Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド リリース4.2 for Oracle Database 12c B71338-03 |
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Oracle Application Expressのページの多くは、アプリケーションのメタデータを保持するために設計されたフォーム・ページです。このセクションでは、これらのページの構造について理解し、JAWSなどのスクリーン・リーダーを使用して対話する方法について説明します。
内容は次のとおりです。
多くのフォーム・ページは、論理的に異なるリージョンに分けられます。たとえば、「ページ・アイテムの編集」ページには、ページ・アイテムに関する情報を保持するためのフォーム・フィールドを含む次のリージョンがあります。
名前
表示
ラベル
設定
LOV(アイテム・タイプに応じたもの)
要素
ソース
デフォルト
クイック選択(アイテム・タイプに応じたもの)
条件
読取り専用
セキュリティ
構成
ヘルプ・テキスト
コメント
Oracle Application Expressでは、その開発インタフェース全体を通じてヘッダー(Hn
)・タグが使用されており、ページの構造の定義が容易になっています。たとえば、ページ・アイテムの編集ページには、次のヘッダーが定義されています。
レベル1(H1)*
Application Express
レベル2(H2)*
名前
表示
ラベル
設定
要素
ソース
デフォルト
条件
読取り専用
セキュリティ
構成
ヘルプ・テキスト
コメント
レベル3(H3)*
ページ・アイテム
タスク
前述のリストは、ヘッダーがOracle Application Express開発環境でどのように使用されるかを表しています。次の点に注意してください。
レベル1ヘッダー(H1
)は、対象となっている開発環境のコンテキストに応じて、関連するルート・ページへのリンクを提供します(たとえば、アプリケーションを編集している場合は、Application Builderのアプリケーション用のホームページに移動されます)。
レベル2ヘッダー(H2
)には、カレント・ページの主要な機能に必要なセクションが含まれています。
レベル3ヘッダー(H3
)には、カレント・ページの機能に関連するセクションが含まれています。
カレント・ページにあるすべてのヘッダーの概要を参照するには、[Insert]+[F6]を押して、カレント・ページのヘッダーをリストします。
また、他のJAWSキーストロークを利用して、ページ・ヘッダーをナビゲートすることもできます。たとえば、レベル2ヘッダーをナビゲートするには、次のステップを実行します。
[Insert]+[Alt]+[Ctrl]+[2]を押して、ページにあるレベル2の最初のヘッダーに移動します。
JAWSによって、ページ・アイテムの編集ページの「名前」ヘッダー・レベル2であることが通知されます。
[2]を押して、レベル2の次のヘッダーに移動します。
JAWSによって、ページ・アイテムの編集ページの「表示」ヘッダー・レベル2であることが通知されます。
[Shift]+[2]を押して、レベル2の前のヘッダーに移動します。
JAWSによって、ページ・アイテムの編集ページの「名前」ヘッダー・レベル2であることが通知されます。
Oracle Application Expressの多くのページには、ページの右側に「タスク」リージョンが含まれています。たとえば、ページ・アイテムの編集ページの右側には、現在のアイテム・タイプに関連するリンクのリストを含む「タスク」リージョンがあります。このリージョンには、セクション・タイトル「タスク」に定義されているレベル3のヘッダー(H3)があります(これは、ここがカレント・ページの主要な機能に関連するセクションであるためです)。
JAWSを使用して「タスク」リージョンにナビゲートするには、次のステップを実行します。
[Insert]+[Alt]+[Ctrl]+[3]を押して、ページにあるレベル3の最初のヘッダーに移動します。
JAWSで、ページ・アイテムの編集ページの「ページ・アイテム」ヘッダー・レベル3であることが通知されます。これには、ページ・アイテムに関する一般的なヘルプ情報が含まれています。
[3]を押して、レベル3の次のヘッダーに移動します。
JAWSで、ページ・アイテムの編集ページの「タスク」ヘッダー・レベル3であることが通知されます。これには、関連するタスクへのリンクのリストが含まれています。
[L]を1回押して、リストにナビゲートします。
JAWSによって、xのアイテムのリストであることが通知されます(xは、現在編集しているページ・アイテムのタイプによって異なります)。
[I]を押してリスト・アイテムをナビゲートし、リンクをアクティブ化する場合は、[Enter]を押します。
このセクションでは、JAWSを使用してOracle Application Expressのアイテムレベル・ヘルプにアクセスする方法について説明します。
内容は次のとおりです。
ユーザー・インタフェース内のほとんどのアイテムでは、フィールド・ラベルをアクティブ化またはクリックすることによって、フィールドレベル・ヘルプを使用できます。ヘルプ・テキストが使用可能な場合は、隣接するラベルがリンクとして実装されます(リンク・テキストは現在のフォーム・アイテムのラベル・テキストに一致します)。このリンクをアクティブ化すると、ヘルプ・テキストを含む別のウィンドウがロードされます。
JAWSを使用してアイテムのこのフィールドレベル・ヘルプにアクセスするには、次のステップを実行します。
[Ctrl]+[Home]を押して、ページの上部に移動します。
JAWSによってページ名が通知されます。
[Insert]+[F7]を押して、リンク・リストダイアログ・ボックスをロードします。
特定するリンク・テキストの最初の文字を、繰り返し押します。
ヘルプを表示しようとしているフォーム・アイテムのラベルと一致するリンク・テキストがない場合は、そのアイテムのヘルプは使用できません。
適切なリンクが見つかった場合は、[Enter]を押してリンクをアクティブ化します。
ヘルプ・テキストを含む別のウィンドウが表示されます。
JAWSナビゲーション・クイック・キー[N]を押して、ヘルプ・テキストに移動します。
ヘルプ・テキストの読取りが終了したら[Alt]+[F4]を押し、「ヘルプ」ウィンドウを閉じてページに戻ります。
Oracle Application Expressには、JAWSユーザーがフォーム・ページの検証エラーを処理する際に役立つ機能が多数組み込まれています。
内容は次のとおりです。
スクリーン・リーダー・モードの使用時にフォーム・ページで検証が失敗すると、ページ・タイトルの前に次の接頭辞が付けられます。
x errors have occurred - [page title]
ページがロードされると、JAWSによりページ・タイトルが通知されます。つまり、JAWSのユーザーには、検証が失敗したことがすぐに伝わります。
ヒント: この動作は、スクリーン・リーダー・モードをプロビジョニングするカスタム・データベース・アプリケーションでも、デフォルトで使用可能です。「スクリーン・リーダー・モードについて」を参照してください。 |
エラー・メッセージが表示されているページのセクションにナビゲートするには、このセクションの上部で「通知メッセージ」
というテキストを含むH2(ヘッダー・レベル2)
タグを見つけます。このヘッダーは視覚的には非表示になっていますが、スクリーン・リーダーのユーザーは使用できます。
この機能は、独自のデータベース・アプリケーションに簡単に追加できます。これを行うには、ページ・テンプレートの「ページ・テンプレート」、「サブテンプレート」、「通知」セクションに、置換文字列#NOTIFICATION_MESSAGE_HEADING#
を追加します。このプレースホルダにより、組込みシステム・メッセージAPEX.NOTIFICATION_MESSAGE_HEADING
の内容が「通知メッセージ」
というテキストに置換されます。
この表示テキストをカスタマイズするには、ご使用のアプリケーションで、使用するテキストとともに、APEX.NOTIFICATION_MESSAGE_HEADING
という名前のテキスト・メッセージを定義してください。
たとえば、ページ・テンプレートの「通知」セクションに、次を追加できます。
<h2 class="hideMeButHearMe">#NOTIFICATION_MESSAGE_HEADING#</h2>
この例では、hideMeButHearMe
CSSクラスの使用によりコンテンツが視覚的に非表示になりますが、スクリーン・リーダーのユーザーはこれを使用できます。
特定のページ・アイテムに関連する検証では、Oracle Application Expressにより、該当するエラー・メッセージの隣にある「通知」セクションに「エラーに移動」リンクが表示されます。ユーザーが「エラーに移動」リンクをクリック(またはアクティブ化)すると、関連するアイテムにフォーカスが移動します。これにより、(スクリーン・リーダーのユーザーのみでなく)すべてのユーザーが、エラーに関連するページにすぐに移動できるようになります。
「エラーに移動」テキストを変更して、デフォルトのテキストを変更したり、Oracle Application Expressによってデフォルトでは翻訳されない言語に翻訳することができます。いずれの場合でも、必要なテキストと言語とともに、APEX.GO_TO_ERROR
という名前のテキスト・メッセージを定義してください。さらに、APEX.GO_TO_ERROR
テキスト・メッセージのテキストを単なるシングル・スペースに設定して、この機能を無効化し、「エラーに移動」リンクを削除できます。詳細は、「Oracle Application Expressにより内部使用されるメッセージの翻訳」を参照してください。
スクリーン・リーダー・モードで実行する場合、Oracle Application Expressにより、無効なページ・アイテムにWeb Accessibility Initiative - Accessible Rich Internet Applications(WAI-ARIA)マークアップが含められます。この拡張により、WAI-ARIAをサポートするスクリーン・リーダーとブラウザの組合せに対するスクリーン・リーダーのユーザーの操作性が向上します。
特定のページ・アイテムに関連するエラーが発生すると、そのページ・アイテムに次の追加の属性が付けられます。
aria-invalid="true"
これは、スクリーン・リーダーのユーザーがそのページ・アイテムにフォーカスすると、スクリーン・リーダーにより無効なエントリであることが通知されることを意味します。
aria-describedby="[page_item_name]_error"
この属性値はそのアイテムに関連するエラー・メッセージに対応付けられているため、スクリーン・リーダーのユーザーがそのページ・アイテムにフォーカスすると、スクリーン・リーダーにより実際のエラーが通知されます。
この拡張が行われる前は、エラーのあるページ・アイテムにスクリーン・リーダーのユーザーがナビゲートすると、スクリーン・リーダーにより「ジョブ、編集、テキストのタイプ」と通知されることがありました。現在は、スクリーン・リーダーにより「ジョブの編集、無効なエントリ、ジョブに値が必要です、テキストのタイプ」と通知されます。
ヒント: プラグイン・アイテムの開発者が独自のプラグインで同じWAI-ARIAサポートを提供するには、『Oracle Application Express APIリファレンス』のAPEX_ERROR.GET_ARIA_ERROR_ATTRIBUTES ファンクションに関する説明を参照してください。 |