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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Linux
B71312-13
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D インストール前の作業を手動で完了する方法

この付録では、通常Cluster Verification Utility (CVU)およびOracle Universal Installerがインストール時に完了する構成作業を、手動で行う方法について説明します。この付録は、修正スクリプトを使用できないときに参考にしてください。

この付録の内容は次のとおりです。

D.1 Linuxのカーネル・パラメータの構成

この項の内容は、次のとおりです。


注意:

別の方法で指定されていないかぎり、次の表に示すカーネル・パラメータおよびシェル制限の値は、単なる最小値です。本番データベース・システムでは、これらの値をチューニングしてシステムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

D.1.1 インストールのための最小パラメータ設定

Oracle Databaseのインストール時に、修正スクリプトを生成および実行し、データベースの正常なインストールに必要なカーネル・パラメータの値をチェックして設定することができます。このスクリプトは、必要なカーネル・パラメータを必要に応じて最小値に更新します。

修正スクリプトを使用できない場合は、次の表を参照して手動で値を設定します。

パラメータ ファイル
semmsl

semmns

semopm

semmni

250

32000

100

128

/proc/sys/kernel/sem
shmall 物理メモリー・サイズ(ページ数)の40%

注意: サーバーが複数のデータベースをサポートする場合、または大規模なSGAを使用する場合は、このパラメータを、システムが1回に使用できる共有メモリーの合計量(4Kページ単位)に等しい値に設定します。

/proc/sys/kernel/shmall
shmmax 物理メモリー・サイズの半分(バイト)

shmmaxの構成の詳細は、My Oracle SupportのNote 567506.1を参照してください。

/proc/sys/kernel/shmmax
shmmni 4096 /proc/sys/kernelshmmni
panic_on_oops 1 /proc/sys/kernel/panic_on_oops
file-max 6815744 /proc/sys/fsfile-max
aio-max-nr 1048576

注意: この値は同時未処理リクエストを制限するもので、I/Oサブシステムの障害を防ぐために設定する必要があります。

/proc/sys/fs/aio-max-nr
ip_local_port_range 最小: 9000

最大: 65500

「UDPおよびTCPカーネル・パラメータの手動設定」を参照してください。

/proc/sys/net/ipv4ip_local_port_range
rmem_default 262144 /proc/sys/net/core/rmem_default
rmem_max 4194304 /proc/sys/net/core/rmem_max
wmem_default 262144 /proc/sys/net/core/wmem_default
wmem_max 1048576 /proc/sys/net/core/wmem_max


注意:

いずれかのパラメータの現在の値がこの表にリストされている値より大きい場合、修正スクリプトはそのパラメータの値を変更しません。

D.1.2 カーネル・パラメータの値の表示および変更

次の表に示すコマンドを入力して、カーネル・パラメータの現行の値を表示します。これらの値をメモし、変更が必要な値を特定します。

パラメータ コマンド
semmsl、semmns、semopmおよびsemmni # /sbin/sysctl -a | grep sem

このコマンドでは、リストされた順にセマフォ・パラメータの値が表示されます。

shmall、shmmaxおよびshmmni # /sbin/sysctl -a | grep shm

このコマンドでは、共有メモリーのセグメント・サイズの詳細が表示されます。

file-max # /sbin/sysctl -a | grep file-max

このコマンドでは、最大ファイル・ハンドラ数が表示されます。

ip_local_port_range # /sbin/sysctl -a | grep ip_local_port_range

このコマンドでは、ポート番号の範囲が表示されます。

rmem_default # /sbin/sysctl -a | grep rmem_default
rmem_max # /sbin/sysctl -a | grep rmem_max
wmem_default # /sbin/sysctl -a | grep wmem_default
wmem_max # /sbin/sysctl -a | grep wmem_max
aio-max-nr # /sbin/sysctl -a | grep aio-max-nr

カーネル・パラメータの値が最小値と異なる場合は、次の手順を実行します。

  1. テキスト・エディタを使用して/etc/sysctl.confファイルを作成または編集し、次のような行を追加または編集します。次に例を示します。


    注意:

    変更するカーネル・パラメータ値の行のみを含めます。セマフォ・パラメータ(kernel.sem)の場合は、4つの値をすべて指定する必要があります。現行の値のいずれかが最小値より大きい場合は、大きい方の値を指定してください。

    fs.aio-max-nr = 1048576
    fs.file-max = 6815744
    kernel.shmall = 2097152
    kernel.shmmax = 4294967295
    kernel.shmmni = 4096
    kernel.sem = 250 32000 100 128
    net.ipv4.ip_local_port_range = 9000 65500
    net.core.rmem_default = 262144
    net.core.rmem_max = 4194304
    net.core.wmem_default = 262144
    net.core.wmem_max = 1048576
    

    /etc/sysctl.confファイルに指定した値は、システムの再起動時にも保持されます。SUSE Linux Enterprise Serverシステムでは、次のコマンドを入力して、システムの再起動時に必ず/etc/sysctl.confファイルが読み取られるようにします。

    # /sbin/chkconfig boot.sysctl on
    
  2. カーネル・パラメータの現行の値を変更するには、次のコマンドを入力します。

    # /sbin/sysctl -p
    

    このコマンドの出力結果を確認し、値が正しいかどうかを検証します。値が正しくない場合、/etc/sysctl.confファイルを編集し、このコマンドを再度入力します。

  3. コマンド/sbin/sysctl -aを入力して、値が正しく設定されていることを確認します。

  4. /etc/sysctl.confファイルのカーネル・パラメータの値を更新したら、コンピュータを再起動するか、コマンドsysctl -pを実行して、アクティブなカーネル・メモリーで使用可能な/etc/sysctl.confファイルを変更します。

D.1.3 SUSE Linux用の追加のパラメータおよびカーネルの設定

SUSE Linux Enterprise Serverシステムの場合にのみ、必要に応じて次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力して、システムの再起動時に/etc/sysctl.confファイルが読み込まれるようにします。

    # /sbin/chkconfig boot.sysctl on
    
  2. パラメータ/proc/sys/vm/hugetlb_shm_groupの値としてoinstallグループのGIDを入力します。これを行うと、oinstallのメンバーに共有メモリー・セグメントを作成するためのグループ権限が付与されます。

    たとえば、oinstallグループのGIDが501の場合は次のようになります。

    # echo 501 > /proc/sys/vm/hugetlb_shm_group
    

    このコマンドを実行した後、viを使用して/etc/sysctl.confに次のテキストを追加し、システムの再起動時にboot.sysctlスクリプトが実行されるようにします。

    vm.hugetlb_shm_group=501
    

    注意:

    vm.hugetlb_shm_groupとして定義できるのは1つのグループのみです。

D.2 UDPおよびTCPカーネル・パラメータの手動設定

修正スクリプトまたはCVUを使用してエフェメラル・ポートを設定しない場合は、TCP/IPエフェメラル・ポート範囲のパラメータを設定して、予想されるサーバーのワークロードに対して十分なエフェメラル・ポートを提供します。下限を9000以上に設定し、Well KnownポートとOracleおよびその他のサーバー・ポートで一般的に使用される登録済ポート範囲のポートを避けます。使用するアプリケーションに予約済のポートを避けるようにポート範囲を高く設定します。範囲の下限が9000を超え、予想されるワークロードに対して範囲が十分大きい場合は、エフェメラル・ポート範囲に関するOracle Universal Installer警告は無視できます。

たとえば、IPv4の場合は、次のコマンドを使用してエフェメラル・ポートの現在の範囲を確認します。

$ cat /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range
32768 61000

上の例では、最低ポート(32768)および最高ポート(61000)はデフォルト範囲に設定されています。

必要に応じて、UDPとTCPのエフェメラル・ポート範囲を予想されるシステム・ワークロードに十分対応できるように高い範囲に更新し、エフェメラル・ポート範囲が9000以上になるようにします。次に例を示します。

# echo 9000 65500 > /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range

これらの設定は永続的にすることをお薦めします。たとえば、rootとして、テキスト・エディタを使用して/etc/sysctl.confを開き、net.ipv4.ip_local_port_range = 9000 65500を追加またはこれに変更した後、ネットワークを再起動します(# /etc/rc.d/init.d/network restart)。システム再起動時にこのエフェメラル・ポート範囲の変更を自動化する方法の詳細は、Linuxディストリビューションのシステム管理に関するドキュメントを参照してください。


関連項目:

Direct NFSクライアントを使用する場合は、「Direct NFSクライアントのためのTCPネットワーク・プロトコル・バッファの設定」を参照してください。

D.3 ストレージ・パスとディスク・デバイスの構成

デバイスの永続性のために、Oracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)を使用することをお薦めします。ただし、デバイスの永続性のために、Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバ(Oracle ASMLIB)を使用するか、udevルールを設定する方法もあります。

この項の内容は、次のとおりです。

D.3.1 Oracle ASMLIBを使用したストレージ・デバイス・パスの永続性の構成

Oracle ASMLIBを構成する場合は、次の項を確認してください。


注意:

IBM: Linux on System zでは、Oracle ASMLIBはサポートされていません。

D.3.1.1 Oracle ASMLIBを使用したOracle ASMについて

Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバを使用すると、システムを再起動するたびにOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)で使用するブロック・ディスク・デバイスをリバインドする必要がなくなるため、ブロック・ディスク・デバイスの構成および管理が簡単になります。

Oracle ASMLIBで、Oracle ASMディスクとして使用可能にするディスク範囲を定義します。Oracle ASMLIBによって、ストレージ・デバイス上で永続する権限とディスク・ラベルが保持されます。そのため、オペレーティング・システムのアップグレード後でもそのラベルを使用できます。


注意:

Oracle ASMLIBを使用するディスクを構成する場合は、ディスク検出文字列をORCL:*に変更する必要があります。ディスク文字列をORCL:*に設定するか、空("")のままにすると、インストーラでこれらのディスクが検出されます。


関連項目:

『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のOracle ASMライブラリ・ドライバの使用に関する項

D.3.1.2 ブロック・デバイスの維持のためのOracle ASMLIBの構成

Oracle ASMLIBを使用してOracle ASMデバイスを構成するには、次の作業を実行します。


注意:

Oracle ASMライブラリ・ドライバを使用して、インストール中にデータベースを作成するには、対話型モードでASMCAを実行するインストール方法を選択する必要があります。また、ディスク検出文字列をORCL:*に変更する必要があります。

D.3.1.2.1 Oracle ASMLIBソフトウェアのインストールおよび構成

Oracle ASMLIBは、Oracle LinuxパッケージおよびSUSE Linux Enterprise Server 11に含まれています。Unbreakable Linux Networkのメンバーの場合、Oracle Linuxチャネルをサブスクライブし、yumを使用してシステムおよびカーネルの最新パッケージを取得することによって、Oracle ASMLIB RPMをインストールできます。追加情報については、次のURLを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/topics/linux/asmlib/index-101839.html

Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバ・ソフトウェアを手動でインストールおよび構成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力し、システムのカーネル・バージョンおよびアーキテクチャを確認します。

    # uname -rm
    
  2. 必要に応じて、Oracle Technology NetworkのWebサイトから、必要なOracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバ・パッケージをダウンロードします。

    http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/linux/downloads/index-088143.html


    注意:

    Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced ServerでOracle ASMLIBを使用するには、oracleasm-supportパッケージのバージョン2.0.1以上をインストールする必要があります。Oracle ASMLIBは、SUSE Linux Enterprise Serverディストリビューションにすでに含まれています。


    関連項目:

    Red HatディストリビューションでのOracle ASMLIBサポートの詳細は、My Oracle SupportのNote 1089399.1を参照してください。

    https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1089399.1


  3. rootユーザーに切り替えます。

    $ su -
    
  4. 次のパッケージを順にインストールします(versionはOracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバのバージョン、archはシステム・アーキテクチャ、kernelは使用しているカーネルのバージョンです)。

    oracleasm-support-version.arch.rpm
    oracleasm-kernel-version.arch.rpm
    oracleasmlib-version.arch.rpm
    

    次のようなコマンドを入力してパッケージをインストールします。

    # rpm -ivh oracleasm-support-version.arch.rpm \
               oracleasm-kernel-version.arch.rpm \
               oracleasmlib-version.arch.rpm
    

    たとえば、AMD64システムでRed Hat Enterprise Linux 5 ASのカーネルを使用している場合は、次のコマンドを入力します。

    # rpm -ivh oracleasm-support-2.1.3-1.el5.x86_64.rpm \
               oracleasm-2.6.18-194.26.1.el5xen-2.0.5-1.el5.x86_64.rpm \
               oracleasmlib-2.0.4-1.el5.x86_64.rpm
    
  5. 次のコマンドを入力し、configureオプションを使用してoracleasm初期化スクリプトを実行します。

    # /usr/sbin/oracleasm configure -i
    

    注意:

    /usr/sbinにあるoracleasmコマンドを使用してください。/etc/init.dパスは非推奨ではありませんが、このパスにあるoracleasmバイナリは、現在では通常、内部コマンドに使用されています。

  6. スクリプトによって表示されるプロンプトに応じて、次の情報を入力します。

    プロンプト 提示する応答
    ドライバ・インタフェースを所有するデフォルト・ユーザー: グループおよびユーザーの標準構成: Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracleなど)を指定します。

    役割区分によるグループおよびユーザーの構成: グリッド・インフラストラクチャ・ソフトウェア所有者(gridなど)を指定します。

    ドライバ・インタフェースを所有するデフォルト・グループ: グループおよびユーザーの標準構成: データベースのOSDBAグループ(dbaなど)を指定します。

    役割区分によるグループおよびユーザーの構成: 記憶域管理のOSASMグループ(asmadminなど)を指定します。

    ブート時のOracle ASMライブラリ・ドライバの起動(y/n): yを入力して、システムの起動時に、Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバを起動します。
    ブート時のOracle ASMディスクのスキャン(y/n): システムの起動時にOracle ASMディスクをスキャンするには、yと入力します。

    スクリプトによって、次の作業が実行されます。

    • /etc/sysconfig/oracleasm構成ファイルの作成

    • /dev/oracleasmマウント・ポイントの作成

    • ASMLIBドライバのファイル・システムのマウント


      注意:

      Oracle ASMLIBファイル・システムは通常のファイル・システムではありません。Oracle ASMLIBと通信するOracle ASMライブラリでのみ使用されます。

  7. 次のコマンドを入力して、oracleasmカーネル・モジュールをロードします。

    # /usr/sbin/oracleasm init
    
D.3.1.2.2 Oracle ASMLIBを使用するためのディスク・デバイスの構成

Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループで使用するディスク・デバイスを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループでIDE、SCSIまたはRAIDデバイスを使用する場合、次の手順を実行します。

    1. ディスク・グループに使用するディスク・デバイスをインストールまたは構成し、システムを再起動します。

    2. 次のコマンドを入力して、使用するディスクのデバイス名を特定します。

      # /sbin/fdisk -l
      

      ディスクのタイプに応じて、次のようにデバイス名が異なる場合があります。

      ディスク・タイプ デバイス名の書式 説明
      IDEディスク
      /dev/hdxn
      
      この例で、xはIDEディスクの識別文字、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/hdaは最初のIDEバスの最初のディスクを表します。
      SCSIディスク
      /dev/sdxn
      
      この例で、xはSCSIディスクの識別文字、nはパーティション番号です。たとえば、/dev/sdaは最初のSCSIバスの最初のディスクを表します。
      RAIDディスク
      /dev/rd/cxdypz
      /dev/ida/cxdypz
      
      RAIDコントローラに応じて、RAIDデバイスは異なるデバイス名を持つことができます。この例で、xはコントローラの識別番号、yはディスクの識別番号、zはパーティションの識別番号です。たとえば、/dev/ida/c0d1は最初のコントローラ上の第2の論理ドライブです。

      ディスク・グループにデバイスを含めるには、ドライブ・デバイス名またはパーティション・デバイス名のいずれかを指定します。


      注意:

      使用する各ディスクに、単一のディスク全体パーティションを作成することをお薦めします。

    3. fdiskまたはpartedのいずれかを使用して、ディスク・デバイスに、単一のディスク全体パーティションを作成します。

  2. 次のようなコマンドを入力して、ディスクをOracle Automatic Storage Managementディスクとしてマークします。

    # /usr/sbin/oracleasm createdisk DISK1 /dev/sdb1
    

    この例で、DISK1はディスクに割り当てられる名前です。


    注意:

    • 指定するディスク名には、大文字、数字、およびアンダースコア文字を使用できます。ディスク名の先頭は大文字にする必要があります。

    • Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバを使用するデータベースをインストール時に作成するには、ディスク検出文字列をORCL:*に変更する必要があります。

    • Oracle ASMでマルチ・パス・ディスク・ドライバを使用している場合は、そのディスクに正しい論理デバイス名を指定してください。


D.3.1.2.3 Oracle ASMLIBおよびディスクの管理

Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバおよびディスクを管理するには、次の表に示す様々なオプションとともに/usr/sbin/oracleasm初期化スクリプトを使用します。

表D-1 ORACLEASMを使用したディスクの管理タスク

作業 コマンドの例 説明

ASMLIBの構成または再構成

oracleasm configure -i

必要に応じて、configureオプションを使用して、Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバを再構成します。

コマンド・オプションを表示するには、oracleasm configure-iフラグなしで入力します。

ASMLIBのシステム再起動ロード・オプションの変更

oracleasm enable

オプションは、disableおよびenableです。

disableおよびenableオプションを使用して、システムの起動時のOracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバの動作を変更します。enableオプションを使用すると、システムの起動時に Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバがロードされます。

システムを再起動せずにASMLIBをロードまたはアンロード

oracleasm restart

オプションは、startstopおよびrestartです。

startstopおよびrestartオプションを使用して、システムを再起動せずにOracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバをロードまたはアンロードします。

ASMLIBで使用するディスクをマーク

oracleasm createdisk VOL1 /dev/sda1

creatediskオプションを使用して、Oracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバで使用するディスク・デバイスをマークし、名前を付けます(labelnameはデバイスをマークするために使用する名前、devicepathはデバイスへのパスです)。

oracleasm createdisk labelname devicepath

名前付きディスク・デバイスのマーク解除

oracleasm deletedisk VOL1

deletediskオプションを使用して、名前付きディスク・デバイスのマークを解除します(disknameはディスクの名前です)。

oracleasm deletedisk diskname

注意: このコマンドを使用して、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループで使用されているディスクのマークは外さないでください。このディスクは、Oracle Automatic Storage Managementディスク・グループから削除した後でマークを外す必要があります。

ASMLIBがディスク・デバイスを使用しているかどうかの確認

oracleasm querydisk

querydiskオプションを使用して、ディスク・デバイスまたはディスク名がOracle Automatic Storage Managementライブラリ・ドライバで使用されているかどうかを確認します(diskname_devicenameは問合せを行うディスクまたはデバイスの名前です)。

oracleasm querydisk diskname_devicename

Oracle ASMLIBディスクのリスト

oracleasm listdisks

listdisksオプションを使用して、マークされたOracle ASMライブラリ・ドライバ・ディスクのディスク名を表示します。

ASMLIBディスクとしてマークされたディスクの識別

oracleasm scandisks

scandisksオプションを使用すると、別のノードでASMLIBディスクとしてマークされている共有ディスクを、クラスタ・ノードで識別できます。

ASMLIBディスクの名前変更

oracleasm renamedisk VOL1 VOL2

renamediskオプションを使用して、次の構文を使用することで、Oracle ASMライブラリ・ドライバ・ディスクまたはデバイスのラベルを変更します(managerはマネージャ・デバイスを指定し、label_deviceはOracleASMラベル名またはデバイス・パスのいずれかで指定したように名前を変更するディスクを指定し、new_labelはディスクに使用する新しいラベルを指定します)。

oracleasm renamedisk [-l manager] [-v] label_device new_label

デバッグ用に詳細な出力を指定するには、-vフラグを使用します。

注意: ディスクをラベル変更する前に、すべてのOracle DatabaseおよびOracle ASMインスタンスがディスクの使用を停止していることを確認する必要があります。これを行わないと、データが失われる可能性があります。


D.3.1.3 Oracle ASMLIBの削除

Oracle ASMLIBがインストールされているが、デバイス・パスの永続性のためにそれを使用していない場合は、次の手順でOracle ASMLIBを削除します。

  1. Oracle ASMと、実行中のデータベース・インスタンスがあればそれも停止します。

    $ srvctl stop asm
    $ srvctl stop instance -d db_unique_name
    
  2. rootとしてログインします。

  3. Oracle Restartスタックを停止します。

    # cd Grid_home/bin
    # crsctl stop has
    
  4. Oracle ASMLIBを停止します。

    # /etc/init.d/oracleasm disable
    
  5. oracleasmライブラリとツールのRPMを削除します。

    # rpm -e oracleasm-support
    # rpm -e oracleasmlib
    
  6. oracleasm RPMが残っていないかどうか確認します。

    # rpm -qa| grep oracleasm
    
  7. oracleasm構成ファイルが残っている場合には、削除します。

    # rpm -qa| grep oracleasm | xargs rpm -e
    

    これで、Oracle ASMLIBと関連RPMが削除されます。

  8. Oracle Restartスタックを起動します。オプションで、Oracle Restartスタックを起動する前にOracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)をインストールし、構成します。


関連項目:

『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

D.3.2 Oracle Automatic Storage Management用のディスク・デバイスの手動での構成

この項では、Oracle ASMで使用するディスク・デバイスを手動で準備する方法について、次の内容で説明します。


注意:

udevの動作は、Linuxのバージョン、ベンダーおよび記憶域の構成によって異なります。

D.3.2.1 デバイスのファイル名およびLinux所有権について

サーバーが起動すると、デフォルトで、デバイス・ファイル・ネーミング・スキームudevによって、デバイス・ファイル名が動的に作成され、その所有権がrootに割り当てられます。udevでデフォルトの設定が適用される場合は、ディスクのOracleデバイス・ファイル名および所有者が変更されるため、サーバーの再起動時にディスクがアクセス不可能になります。たとえば、ユーザーgridが所有する/dev/sddというデバイス上の投票ディスクが、サーバーの再起動後には、rootが所有する/dev/sdfというデバイスに置かれる可能性もあります。

Oracle ASMFDを使用する場合、udevで権限およびデバイス・パスの永続性を指定する必要はありません。

Oracle ASMFDを使用しない場合は、カスタム・ルール・ファイルを作成する必要があります。Linuxベンダーは、自身のudev構成をカスタマイズして、ルール・ファイルの読取りに異なる順序を使用しています。たとえば、一部のLinuxディストリビューションでは、udevが起動すると、ルール・ファイルに定義されたルール(構成ディレクティブ)が順次実行されます。これらのファイルのパスは/etc/udev/rules.d/です。ルール・ファイルは、字句順に読み取られます。たとえば、ルール・ファイル10-wacom.rulesファイルのルールは、ルール・ファイル90-ib.rulesのルールより先に解析され実行されます。

UDEVルール・ファイルにデバイス情報を指定する場合は、表示されている順に、他のすべての特性より前に、OWNER、GROUPおよびMODEが指定される必要があります。たとえば、UDEV行に特性ACTIONを含めるには、OWNER、GROUPおよびMODEの後にACTIONを指定します。

複数のルール・ファイルに同じデバイスの記述があった場合、サポートされているLinuxカーネル・バージョンでは、最後に読み取られたファイルが適用されます。

D.3.2.2 Oracle ASM用のディスク・デバイスの権限ファイルの構成

Oracle ASMが使用するディスク・デバイスの権限ファイルを構成するには、次の作業を行います。

  1. /etc/scsi_id.configファイルを編集し、ファイルにoptions=-gを追加して、リストする際にSCSIデバイスを信頼できるデバイスとして構成します。次に例を示します。

    # cat > /etc/scsi_id.config
    vendor="ATA",options=-p 0x80
    options=-g
    
  2. テキスト・エディタを使用してOracle ASMデバイスのudevルール・ファイルを作成し、インストールの所有者と、メンバーがグリッド・インフラストラクチャ・ソフトウェアの管理者であるグループの権限を0660に設定します。

    たとえば、Oracle Linuxで、ロール・ベースの構成rules.dファイル(インストール所有者がgrid、OSASMグループがasmadmin)を作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # vi /etc/udev/rules.d/99-oracle-asmdevices.rules
    
    KERNEL=="sd?1", BUS=="scsi", PROGRAM=="/sbin/scsi_id",
    RESULT=="14f70656e66696c00000000", OWNER="grid", GROUP="asmadmin", MODE="0660"
    KERNEL=="sd?2", BUS=="scsi", PROGRAM=="/sbin/scsi_id",
    RESULT=="14f70656e66696c00000000", OWNER="grid", GROUP="asmadmin", MODE="0660"
    KERNEL=="sd?3", BUS=="scsi", PROGRAM=="/sbin/scsi_id",
    RESULT=="14f70656e66696c00000000", OWNER="grid", GROUP="asmadmin", MODE="0660"
    
  3. /sbin/partprobe devicenameを使用して、更新されたブロック・デバイス・パーティション表をサーバーにロードします。 これは、rootユーザーで実行する必要があります。

  4. udevサービスを再起動するコマンドを入力します。

    Oracle LinuxおよびRed Hat Enterprise Linuxでは、コマンドは次のとおりです。

    # /sbin/udevcontrol reload_rules
    # /sbin/start_udev
    

    SUSE Linux Enterprise Serverでのコマンドは、次のとおりです。

    # /etc/init.d boot.udev restart
    

    デバイスの権限および所有権が正しく設定されていることを確認します。