SQLパフォーマンス・アナライザを使用すると、本番システムでSQLチューニング・セットを取得し、データベース・リンクを介してSQLチューニング・セットをリモートで2回実行する(まず変更前のSQL試行を作成し、次に変更後のSQL試行を再度作成する)ことによって、Oracle Database 10gリリース2以上のリリースからそれ以上のリリースへのデータベースのアップグレードのSQLレスポンス時間に対する影響をテストできます。
データベースのアップグレードをテストする前に、次の条件が満たされていることを確認します。
テスト・システムには、本番システムに存在するものと完全に同一な本番データのコピーがある必要があります。
可能なかぎり本番システムと同じハードウェア構成にする必要があります。
また、Oracle Database 11gリリース2を実行する別のSQLパフォーマンス・アナライザ・システムを設定する必要があります。このシステムを使用して、SQLパフォーマンス・アナライザを実行します。このシステムでは、本番システムのSQLトレース・ファイルに格納されている統計を使用してSQLチューニング・セットが作成されるため、本番データおよびスキーマを使用できる必要はありません。SQLパフォーマンス・アナライザのタスクがテスト・システム上でリモートに実行され、指定したデータベース・リンクを介してSQL試行に対する実行計画および実行統計が生成されます。データベース・リンクは、DBMS_SQLPA
パッケージのEXECUTE
権限およびテスト・システムのADVISOR
権限を持つユーザーに接続するパブリック・データベース・リンクである必要があります。また、テスト・システム上のユーザーのスキーマから既存のPLAN_TABLE
を削除する必要もあります。
前述のとおりアップグレード環境を構成したら、Oracle Database 10g リリース2以上のリリースから以降のリリースへのデータベースのアップグレードでSQLパフォーマンス・アナライザを使用するために、次に説明する手順を実行します。