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Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Linux
B71324-15
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2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのサーバーの構成

この章では、クラスタ用のOracle Grid InfrastructureとOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)をインストールする前に、サーバーで完了する必要があるオペレーティング・システムの構成作業について説明します。この章に示す値は、最低限のインストール用です。計画されたシステム負荷に応じて、本番システムを設定することをお薦めします。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 サーバーのハードウェアとメモリー構成の確認

次のコマンドを実行して、現在のシステム情報を収集します。

  1. 次のコマンドを入力して、物理RAMのサイズを確認します。

    # grep MemTotal /proc/meminfo
    

    システムに搭載されている物理RAMのサイズが要件のサイズより少ない場合、次の手順に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 次のコマンドを入力して、構成されたスワップ領域のサイズを確認します。

    # grep SwapTotal /proc/meminfo
    

    必要に応じて、使用しているオペレーティング・システムのドキュメントで追加のスワップ領域を構成する方法を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力して、/tmpディレクトリで使用できる領域の大きさを確認します。

    # df -h /tmp
    
  4. 次のコマンドを入力して、システムのRAMおよびディスク・スワップ領域の空き領域の大きさを確認します。

    # free
    
  5. 次のコマンドを入力して、システム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを確認します。

    # uname -m
    

    プロセッサ・アーキテクチャがインストールするOracleソフトウェアのリリースと適合することを確認します。たとえば、x86-64ビット・システムの場合は、次のようになっていることを確認する必要があります。

    x86_64
    

    想定される出力でない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

  6. 次のコマンドを使用し、共有メモリー(/dev/shm)に十分なサイズのメモリーがマウントされていることを確認します。

    df -h /dev/shm
    

    df-hコマンドでは、/dev/shmがマウントされているファイル・システムと、共有メモリーの総容量および空き容量がGBで表示されます。共有メモリーの計画の詳細は、第2.4項「サーバーの最小メモリー要件」を参照してください。

2.2 一般的なサーバーの最小要件

  • 同じ命令セット・アーキテクチャのサーバーを選択します(同じクラスタ・スタックで32-bitおよび64-bitのOracleソフトウェア・バージョンを実行することはできません)。

  • サーバーが実行レベル3または5で起動されていることを確認します。

  • システム・コンソールベースのインストールを実行する間、OUIが正しく表示されるように、ディスプレイ・カードのディスプレイ解像度を1024×768以上にします。

  • 各サーバーで、同じオペレーティング・システム・バイナリが実行されていることを確認します。

  • Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)では、同一クラスタ内でハードウェアが異なるサーバーを使用できます。クラスタに異なる処理速度やサイズのCPUを搭載するノードをインストールできますが、ハードウェア構成が同じノードを使用することをお薦めします。

    異なる構成を使用してクラスタを構成する場合、サーバー・カテゴリ化管理ポリシーの一部として同種のプールにクラスタ・ノードを分類することをお薦めします。


    関連項目:

    サーバーの状態と構成属性の詳細およびサーバー・プールを使用してリソースとワークロードを管理する方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

2.3 サーバーの最小記憶域要件

各システムは、次の最小記憶域要件を満たしている必要があります。

  • /tmpディレクトリに1GBの領域。

    /tmpディレクトリの空き領域が、必要な領域の要件を満たさない場合、次のいずれかの手順を実行します。

    • 必要な領域を確保するために、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。

  • クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に8GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。

  • IBM: Linux on System zでは、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に3.8GB以上の領域。

  • Oracle Grid Infrastructureインストール所有者(Gridユーザー)のOracleベース用に12GB以上の領域。Oracleベースには、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMのログ・ファイルが含まれます。

  • IBM: Linux on System zでは、Oracle Grid Infrastructureのインストールの所有者(Gridユーザー)のOracleベースに200MB以上の領域。

  • トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタによって生成された診断収集用に、グリッド・インフラストラクチャ所有者のOracleベース・ディレクトリに10GBの追加の領域。

  • Linux x86-64プラットフォームでOracle Databaseをインストールする場合は、Oracleホーム(Oracle Databaseソフトウェア・バイナリの場所)用に6.4GBのディスク領域を割り当てます。

  • IBM: Linux on System zでOracle Databaseをインストールする場合は、Oracleホーム(Oracle Databaseソフトウェア・バイナリの場所)用に5.2GBのディスク領域を割り当てます。

Oracle Databaseのインストールでは、自動バックアップを構成する場合は、高速リカバリ領域用に追加の領域(ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Managementディスク・グループ)が必要です。


関連項目:

高速リカバリ領域のサイジングの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照

2.4 サーバーの最小メモリー要件

システム・アーキテクチャに応じて、システムが次の最小要件を満たしていることを確認します。


注意:

スワップ領域のサイズが足りないというOUIエラーが発生したにもかかわらず、スワップ領域はここに記載された要件を満たしている場合は、エラーを無視してかまいません。

2.4.1 Oracle Grid Infrastructureの最小メモリー要件

各システムは、次の最小メモリー要件を満たしている必要があります。

  • Cluster用Oracle Grid Infrastructureインストール用に4GB以上のRAM(Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)。

  • 次の表に示す使用可能なRAMの倍数と同等のスワップ領域

    表2-1 64-bit LinuxおよびLinux on System zで必要なスワップ領域

    使用可能なRAM 必要なスワップ領域

    4GBから16GB

    RAMと同等

    16GBを超える

    16GBのRAM



    注意:

    32ビット・システムはサポート対象外となりました。


    注意:

    ご使用のLinuxサーバーでHugePagesを有効にする場合は、スワップ領域を計算する前に、HugePagesに割り当てられるメモリー分を使用可能なRAMから差し引く必要があります。

2.4.2 共有メモリーの要件

Oracle DatabaseまたはOracle RACデータベースをクラスタ上にインストールする場合、各サーバーの共有メモリーのマウント領域(/dev/shm)は、サーバーのデータベースのシステム・グローバル領域(SGA)およびプログラム・グローバル領域(PGA)よりも大きいサイズである必要があることに注意してください。SGAおよびPGAの予想サイズをデータベース管理者に確認し、データベースをクラスタにインストールした後に/dev/shmを増やす必要がないようにしてください。