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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Linux
B71324-15
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1 Oracle Grid Infrastructureインストールのチェックリスト

次のチェックリストは、インストール前の必要な手順のリストを示しています。

このチェックリストを使用して作業を調整し、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのシステムおよび記憶域の準備と構成作業が完了していることを確認できます。

1.1 システムのハードウェア、ソフトウェアおよび構成のチェックリスト

この項には、次のサーバー構成インストールのチェックリストが含まれます。

1.1.1 Oracle Grid Infrastructureインストールのサーバー・ハードウェアのチェックリスト

すべてのインストールで次のハードウェア・チェックリストを確認します。

表1-1 Oracle Grid Infrastructureのサーバー・ハードウェアのチェックリスト

チェック 作業

サーバー・ハードウェア

サーバーの型、モデル、コア・アーキテクチャおよびホスト・バス・アダプタ(HBA)がOracle RACとともに動作することを確認します。

ネットワーク・スイッチ

  • 1GbE以上のパブリック・ネットワーク・スイッチ(パブリック・ゲートウェイに接続)。

  • 1GbE以上、10GbE推奨のプライベート・ネットワーク・スイッチ(他のクラスタ・メンバー・ノードにのみ使用するための専用)。インタフェースで、TCP/IPをサポートする高速ネットワーク・アダプタおよびスイッチを使用して、ユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)がサポートされている必要があります。かわりに、インターコネクトにInfiniBandを使用することもできます。

実行レベル

サーバーは実行レベル3または実行レベル5である必要があります。

ランダム・アクセス・メモリー(RAM)の要件

Cluster用Oracle Grid Infrastructureインストール用に4GB以上のRAM(Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)。

一時ディスク領域の割当ての要件

/tmpに1 GB以上を割り当てます。

オペレーティング・システム

ストレージ・ハードウェア

ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)またはネットワーク・アタッチ・ストレージ(NAS)が必要です。

Oracleソフトウェア用のローカル記憶領域

  • クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に8GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。

  • Oracle Grid Infrastructureインストール所有者(Gridユーザー)のOracleベース用に12GB以上の領域。Oracleベースには、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMのログ・ファイルが含まれます。

  • トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタによって生成された診断収集用に、グリッド・インフラストラクチャ所有者のOracleベース・ディレクトリに10GBの追加の領域。

  • LinuxプラットフォームでOracle Databaseをインストールする場合は、Oracleホーム(Oracle Databaseソフトウェア・バイナリの場所)用に6.4 GBのディスク領域を割り当てます。

Intelligent Platform Management Interface(IPMI)

構成を完了し、インストールを実行するユーザーがIPMI管理者アカウント情報を利用できるようにします。

IPMIを使用する場合は、Baseboard Management Controller(BMC)インタフェースが構成されていることを確認し、インストール時の指示に従って管理アカウントのユーザー名およびパスワードを指定できるように用意します。

非標準のインストールで、インストール後に1つ以上のノード構成の変更が必要な場合は(たとえば、クラスタ・ノード上のBMCインタフェースの管理者のユーザー名およびパスワードを別のものにする場合は)、インストール後にBMCインタフェースを構成しなおすかどうかや、IPMI管理者アカウント情報を変更するかどうかを決定します。


1.1.2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RAC環境のチェックリスト

すべてのインストールで次の環境チェックリストを確認します。

表1-2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACの環境構成

チェック 作業

グループおよびユーザーを作成します

実行するデプロイメントで作成する必要があるグループおよびユーザーについては、第6.1項「Oracle Grid Infrastructureのグループ、ユーザーおよびパスの作成」を参照してください。インストール所有者には、リソース制限設定などの要件があります。グループおよびユーザーの名前には、ASCII文字のみを使用する必要があります。

ソフトウェア・バイナリのマウント・ポイント・パスを作成します

ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』のOptimal Flexible Architectureに関する説明に記載されている、Optimal Flexible Architecture構成のガイドラインに従うことをお薦めします。

Oracleインベントリ(oraInventory)およびOINSTALLグループの要件を確認します。

Oracleインベントリ・ディレクトリは、システムにインストールされているOracleソフトウェアの中央インベントリです。プライマリ・グループがOracle Inventoryグループであるユーザーは、中央インベントリに書込みできるOINSTALL権限が付与されます。

  • 既存のインストールがある場合、OUIは既存のoraInventoryディレクトリを/etc/oraInst.locファイルから検出し、この場所を使用します。

  • Oracleソフトウェアを初めてインストールし、システムにoraInventoryディレクトリがない場合、Oracle Grid InfrastructureインストールのOracleベースよりもディレクトリ・レベルが1つ上のOracleインベントリがインストーラによって作成され、インストール所有者のプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループとして指定されます。使用するOracleソフトウェア・インストール所有者のすべてが、このグループをプライマリ・グループとして利用できることを確認します。

Gridホームのパス

Gridホーム(Oracle Grid Infrastructure用に選択するOracleホームのパス)に、ASCII文字のみが使用されていることを確認します。

この制限には、ホームのパスによってはデフォルト名に使用されるインストール所有者ユーザー名に加えて、パスに選択する可能性があるその他のディレクトリ名も含まれます。

Oracleソフトウェアの環境変数の設定を解除します

環境変数にORA_CRS_HOMEを設定した場合は、インストールまたはアップグレードを開始する前に、その設定を削除します。ORA_CRS_HOMEをユーザー環境変数に使用しないでください。

システムに既存のインストール環境があり、同じユーザー・アカウントを使用して今回のインストールを行う場合、次の環境変数ORA_CRS_HOMEORACLE_HOMEORA_NLS10TNS_ADMINの設定を削除します。

インストールのroot権限の委任オプションを確認します

インストール中に、rootユーザーとして構成スクリプトを実行する必要があります。プロンプトに従ってrootとしてこれらのスクリプトを手動で実行するか、インストール時にroot権限の委任オプションを使用して構成情報およびパスワードを指定できます。

rootスクリプトを自動的に実行するには、インストール時に「構成スクリプトを自動的に実行」を選択します。自動構成オプションを使用するには、すべてのクラスタ・メンバー・ノードのrootユーザーが同じパスワードを使用する必要があります。

  • rootユーザーの資格証明を使用

    クラスタ・メンバー・ノード・サーバーのスーパーユーザー・パスワードを指定します。

  • sudoを使用

    sudoはUNIXおよびLinuxのユーティリティで、sudoersリスト権限のメンバーは、個々のコマンドをrootとして実行できます。sudoersのメンバーであり、各クラスタ・メンバー・ノードでsudoを実行する権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーのユーザー名およびパスワードを指定します。

    Sudoを有効にするには、適切な権限を持つシステム管理者がsudoersリストのメンバーであるユーザーを構成し、インストール時の求めに応じてユーザー名とパスワードを指定します。

  • rootスクリプトを手動で実行

    rootスクリプトを手動で実行する場合は、最初のノードでroot.shスクリプトを実行し、これが完了するまで待つ必要があります。その後、他のすべてのノードでroot.shを同時に実行します。


1.1.3 Oracle Grid Infrastructureのネットワークのチェックリスト

すべてのインストールでこのネットワークのチェックリストを確認し、クラスタに必要なハードウェア、名前およびアドレスがあることを確認します。インストール時には、インタフェースをパブリック、プライベートまたはOracle ASMインタフェースとして使用するか指定します。また、Oracle Grid Infrastructureでは使用しない、ネットワーク・ファイル・システムなどその他の目的に使用するインタフェースを指定することも可能です。

サード・パーティのクラスタ・ソフトウェアを使用する場合、パブリック・ホスト名情報はそのソフトウェアから取得されます。

表1-3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのネットワーク構成作業

チェック 作業

パブリック・ネットワーク・ハードウェア

  • パブリック・ゲートウェイおよび各クラスタ・メンバー・ノードのパブリック・インタフェース・ポートに接続されるパブリック・ネットワーク・スイッチ(冗長スイッチを推奨)。

  • イーサネット・インタフェース・カード(1つのイーサネット・ポート名として結合された冗長ネットワーク・カードを推奨)。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェースは、1GbE以上である必要があります。

  • ネットワーク・プロトコルはTCP/IPです。

インターコネクト用のプライベート・ネットワーク・ハードウェア

  • 各クラスタ・メンバー・ノードのプライベート・インタフェース・ポートに接続される、専用のプライベート・ネットワーク・スイッチ(冗長スイッチを推奨)。注意: 各サーバーに複数のプライベート・ネットワーク・インタフェース・カードがある場合、Oracle Clusterwareが、グリッド・プロセス間通信(GIPC)およびグリッド・インフラストラクチャの冗長インターコネクト(クラスタの高可用性IP (HAIP)とも呼ばれる)を使用してプライベート・ネットワークのこれらのインタフェースを自動的に関連付けることに注意してください。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェース・アダプタは1GbE以上である必要があり、推奨は10GbEです。かわりに、インターコネクトにInfiniBandを使用することもできます。

  • インターコネクトでユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)がサポートされている必要があります。

Oracle Flex ASMのネットワーク・ハードウェア

Oracle Flex ASMでは、Oracle Clusterwareと同じプライベート・ネットワークか、独自の専用プライベート・ネットワークを使用できます。各ネットワークは、パブリック、プライベートとASM、プライベート、ASMのいずれかに分類できます。ASMネットワークではTCPプロトコルが使用されます。

クラスタの名前およびアドレス

クラスタの次の名前およびアドレスを決定して構成します

  • クラスタ名: クラスタの名前を決定し、インストール時に入力できるようにしておきます。クラスタ名は次の特性を持つ必要があります。

    DNSドメインが異なる場合も含め、すべてのホスト間でグローバルに一意である。

    1文字以上、15文字以下である。

    RFC 1123に準拠して、ホスト名に使用されるキャラクタ・セット(ハイフン(-)およびシングルバイト英数字(aからz、AからZ、および0から9)を含む)と同じキャラクタ・セットで構成されている。サード・パーティ・ベンダーのクラスタウェアを使用する場合は、そのベンダーのクラスタ名を使用することをお薦めします。

  • グリッド・ネーミング・サービスの仮想IPアドレス(GNS VIP): GNSを使用する場合は、GNS VIP用にDNSでGNS名および固定アドレスを構成し、クラスタ・アドレスの解決のためにGNS VIPに委任されるサブドメインをDNSで構成します。GNSのドメイン委任は、動的パブリック・ネットワーク(DHCP、自動構成)では必須です。

  • 単一クライアント・アクセス名(SCAN)およびアドレス

    グリッド・ネーミング・サービスの解決の使用: DNSでSCANの名前およびアドレスを構成しないでください。SCANはGNSによって管理されます。

    手動構成およびDNS解決の使用: ドメイン・ネーム・サービス(DNS)で3つのアドレスに解決されるSCAN名を構成します。

標準またはハブ・ノードのパブリック、プライベートおよび仮想IP名およびアドレス

GNSを使用せず、標準クラスタを構成する場合は、各ハブ・ノードに対して次を構成します。

  • パブリック・ノード名およびアドレス: DNSおよび/etc/hostsで構成します(例: node1.example.com、アドレス192.0.2.10)。パブリック・ノード名は、各ノードのプライマリ・ホスト名(hostnameコマンドによって表示される名前)である必要があります。

  • プライベート・ノード・アドレス: 各ノードのプライベート・インタフェースで構成します。

    プライベート・インタフェースが使用するプライベート・サブネットは、クラスタ・メンバーにする予定のすべてのノードに接続する必要があります。プライベート・ネットワーク用に選択したネットワークでは、RFC 1918でプライベートとして定義されている範囲のアドレスを使用することをお薦めします。

  • パブリック・ノードの仮想IP名およびアドレス(例: node1-vip.example.com、アドレス192.0.2.11)。

    GNSを使用していない場合は、各ノードに仮想ホスト名を指定します。仮想ホスト名は、パブリック・ノード名で、ノードが停止している場合にノードに送信されるクライアントの要求を再ルーティングするために使用されます。Oracle Databaseでは、クライアントとデータベース間の接続にVIPを使用するため、VIPアドレスはパブリックにアクセス可能である必要があります。名前はhostname-vip形式で指定することをお薦めします。たとえば、myclstr2-vipです。


1.1.4 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのアップグレードのチェックリスト

既存のOracle Grid InfrastructureまたはOracle RACインストールがある場合は、このアップグレード・チェックリストを確認します。クラスタは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードでOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)が実行されて、新しいクラスタウェアがアクティブなバージョンになるまでアップグレードされます。

Oracle RACをインストールする場合は、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)バージョンのOracle RACをインストールする前に、まず、すべてのクラスタ・ノードでOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)へのアップグレードを完了する必要があります。


注意:

Oracle Grid Infrastructureのアップグレード(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの既存のインストール環境のアップグレード)は、すべてアウトオブプレース・アップグレードです。既存のOracle Grid InfrastructureインストールからOracle Flex Clusterインストールにアップグレードできません。

表1-4 Oracle Grid Infrastructureのインストール・アップグレードのチェックリスト

チェック 作業

ドキュメントの読取り

『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を確認します。

最新のパッチセット

使用可能な最新のパッチセットのリリースをインストールします

インストール所有者

使用する予定のインストール所有者が、既存のOracle Grid Infrastructureインストールを所有するインストール所有者と同じであることを確認します。

アップグレードしている新しいOracle Grid InfrastructureインストールおよびOracle Grid Infrastructureホームのインストールは同じオペレーティング・システム・ユーザーが所有する必要があり、異なる場合は権限エラーが発生します。

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンス

所有するOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスで、標準のOracle ASMインスタンス名が使用されていることを確認します

単一インスタンス・データベース用のデフォルトASM SIDは+ASM、Oracle Real Application ClustersノードのASMのデフォルトSIDは+ASMnode#です(node#はノードの番号)。Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.1以上では、デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名はサポートされません。

デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名がある場合は、クラスタをアップグレードする前に既存のリリースのsrvctlを使用して、デフォルト以外の名前を持つ個々のOracle ASMインスタンスを削除し、デフォルト名を持つOracle ASMインスタンスを追加します。

標準のOracle Grid Infrastructureデプロイメントのネットワーク・アドレス

パブリック・ネットワークおよびプライベート・ネットワークのIPアドレスに関して次のことを確認します。

  • プライベートIPアドレスおよびパブリックIPアドレスがそれぞれ関連性のない別々のサブネット内にある。プライベート・サブネットは、専用のプライベート・サブネットにある必要があります。

  • パブリックIPアドレスおよび仮想IPアドレス(SCANアドレスを含む)が同じサブネット内にある(サブネット・ネットワークのサブネット・マスクで許可されるアドレスの範囲)。

  • プライベートIPアドレスでもパブリックIPアドレスでもリンク・ローカル・サブネット(169.254.*.*)が使用されていない。

Oracle Cluster Registry (OCR)ファイル

RAWデバイスまたはブロック・デバイスからOracle ASMまたはサポートされるファイル・システムにOCRファイルを移行します。RAWデバイスおよびブロック・デバイスの直接の使用はサポートされていません。

オペレーティング・システムの構成

サポート対象のオペレーティング・システム、カーネル・リリース、新しいOracle Grid Infrastructureインストールに必要なすべてのオペレーティング・システム・パッケージを使用していることを確認します。

Oracle Cluster Registry (OCR)ファイルの整合性

ocrcheckコマンドを実行してOracle Cluster Registry (OCR)ファイルの整合性を確認します。このチェックに失敗した場合は、続行する前にOCRを修復します。

Oracle 12c Upgrade Companion

他のアップグレードの問題に関する最新情報について、「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)を確認します。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1

Oracle Databaseのアップグレード前ユーティリティの実行

Oracle Grid Infrastructureインストールの完了後、アップグレード用にデータベースを準備するために、パス$ORACLE_HOME/rdbms/adminにあるこのSQLスクリプトを実行します。

詳細は、My Oracle SupportのNote 884522.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=884522.1

ORAchkアップグレード準備状況評価の実行

Oracle Grid Infrastructureのアップグレードに必要なアップグレード固有のヘルス・チェックを自動化するために、ORAchkアップグレード準備状況評価ツールを実行します。

詳細は、My Oracle SupportのNote 1457357.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1457357.1


1.1.5 Oracle Grid Infrastructureの記憶域の構成作業

すべてのインストールで次の記憶域構成作業のチェックリストを確認します。

表1-5 Oracle Grid Infrastructureの記憶域の構成チェック

チェック 作業

Oracle Clusterwareファイルのパスの指定

インストール中に、次のOracle Clusterwareファイルのパスを指定するように求められます。これらのパスの場所は、Oracle Grid Infrastructureインストール所有者(Gridユーザー)によって書込み可能である必要があります。インストール時に作成されるファイルはすべてのクラスタ・メンバー・ノードが利用できる必要があるため、これらの場所は、Oracle ASM (推奨)またはクラスタ・ファイル・システム上にあり、クラスタのすべてのノードで共有される必要があります。

  • 投票ファイルは、Oracle Clusterwareでクラスタ・ノードのメンバーシップおよび状態の検証に使用されるファイルです。

    投票ファイルの場所は、インストールを実行しているユーザー(oracleまたはgrid)が所有し、権限が640に設定されている必要があります。

  • Oracle Cluster Registryファイル(OCR)には、Oracle Clusterwareのクラスタおよびデータベースの構成情報が含まれます。

    インストール前は、インストールを実行するユーザー(gridまたはoracle)がOCRファイルの場所を所有している必要があります。そのインストール・ユーザーのプライマリ・グループはoinstallである必要があります。インストール中、インストーラによってOCRファイルが作成され、パスおよびOCRファイルの所有権がrootに変更されます。


1.1.6 Oracle Grid Infrastructureのインストール開始時の作業

表1-6 インストーラの起動前に実行するOracle Grid Infrastructureのチェック

チェック 作業

Oracleプロセスの実行を確認し、必要に応じて停止する

  • Oracle ASMを使用していないスタンドアロンのデータベースが存在するノードの場合: Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのインストールの間、データベースを停止する必要はありません。

  • Oracle ASMを使用するスタンドアロンのOracle Databaseが存在するノードの場合: 既存のOracle ASMインスタンスを停止します。Oracle ASMインスタンスは、インストール中に再起動されます。

  • Oracle RAC Databaseノードの場合: このインストールでは、Oracle ClusterwareがOracle RACを実行する必要があるため、Oracle Clusterwareのアップグレードが必要です。アップグレードの一環として、データベースを停止する必要がありますが、その際、一度に1ノードずつ停止します。これは、ローリング・アップグレードがノードからノードへと実行されるためです。

インストール中にcronジョブが実行されないことを確認する

日常のcronジョブが開始するときにインストーラが実行中の場合、インストールの完了前にcronジョブによるクリーンアップが実行されて一時ファイルが削除されると、予期しないインストールの問題が発生することがあります。日常のcronジョブを実行する前にインストールを完了するか、インストールが完了するまで、クリーンアップを行う日常のcronジョブを無効にすることをお薦めします。

他の言語をインストールするかどうかを決定する

インストール中に、ユーザー・インタフェースのテキストをデフォルト(英語)以外の言語に翻訳するかどうかを選択します。オペレーティング・システムの言語セットがインストーラでサポートされていない場合、インストーラは、デフォルトでは英語で実行されます。

キャラクタ・セットおよび言語構成の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。