用途
CONNECTコマンドを使用すると、RMANとターゲット・データベース、補助データベースまたはリカバリ・カタログ・データベースとの接続を確立できます。
前提条件
データベースへのSQL*Plus接続と同様に、データベースへのRMAN接続が指定され、認証されます。唯一異なるのは、ターゲット・データベースまたは補助データベースへのRMAN接続では、SYSBACKUP権限またはSYSDBA権限が必要なことです。
関連項目:
SQL*Plusを使用する場合のデータベース接続オプションについては、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
SYSBACKUP管理権限の使用の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください
注意:
適切なセキュリティ・プラクティスとして、コマンドラインにプレーン・テキストでパスワードを入力しないことが必要です。RMANでは、RMANプロンプトで要求された場合にのみパスワードを入力してください。パスワード保護については、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
関連項目:
コマンドラインの接続オプションについては、「RMAN」を参照してください。
CONNECT TARGET、CONNECT CATALOGおよびCONNECT AUXILIARYコマンドは、そのコマンドで指定するデータベースにRMANがまだ接続されていない場合にかぎり、RMANプロンプトからのみ実行できます。別のターゲット、カタログまたは補助データベースに接続するには、新規RMANセッションを開始する必要があります。
使用上の注意
次のすべての条件が満たされている場合、RMANセッションはNOCATALOGモードで実行されます。
RMANの起動時に、CATALOGまたはNOCATALOGを指定しなかったこと。
RMANセッションで、CONNECT CATALOGをまだ実行していないこと。
RMANはマルチテナント環境でのバックアップおよびリカバリ操作の実行を完全にサポートします。マルチテナントのアーキテクチャによって、Oracle Databaseは、0、1または多数のユーザー作成のプラガブル・データベース(PDB)を含むマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)として機能することが可能になります。CDBまたはPDBへのRMAN接続を確立するプロセスは、非CDBの場合と似ています。オペレーティング・システム認証またはパスワード・ファイル認証のいずれかを使用できます。
関連項目:
マルチテナント・アーキテクチャの詳細は、『Oracle Database概要』を参照
マルチテナント環境の管理に関する詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照
CDBに接続するには、「connectStringSpec」の説明に従って、共通のSYSDBAまたは共通のSYSBACKUP権限を持つ共通ユーザーとしてrootに接続します。
PDBに接続するには、共通ユーザーまたはローカル・ユーザーのいずれかとして接続できます。接続を作成するユーザーは、「connectStringSpec」で説明する権限が必要です。
注意:
TARGETとしてPDBに接続すると、リカバリ・カタログに接続できません。
CDB全体またはrootでの操作を実行するには、TARGETとしてrootに接続します。接続を作成するユーザーは、共通のSYSDBAまたは共通のSYSBACKUP権限を持つ共通ユーザーである必要があります。複数のPDBでの操作を実行するには、TARGETとしてrootに接続します。接続を作成するユーザーは、共通のSYSDBAまたは共通のSYSBACKUP権限を持つ共通ユーザーである必要があります。単一のPDBでの操作を実行するには、TARGETとして、rootまたはPDBのいずれかに接続することができます。PDBに接続するには、接続を作成するユーザーは、「connectStringSpec」で説明する権限が必要です。
関連項目:
CDBおよびPDBへの接続の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください
セマンティクス
| 構文要素 | 説明 |
|---|---|
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RMANと補助データベース・インスタンスとの接続を確立します。 補助インスタンスは、 |
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RMANとリカバリ・カタログ・データベースとの接続を確立します。 リカバリ・カタログが仮想プライベート・カタログ( RMANがデフォルトの 注意: Data Guard環境でRMANを使用する場合は、リカバリ・カタログを使用する必要があります。 |
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RMANとターゲット・データベースとの接続を確立します。 注意: Data Guard環境では、RMANはフィジカル・スタンバイ・データベースに |
データベースの接続情報を指定します。 |
例
例2-58 リカバリ・カタログを使用しないターゲット・データベースへの接続
この例では、RMANをNOCATALOGモードで起動してから、Oracle Netサービス名がprod1のターゲット・データベースに接続します。sbuは、SYSBACKUP権限を付与されたユーザーです。
% rman NOCATALOG
RMAN> CONNECT TARGET "sbu@prod1 AS SYSBACKUP";
target database Password: password
connected to target database: PROD1 (DBID=39525561)
例2-59 デフォルトのNOCATALOGモードでのターゲット・データベースへの接続
この例では、CATALOGまたはNOCATALOGのいずれも指定せずに、RMANを起動してから、オペレーティング・システム認証を使用してターゲット・データベースに接続します。CONNECT CATALOGコマンドが実行されていないため、BACKUPコマンドを実行すると、RMANはデフォルトのNOCATALOGモードになります。
% rman RMAN> CONNECT TARGET / RMAN> BACKUP DATABASE;
RMANセッションのこの時点では、セッションがデフォルトのNOCATALOGモードになっているため、CONNECT CATALOGを実行できません。このセッションでカタログに接続しようとすると、次のエラーが発生します。
RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb RMAN-00571: =========================================================== RMAN-00569: =============== ERROR MESSAGE STACK FOLLOWS =============== RMAN-00571: =========================================================== RMAN-06445: cannot connect to recovery catalog after NOCATALOG has been used
例2-60 ターゲット・データベース、リカバリ・カタログ・データベースおよび補助データベースへの接続
この例では、ターゲット・データベースにはオペレーティング・システム認証機能を使用して接続し、リカバリ・カタログおよび補助データベースにはパスワード・ファイルを使用して接続します。sbuは、SYSBACKUP権限を付与されたユーザーです。RMANによって、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。
% rman RMAN> CONNECT TARGET; connected to target database: PROD (DBID=39525561) RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb; recovery catalog database Password: password connected to recovery catalog database RMAN> CONNECT AUXILIARY "sbu@dupdb AS SYSBACKUP"; auxiliary database Password: password connected to auxiliary database: DUPDB (not mounted)
例2-61 オペレーティング・システム認証を使用したrootへの接続
この例では、オペレーティング・システム認証を使用してCDBのrootに接続します。デフォルトでは、SYSDBA権限を使用して接続が確立されます。
%rman RMAN> CONNECT TARGET /
例2-62 ローカル・ユーザーとしてのPDBへの接続
この例では、hr_pdb PDBでSYSBACKUP権限を付与されたローカル・ユーザーsbu_pdbとして、PDB hr_pdbに接続します。hrpdbは、PDB hr_pdbに対応するネット・サービス名です。
%rman RMAN> CONNECT TARGET "sbu_pdb@hrpdb AS SYSBACKUP";