ALTER DISKGROUP文でPOWER句を指定しなかった場合や、ディスクの追加または削除によってリバランスが暗黙的に実行される場合は、リバランス指数はデフォルトでASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの値になります。このパラメータの値は動的に調整できます。POWER句の値の範囲は、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータと同じです。ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの詳細は、「ASM_POWER_LIMIT」を参照してください。
指数が大きくなるほど、リバランス操作の完了は早くなります。指数の値が小さいほどリバランスにかかる時間は長くなりますが、データベースなどの他のアプリケーションで共有される処理とI/Oの消費リソースは少なくなります。
Oracle ASMでは、各パワーユニットのリバランスI/Oを保持しようとします。各I/Oは、リロケーションに含まれるエクステントのPGAメモリーが必要です。
デフォルト値の1を使用すると、他のアプリケーションへの影響は最小限に抑えられます。適切な値は、ハードウェアの構成とパフォーマンスおよび可用性の要件によって異なります。Oracle ASMでは、常に、使用可能なメモリーに適合するように指数が調整されます。
COMPATIBLE.ASMディスク・グループを11.2.0.2以上に設定すると、リバランス操作は、非同期I/Oを使用した1つのプロセスとして実行される可能性があります。リバランス・プロセスの詳細を参照するために、Oracle ASMアラート・ログを確認することができます。
ディスクが手動または自動で削除されたためにリバランスが進行中の場合は、リバランス指数を大きくすると、削除されたディスク上のデータの冗長コピーが他のディスク上で復元される間の時間枠は短くなります。
CONTENT.CHECKおよびTHIN_PROVISIONEDディスク・グループ属性を使用して、リバランスの動作に影響を与えることもできます。ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性の概要」を参照してください。
EXPLAIN WORK SQL文によって、リバランス操作の作業量が決定し、生成された計算は、V$ASM_ESTIMATEビューに表示されます。
次に例を示します。
EXPLAIN WORK FOR ALTER DISKGROUP data DROP DISK data_0000;
Explained.
SELECT est_work FROM V$ASM_ESTIMATE;
EST_WORK
--------
4211
EXPLAIN WORK SET STATEMENT_ID='online' FOR ALTER DISKGROUP data
ONLINE disk data_000;
Explained.
SELECT est_work FROM V$ASM_ESTIMATE WHERE STATEMENT_ID='online';
EST_WORK
--------
421
V$ASM_ESTIMATEビューでは、ASM_POWER_LIMITの調整用の情報と、リバランス操作の結果の指数が示されます。EST_WORK列には、リバランス操作の完了によって移動する必要がある割当て単位の見積り数が示されます。
V$ASM_OPERATIONのPASS列は、再同期およびリバランス操作のために更新されます。列の内容は、RESYNC、REBALANCEまたはCOMPACTになります。たとえば、次のSQL問合せでは、リバランス操作中のPASS列の値を示しています。
SQL> SELECT GROUP_NUMBER, PASS, STATE FROM V$ASM_OPERATION;
GROUP_NUMBER PASS STAT
------------ --------- ----
2 RESYNC WAIT
2 REBALANCE WAIT
2 COMPACT WAIT
ディスク・グループのリバランスの詳細は、「ディスク・グループの手動リバランス」を参照してください。