
  3. 分類子の右側にある矢印キーを使用して、リスト内の分類子を上下に移動します。リストの一番上にあるパフォーマンス・クラスの分類子が最初に評価されます。作業リクエストがそのパフォーマンス・クラスの分類子と一致しない場合は、評価対象がなくなるまで、リスト内の次のパフォーマンス・クラスの評価に進みます。作業リクエストがパフォーマンス・クラスの分類子と一致した場合は、作業リクエストがそのパフォーマンス・クラスに関連付けられ、評価が終了します。

    作業リクエストを適切に分類するには、最も厳密な分類子を持つパフォーマンス・クラスをリストの一番上に配置し、最も厳密でない分類子を持つパフォーマンス・クラスをリストの下の方に配置する必要があります。最も汎用的な分類子を持つDefault_pcパフォーマンス・クラスは、リストの一番下に配置する必要があります。

  4. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

パフォーマンス・ポリシーの管理

パフォーマンス・ポリシーの作成とパフォーマンス目標の指定

パフォーマンス・ポリシーの作成には、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用します。

パフォーマンス・ポリシーを作成および構成するには、次の手順を実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. 「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・ポリシー」というタイトルのウィザードの第4画面まで進みます。
  3. 「ポリシーの追加」ボタンをクリックしてパフォーマンス・ポリシーを作成します。「ポリシーの追加」ページが表示されます。

    各パフォーマンス・ポリシーについて、一意の名前を指定する必要があります。ポリシーの説明とその意図も入力できます。次に、ポリシーのパフォーマンス・クラスを構成する必要があります。

    パフォーマンス・クラスを構成するには、次の手順を実行する必要があります。

    • 各パフォーマンス・クラスのランクを最高から最低まで設定します。より高いランクのパフォーマンス・クラスは、リソースの競合が発生した場合の優先順位が高くなります。

    • パフォーマンス目標の値を指定します。

      パフォーマンス目標値は、作業リクエスト(データベース・リクエスト)がその時間内に完了する必要のある秒数です。たとえば、0.008秒(8ミリ秒)などを指定します。

      注意:

      サービス・レベル合意(SLA)または目標レスポンス時間をパフォーマンス目標値として使用しないでください。かわりに、合理的で維持可能な、目標レスポンス時間よりも大きい値を選択してください。大きめの値を使用すると、パフォーマンス目標を超える前にリソースの割当てに関するOracle Database QoS Managementからの推奨を実装する時間が確保されます。

      パフォーマンス・クラスを管理せずに、測定または監視のみにするかどうかも選択できます。「測定のみ」を選択した場合、Oracle Database QoS Managementはパフォーマンス・クラスを測定または監視しますが、パフォーマンスを向上させるための推奨は提供しません。

  4. オプション: QoS Managementで自動的に実行できるアクションを指定します。「パフォーマンス・ポリシーに対する推奨の自動実装」を参照してください。
  5. Optional: サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを構成します。「サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドの設定」を参照してください。
  6. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進みます。「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

既存のパフォーマンス・ポリシーの編集

「ポリシーの編集」ページで、各パフォーマンス・クラスのランク、またはパフォーマンス・クラスの「測定のみ」設定を変更できます。QoS Managementで自動的に実装できるリソース割当てアクションのタイプを選択し、サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを設定することもできます。

  1. 「ポリシー・セットの編集」の「パフォーマンス・ポリシー」ページで、変更する「パフォーマンス・ポリシー」を選択し、「編集」をクリックします。
  2. パフォーマンス・クラスの新しいランクまたは目標値を指定するか、パフォーマンス・クラスの「測定のみ」設定を有効または無効にします。
  3. 変更が終了したら、「OK」をクリックしてポリシー・セット・エディタ・ウィザードに戻ります。
  4. ウィザードの最後に達するまで「次」をクリックします。変更を確認し、「ポリシー・セットの発行」をクリックします。

関連項目:

パフォーマンス・ポリシーのコピー

新しいパフォーマンス・ポリシーを作成するかわりに、既存のパフォーマンス・ポリシーをコピーできます。コピーしたパフォーマンス・ポリシーは、元のパフォーマンス・ポリシーと同一です。新しいパフォーマンス・ポリシーにすべての詳細を再作成するかわりに、単純にコピーの名前を変更し、編集できます。

現在のパフォーマンス・ポリシーの設定

パフォーマンス・ポリシーは、同時に施行されるパフォーマンス目標のコレクションです。パフォーマンス目標はパフォーマンス・クラスごとに1つずつあります。Oracle Database QoS Managementのアクティブなパフォーマンス・ポリシーを変更するには、複数の方法があります。

ダッシュボードからのアクティブなパフォーマンス・ポリシーの変更

  1. ダッシュボード・ページの「一般」セクションで、「アクティブ・ポリシーの変更」ボタンをクリックします。
  2. 「ポリシーの設定」ページで、使用するパフォーマンス・ポリシーを選択し、「OK」をクリックします。

ポリシー・セット・エディタ・ウィザードからのアクティブなパフォーマンス・ポリシーの変更

ポリシー・セットをOracle Database QoS Managementに発行したときにアクティブになるパフォーマンス・ポリシーを変更できます。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. 「ポリシー・セットの編集: ポリシーの設定」というタイトルのウィザードの第5画面まで進みます。
  3. 施行するパフォーマンス・ポリシーを選択し、「ポリシーの設定」をクリックします。

ポリシー・セット・エディタ・ウィザードの最後で、指定した設定を確認し、「ポリシー・セットの発行」をクリックしてOracle Database QoS Managementを構成できます。

QOSCTLを使用したアクティブなパフォーマンス・ポリシーの変更

Oracle Database QoS Managementの多くのポリシーは、カレンダに基づいています。QOSCTLを使用してアクティブ・ポリシーを設定することで、Enterprise Manager Cloud Control、Task SchedulerまたはCRONなどのジョブ・スケジューラを介してアクティブなパフォーマンス・ポリシーを自動的に切り替えることができます。

  1. Clusterware管理者として、オペレーティング・システム・ユーザーにログインします。
  2. コマンドラインで、またはスクリプト内で、-activatepolicyオプションを指定してqosctlコマンドを使用します。コマンドは次の構文を使用する必要があります。
    qosctl qos_admin_username -activatepolicy policy_name
    

    パフォーマンス・ポリシー名にスペースが含まれる場合、パフォーマンス・ポリシー名を二重引用符で囲む必要があります。例を示します。

    qosctl qosadmin -activatepolicy "Business Hours"

関連項目:

QOSCTLの詳細は、「QOSCTLユーティリティのリファレンス」を参照してください。

パフォーマンス・ポリシーの削除

パフォーマンス・ポリシーを削除するには、次の手順を実行します。

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. 「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・ポリシー」というタイトルのウィザードの第4画面まで進みます。
  3. 「ポリシーの削除」ボタンをクリックしてパフォーマンス・ポリシーを削除します。
  4. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

パフォーマンス・ポリシーに対する推奨の自動実装

該当するチェック・ボックスを使用して、次のうちOracle Database QoS Managementで自動的に実装可能なアクションを指定できます。

  • パフォーマンス・クラスのコンシューマ・グループの昇格または降格

  • サーバー・プール内のデータベース間でのCPUの移動

  • サーバー・プール間でのサーバーの移動

これらのいずれのアクションも認可されていない場合、ユーザーがパフォーマンス・クラスの最新の推奨をレビューして「実装」ボタンをクリックするまで、Oracle Database QoS Managementはアクティブ・システムに変更内容を実装しません。

サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドの設定

サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドでは、サーバー・プールを別のサイズに設定したり、サーバー・プールの重要度を変更したりできます。たとえば、広告したセール期間中など、要求のサージが予想される場合に、サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを使用して、会計アプリケーションにより多くのリソースを割り当てることができます。

サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドは、必要なときにのみ使用する必要があります。サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを使用するかわりに、システムを一定期間監視し、必要に応じてサーバー・プール設定を変更する必要があります。サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを使用すると、リソース割当てが予期せず変更されることがあります。たとえば、webappsHRおよびpayrollという名前のサーバー・プールがあるとします。サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを作成して、payrollサーバー・プールの最小サーバー・プール・サイズを増やします。サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドがアクティブになると、payrollサーバー・プールの高い最小サーバー要件を満たすために、サーバーがHRまたはwebappsサーバー・プールから除去されることがあります。

関連項目:

サーバー・プール設定の構成の詳細は、「サーバー・プール設定の変更」を参照してください

  1. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードを開始します。
  2. 「ポリシー・セットの編集: パフォーマンス・ポリシー」というタイトルのウィザードの第4画面まで進みます。
  3. 「ポリシーの編集」ボタンをクリックしてパフォーマンス・ポリシーを編集します。
    「ポリシーの編集」ページが表示されます。
  4. 必要に応じて、「サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライド」セクションを展開します。
  5. サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを設定するには、次の手順を実行します。
    • サーバー・プール内の最小サーバー数の現在の値をオーバーライドするには、そのサーバー・プールの「最小: オーバーライド」フィールドに新しい値を入力します。有効値は、0からそのサーバー・プール内の最小サーバー数までです。

    • サーバー・プール内の最大サーバー数の現在の値をオーバーライドするには、そのサーバー・プールの「最大: オーバーライド」フィールドに新しい値を入力します。有効値は、そのサーバー・プール内の最小サーバー数からクラスタのサイズまでです。

    • サーバー・プールの重要度の現在の値をオーバーライドするには、そのサーバー・プールの「重要度: オーバーライド」フィールドに新しい値を入力します。有効な値は0から1000で、値が大きいほど重要度が高いことを示します。

  6. サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドの値の入力が完了したら、「OK」をクリックして変更を実装します。
  7. ポリシー・セットの編集ウィザードの最後まで進み、「ポリシー・セットの発行」をクリックして変更を永続化します。

パフォーマンス・メトリックの確認

Oracle Database QoS Managementシステム全体または個々のパフォーマンス・クラスの各種パフォーマンス・メトリックを表示できます。

すべてのパフォーマンス・クラスのパフォーマンス・メトリックの表示

システムのパフォーマンス・メトリックは、「パフォーマンス・クラスのサービスのクオリティ」ページで表示できます。

Oracle Database QoS Managementを構成した後、Oracle Database QoS Managementがパフォーマンス・データを収集し、システムのパフォーマンスを評価するまで少し時間が必要です。この期間の経過後に、システムのパフォーマンス・メトリックを表示できます。現在のパフォーマンス・メトリックを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Enterprise Manager Cloud Controlにクラスタ管理者としてログインします。「クラスタ・ターゲット」ページに移動します。

  2. クラスタ・ターゲット・メニューから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「パフォーマンス・クラスのサービスのクオリティの表示」の順に選択します。

  3. 「パフォーマンス・クラスのサービスのクオリティ」ページに、監視されている各パフォーマンス・クラスの現在のパフォーマンスを測定する3つのチャートが表示されます。

    1. 「パフォーマンス満足度メトリック」チャート

    2. 「要求」チャート

    3. 「平均レスポンス時間」チャート

個々のパフォーマンス・クラスのパフォーマンス・メトリックの表示

Oracle Database QoS Managementを構成し、短時間が経過した後、特定のパフォーマンス・クラスのパフォーマンス・メトリックを表示できます。パフォーマンス・クラスの現在のパフォーマンス・メトリックを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Enterprise Manager Cloud Controlにクラスタ管理者としてログインします。
  2. QoS Management用に構成されている「クラスタ・ターゲット」ページを選択します。
  3. クラスタ・ターゲット・メニューから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「パフォーマンス・クラスのサービスのクオリティの表示」の順に選択します。
  4. グラフの右側にある凡例ボックスで、パフォーマンス・メトリックを表示するパフォーマンス・クラスに対応するリンクをクリックします。

「サービスのクオリティ管理」イベントのアラートの構成

継続して手動で「サービスのクオリティ管理」ダッシュボードを監視するのは、不便で、効率がよくありません。かわりに、Enterprise Manager Cloud Control通知システムを使用して、ユーザー指定の時間に存在するネガティブなPerformance Satisfaction Metrics (PSMs)を報告することができます。

警告レベルおよびクリティカル・レベルのどちらに対しても、アラートのしきい値および通知を設定することで、それぞれのパフォーマンス・クラスに指定された期間に基づきアラートが発行されます。アラートは、監視されているサービスを提供するデータベースに対して構成されます。
  1. Enterprise Manager Cloud Controlを起動します。
  2. アラートを構成するデータベースに移動します。
  3. 「クラスタ・データベース」メニューから、「モニタリング」を選択し、「メトリックと収集設定」を選択します。
  4. 「メトリック」タブで、カテゴリ「QoS管理 - パフォーマンス満足度メトリック」のメトリックを編集します。

    たとえば、「サービスのクオリティ管理」がデータベース・サービスsales_svc_pcを使用する場合、そのサービスの「負のPSM継続時間(秒)」で、期間が120秒より長い場合は警告アラート、180秒より長い期間の場合はクリティカル・アラートを構成します。

構成されたアラートは、違反が検知された時、Enterprise Managerの「データベース・ホーム」ページに表示されます。

リソース待機時間のブレークダウンの表示

ダッシュボードの下部には、「リソース待機時間のブレークダウン」表があります。この表は、パフォーマンス・クラスごとのリソース待機時間のブレークダウンを示します。各パフォーマンス・クラスについて、ボトルネック・リソースは待機時間が最も長いリソースです。データは、推奨を生成するためにOracle Database QoS Managementで使用されます。このデータを使用して、システムを手動で調整することもできます。

Oracle Database QoS Managementの管理ユーザーの作成

Oracle Database QoS Managementには、ユーザーの管理に役立つQOSCTLという名前のコマンドライン・ユーティリティが用意されています。このユーティリティはクラスタの各ノードにインストールされますが、Oracle Database QoS Managementサーバー(OC4Jコンテナ)が実行されているのと同じノード上のOracle Clusterware管理者ユーザーとして実行した場合にのみ正常に動作します。ユーティリティを実行する適切なノードは、次のコマンドを発行することで判断できます。

srvctl status oc4j

QOSCTLユーティリティでは、Oracle Database QoS Management管理ユーザーの作成がサポートされます。アカウント情報は、暗号化された資格証明とともにローカルsystem-jazn-data.xmlファイルに格納されます。アカウント情報は、Oracle Database QoS ManagementサーバーのフェイルオーバーをサポートするためにOracle Clusterware Repository(OCR)にも格納されます。

QOSCTLユーティリティのリファレンス

QOSCTLは、Oracle Database QoS Managementの特定の構成タスクを実行するためのコマンドライン・ユーティリティです。

目的

QOSCTLユーティリティでは、Oracle Database QoS Management管理ユーザーの作成がサポートされます。

セキュリティ要件

QOSCTLユーティリティを使用するには、Oracle Clusterware管理者ユーザーとしてログインする必要があります。

OC4J管理者ユーザーのユーザー名を入力する際、パスワードを含めないでください。実行するコマンドを発行すると、指定したqos_admin_userに関連付けられているパスワードの入力を求められます。

QOSCTLユーティリティのヘルプの表示

qosctlユーティリティのヘルプを表示するには、次のコマンドを使用します。

qosctl -help

構文

次のコード例は、QOSCTLコマンドの一般形式を示しています。

qosctl qos_admin_user command

qos_admin_user引数には、OC4J管理者ユーザーのユーザー名を指定します。コマンド・ラインでパスワードを指定しないでください。

Oracle Database QoS Managementシステムの初期アカウントを構成する場合、コマンドは、オペレーティング・システム認証を使用します。

コマンド

表4-1 QOSCTLユーティリティのコマンドのサマリー

コマンド構文 説明

-activatepolicy policy_name

現在のポリシーを設定します。このコマンドを使用すると、CRONまたはスケジュール・ジョブでポリシーを変更できます。

スペースを含むポリシー名は、二重引用符でカプセル化する必要があります。

-adduser username

パスワードの指定したユーザーおよびプロンプトを追加します。このユーザーには、Oracle Database QoS Managementアプリケーションの使用およびこれらのコマンドの実行に必要なロールが自動的に付与されます。

-listusers

Oracle Database QoS Managementアプリケーションの実行を認可されているユーザーをリストします。

-remuser username

指定したユーザー・アカウントとすべての関連権限を削除します。

注意: このコマンドはリカバリできません。自身のアカウントが削除される可能性があるため、注意して使用してください。

-setpasswd username

指定したユーザーのパスワードを更新します。QOSCTLユーティリティによって、ユーザーの現在のパスワードを求められます。ユーザーのパスワードを変更するには、古いパスワードの正しい値を指定する必要があります。

ユーザーのパスワードを忘れたか紛失した場合は、ユーザー・アカウントを削除し、新しいパスワードでそのユーザーの新しいアカウントを作成する必要があります。

-help

QOSCTLコマンドの構文を表示します。

Oracle Database QoS Managementのリソース・プランの編集

Oracle Database Quality of Service Managementで使用されるリソース・マネージャ・プランを制限付きで編集できます。

Oracle Database QoS Managementは、複雑なマルチレベルのリソース・プランであるAPPQOS_PLANというリソース・プランをアクティブ化します。Oracle Database QoS Managementは、パフォーマンス・クラスであるコンシューマ・グループおよび各コンシューマ・グループのリソース・プラン・ディレクティブも作成します。

APPQOS_PLANの一部のセクションを変更できますが、次の表に指定されているとおりにしか変更できません。

プラン・コンポーネント 変更の可/不可 説明

一般

編集不可

このセクションはQoS管理モデリングおよび推奨エンジンへのキーであるため、編集できません。このセクションを変更すると、変更が検出されます。その場合、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlにより、QoS Managementのダッシュボードにデータベース・エラーがレポートされます。

並列性

限定された編集が可能

このセクションは編集可能ですが、上述の理由により、ORA$APPQOS*コンシューマ・グループに設定されたすべての値は各列内で同じである必要があります。

しきい値

限定された編集が可能

このセクションは編集可能ですが、上述の理由により、ORA$APPQOS*コンシューマ・グループに設定されたすべての値は各列内で同じである必要があります。また、これらにグループに「*への切替え」アクションを選択することはできません。

アイドル時間

限定された編集が可能

このセクションは編集可能ですが、上述の理由により、ORA$APPQOS*コンシューマ・グループに設定されたすべての値は各列内で同じである必要があります。

関連項目: