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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71322-07
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Oracle Clusterwareとは

Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)の実行に必要なインフラストラクチャが提供されます。Oracle Clusterwareでは、仮想IP(VIP)アドレス、データベース、リスナー、サービスなどのリソースも管理されます。これらのリソースは一般に、ora.mydb.dbなど、ora.entity_name.resource_type_abbreviationという名前を付けられます。これは、データベースであるリソースの名前です。(abbreviationのいくつかの例は、データベースのdb、リスナーのlsnr、およびVIPのvipです。)これらのリソースの編集は、My Oracle Supportからの明示的な指示がある場合を除いて、サポートされていません。

図1-1に、Oracle Clusterwareを使用して基本的なシングル・インスタンスのOracle Databaseアーキテクチャを拡張する構成を示します。図1-1に示すクラスタは、Oracle Databaseを実行しており、アプリケーションおよびユーザーにアクティブにサービスを提供しています。Oracle Clusterwareを使用すると、同じ高可用性メカニズムを使用して、Oracle Databaseとカスタム・アプリケーションの高可用性を実現できます。

図1-1 Oracle Clusterwareの構成

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle Clusterwareの構成」の説明

クラスタの使用によるメリットは、次のとおりです。

Oracle Clusterwareをプログラムして、ユーザー・アプリケーションとOracle Databaseの可用性を管理できます。Oracle RAC環境では、Oracle Clusterwareによってすべてのリソースが自動的に管理されます。Oracle Clusterwareが管理するすべてのアプリケーションおよびプロセスは、クラスタ・リソースまたはローカル・リソースのいずれかです。

Oracle Clusterwareは、Oracle RACを使用するために必要であり、Oracle RACが動作するプラットフォームで必要とされる唯一のクラスタウェアです。Oracle RACでは、引き続き特定のプラットフォームにおいて多くのサード・パーティ製クラスタウェア製品がサポートされますが、Oracle Clusterwareもインストールして使用する必要があります。Oracle Clusterwareをインストールして実行する各サーバーでは、同じオペレーティング・システムを実行している必要があります。

Oracle Clusterwareの使用により、ベンダー固有のクラスタウェアが不要になり、Oracleソフトウェアのみを使用するメリットが発揮されます。オラクル社では、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)によるディスク管理から、Oracle DatabaseおよびOracle RACによるデータ管理までのあらゆるソフトウェア・ソリューションを提供しています。また、Oracle ServicesなどのOracle Database機能では、基礎となるOracle Clusterwareの高可用性フレームワークと組み合せて使用できる拡張機能を提供しています。

Oracle Clusterwareには、バイナリ以外に、ノードのメンバーシップ情報を記録する投票ファイルと、クラスタ構成情報を記録するOracle Cluster Registry(OCR)の2つのストアド・コンポーネントがあります。投票ファイルおよびOCRは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードに使用可能な共有記憶域に存在する必要があります。