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Oracle® Database Testingガイド
12cリリース1 (12.1)
B71349-07
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8.2 Oracle Database 10gリリース2以上のリリースからのアップグレード

SQLパフォーマンス・アナライザを使用すると、本番システムでSQLチューニング・セットを取得し、データベース・リンクを介してSQLチューニング・セットをリモートで2回実行する(まず変更前のSQL試行を作成し、次に変更後のSQL試行を再度作成する)ことによって、Oracle Database 10gリリース2以上のリリースからそれ以上のリリースへのデータベースのアップグレードのSQLレスポンス時間に対する影響をテストできます。

データベースのアップグレードをテストする前に、次の条件が満たされていることを確認します。

  • アップグレードする本番システムで、Oracle Database 10gリリース2以上のリリースを実行しています。

  • 最初、テスト・システムも同じリリースのOracle Databaseを実行している必要があります。

  • テスト・システムには、本番システムに存在するものと完全に同一な本番データのコピーがある必要があります。

  • 可能なかぎり本番システムと同じハードウェア構成にする必要があります。

また、Oracle Database 11gリリース2を実行する別のSQLパフォーマンス・アナライザ・システムを設定する必要があります。このシステムを使用して、SQLパフォーマンス・アナライザを実行します。このシステムでは、本番システムのSQLトレース・ファイルに格納されている統計を使用してSQLチューニング・セットが作成されるため、本番データおよびスキーマを使用できる必要はありません。SQLパフォーマンス・アナライザのタスクがテスト・システム上でリモートに実行され、指定したデータベース・リンクを介してSQL試行に対する実行計画および実行統計が生成されます。データベース・リンクは、DBMS_SQLPAパッケージのEXECUTE権限およびテスト・システムのADVISOR権限を持つユーザーに接続するパブリック・データベース・リンクである必要があります。また、テスト・システム上のユーザーのスキーマから既存のPLAN_TABLEを削除する必要もあります。

前述のとおりアップグレード環境を構成したら、Oracle Database 10g リリース2以上のリリースから以降のリリースへのデータベースのアップグレードでSQLパフォーマンス・アナライザを使用するために、次に説明する手順を実行します。

  1. 本番システムで、分析対象のSQLワークロードを取得して、SQLチューニング・セットに格納します。詳細は、「SQLワークロードの取得」を参照してください。
  2. 可能なかぎり本番環境と一致するようにテスト・システムを設定します。詳細は、「テスト・システムの設定」を参照してください。
  3. SQLチューニングセットをSQLパフォーマンス・アナライザのシステムに転送します。

    SQLチューニング・セットの転送については、使用するツールに応じて次のマニュアルを参照してください。

    • Oracle Enterprise Managerを使用する場合は、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

    • APIの詳細は、『Oracle Database SQLチューニング・ガイド』を参照してください。

  4. SQLパフォーマンス・アナライザで、SQLチューニング・セットを入力ソースとして使用してSQLパフォーマンス・アナライザのタスクを作成します。

    テスト・システムで、データベース・リンクを介してSQLチューニング・セットのSQL文をリモートでテスト実行し、比較用のベースラインとして使用するアップグレード前のSQL試行を作成します。詳細は、「Oracle Database 10gリリース2以上のリリースからのデータベースのアップグレードのテスト」を参照してください。

  5. テスト・システムをアップグレードします。
  6. アップグレードしたテスト・システムで、データベース・リンクを介してSQL文をリモートで2回テスト実行し、アップグレード後のSQL試行を作成します。詳細は、「Oracle Database 10gリリース2以上のリリースからのデータベースのアップグレードのテスト」を参照してください。
  7. SQLパフォーマンスを比較し、パフォーマンスが低下したSQLを修正します。

    SQLパフォーマンス・アナライザでは、アップグレード前のSQL試行時にSQLチューニング・セットから読み取ったSQL文のパフォーマンスと、アップグレード後のSQL試行時にリモートのテスト実行によって取得したSQL文のパフォーマンスが比較されます。SQL文の実行計画またはパフォーマンスの変更内容を確認するためのレポートが生成されます。

    パフォーマンスが低下したSQL文がレポートに示された場合は、パフォーマンスが低下したSQLを修正するためにさらに変更を行うことができます。詳細は、「データベースのアップグレードをテストした後のパフォーマンスが低下したSQL文のチューニング」を参照してください。

    SQLチューニング・セットの実行およびそのパフォーマンスと以前の実行のパフォーマンスとの比較を繰り返して、分析結果に満足するまで、行った変更をテストします。