この項では、ディスク・グループのテンプレートの管理方法について説明します。内容は次のとおりです。
テンプレートは、Oracle ASMディスク・グループで作成されるファイルの属性を設定するのに使用します。ファイルが作成されると、明示的に名前が付けられたテンプレートや、ファイル・タイプのデフォルトのテンプレートであるシステム・テンプレートに基づいて、冗長性属性およびストライプ化属性が設定されます。
ディスク・グループが作成されると、Oracle ASMによりこのディスク・グループ用のデフォルトのテンプレート・セットが作成されます。このセットは、Oracle ASMでサポートされているファイル・タイプ(データファイル、制御ファイル、REDOログ・ファイルなど)ごとに1つのテンプレートで構成されています。たとえば、ONLINELOG
という名前のテンプレートは、Oracle ASMディスクに書き込まれるすべてのREDOログ・ファイルに対してデフォルトのファイルの冗長性属性およびストライプ化属性を指定します。デフォルトのテンプレート設定は、ディスク・グループのタイプに応じて異なります。標準冗長性のディスク・グループ用として、データファイルのデフォルトのテンプレートに双方向ミラー化が設定されますが、これに対応する高冗長性のディスク・グループとしては、デフォルトのテンプレートに3方向ミラー化が設定されます。これらのデフォルトのテンプレートは変更できます。
たとえば、標準冗長性のディスク・グループにおけるオンラインREDOログ・ファイル(ONLINELOG
テンプレート)のデフォルトの冗長性は、MIRROR
です。つまり、例4-1では、REDOログ・ファイル・エクステントのコピーの1つが障害グループcontroller1
のディスクに書き込まれる場合、そのファイル・エクステントのミラー化されたコピーが障害グループcontroller2
のディスクに書き込まれます。標準冗長性のディスク・グループのデフォルトのミラー化をサポートするには、少なくとも2つの障害グループを定義する必要があります。
表5-6は、対応するファイルに関連付けられたデフォルトのテンプレートおよび属性のリストです。この表に示すように、デフォルトのテンプレートごとの冗長性の初期値は、テンプレートが属しているディスク・グループのタイプによって決まります。
ALTER DISKGROUP
文の句を使用すると、ディスク・グループへの新しいテンプレートの追加、既存のテンプレートの変更、またはテンプレートの削除が可能です。テンプレートを追加するのは、独自の要件を満たす属性の組合せを正しく作成するためです。これにより、ファイルの作成時にテンプレート名を参照し、ファイル・タイプではなく個別ファイルに基づいて目的の属性を割り当てることができるようになります。
V$ASM_TEMPLATE
ビューには、Oracle ASMインスタンスで認識されているすべてのテンプレートの一覧が表示されます。V$ASM_TEMPLATE
ビューに表示される情報の例は、例6-10を参照してください。