Oracle RACおよびOracle Clusterwareの監視には、Oracle Enterprise Managerを使用することをお薦めします。Oracle Enterprise Managerは、コンピューティング環境を監視および管理するためのOracleのWebベースの統合管理ソリューションです。Webブラウザを使用できる場所であれば、どこからでも、OracleのRACデータベース、アプリケーション・サーバー、ホスト・コンピュータおよびWebアプリケーションと、それらに関連するハードウェアやソフトウェアを管理できます。たとえば、Webブラウザが使用可能な場合、オフィス、自宅またはリモート環境からOracle RACデータベースのパフォーマンスを監視できます。
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlはクラスタ対応で、クラスタ・データベースを管理するセントラル・コンソールを用意しています。クラスタ・データベースの「ホーム」ページから、次のすべての操作を実行できます。
クラスタ内にあるノードの数や現在のステータスなど、全体的なシステム・ステータスの表示。この高レベルの表示機能を利用することで、包括的で集計的な情報のみを確認する場合に、個々のデータベース・インスタンスにアクセスして詳細を確認する必要がなくなります。
すべてのインスタンスから集計されたアラート・メッセージと各アラート・メッセージのソースのリストの表示。アラート・メッセージとは、特定のメトリックの条件に一致したことを表すインジケータです。メトリックとは、システムの状態の報告に使用される測定の単位です。
クラスタ全体に影響している問題および個々のインスタンスに影響している問題を確認します。
クラスタ・キャッシュ一貫性の統計を監視して、処理の傾向の識別やOracle RAC環境のパフォーマンスの最適化に役立てます。キャッシュ一貫性の統計によって、複数のインスタンスのキャッシュ内にあるデータがどの程度適切に同期化されているかが測定されます。データ・キャッシュが相互に完全に同期化されている場合、どのインスタンスのキャッシュからメモリーの場所を読み取っても、その場所に対して任意のインスタンスのキャッシュから書き込まれた最新のデータが戻されます。
Oracle Enterprise Managerは、特定期間のデータ(収集ベース・データという)を累積します。また、Oracle Enterprise Managerは、現在のデータ(リアルタイム・データ)も提供します。
『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』では、Oracle Enterprise Managerを使用したパフォーマンスの監視について詳細に説明しています。
Automatic Database Diagnostic MonitorおよびOracle RACのパフォーマンス