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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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ディスク・グループのパフォーマンスおよびスケーラビリティに関する考慮事項

この項では、ディスク・グループのパフォーマンスの評価に関する次の考慮事項について説明します。

ディスク・グループ数の確認

次の基準を使用して、作成するディスク・グループ数を確認します。

  • 指定したディスク・グループ内のディスクは、サイズおよびパフォーマンス特性が類似している必要があります。サイズやパフォーマンスにおいて異なるタイプのディスクが複数ある場合は、類似する特性を含む複数のディスク・グループを作成してください。

  • データベース・ファイル用とバックアップ・ファイルの高速リカバリ領域用に個別のディスク・グループを作成します。この構成により、ディスク・グループの障害が発生した場合に高速リカバリが可能になります。

新規インストール用のディスク・グループの作成の詳細は、新規Oracleインストール用のディスク・グループの作成を参照してください。

ディスクをグループ化するときのパフォーマンス特性

Oracle ASMでは、ディスク・グループ内のすべてのディスクに対して、ファイル・エクステントを均一に分散することによって、ファイル・アクティビティのロード・バランシングを行います。この技術を有効にするには、1つのディスク・グループ内のディスクのパフォーマンス特性が類似している必要があります。たとえば、データベース作業領域用として予約されたディスク・グループ内には最新かつ最速のディスクを置き、高速リカバリ領域用として予約されたディスク・グループ内にはこれより遅いドライブを置きます。

状況によっては、サイズおよびパフォーマンス特性が異なるディスクが同じディスク・グループ内で一時的に共存しても問題ありません。これには、古いディスク・セットから新しいディスク・セットに移行する場合などがあります。この場合、新しいディスクが追加され、古いディスクが削除されます。古いディスクが削除されるときに、ディスク・グループのオンライン中にそのストレージが新しいディスクに移行されます。

Oracle ASMストレージの制限

Oracle ASMでは、今後の増加に対応するほぼ無制限の容量が提供されますが、いくつかのストレージの制限があります。Oracle ASMにはディスク・グループ、ディスクおよびファイルの数について、次のような制限があります。

  • Oracle Database 12cリリース1以降のストレージ・システムに511のディスク・グループ

  • 1つのストレージ・システムに10,000のOracle ASMディスク

  • ディスク・グループごとに100万のファイル

Oracle Exadataストレージがない場合、COMPATIBLE.ASMまたはCOMPATIBLE.RDBMSディスク・グループ属性が12.1未満に設定されているとき、Oracle ASMには次のようなストレージの制限があります。

  • Oracle ASMディスクごとに最大2TBのストレージ

  • ストレージ・システムに対して最大20PB

Oracle Exadataストレージがない場合、COMPATIBLE.ASMおよびCOMPATIBLE.RDBMSディスク・グループ属性が12.1以上に設定されているとき、Oracle ASMには次のようなストレージの制限があります。

  • 割当て単位(AU)サイズが1MBのOracle ASMディスクごとに最大4PBのストレージ

  • AUサイズが2MBのOracle ASMディスクごとに最大8PBのストレージ

  • AUサイズが4MBのOracle ASMディスクごとに最大16PBのストレージ

  • AUサイズが8MBのOracle ASMディスクごとに最大32PBのストレージ

  • ストレージ・システムに対して最大320EB

すべてのOracle Exadataストレージがある場合、Oracle ASMには次のようなストレージの制限があります。

  • AUサイズが1MBのOracle ASMディスクごとに最大4PBのストレージ

  • AUサイズが2MBのOracle ASMディスクごとに最大8PBのストレージ

  • AUサイズが4MBのOracle ASMディスクごとに最大16PBのストレージ

  • AUサイズが8MBのOracle ASMディスクごとに最大32PBのストレージ

  • ストレージ・システムに対して最大320EB

ディスク・グループの最大サイズの制限は、最大ディスク・サイズにディスク・グループ内の最大ディスク数(10,000)を乗じた値です。

すべてのディスク・グループ全体での最大ディスク数は10,000です。10,000のディスクは、1つのディスク・グループに含めることも、最大で511のディスク・グループに分散することもできます。これは必ずしもスピンドル数ではなくOracle ASMディスク数の制限です。ストレージ・アレイは、複数のスピンドルを単一のLUNにグループ化し、単一のOracle ASMディスクとして使用できます。

ファイル・サイズの制限は、ディスク・グループの互換性属性の値によって異なります。Oracle ASMでは、COMPATIBLE.RDBMSディスク・グループ属性が10.1より大きい値に設定されている場合、どの冗長性モードでも128TBを超えるファイル・サイズをサポートします。

COMPATIBLE.RDBMS10.1に設定されている場合、ファイル・サイズの制限はより小さくなります。たとえば、COMPATIBLE.RDBMS10.1で、AUサイズが1MBの場合、Oracle ASMファイル・サイズの制限は次のとおりです。

  • 外部冗長性: 16TB

  • 標準冗長性: 5.8TB

  • 高冗長性: 3.9TB

注意:

Oracle Databaseでは、ファイルシステムに応じて最大128TBのデータファイル・サイズをサポートします。また、DB_BLOCK_SIZE初期化パラメータによって異なるファイル・サイズの制限があります。

Oracle ASMディスク・グループの互換性属性の詳細は、ディスク・グループの互換性を参照してください。Oracle ASMファイル・サイズの制限の詳細は、表4-5を参照してください。