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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems
B71325-07
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Oracle RACのこのリリースの変更点

この章では、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』の変更点をあげます。

Oracle Database 12cリリース1での変更点

Oracle Database 12cリリース1の『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』の変更点は次のとおりです。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)の新機能

  • Oracle ASMフィルタ・ドライバ

    Oracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)は、Oracle ASMディスクのI/Oパスに常駐するカーネル・モジュールです。Oracle ASMがすべてのI/Oリクエストを検証する際に使用されます。

    フィルタ・ドライバは、有効と判定されなかったI/Oリクエストがあるとそれを拒否します。Oracle ASMディスクに対して誤った書込みがあると、Oracle ASMディスクとディスク・グループ内のファイルに破損が生じますが、この処理によってそのような事態が排除されます。たとえば、フィルタ・ドライバは、不慮の書込みの原因になりうるOracle以外のI/Oをすべて排除します。

    Oracle ASMFDの構成と管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • 高速ホーム・プロビジョニング

    高速ホーム・プロビジョニングは、クラウド・コンピューティング環境で、データベース、ミドルウェア、アプリケーションなどのOracleソフトウェアのホーム・イメージ(ゴールド・イメージと呼ばれます)を格納する単一のクラスタから、ソフトウェアのホームをノードにデプロイする方法です。高速ホーム・プロビジョニング・サーバー(RHPS)クラスタは、高速ホーム・プロビジョニング・クラスタ(RHPC)のゴールド・イメージを提供します。


    関連項目:


  • ClusterおよびOracle RACの診断ツールの強化

    トレース・ファイル・アナライザ(TFA)コレクタは、Oracle Grid Infrastructureのインストール時に自動的にインストールされます。トレース・ファイル・アナライザ・コレクタは、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACシステムの診断データの収集を簡素化する、診断を収集するためのユーティリティです。


    関連項目:

    トレース・ファイル・アナライザ・コレクタの使用に関する詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリの自動インストール

    グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリは、Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1.0.2)とともに自動的にインストールされます。

  • Oracle RACキャッシュ・フュージョン・アクセラレータ

    Oracle RACは、キャッシュ・フュージョン・プロトコルとグローバル・キャッシュ・サービス(GCS)を使用して、高速で信頼性の高いインスタンス間データ通信をOracle RACクラスタで実現するため、複数インスタンスの個々のメモリー・バッファ・キャッシュが、データベースに対して1つのグローバル・キャッシュとして機能します。キャッシュ・フュージョン・プロバイダを使用すると、ほとんどのアプリケーションでほぼリニアなスケーラビリティが実現します。このリリースでは、すべてのアプリケーションでスケーラビリティを強化するキャッシュ・フュージョン・プロトコルのアクセラレーション機能が用意されています。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)の新機能

  • DBUAを使用したデータベースのアップグレードの自動化

    次の3つの面を拡張することで、アップグレードが使いやすくなります。まず、アップグレード前フェーズでは、これまでの手動手順がなくなります。より明示的なアドバイスを指定するか、アップグレード前フェーズで特定された問題を見つけるために修正スクリプトを生成します。次に、アップグレード後フェーズでは、アップグレード後のヘルス・チェックを行い、アップグレードが正常終了したことを示します。最後に、パートナ・ドキュメント(SAPなど)や大口顧客のアップグレード・ドキュメントを使用して、幅広い顧客ベースのために自動化および一般化できる手動手順を特定します。

    アップグレード・プロセスの自動化によって非常に使いやすくなりました。また、クラスタ用Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlとデータベース・アップグレードの統合も強化されています。

    『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • DBCAでのマルチテナント・コンテナ・データベースおよびプラガブル・データベースの構成のサポート

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以上では、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)によって、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)または非CDBのいずれかを作成できます。CDBは、0(ゼロ)、1またはそれ以上のプラガブル・データベース(PDB)で作成できます。

    また、データベースのインストール中に、1つPDBを含むCDBを作成することが可能です。

    『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • クラスタ状態モニター(CHM)の拡張

    CHMは、Oracle Flex Clusterの実装をより効率的にサポートできるように拡張されました。これらの拡張により、スタックの監視に必要なリソースを最小限に抑えながら、Oracle Flex Clusterを円滑に実行できます。

    Oracle Clusterware管理およびデプロイメントに関するガイドを参照してください。

  • Oracle Flex ASMサーバー

    Oracle Flex ASMを使用すると、データベース・サーバーとは異なる物理サーバーでOracle ASMインスタンスを実行できます。多くのデータベース・クライアントをサポートするために、多くのOracle ASMインスタンスをクラスタ化できます。

    Oracle Flex ASMは、それぞれは1つのインスタンスですがフレックスASMクラスタで実行されており、データベースのコレクションへの適応が可能です。

    『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Flex Clusters

    Oracle Flex Clusterは新しい概念であり、少数のノード数を持つ従来の密結合クラスタを、多数の疎結合ノードと結合します。この新しい概念を使用して構築可能な様々な構成をサポートするために、SRVCTLは新しいコマンドおよびコマンドのオプションを提供して、インストールおよび構成を容易にします。

    Oracle Clusterware管理およびデプロイメントに関するガイドを参照してください。

  • パブリック・ネットワークに対するIPv6のサポート

    Oracle Clusterware 12cリリース1 (12.1)では、IPv6ベースのパブリックIPアドレスおよびパブリックVIPアドレスがサポートされます。

    IPv6ベースのIPアドレスは、今日のデータ・センターにおける情報技術のインフラストラクチャに関する最新規格です。このリリースにおいて、Oracle RACおよびOracle Grid Infrastructureはこの規格をサポートしています。インストール中に、同じネットワーク上のIPv4アドレスまたはIPv6アドレスのいずれかで、クラスタ・ノードを構成できます。データベース・クライアントは、IPv4アドレスまたはIPv6アドレスのいずれかに接続できます。単一クライアント・アクセス名(SCAN)リスナーは、クライアント・リクエストのIPプロトコルに関する適切なデータベース・リスナーに、クライアント接続を自動的にリダイレクトします。

    『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • マルチプロセス・マルチスレッド化されたOracle Database

    Oracle Database 12cから、Oracle Databaseでオペレーティング・システム・スレッドが使用され、リソースの共有が可能になり、リソース消費が低減されます。

    『Oracle Database概要』を参照してください。

  • Oracle ACFS監査および監査データをOracle Audit Vault Serverにインポートするためのサポート

    この機能は、Oracle ACFSのセキュリティおよび暗号化に対する監査を行います。また、この機能では、Oracle Audit Vault ServerによってインポートできるOracle ACFS監査証跡データを含むXMLファイルの生成も行います。

    『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Manager Database Express 12c

    Oracle Database 12cでは、Oracle Enterprise Manager Database Expressが導入されましたが、これは特別なインストールや管理を必要としない、Oracle Databaseに組み込まれているWeb管理製品です。Oracle Enterprise Manager Database Expressを使用すると、管理タスク(ユーザー・セキュリティの管理、データベースのメモリーや記憶域の管理など)を実行できます。また、データベースのパフォーマンスおよびステータス情報を表示できます。

    Oracle Database 12cから、Oracle Enterprise Manager Database Controlが非推奨となったことに注意してください。

    『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。

  • ポリシーベースのクラスタ処理および管理

    Oracle Grid Infrastructureによって、1つのクラスタで複数のアプリケーションの実行が可能です。ポリシーベースのアプローチを使用すると、これらのアプリケーションで導入されたワークロードを、ポリシーを使用してクラスタ全体で割り当てることができます。また、ポリシー・セットを使用すると、時間の経過とともに必要に応じて異なるポリシーをクラスタに適用できます。ポリシー・セットはWebベースのインタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して定義できます。

    同じクラスタで様々なワークロードをホストすることによって、高可用性およびスケーラビリティを実現する共有インフラストラクチャへワークロードを集約できます。集中管理されたポリシーベースの手法を使用することによって、要求の変更に応じてリソースの動的な再割当ておよび優先順位付けが可能です。

    Oracle Clusterware管理およびデプロイメントに関するガイドを参照してください。

  • Oracle Database Vaultインストールの簡略化

    Oracle Database 12cから、Oracle Database Vaultが、Oracle Databaseインストールの一部として、デフォルトでインストールされるようになりました。ただし、Oracle Databaseのインストール後に、DBCAを使用するか、またはSQL文を実行して、Oracle Database Vaultの構成、有効化または無効化を行うことができます。

    『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

  • データベース管理義務の分離のサポート

    Oracle Database 12cでは、SYSDBA管理権限を必要としないタスク固有の最も権限の少ない管理権限を導入することによって、Oracle Databaseの管理職務の分離をサポートしています。これらの新しい権限には、バックアップおよびリカバリのSYSBACKUP、Oracle Data GuardのSYSDGおよび暗号化鍵管理のSYSKMがあります。

    『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

  • データベース監査構成の統合

    Oracle Database 12cから、名前付きの監査ポリシーを作成できます。監査ポリシーには一連の監査オプションが含まれ、データベースにオブジェクトとして格納されます。名前付き監査ポリシーを作成する利点は、データベース監査ポリシーの作成に必要なコマンド数が減ることと、セキュリティおよび条件付き監査への準拠を目的とした監査構成の実装が簡素化されることです。この新しい監査ポリシー・フレームワークは、データベース・インストールに含まれています。

    『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

非推奨となった機能

次の機能は今回のリリースで非推奨となり、別のリリースではサポートされない可能性があります。このリリースの非推奨となった機能の完全なリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • 単一文字のSRVCTLコマンドライン・インタフェース(CLI)オプションの非推奨

    すべてのSRVCTLコマンドは、単一文字オプションのかわりにフルワード・オプションを受け入れるように拡張されました。このリリースで追加されたすべての新しいSRVCTLコマンド・オプションは、フルワード・オプションのみをサポートし、単一文字オプションを備えていません。SRVCTLコマンドでの単一文字オプションの使用は、今後のリリースではサポートされない可能性があります。

  • スタンドアロン削除ツールの変更点

    削除ツールはデータベースのインストール・メディアに統合されるようになりました。

    第8.3.1項「削除ツールについて」を参照してください。

  • -cleanupOBaseの非推奨

    削除ツールの-cleanupOBaseフラグは、このリリースでは非推奨です。このフラグの代替機能はありません。

  • Oracle Enterprise Manager Database Controlは、Oracle Enterprise Manager Database Expressに置き換えられています。

  • スタンドアロンの削除ユーティリティは、Oracle Universal Installer (OUI)を使用する削除オプションに置き換えられています。

サポート対象外となった機能

次の機能は、Oracleではサポートされなくなりました。このリリースにおけるサポート対象外の機能の完全なリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Manager Database Control

  • CLEANUP_ORACLE_BASEプロパティが削除され、Oracleベースでの削除がサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでの削除中にサポートされなくなりました。

その他の変更

このリリースでの追加変更は次のとおりです。

  • Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Real Application Clustersは32ビットのハードウェア・プラットフォームではサポートされていません。

  • PMON (プロセス・モニター)は、インスタンス、サービス、ハンドラおよびエンドポイントについてリスナーに通知するために、LREG (リスナー登録プロセス)に置き換えられました。