プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
次

acfsutil repl init

目的

Oracle ACFSファイルシステムのすべてのファイルまたは指定したタグのリストを持つファイルのみでレプリケーションを開始します。

構文および説明

acfsutil repl init -h
acfsutil repl init primary -s standby_connect_string [tagname...]
     [-m  standby_mount_point] [-c primary_service]
     [-d trace_level] [-z {on|off}] mount_point
acfsutil repl init standby -p primary_connect_string
     [-c standby_service] [-d trace_level] mount_point

acfsutil repl init -hは、ヘルプ・テキストを表示して終了します。

表16-33に、acfsutil repl initコマンドで使用可能なオプションを示します。

表16-33 acfsutil repl initコマンドのオプション

オプション 説明

primary

プライマリ・ファイルシステムのレプリケーションを指定します。

standby

スタンバイ・ファイルシステムのレプリケーションを指定します。

-s standby_connect_string

スタンバイ・ファイルシステムをホストしているサイトの接続文字列を指定します。接続文字列内のユーザーにはSYSASMおよびSYSDBA権限が必要です。Oracleウォレットを使用して、セキュリティ資格証明を管理する必要があります。

-p primary_connect_string

プライマリ・ファイルシステムをホストしているサイトの接続文字列を指定します。接続文字列内のユーザーにはSYSASMおよびSYSDBA権限が必要です。Oracleウォレットを使用して、セキュリティ資格証明を管理する必要があります。

tagname

レプリケートするファイルのタグ名を指定します。

-m standby_mount_point

スタンバイ・ファイルシステムがマウントされているディレクトリがプライマリ・ファイルシステムと異なる場合にそのディレクトリを指定します。これはプライマリ・ファイルシステムの初期化にのみ有効です。

-c primary_service

プライマリ・ファイルシステムのサービス名を指定します。プライマリ・ファイルシステムがスタンバイ・ファイルシステムとは異なるサービス名を使用している場合に必須です。

-c standby_service

スタンバイ・ファイルシステムのサービス名を指定します。スタンバイ・ファイルシステムがプライマリ・ファイルシステムとは異なるサービス名を使用している場合に必須です。

-d trace_level

レプリケーション・ログのトレース・レベル設定(0..6)を指定します。

-z on|off

レプリケーション・ログの圧縮をオンまたはオフにします。デフォルトでは圧縮はオフです。

mount_point

このファイルシステムがマウントされるディレクトリを指定します。repl init primaryでは、mount_pointはプライマリ・ファイルシステムを指定します。repl init standbyでは、mount_pointはスタンバイ・ファイルシステムを指定します。

acfsutil repl init primaryコマンドが正常に完了すると、指定したすべてのファイルの最初のコピーをスタンバイ・ファイルシステムにレプリケートする処理が開始します。さらに、これらのファイルへの変更や、プライマリ・ファイルシステム上のファイルシステムでその後作成された新しいファイルが取得され、スタンバイ・ファイルシステムに転送されます。しかし、コマンドが正常に完了しても、指定したファイルがスタンバイ・ファイルシステムに完全にコピーされたことは示されません。指定したすべてのファイルのスタンバイ・ファイルシステムへの最初のレプリケーションの進行を監視するには、ユーザーがacfsutil repl info -cコマンドを実行します。

最初のレプリケーション・コピー・プロセスの最初のフェーズは、ファイルシステムのディレクトリ・ツリー構造のスタンバイ・ファイルシステムへの完全なコピーから開始されます。ディレクトリ・ツリー内のファイルはコピーされません。このコピー・プロセスには、指定したタグなしのディレクトリが含まれます。コピー・プロセス中に、ディレクトリの名前を変更しようとすると失敗することがあります。ディレクトリ・ツリー構造がスタンバイ・ファイルシステムに正常にコピーされた後、レプリケーションの初期化は最初のコピー・プロセスの2番目のフェーズである、レプリケートするすべてのファイルのスタンバイ・ファイルシステムへのコピーを開始します。この最初のレプリケーション・フェーズの間にファイルはスタンバイ・ファイルシステムにコピーされ、そのファイルへの書込みおよび切捨てはブロックされます。

シンボリック・リンク・ファイルはそのままレプリケートされます。シンボリック・リンクが絶対パス名に解決され、そのパス名がスタンバイ・ファイルシステムに存在しない場合、シンボリック・リンクの参照はエラーになります。

新しいサービス名がレプリケーション用に作成される必要があります。+ASMサービス名は使用できません。複数のレプリケートされたファイルシステムがノードまたはクラスタ上にある場合、レプリケートする各ファイルシステムに対して一意のサービス名を指定する必要があります。

レプリケートされているファイルシステムはプライマリまたはスタンバイ・ファイルシステムの1つのパスにのみマウントできます。そうでない場合、複数のパスにマウントされているノード上のパスをディスマウントすると、レプリケーション・バックグラウンド・スレッドが停止します。

レプリケートされたOracle ACFSファイルシステムはクラスタ内の同じディレクトリにマウントされる必要があります。ファイルシステムは1つのクラスタ内のすべてのノードにマウントされる必要はありませんが、マウントされる場合は、acfsutil repl initコマンドで指定したディレクトリにマウントする必要があります。さらに、他のノードのそのディレクトリには他のファイルシステムはマウントできません。

1つのOracle ACFSファイルシステムは、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムの両方として構成できません。レプリケーションを同じホストまたは同じクラスタ内で構成する場合、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムは同じ名前のマウント・ポイントを使用できません。

プライマリ・ファイルシステムには、ファイルシステムをマウントする各ノードにつき最低4 GB必要です。スタンバイ・ファイルシステムには最低4GB必要です。これは、レプリケートされているデータ量およびプライマリ・ファイルシステムから送信されたレプリケーション・ログに必要なスペースには適切なサイズです。

プライマリとスタンバイ・ファイルシステムにホストしているサイトでは、同じオペレーティング・システムが実行中で、同じシステム・アーキテクチャである必要があります。

Oracleウォレットを使用して、セキュリティ資格証明を管理する必要があります。

関連項目:

  • Oracleウォレットの詳細は、『Oracle Databaseエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ管理者ガイド』を参照してください。

  • ウォレットの管理の詳細は、『Oracle Database SecureFilesおよびラージ・オブジェクト開発者ガイド』を参照してください。

  • SQLNET.ORAファイルのウォレット・パラメータの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。

このコマンドを実行するには、システム管理者権限が必要です。

例16-27に、プライマリおよびスタンバイ・ファイルシステムを設定するためのacfsutil repl initコマンドの使用方法を示します。これらの例では、接続文字列は、ユーザーのウォレット内で、エイリアスprimary_repl_siteまたはprimary_repl_siteに関連付けられたユーザー名およびパスワードを検索します。

例16-27 acfsutil repl initコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsutil repl init primary 
     -s /@standby_repl_site
     -m /standby/repl_data -c primary_repl_service 
     /acfsmounts/repl_data

$ /sbin/acfsutil repl init standby 
    -p /@primary_repl_site
    -c standby_repl_service /standby/repl_data