Oracle Databaseソフトウェアはインストール・メディアで提供されますが、Oracle Technology NetworkのWebサイトまたはOracle Software Delivery Cloudのポータルからもダウンロードできます。ほとんどの場合、ソフトウェアのインストールには、Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を使用します。ただし、Oracle Universal Installerを使用して、GUIを使用せずにサイレント・モード・インストールを実行することもできます。
第2章「Oracle Databaseのインストールの概要」の情報を確認し、第4章「Oracle Databaseのインストール前の作業」に示す作業を完了します。
Oracle Databaseの複数インストールを実行する必要がある場合に、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用することがあります。レスポンス・ファイル・モードでは、ノードごとに、レスポンス・ファイルを使用してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行します。レスポンス・ファイルは、通常Oracle Universal InstallerのGUIダイアログ・ボックスに入力される設定を含むテキスト・ファイルです。
Oracle Universal Installerを起動する前に、次のガイドラインを参照してください。
以前のOracleリリースのOracle Universal Installerを使用してこのリリースのコンポーネントをインストールすることはできなくなりました。
Oracle Automatic Storage Management
前のリリースでは、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)のインストールは、Oracle Databaseインストールの一部として実行されました。Oracle Database 11gリリース2 (11.2)から、Oracle ASMは、クラスタまたはスタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストールに含まれています。
既存のOracle ASMインストールをアップグレードするには、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行して、Oracle ASMをアップグレードします。Oracle ASMがインストールされていない場合に、Oracle ASMを記憶域オプションとして使用するには、Oracle Databaseのインストールを開始する前に、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストールを完了する必要があります。
関連項目: スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureの詳細は、第6章「スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure」を参照してください。 |
Oracle ClusterwareまたはOracle RACがシステムにインストール済の場合、Oracle Universal Installerには「Gridインストール・オプション」画面が表示されます。Oracle RACをインストールする場合を除き、「単一インスタンス・データベースのインストール」を選択する必要があります。この画面のその他のオプションは、Oracle Real Application ClustersデータベースのインストールとOracle RAC One Nodeデータベースのインストールです。
関連項目: 『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linux and UNIX Systems』 |
この項の内容は次のとおりです。
Oracle Databaseでは、次の3つに対してデータベース・キャラクタ・セットが使用されます。
SQL文字データ型(CHAR、VARCHAR2、CLOB、およびLONG)で格納されているデータ。
表名、列名、PL/SQL変数などの識別子。
ストアドSQLおよびPL/SQLソース・コード(このコードに埋め込まれたテキスト・リテラルも含む)。
データベースを作成した後でキャラクタ・セットを変更すると、一般的に、時間およびリソースの面で大きなコストがかかります。このような処理を行うには、データベース全体をエクスポートした後で再びインポートすることにより、すべての文字データの変換が必要な場合もあります。そのため、データベース・キャラクタ・セットは、インストールの時点で慎重に選択することが重要です。
データベース・キャラクタ・セットには、Unicode AL32UTF8を使用することをお薦めします。Unicodeは、現在世界で使用されている言語のほとんどをサポートしている汎用キャラクタ・セットです。また、現在では使用されていない歴史的な文字(アルファベット)も多数サポートしています。Unicodeは、Java、XML、XHTML、ECMAScriptおよびLDAPなど様々な技術におけるネイティブ・エンコーディングです。Unicodeは、インターネットや世界経済をサポートしているデータベースに非常に適しています。
AL32UTF8はマルチバイト・キャラクタ・セットであるため、文字データに対するデータベース操作の速度は、WE8MSWIN1252などのシングルバイト・データベース・キャラクタ・セットと比較すると若干遅い可能性があります。使用する文字がASCIIの対象外である大部分の言語について、その言語のテキストに必要な記憶領域をみると、その言語をサポートしているレガシー・キャラクタ・セットを使用した場合よりもAL32UTF8を使用した場合の方が大きくなります。記憶領域が大きくなるのは、英語以外の文字データに関してのみです。Unicodeでは、汎用性や柔軟性があるために、通常はこうした過剰な負担が生じます。
テキスト処理における互換性、記憶域の要件、またはパフォーマンスが重要な要素であり、かつデータベースがサポートしているのが単一グループの言語に限定される場合には、レガシー・キャラクタ・セットの使用を検討します。この場合、対象のデータベースに接続しているクライアントに最も多く使用されているキャラクタ・セットを、データベース・キャラクタ・セットとして選択します。
マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)のデータベース・キャラクタ・セットにより、後でプラグインできるデータベースが決まります。CDBに選択したキャラクタ・セットが、このCDBにプラグインするデータベースのデータベース・キャラクタ・セットと互換性があることを確認します。
関連項目: 『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』のCDBのデータベース・キャラクタ・セットの選択に関する項 |
Oracle Universal InstallerおよびこのリリースのDatabase Configuration Assistantで提案または使用されるデフォルトのキャラクタ・セットは、オペレーティング・システムの言語構成に基づいています。
大部分の言語では、データベースがWindows上にインストールされていない場合でも、Microsoft Windowsのキャラクタ・セットの1つであるWE8MSWIN1252がデフォルトのキャラクタ・セットとなります。これは、データベースに接続しているクライアントの大多数が、オペレーティング・システムとしてMicrosoft Windowsを使用しているという前提に基づくものです。データベースには、クライアントから受け取った文字をすべて格納できる必要があり、Microsoft Windowsのキャラクタ・セットは、対応するISO 8859キャラクタ・セットよりも扱える文字が豊富なため、通常はMicrosoft Windowsのキャラクタ・セットを選択するのが適切です。たとえば、EE8MSWIN1250キャラクタ・セットではユーロ通貨記号や様々なスマート・クォート文字がサポートされているのに対し、対応するEE8ISO8859P2キャラクタ・セットでは、そのような記号や文字はサポートされていません。Oracle Databaseでは、NLS_LANG設定で宣言されたデータベース・キャラクタ・セットとクライアントのキャラクタ・セットの間でデータが変換されます。
Oracle Universal Installerで選択用に表示されるデータベース・キャラクタ・セットのリストには、推奨するキャラクタ・セットのみが含まれています。Oracle Databaseでは、この他にも多くのキャラクタ・セットがサポートされていますが、それらは非推奨になっているか、または別に推奨するキャラクタ・セットのバイナリ・サブセットです。たとえば、WE8DECは非推奨のキャラクタ・セットであり、US7ASCIIおよびWE8ISO8859P1はいずれもWE8MSWIN1252のバイナリ・サブセットです。
互換性を維持するため、非推奨のキャラクタ・セットでデータベースを作成する必要がある場合は、「詳細」データベース構成オプションを選択してください。対話モードでOracle Database Configuration Assistant (Oracle DBCA)を使用すると、Linuxでサポートされている任意のデータベース・キャラクタ・セットを選択できます。
関連項目: 『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』のキャラクタ・セットの選択に関する項 |
この項では、ディスク・グループを識別して、そのディスク・グループの空きディスク領域を確認する方法を説明します。この項に示す手順はオプションです。データベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルは、スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのインストール中に作成した既存のOracle ASMディスク・グループに格納できます。
注意: 既存ディスク・グループを管理するOracle ASMインスタンスは、Oracle Grid Infrastructureホーム・ディレクトリで実行されます。 |
Oracle ASMディスク・グループがすでに存在するかどうか、またはディスク・グループのディスク領域が十分にあるかどうかを判断するには、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用することか、次のOracle ASMコマンドライン・ツール(asmcmd
)の手順を使用できます。
Oracle Automatic Storage Managementインスタンスに接続し、必要に応じてインスタンスを起動します。
# $ORACLE_HOME/bin/asmcmd ASMCMD> startup
次のコマンドのいずれかを入力して、既存のディスク・グループ、それらの冗長レベルおよび各グループでのディスクの空き領域を表示します。
ASMCMD> lsdg;
または
$ORACLE_HOME/bin/asmcmd -p lsdg
出力結果から、適切な冗長性レベルが設定されているディスク・グループを特定し、そのディスク・グループにある空き領域を記録します。
前述の項で記述した記憶域の要件を満たすために、必要に応じて追加のディスク・デバイスをインストールまたは指定します。
Oracle Databaseソフトウェアはインストール・メディアで提供されますが、Oracle Technology NetworkのWebサイトまたはOracle Software Delivery Cloudのポータルからもダウンロードできます。ソフトウェアをハードディスクからインストールするには、ソフトウェアをダウンロードして解凍するか、インストール・メディアがある場合はそこからソフトウェアをコピーする必要があります。
Oracle Databaseのアクセスおよびインストールは、次のいずれかの方法で実行できます。
ソフトウェアをハードディスクにコピーする場合は、「ハードディスクへのソフトウェアのコピー」を参照してください。
Oracle Technology Networkからソフトウェアをダウンロードする場合は、「Oracleソフトウェアのダウンロード」を参照してください。
試用版のインストール・ファイルをOracle Technology Network(OTN)またはOracle Software Delivery Cloudのポータルからダウンロードして、ハードディスクに解凍できます。ライセンス規約を読み、理解していることを確認します。ほとんどのダウンロードには、開発ライセンスが含まれています。この項の内容は、次のとおりです。
Oracle Technology Networkからインストール用アーカイブ・ファイルをダウンロードする手順は、次のとおりです。
ブラウザを使用して、次のURLにあるOracle Technology Networkのソフトウェア・ダウンロード・ページにアクセスします。
http://www.oracle.com/technetwork/indexes/downloads/index.html
インストールする製品のダウンロード・ページに移動します。
ダウンロード・ページで、各必須ファイルのサイズを合計して必要なディスク領域を確認します。
ファイル・サイズは、ファイル名の隣に表示されます。
アーカイブ・ファイルの格納および展開用に、十分な空き領域のあるファイル・システムを選択します。
ほとんどの場合、使用可能なディスク領域としては、全アーカイブ・ファイルの2倍以上のサイズが必要です。
手順4で選択したファイル・システム上で、インストール・ディレクトリを保持するための親ディレクトリ(OraDB12c
など)を製品ごとに作成します。
すべてのインストール用アーカイブ・ファイルを、手順5で作成したディレクトリにダウンロードします。
ダウンロードしたファイルのサイズが、Oracle Technology Network上の対応するファイルと一致することを確認します。また、次のようなコマンドを使用して、チェックサムがOracle Technology Networkでの記述と同じであることを検証します。
cksum filename
.zip
作成した各ディレクトリでファイルを解凍します。
必須インストール・ファイルを解凍した後、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。
Oracle Software Delivery Cloudからソフトウェアをメディア・パックとしてダウンロードできます。メディア・パックは電子版のソフトウェアで、オラクル社のお客様はCD-ROMまたはDVDでも入手可能です。メディア・パックをダウンロードする手順は、次のとおりです。
ブラウザを使用して、次のURLにあるOracle Software Delivery Cloudのポータルにアクセスします。
https://edelivery.oracle.com/
オンライン・フォームに情報(名前、会社、電子メール・アドレス、国)を入力して、「輸出確認」手続きを行います。
メディア・パックの検索ページで、ダウンロードするメディア・パックを特定するための製品パックとプラットフォームを指定します。製品パックの名前がわからない場合は、ライセンス・リストを使用して検索できます。
オプションで、ダウンロードする関連製品を「結果」リストから選択します。
検索結果ページで「Readme」をクリックし、ダウンロード手順と製品情報が記載されたReadmeファイルをダウンロードして確認します。
Readmeを確認したら、検索結果から適切なメディア・パックを選択し、個別のzipファイルをダウンロードします。このページに記載されたダウンロードの注意事項に従います。必要なzipファイルのコンテンツをダウンロードして解凍した後、ソフトウェアのインストールを開始します。
注意: ダウンロード可能なファイルのリストが記載されたページを印刷しておいてください。インストール中に参照する可能性のある部品番号とその説明のリストが含まれています。 |
ファイルをダウンロードした後、「ダイジェストの表示」をクリックして、MD5またはSHA-1チェックサムが、メディア・ダウンロード・ページに示されている内容と一致することを検証します。
関連項目:
|
インストール用アーカイブ・ファイルを解凍する手順は、次のとおりです。
必要に応じて、ダウンロードしたインストール用アーカイブ・ファイルが格納されているディレクトリに移動します。
Oracle RDBMSソフトウェアは2つのアーカイブ・ファイルとして提供されます。必ず、両方のアーカイブ・ファイルを同じディレクトリに抽出します。
ダウンロードしたファイルの拡張子が.zip
の場合は、次のコマンドを使用してファイルの内容を解凍します。
unzip file_name.zip
ダウンロードしたファイルの拡張子がcpio.gz
の場合は、次のコマンドを使用します。
$ gunzip filename.cpio.gz
このコマンドによって、次のような名前のファイルが作成されます。
filename.cpio
インストール・ファイルを解凍するには、次のようなコマンドを入力します。
$ cpio -idcmv < filename.cpio
注意: cpio コマンドで使用できる正しいオプションの詳細は、ダウンロード・ページを参照してください。
一部のブラウザでは、ファイルのダウンロード中に解凍が行われますが、 |
このコマンドを実行すると、ファイルごとにDisk
n
という名前のサブディレクトリが作成されます。n
は、ファイル名にあるディスク番号です。
必須インストール・ファイルをすべて解凍した後、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。
Oracle Databaseをインストールする前に、ソフトウェアをハードディスクにコピーし、インストール処理の実行を速めることをお薦めします。インストール・メディアの内容をハードディスクにコピーする前に、ディスクをマウントする必要があります。次の項では、ディスクをマウントしてその内容をハードディスクにコピーする方法を説明します。
ほとんどのシステムでは、ディスク・ドライブにディスクを挿入すると自動的にマウントされます。ディスクが自動的にマウントされない場合は、次の手順に従ってディスクをマウントしてください。
必要に応じて、root
ユーザーとしてログインし、次のいずれかのコマンドを入力して、現在マウントされているディスクをドライブから取り出します。
Oracle LinuxおよびRed Hat Enterprise Linux:
# eject /mnt/dvd
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# eject /media/dvd
この例で、/mnt/dvd
および/media/dvd
はインストール・メディアのマウント・ポイント・ディレクトリです。
適切なインストール・メディアをディスク・ドライブに挿入します。
ディスクが自動的にマウントされたかどうかを確認するには、プラットフォームに応じて、次のいずれかのコマンドを入力します。
Oracle LinuxおよびRed Hat Enterprise Linux:
# ls /mnt/dvd
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# ls /media/dvd
次のコマンドを実行する前に、/mnt/dvd
ディレクトリがRed Hat Enterprise Linuxに存在することを確認してください。このディレクトリが存在しない場合は、必要に応じて/mnt/dvd
を作成し、インストール・メディアをマウントしてください。
このコマンドを実行してもインストール・メディアの内容が表示されない場合は、プラットフォームに応じて、次のようなコマンドを入力してインストール・メディアをマウントしてください。
Oracle LinuxおよびRed Hat Enterprise Linux:
# mount -t iso9660 /dev/dvd /mnt/dvd
SUSE Linux Enterprise Serverの場合:
# mount -t iso9660 /dev/dvd /media/dvd
この例で、/mnt/dvd
および/media/dvd
はインストール・メディアのマウント・ポイント・ディレクトリです。
Oracle Universal Installerに「ディスクの場所」ダイアログ・ボックスが表示されている場合は、次の例のように、ディスクのマウント・ポイント・ディレクトリのパスを入力します。
/mnt/dvd
以降の操作については、次のいずれかの項を参照してください。
ソフトウェアをハードディスクにコピーする場合は、「ハードディスクへのOracle Databaseソフトウェアのコピー」を参照してください。
ソフトウェアをインストール・メディアからインストールする場合は、「Oracle Databaseソフトウェアのインストール」を参照してください。
注意: システムにインストール・メディアがない場合は、ソフトウェアをディスクから別のシステムのファイル・システムにコピーしてから、NFSを使用してファイル・システムをマウントするか、FTPを使用してソフトウェアをインストールするシステムにファイルをコピーできます。 |
インストール・メディアの内容をハードディスクにコピーする手順は、次のとおりです。
ハードディスク上でOracleベース・ディレクトリの外部にOracleソフトウェアを格納するためのディレクトリを作成します。
$ mkdir OraDb12c
ディレクトリを手順1で作成したディレクトリに変更します。
$ cd OraDb12c
ディスクがマウントされていない場合は、マウントします。
一部のプラットフォームでは、ディスクをドライブに挿入した時点で、ディスクが自動的にマウントされます。ディスクが自動的にマウントされない場合、「ディスクのマウント」を参照してプラットフォーム固有の情報を確認してください。
次のように、マウントされたディスクの内容を、対応する新規のサブディレクトリにコピーします。
$ cp -R /directory_path OraDb12c
必要に応じて、次のディスクをマウントし、手順4の操作を繰り返します。
ほとんどの場合、Oracle Databaseのインストールには、Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を使用します。次の項では、Oracle Universal InstallerのGUIを使用してほとんどのデータベースのインストールを実行する方法について説明します。
注意:
|
インストール・プロセスのタイプにかかわらず、次の手順に従ってOracle Universal Installerを起動し、ソフトウェアをインストールします。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle
)として、Oracleコンポーネントをインストールするコンピュータにログオンします。
ソフトウェアをインストール・メディアからインストールする場合、ディスクがマウントされていないときは、マウントします。
ディスクが自動的にマウントされない場合、「ディスクのマウント」を参照してプラットフォーム固有の情報を確認してください。
一部のプラットフォームでは、インストール・メディアをドライブに挿入した時点で、ディスクが自動的にマウントされます。
Oracle Universal Installerを起動するため、インストール・ファイルの場所に合せて、次のいずれかの操作を行います。
注意: Oracle Universal Installerは、oracle ユーザーとしてログインしてユーザーの環境を設定したターミナル・セッションから起動してください。 |
インストール・ファイルがインストール・メディアにある場合は、次のようなコマンドを入力します。その場合、directory_path
は、インストール・メディアのdatabase
ディレクトリのパスです。
$ /directory_path/runInstaller
インストール・ファイルがハードディスクにある場合は、ディレクトリをdatabase
ディレクトリに変更し、次のコマンドを入力します。
$ ./runInstaller
Oracle Universal Installerが表示されない場合は、「X Windowの表示エラー」および「リモート端末でのインストール・エラー」のトラブルシューティング情報を参照してください。
Oracle Database 12cソフトウェアは、既存のOracleホームにインストールしないでください。
Oracle Universal Installerの画面に表示される指示に従って操作を行います。追加情報が必要な場合は、「ヘルプ」をクリックします。
Oracleサポート・サービスによって提供されたパッチを使用しないかぎり、Java Runtime Environment(JRE)を変更しないでください。Oracle Universal Installerにより、Oracleが提供するバージョンのJREが自動的にインストールされます。Oracle Universal Installerおよび複数のOracleアシスタントを実行するには、このバージョンが必要です。
ソフトウェアのインストール中にエラーが表示された場合は、付録Iのトラブルシューティング情報を参照してください。
Oracle Database Configuration Assistant (Oracle DBCA)を対話モードで実行するインストール・タイプを選択した場合は、データベースとネットワークの構成に関する詳細情報を指定する必要があります。
Oracle Database Configuration Assistantを対話モードで使用しているときに不明な点がある場合は、画面にある「ヘルプ」をクリックします。
注意: デフォルトのインストールを選択した場合、Oracle Database Configuration Assistantは対話的には実行されません。 |
関連項目: 『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のDBCAを使用したデータベースの作成および管理に関する項 |
Configuration Assistant作業が完了したら、「終了」、「終了」、「はい」の順にクリックしてOracle Universal Installerを終了します。
データベースのインストール中にOracle Universal Installerからroot
権限でスクリプトを実行するように求められた場合は、root
ユーザーとしてログインした端末で、次のようなコマンドを入力し、「OK」をクリックします。
# /script_path/script_name
詳細は、次の表にある「製品のインストール」画面の説明を参照してください。
Oracle Databaseをインストールした後に実行する必要がある作業の詳細は、第8章を参照してください。
次の表は、Oracle Database 12cのEnterprise Editionのインストール中に表示される様々な画面をまとめたものです。
画面 | アクション |
---|---|
セキュリティ・アップデートの構成 | 「電子メール」フィールドに、電子メール・アドレス(できればMy Oracle Supportの電子メール・アドレス)またはユーザー名を入力します。
セキュリティ・アップデートを受信するには、「セキュリティ・アップデートをMy Oracle Support経由で受け取る」チェック・ボックスを選択します。 「My Oracle Supportパスワード」フィールドに、My Oracle Supportのパスワードを入力します。 「次へ」をクリックします。 関連項目: 「データベース・セキュリティ通知オプション」 |
インストール・オプションの選択 | 次のいずれかのインストール・オプションを選択し、「次へ」をクリックします。
|
システム・クラス | データベース・インストール用のシステム・タイプを選択し、「次へ」をクリックします。
|
Gridインストール・オプション | 実行するデータベース・インストールのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。
|
インストール・タイプの選択 | 次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。
|
製品言語の選択 | このオプションを選択すると、製品を実行する言語を選択できます。
製品の言語を、「使用可能な言語」リストから選択して、「選択された言語」リストに移します。「次へ」をクリックします。 |
データベース・エディションの選択 | 「Enterprise Edition」、「Standard Edition」または「Personal Edition 2」を選択します。「次へ」をクリックします。
関連項目: Oracle Databaseとともにインストールされたコンポーネントを有効化および無効化する方法の詳細は、「データベース・オプションの有効化と無効化」を参照してください。 Oracle Databaseとともにインストールされたコンポーネントの構成方法の詳細は、「インストール後の製品固有の作業」を参照してください。 |
インストール場所の指定 | デフォルトでは、Oracleベースのパスが表示されます。このパスは要件に応じて変更できます。「Oracleベース」、「ソフトウェアの場所」を指定し、「次へ」をクリックします。
Oracleベース・ディレクトリは、Oracleインストールの所有者アカウントが所有するOracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。デフォルトのOracleベースのパスは 「ソフトウェアの場所」フィールドのデフォルト値を受け入れるか、OracleソフトウェアをインストールするOracleホームのディレクトリ・パスを入力します。ディレクトリ・パスに空白を含めないでください。「次へ」をクリックします。 注意: この画面は「拡張インストール」を選択した場合にのみ表示されます。 データベース・ホームのOracleホーム・パスおよびOracleベースのパスは、ASCII文字のみ使用できます。このリリースでは、Oracleデータベース・ホームまたはOracleベースでのASCII以外の文字の使用はサポートされません。 関連項目: 「ディレクトリのネーミング」および「必要なソフトウェア・ディレクトリの識別」 |
インベントリの作成 | この画面が表示されるのは、システムにOracleソフトウェアをインストールするのが初めての場合のみです。
コンピュータに初めてOracleソフトウェアをインストールする際には、Oracle Universal Installerにより、中央インベントリへのインベントリ・ディレクトリ・パスを指定するよう求められます。 Oracleインベントリ・ディレクトリを所有するオペレーティング・システム・グループ(Oracleインベントリ・グループ)のoraInventoryグループ名を選択します。 「次へ」をクリックします。 注意: デフォルトでは、Oracleインベントリ・ディレクトリはOracleベース・ディレクトリの下にインストールされません。これは、すべてのOracleソフトウェア・インストールで共通のOracleインベントリを共有するため、Oracleインベントリはすべてのユーザー用に1つしかありませんが、Oracleベース・ディレクトリはユーザーごとにあるからです。 |
構成タイプの選択 | 次のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。
これらの事前構成済データベース・タイプの説明は、Oracle Universal InstallerまたはOracle Database Configuration Assistantのオンライン・ヘルプを参照してください。 |
データベース識別子の指定 | 次の情報を指定して、「次へ」をクリックします。
データベース名 次の構文を使用して、グローバル・データベース名を指定します。 db_unique_name.db_domain
注意: データベース名(一意のデータベース名の先頭8文字)、デリミタおよびデータベース・ドメイン名の組合せは、最大128文字です。 次に例を示します。 sales.example.com
グローバル・データベース名を入力すると、Oracle Universal Installerにより、SID接頭辞にデータベース名が自動的に移入されます。この名前は、拡張インストールで変更できます。Oracle Universal Installerでは、SIDは12文字の英数字に限られ、SIDにアンダースコア(_)、ドル記号($)または番号記号(#)を含めることはできません。 「ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定」および「データベースの識別」を参照してください。 1つのプラガブル・データベース(PDB)をサポートできるマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)としてデータベースを作成するには、「コンテナ・データベースとして作成」オプションを選択します。Oracle Universal InstallerがCDBを作成する際にPDBも作成するようにする場合は、「プラガブル・データベース名」フィールドにPDB名を指定します。 PDB名は一意で、データベースのネーミング規則に準拠している必要があります。「データベースの識別」を参照してください。 追加のPDBを作成し、PDBを管理するには、Oracle Database Configuration Assistantを使用します。 関連項目: 『Oracle Database 2日でデータベース管理者』 |
構成オプションの指定 | 次の構成情報を指定して、「次へ」をクリックします。
メモリー: データベースでSGAとPGA間にメモリーを自動的に配分できるようにするには、「自動メモリー管理有効化」オプションを選択します。このオプションを選択しない場合は、SGAおよびPGAのサイズを手動で設定する必要があります。 関連項目: 「メモリー割当ての検討および自動メモリー管理」 キャラクタ・セット: このオプションを選択すると、文字データを次のいずれかの方法でデータベース内に格納できます。
関連項目:
「サンプル・スキーマ付きデータベースを作成」オプションはデフォルトでは選択されません。このオプションを選択してサンプル・スキーマ付きで初期データベースを作成できます。データベースを1つのPDBを備えたCDBとして作成した場合、サンプル・スキーマはPDBとして作成されます。 注意: デフォルトで、Oracleデータベースは拡張セキュリティ設定が含まれるよう構成されます。 |
データベース記憶域オプションの指定 | 次のいずれかのオプションを選択し、「次へ」をクリックします。
|
管理オプションの指定 | この画面には、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してデータベースを管理するオプションが示されます。「Enterprise Manager (EM) Cloud Controlへの登録」を選択し、Oracle Enterprise Manager Cloud Control構成の次の情報を指定して「次へ」をクリックします。
注意: Oracle Enterprise Manager Database Expressは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを登録したかどうかに関係なく、デフォルトで常にインストールおよび構成されます。 |
リカバリ・オプションの指定 | 次のいずれかのオプションを使用したリカバリを有効にするには、「リカバリの有効化」を選択します。
|
ASMディスク・グループの選択 | この画面は、記憶域オプションの指定画面でOracle Automatic Storage Managementを記憶域オプションとして選択した場合にのみ表示されます。
ディスク・グループはOracle Grid Infrastructureをインストールすると作成されます。ディスク・グループは、 この画面の表には、Oracle Grid Infrastructureをインストール中に作成された既存のディスク・グループが表示されます。データベース・ファイルの格納に使用するディスク・グループを選択します。 |
スキーマ・パスワードの指定 | 権限を持つデータベース・アカウント(SYS、SYSTEMおよびDBSNMP)のパスワードを入力および確認します。
データベースをCDBとして作成することを選択した場合は、Oracle Universal Installerにより、PDBADMINパスワードも要求されます。 「次へ」をクリックします。 注意: 必要に応じて、すべてのアカウントに同じパスワードを使用できます。ただし、アカウントごとに異なるパスワードを指定することをお薦めします。指定したパスワードを覚えておく必要があります。 |
権限付きオペレーティング・システム・グループ | オペレーティング・システム・グループがデフォルトで選択されています。OSDBA およびOSOPER グループを手動で選択することもできます。
「次へ」をクリックします。 |
前提条件チェックの実行 | このオプションでは、データベース・インストールを実行するための最小システム要件が満たされているかどうか確認できます。
「再チェック」をクリックすると、前提条件チェックが再度実行され、データベースのインストールを実行するための最小要件が満たされているかどうかを再確認できます。 問題を修正してからシステム要件を再チェックする場合は、「修正および再チェック」をクリックします。 注意: 「修正および再チェック」オプションにより、 関連項目: 詳細は、「インストール修正スクリプトの使用」を参照してください。 失敗した前提条件チェックのリストを取得するには、リストから「失敗を表示」を選択します。Oracle Universal Installerにより実行されるすべての前提条件チェックのリストを取得するには、「すべて表示」を選択します。成功した前提条件チェックのリストを取得するには、「成功を表示」を選択します。 注意: 「すべて無視」オプションを選択する場合は注意が必要です。このオプションを選択すると、Oracle Databaseをシステムに正常にインストールできるかどうかをOracle Universal Installerが確認できない場合があります。 |
サマリー | この画面に表示された情報を確認して、「インストール」をクリックします。
注意: 「レスポンス・ファイルの保存」をクリックすることで、すべてのインストール手順をレスポンス・ファイルに保存できます。後で、サイレント・インストールを実行する際にこのファイルを使用できます。 |
製品のインストール | この画面に、データベースのインストールの進捗が表示されます。このプロセス中、「構成スクリプトの実行」ウィンドウが表示されます。「OK」をクリックする前に必ず、この画面に表示されている構成スクリプトroot.sh 、およびorainstRoot.sh (必要な場合)をroot ユーザーとして実行してください。「次へ」をクリックします。
次に、この画面には、ソフトウェアの構成およびデータベースの作成を実行するコンフィギュレーション・アシスタントのステータス情報が表示されます。 Database Configuration Assistantプロセスの最後にメッセージが表示されます。データベース情報、特にOracle Enterprise Manager Database Express URLを確認してから、「OK」をクリックします。 注意: Oracleソフトウェアを初めてシステムにインストールする場合、Oracle Universal Installerで 関連項目: Oracle Database Configuration Assistantの詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。 |
終了 | この画面は、すべての構成ツールが成功すると自動的に表示されます。
「閉じる」をクリックします。 |
注意: インストールの完了後、Oracleソフトウェアの実行中に、/tmp/.oracle または/var/tmp/.oracle ディレクトリとそのファイルを手動で削除したり、削除するcron ジョブを実行しないでください。これらのファイルを削除すると、Oracleソフトウェアが断続的に応答しなくなる場合があります。Oracle Restartのインストールが次のエラーで失敗します。
CRS-0184: Cannot communicate with the CRS daemon. |
次の製品または機能の使用を予定している場合は、Oracle Database Examplesメディアから製品をダウンロードおよびインストールしてください。
Oracle JDBC開発ドライバ
Oracle Databaseのサンプル
Oracle Textのナレッジ・ベース
様々なOracle製品のデモ
Oracle Database Examplesメディアからのソフトウェアおよび様々なOracle製品のデモのインストールの詳細は、『Oracle Database Examplesインストレーション・ガイド』を参照してください。