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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems
B71325-07
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2 Oracle RACおよびOracle RAC One Nodeのインストール

この章では、インストールの第2フェーズとして、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)およびOracle RAC One Nodeデータベースをインストールする手順について説明します。第1フェーズでは、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』の説明に従って、Oracle Clusterwareのインストールを実行します。


関連項目:

圧縮ファイルを開く方法や、インストール用のファイルの設定方法などの詳細は、ご使用のプラットフォーム用のOracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。

各インストール画面のオプションおよびプロンプトについては、インストール中に「ヘルプ」をクリックしてください。ログ・ファイルを参照するには、「詳細」をクリックしてください。


この章の内容は次のとおりです。

2.1 セキュリティ通知の連絡先の選択

次のクリティカル・パッチ更新での配布を待つには重大すぎると判断された脆弱性の修正に対しては、必要に応じてセキュリティ・アラートが発行されます。

インストール中に、「セキュリティ・アップデートの構成」画面で、セキュリティ通知の連絡先を指定するように求められます。次のいずれかのオプションを選択します。

  • インストールのセキュリティ情報を受信する電子メール・アドレスを指定します。

  • インストールのセキュリティ情報を受信し、セキュリティ更新に関してシステムを登録するMy Oracle Supportの電子メール・アドレスまたはアカウント名を指定します。My Oracle Supportを介して、アラートに関する情報を受信できます。

この情報は指定しないこともできますが、セキュリティ通知の連絡先を構成することをお薦めします。

セキュリティ更新で収集される情報は、構成情報にかぎられます。収集されるデータに個人情報は含まれません(送信上の問題に備えたローカルの連絡先名は除きます)。セキュリティ・アップデートの有効化を却下した場合でも、ライセンスされたすべてのOracle機能を使用できます。セキュリティ通知を受信しないようにするには、「セキュリティ・アップデートの構成」画面のすべてのフィールドを空白のままにし、「次へ」をクリックして続行します。

My Oracle Supportの資格証明を指定すると、インストールされたOracle製品に関する構成情報が、セキュリティ更新によって自動的に収集され、Oracleのサポート・システムにアップロードされます。収集された情報にはMy Oracle Supportアカウントを使用してアクセスし、セキュリティ・アラートに加え、ヘルス・チェック、パッチおよびその他の推奨事項を確認できます。


関連項目:

次のURLから参照可能な「Oracleセキュリティ・ポリシー」ページを参照してください。

http://www.oracle.com/us/support/assurance/fixing-policies/index.html


2.2 Oracle RACにおけるマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)と非CDBとの判定

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以上では、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)または非CDBであるOracle Databaseとしてデータベースを作成する必要があります。これは、Oracle RACデータベースにも適用されます。インストール・プロセスへの唯一の影響は、Oracle RACデータベースをCDBとして、または非CDBとして作成するかを選択することです。

プラガブル・データベース(PDB)は、Oracle Netクライアントに非CDBとして表示されるスキーマ、スキーマ・オブジェクトおよび非スキーマ・オブジェクトの移植可能な集合です。PDBはCDBに接続できます。CDBには、複数のPDBを含めることができます。各PDBは個別のデータベースとしてネットワーク上に示されます。

Oracle RACデータベースをCDBとして作成し、そのCDBに1つ以上のPDBを接続する場合、Oracle RACのCDBのどのインスタンスでもPDBはデフォルトで自動起動されません。PDBに(データベース名と同じ名前のデフォルトのデータベース・サービス以外の)最初の動的なデータベース・サービスが割り当てられると、PDBはサービスが実行されるインスタンスで有効になります。

Oracle RACの1つ以上のインスタンスでPDBが有効かどうかにかかわらず、CDBは通常PDBで実行されるサービスで管理されます。PDBをそのインスタンスで手動で起動することにより、Oracle RACのCDBの各インスタンスで手動でPDBのアクセスを有効にできます。


関連項目:

  • PDBの概念の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。

  • PDBの管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle RAC CDBの管理の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。


2.3 インストール・オプションの選択

「インストール・オプションの選択」ページには、次のオプションがあります。

  • データベースの作成および構成: このオプションを使用すると、特定のシステムのロード要求用に設計された事前構成済データベース・テンプレートを使用してデータベースを作成できます。たとえば、オンライン・トランザクション処理(OLTP)データベース、意思決定支援データベース、データ・ウェアハウス・データベースなどです。

  • データベース・ソフトウェアのみインストール: Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。インストール完了後にインストールされたユーティリティを使用して、データベースの構成を完了する必要があります。

  • 既存のデータベースのアップグレード: 既存のデータベースをアップグレードします。

Oracle Databaseソフトウェアをインストールする場合は、事前構成済データベース・オプションを使用するか、構成の選択ページで「詳細」オプションを選択してカスタム初期データベースを構成することをお薦めします。様々な事前構成済データベース・オプションの詳細は、「インストール・タイプの選択」を参照してください。

既存のOracleインストールが存在する場合、バージョン番号、パッチおよび他の構成情報を書き留めて、既存のインストールのためのアップグレード手順を確認します。インストールを進める前に『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を確認します。


関連項目:

アップグレード前、アップグレード後、互換性および相互運用性に関する最新の更新およびベスト・プラクティスについては、My Oracle SupportのNote 1462240.1から入手可能な「Oracle Upgrade Companion」を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1


2.4 Oracle Grid Infrastructureのデプロイメントに対するデータベース・タイプの選択

インストール中に、OUIによって、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureがインストールされているか検出されます。インストールされている場合は、作成するデータベースのタイプを指定する必要があります。

  • シングル・インスタンス・データベース

  • Oracle RACデータベース

  • Oracle RAC One Nodeデータベース

このクラスタ上にタイプが異なるデータベースを作成する予定である場合は、最も高度なオプションを選択します。たとえば、シングル・インスタンス・データベースとOracle RAC One Nodeデータベースのみを作成する場合は、Oracle RAC One Nodeデータベースのオプションを選択します。シングル・インスタンス・データベースとOracle RACデータベースを作成する場合は、Oracle RACデータベースのオプションを選択します。

クラスタの複数のノードでOracle RAC One Nodeをインストールできます。Oracle RAC One Nodeインストールは、Oracle RAC One Nodeプール・メンバーとして選択したノードのいずれかで、インスタンスを起動します。そのインスタンスが停止した場合、別のプール・メンバーにOracle RAC One Nodeインスタンスはフェイルオーバーします。この機能により、データベース・インスタンスと接続が他のクラスタ・ノードに移行され、高可用性が実現されます。


関連項目:

  • Oracle RAC One Nodeの詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。

  • 単一インスタンス・データベースのOracle RACへの変換の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。


2.5 クラスタ・データベースの管理タイプの選択

Oracle RACデータベースの作成時に、次のデータベース・タイプのいずれかを作成するように選択できます。

  • ポリシー管理型データベース: サーバーのプールに基づいてデータベース・インスタンスが自動的に管理され、リソースを効率的に使用できます。

  • 管理者管理型データベース: データベース・インスタンスは、クラスタ内の特定のサーバーに関連付けられます。


関連項目:

サーバー・プールおよび様々なクラスタ・データベース管理タイプの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

2.6 インストール・タイプの選択

Oracle Universal Installer (OUI)を実行してOracle RACをインストールする場合、「標準」または「拡張」のインストール・タイプを選択できます。

標準インストール・タイプでは、基本的な構成を使用して、Oracle Databaseのデフォルト構成をインストールします。インストール・タイプとして「標準」を選択することをお薦めします。

拡張インストールはカスタム・インストールで使用します。拡張インストール・タイプは、特定のコンポーネントをインストールに追加する場合、SYS、SYSTEMおよびDBSNMPアカウントに異なるパスワードが必要な場合、サーバーと異なるデータベース・キャラクタ・セットの使用が必要な場合、製品の言語の変更が必要な場合、その他、非標準の構成が必要な場合など、特定の要件があるときにのみ使用します。

インストール中に次のオプションのいずれかを使用する場合は、拡張インストール・タイプを選択する必要があります。

2.6.1 Oracle Databaseで提供される事前構成済データベースの種類

「汎用目的/トランザクション処理」タイプおよび「データ・ウェアハウス」タイプでは、各データベース・タイプに適した事前構成済データベース・テンプレートが使用されます。

インストール中に、OUIによってOracle Net Configuration Assistant(NETCA)およびDBCAが起動され、以降は入力しなくても事前構成済データベースがインストールされます。データベースのインストール中、OUIにプログレス・バーが表示されます。

これら2つの構成タイプのDBCAの処理によって、初期データベースが作成され、Oracleネットワーク・サービスが構成されます。

2.6.2 「詳細」データベース構成の使用

このインストール・タイプを使用して利用可能な「詳細」構成オプションには、Oracle RAC、Automatic Storage Management、バックアップとリカバリ構成、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlとの統合、よりきめ細かいメモリー・チューニングおよびその他のオプションが含まれています。

2.6.3 他の言語でのOracle Databaseのインストール

データベースまたはデータベースで実行されているアプリケーションで、デフォルト(英語)以外の言語を使用するには、拡張インストールを使用する必要があります。


関連項目:

キャラクタ・セットおよび言語構成の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。


2.7 Oracle Database構成タイプの選択

OUIで「拡張インストール」オプションを選択した場合、「汎用目的/トランザクション処理」「データ・ウェアハウス」または「詳細」のデータベース構成タイプが選択できます。「標準インストール」オプションを選択した場合、データベース構成タイプはデフォルトで「汎用目的/トランザクション処理」に設定されます。

「詳細」構成を選択すると、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して、第2章「Oracle RACおよびOracle RAC One Nodeのインストール」の説明に従ってデータベースを作成できます。データベース作成には、DBCAを使用することをお薦めします。

2.8 データベース名の選択

データベース名の入力フィールドは、次のOracle初期化パラメータ値の設定に使用されます。

  • DB_NAME

  • DB_UNIQUE_NAME

  • DB_DOMAIN

Oracle RAC環境では、データベース名(DB_UNIQUE_NAME)部分は30文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)およびシャープ記号(#)を使用できますが、先頭は英字である必要があります。その他の特殊文字はデータベース名に使用できません。データベースのDB_NAMEパラメータは、データベース名の最初の8文字に設定されます。

グローバル・データベース名のドメイン部分(DB_DOMAIN)は、128文字以内にします。ドメイン名にアンダースコア(_)は使用できません。DB_UNIQUE_NAME.DB_DOMAINの値は、それ全体で企業において一意である必要があります。

たとえば、データベースのグローバル・データベース名がorl$racprod2551.example.comの場合(インストール時に指定したもの)、次の値が初期化パラメータに使用されます。

DB_UNIQUE_NAME orl$racprod2551
DB_DOMAIN example.com
DB_NAME orl$racp

SID接頭辞は、データベース名の最初の8文字です。SID接頭辞には、a-z、A-Zおよび0-9の文字のみを使用できます。SID接頭辞には、オペレーティング・システムの特殊文字を含めることはできないため、データベース名の最初の8文字に特殊文字を使用した場合、この特殊文字はSID接頭辞では省略されます。各データベースに1つのSID接頭辞があります。データベースのSID接頭辞は、クラスタ内で一意である必要があります。

Oracle RACデータベースの場合、各インスタンスに、SID接頭辞とインスタンス番号で構成される一意の識別子(ORACLE_SID)があります。Oracle RACデータベース・インスタンスのORACLE_SIDは、そのデータベースに選択した管理方法に応じて異なる方法で生成されます。ポリシー管理型のデータベースを選択した場合、Oracleはname_# (nameはDB_UNIQUE_NAMEの最初の8文字の英数字で、#はインスタンス番号)という形式のSIDを生成します。管理者管理型のデータベースを選択した場合、DBCAはインスタンス名のSIDを先に生成し、SIDはname#という形式になります。

Oracle RAC One Nodeデータベースの場合、インスタンスはORACLE_SID_1で、これはSID接頭辞に「_1」を加えて構成されています。オンライン再配置の際には、2番目のインスタンスORACLE_SID_2が起動し、再配置の完了後にはそれが唯一のインスタンスになります。次のオンライン再配置では、新しいインスタンスとしてORACLE_SID_1が使用されます。

たとえば、データベースのDB_UNIQUE_NAMEorl$racprod2551の場合、次のSID値が使用されます。

データベースまたはインスタンスのタイプ ORACLE_SIDに使用される値
シングル・インスタンスのOracle Database orlracpr
ポリシー管理型のOracle RACインスタンス orlracpr_1
管理者管理型のOracle RACインスタンス orlracpr1
Oracle RAC One Nodeデータベース・インスタンス orlracpr_1

2.9 データベースのパスワードの作成

パスワードの指定では、次のガイドラインに従います。

  • パスワードは8から30文字で指定する必要があります。

  • パスワードには、ASCIIキャラクタ・セットの文字を使用する必要があります。

  • パスワードの最初の文字を数字にすることはできません。

  • パスワードとアカウント名は異なる必要があります。

  • パスワードにOracle予約語は使用できません。

  • SYSアカウント・パスワードにchange_on_installは使用できません。

  • SYSTEMアカウント・パスワードにmanagerは使用できません。

  • すべてのアカウントに同じパスワードを使用する場合、change_on_installmanagerまたはdbsnmpではないパスワードを使用する必要があります。

  • パスワードには少なくとも、英字1文字、数字1文字、句読点1文字を含める必要があります。

  • パスワードに、welcomeaccountdatabaseoracleuserなどの単純でわかりやすい語を使用しないでください。

2.10 インストール中のOUIおよびDBCAの動作の理解

Oracle Databaseのインストールが完了すると、OUIによってDBCAが起動され、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに従ってデータベースが作成されます。OFAガイドラインによるインストレーションでは、標準的なファイルのネーミング方法および配置方法に従って、DBCAによりデフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を含むデータベース・ファイルが作成されます。

データベースの作成または削除を行うために、DBCAをスタンドアロン・モードで使用することもできます。


関連項目:


2.10.1 インストール後のデータベース・サービスの管理

DBCAを使用してOracle RACデータベースのデータベース・サービスを管理することはできません。Oracle RACデータベースのデータベース・サービスのすべての管理および監視には、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)、Oracle Enterprise Manager Database ExpressまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してください。

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlインストール・メディアで、または次のWebサイトにあるOracle Technology NetworkのWebサイトで別途入手できます。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html


関連項目:

Oracle Enterprise Managerを使用したサービス管理の詳細は、Oracle Enterprise Manager Real Application Clustersガイドのオンライン・ヘルプを参照してください。


2.11 Oracle Universal Installerを使用したOracle RACのインストール

Oracle Database 12c リリース1 (12.1)とOracle RACをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. SSHで他のノードにアクセスできることを確認します。OUIでは、Oracle RACインストールを実行しているユーザー・アカウントで、パスワードなしのSSHを設定できる必要があります。OUIで自動的にこれを設定することも、インストールを開始する前にシステム管理者が設定することもできます。

  2. OUIを実行する端末を開き、Oracle Databaseインストールの所有者になるユーザー・アカウント(oracleなど)でログインします。

    sttyコマンドを無効にできない場合、またはOUIからのSSHの自動構成を妨げるその他の制限がある場合は、OUIを起動する前に、SSHを構成し、有効にしておく必要があります。

  3. インストール中、rootユーザーとしてスクリプトを実行するように求められるため、suまたはsudoの資格証明を持っていることを確認します。

  4. Oracle Database 12c リリース1 (12.1)インストール・メディアまたはインストール・バイナリをダウンロードした場所からrunInstallerコマンドを起動します。たとえば、ソフトウェアのバイナリをダウンロードした場所が/home/oracle/oracleswである場合、次のコマンドを入力します。

    $ cd /home/oracle/oraclesw
    $ ./runInstaller
    
  5. OUIのプロンプトに従って情報を入力するか、またはrootとしてスクリプトを実行します。インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。ログ・ファイルを確認するには、「詳細」をクリックしてください。


    注意:

    root.shスクリプトを、Oracle RACのインストールまたはアップグレード用のクラスタ内のすべてのノードで同時に実行できます。

    インストール中に問題が発生した場合は、インストール・ログ・ファイルに記録されているOUI の動作を調査します。ログ・ファイルは、この例に示すように、Oracle Inventoryディレクトリにインストール・プロセスのタイムスタンプ(date_time)を含む名前で格納されています。

    OraInventory/logs/installActionsdate_time.log
    

    注意:

    Oracle DatabaseおよびOracle RACソフトウェアは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアをインストールしたホームにはインストールしないでください。

    Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureホームの一部であるため、Oracle RACのインストール中にアップグレードできません。


インストールの第2フェーズ(最終フェーズ)を完了したら、第5章「Oracle Real Application Clustersのインストール後の手順」に進んでインストール後の作業を実行します。


注意:

インストールおよびデータベース作成の完了後に、データベースにOracle Database 12cリリース1 (12.1)製品をさらにインストールする場合は、追加の製品をインストールする前に、Oracleホームで実行されているすべてのプロセスを停止する必要があります。OUIで特定の実行ファイルやライブラリが再リンクするには、データベース・プロセスをすべて停止する必要があります。詳細は、付録D「既存のOracle RACデータベースでのプロセスの停止方法」を参照してください。

2.12 Oracle Universal Installerを使用したOracle RAC One Nodeのインストール

Oracle RAC One Nodeをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. OUIを実行する端末を開き、Oracle Databaseインストールの所有者になるユーザー・アカウント(oracleなど)でログインします。

    sttyコマンドを無効にできない場合、またはOUIからのSSHの自動構成を妨げるその他の制限がある場合は、OUIを起動する前に、SSHを構成し、有効にしておく必要があります。

  2. インストール中、rootユーザーとしてスクリプトを実行するように求められるため、suまたはsudoの資格証明を持っていることを確認します。

  3. Oracle Database 12c リリース1 (12.1)インストール・メディアまたはインストール・バイナリをダウンロードした場所からrunInstallerコマンドを起動します。たとえば、ソフトウェアのバイナリをダウンロードした場所が/home/oracle/oracleswである場合、次のコマンドを入力します。

    $ cd /home/oracle/oraclesw
    $ ./runInstaller
    
  4. Oracle RAC One Nodeデータベースの構成を選択し、Oracle RAC One Nodeが実行されるすべてのノードでOracle RACのインストールを選択します。

  5. OUIのプロンプトに従って情報を指定します。インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。ログ・ファイルを参照するには、「詳細」をクリックしてください。


    注意:

    root.shスクリプトを、Oracle RACのインストールまたはアップグレード用のクラスタ内のすべてのノードで同時に実行できます。

    インストール中に問題が発生した場合は、インストール・ログ・ファイルに記録されているOUI の動作を調査します。ログ・ファイルは、この例に示すように、Oracle Inventoryディレクトリにインストール・プロセスのタイムスタンプ(date_time)を含む名前で格納されています。

    OraInventory/logs/installActionsdate_time.log
    

    注意:

    データベースのインストールで使用するOracleホームの名前とパスは、第1フェーズのOracle Grid Infrastructureのインストール時に使用したホームとは異なるものにする必要があります。Oracle DatabaseおよびOracle RACソフトウェアは、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureソフトウェアをインストールしたホームにはインストールしないでください

    Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureホームの一部であるため、Oracle RACのインストール中にアップグレードできません。


2.13 Oracle Database Vaultオプションのインストール

Oracle Database Vaultをインストールして構成するには、インストール中およびインストール後に操作が必要です。この項の内容は次のとおりです。


関連項目:

インストール時に構成されるDatabase Vaultのアカウントおよびロールの詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

2.13.1 Oracle Database Vaultインストールでのリスナーの起動

リスナーおよびデータベース・インスタンスは、インストールを行ったノードを含むすべてのOracle RACノードで起動する必要があります。Oracle Database Vaultに構成するOracle RACインスタンスを起動および停止するには、Server Control (SRVCTL)を使用します。Oracle RACインスタンスの起動および停止に、SQL*Plusは使用しないでください。

2.13.2 DBCAを使用したOracle Database Vaultの構成

DBCAを使用したインストール後にOracle Database Vaultを構成したり、Oracle Database Vaultを構成しないように選択することもできます。

DBCAを使用し、Oracle Database Vaultをインストールするには、次の手順に従います。

  1. Oracle RACをインストールし、次いでデータベースを作成します。

  2. DBCAを起動し、「データベースの構成」オプションを選択します。

  3. コンポーネントのリストから「Oracle Label Security」「Oracle Database Vault」を選択します。

  4. 必要なOracle Database VaultユーザーIDとパスワードを指定し、構成を続行します。別のOracle Database Vault管理者を有効にする場合は、DV_ACCTMGRユーザーを構成します。

  5. 完了したら、各データベース・インスタンスを再起動し、ソフトウェア構成を終了します。


関連項目:

Oracle Database VaultでOracle Data Guardを使用する方法の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。