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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems
B71325-07
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B スクリプトまたはレスポンス・ファイルを使用したOracle RACデータベースの作成

この付録では、スクリプトを使用してOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースを作成できる非対話型インストールの手順について説明します。


注意:

Database Configuration Assistant(DBCA)によって生成されるスクリプトは、参照用です。データベース作成には、DBCAを使用することをお薦めします。


関連項目:

スクリプトの生成の詳細は、Oracle Universal Installer NextGenインストレーション・ガイドを参照してください。

この付録の内容は次のとおりです。

B.1 DBCAを使用したOracle RAC用のインストール・スクリプトの生成

Oracle RACデータベースを作成するスクリプトを生成し、そのスクリプトを使用してデータベースを作成し、そのデータベースを使用するために準備を行うには、次の手順を実行します。

  1. DBCAを起動し、推奨オプションを選択してOracle RACデータベースを作成します。

    DBCAセッションの「作成オプション」ページで、「データベースの作成」の選択を解除し「データベース作成スクリプトの生成」を選択してから「終了」をクリックします。スクリプトには、デフォルトの宛先ディレクトリを使用するか、または別の位置を検索して指定できます。いずれの場合も、次の手順で使用するパス名を記録しておく必要があります。


    関連項目:

    DBCAセッションの実行の詳細は、第3章「DBCAによるOracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースの作成」を参照してください。

  2. DBCAで作成したスクリプトが格納されているディレクトリに移動し、必要な特性でデータベースを作成する文がSQLスクリプトに含まれていることを確認します。含まれていない場合は、手動でスクリプトを編集するのではなく、DBCAを再実行して必要な構成を持つスクリプトを作成することをお薦めします。

  3. DBCAセッションで指定した各クラスタ・ノードで、スクリプトsid.shを実行します。sidは、DBCAの「データベース名」ページで入力したSID接頭辞です。

  4. SPFILEで初期化パラメータcluster_databaseTRUE値に設定します(設定するには、SQL*PlusでALTER SYSTEM文を実行するか、各インスタンスのPFILEで、この初期化パラメータをコメント解除します)。

  5. 第7章「Oracle RAC用にインストールされた構成の理解」に従って、新しいデータベースおよびインスタンスをサポートするようにOracle Net Servicesを構成します。

  6. SPFILEでREMOTE_LISTENERパラメータをSCAN (scanname:scanport)に設定します(設定するには、SQL*PlusでALTER SYSTEM文を入力するか、または各インスタンスのPFILEでこのパラメータをコメント解除します)。

  7. サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)を実行して、データベースおよびインスタンス・アプリケーションを構成して、起動します(『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照)。


    関連項目:

    Oracle Universal Installer (OUI)を使用してOracleソフトウェアをインストールするためのスクリプトの生成および使用の詳細は、Oracle Universal Installer NextGenインストレーション・ガイドを参照してください。

B.2 Oracle RACでのDBCAの非対話型(サイレント)構成の概要

DBCAを使用して、Oracle RACで非対話型(サイレント)構成を実行できます。サイレント構成を実行するには、Oracle Grid Infrastructure(Oracle ClusterwareおよびOracle ASM)のインストールを完了してから、Oracle Databaseホームでroot.shスクリプトを実行して、Oracleホーム・ディレクトリの環境変数を定義している必要があります。

DBCAを使用すると、Oracleが供給するテンプレートから、またはユーザーが作成したテンプレートからデータベースを作成できます。このテンプレートには、特定のタイプのワークロードに最適化された設定が含まれています。

次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが提供されています。

  • 汎用またはトランザクション処理

  • データ・ウェアハウス

複雑な環境の場合は、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションはテンプレートを使用しないため、より広範囲なインストール・インタビューが行われます。これによって、データベースを作成する時間が長くなります。

B.3 Oracle RACでの非対話型(サイレント)構成のDBCAコマンド

次のコマンド構文を使用すると、汎用テンプレートを使用してOracle RACデータベースを作成し、既存のOracle ASMディスク・グループにデータ・ファイルを配置できます。ノードnode1およびnode2は、Oracle RACデータベース・インスタンスが作成されるクラスタ・ノードです。ディスク・グループ名は+ASMgrp1で、passwordはパスワードのプレースホルダです。パスワードは、すべて同じパスワードでも、毎回異なるパスワードでもかまいません。

# su oracle -c "$ORACLE_HOME/bin/dbca -silent -createDatabase -templateName
General_Purpose.dbc -gdbName $DBNAME -sid $ORACLE_SID -sysPassword password
-systemPassword password -sysmanPassword password -dbsnmpPassword password
-emConfiguration LOCAL -storageType ASM -diskGroupName ASMgrp1
-datafileJarLocation $ORACLE_HOME/assistants/dbca/templates -nodeinfo
node1,node2 -characterset WE8ISO8859P1 -obfuscatedPasswords false -sampleSchema
false -asmSysPassword password"

関連項目:

dbcaコマンドおよびオプションの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

B.4 レスポンス・ファイルの機能

Oracle Universal Installer (OUI)の起動時にレスポンス・ファイルを使用して、Oracleソフトウェアのインストールと構成を完全にまたは部分的に自動実行できます。OUIはレスポンス・ファイルに含まれる値を使用して、一部またはすべてのインストール・プロンプトに応答します。

通常、インストーラは対話型で、つまりグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)画面で情報の入力を求めながら動作します。この情報をレスポンス・ファイルで提供する場合は、次のいずれかのモードで、コマンド・プロンプトからインストーラを起動します。

  • サイレント・モード

    レスポンス・ファイルにすべてのプロンプトへの応答を含め、インストーラの起動時に-silentオプションを指定すると、インストーラはサイレント・モードで動作します。サイレント・モードでのインストール中、インストーラは画面上に何も表示しません。かわりに、起動に使用した端末上に進捗情報を表示します。

  • レスポンス・ファイル・モード

    レスポンス・ファイルに一部またはすべてのプロンプトへの応答を含めて、-silentオプションを指定しないと、インストーラはレスポンス・ファイル・モードで動作します。レスポンス・ファイル・モードでのインストール中は、レスポンス・ファイルで情報を指定した画面も、レスポンス・ファイルに必要な情報を指定しなかった画面も含めて、インストーラはすべての画面を表示します。

サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでインストールするための設定は、レスポンス・ファイルにリストされた変数に値を入力して定義します。たとえば、Oracleホーム名を指定するには、ORACLE_HOME環境変数に適切な値を指定します。

ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1

レスポンス・ファイルの変数設定を指定するもう1つの方法は、インストーラの起動時にコマンドライン引数として渡す方法です。次に例を示します。

-silent directory_path

このコマンドでは、directory_pathは、DVDのdatabaseディレクトリのパス、またはハード・ドライブのディレクトリのパスのいずれかです。


関連項目:

レスポンス・ファイルの詳細は、Oracle Universal Installer NextGenインストレーション・ガイドを参照してください。

B.4.1 サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードを使用する理由

次の表に、インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行する場合の例を示します。

モード 用途
サイレント 次のインストールでは、サイレント・モードを使用します。
  • atなどのオペレーティング・システム・ユーティリティを使用してスケジュールを設定し、自動インストールを実行する。

  • ユーザーの介入なしで、複数のシステムで同様のインストールを数回実行する。

  • X Window Systemソフトウェアがインストールされていないシステムにソフトウェアをインストールする。

インストーラは起動元の端末に進捗情報を表示しますが、インストーラ画面はまったく表示しません。

レスポンス・ファイル レスポンス・ファイル・モードは、インストーラ・プロンプトの全部ではなく一部にデフォルトの応答を提供し、複数のシステムに同様のOracleソフトウェア・インストールを行う場合に使用します。

インストーラ画面の必要な情報をレスポンス・ファイルに指定していないと、インストーラによってその画面が表示されます。必要な情報をすべて指定した画面は表示されません。


B.4.2 データベース・ファイルにOracle ASMを使用するデータベースの作成

Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)を使用するデータベースを作成するには、事前にroot.shスクリプトを実行する必要があります。このため、サイレント・モードでのインストール中に、Oracle ASMをデータベース・ファイルの記憶域オプションとして使用するデータベースを作成できません。かわりに、サイレント・モードでソフトウェアのみのインストールを実行し、ソフトウェアのみのインストールが終了した後root.shスクリプトを実行してから、サイレント・モードでOracle Net Configuration AssistantおよびDBCAを実行できます。


注意:

この制限事項は、データベース・ファイルの記憶域オプションとしてOracle Automatic Storage Managementを使用するデータベースにのみ適用されます。ファイル・システム・オプションを使用するデータベースは、サイレント・モードのインストールによって作成できます。

B.4.3 レスポンス・ファイルを使用する一般的な手順

次の一般的な手順で、インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで使用して、Oracle製品をインストールし構成します。


注意:

インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行する前に、必要なインストール前の手順をすべて終了しておく必要があります。

  1. サーバー上にoraInst.locファイルがない場合は、これを作成します。

  2. レスポンス・ファイルを準備します。

  3. インストーラをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行します。

  4. ソフトウェアのみのインストールを終了したら、次にNet Configuration AssistantおよびDBCAをサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードで実行します。

この手順については、次の項で説明します。

B.5 レスポンス・ファイルの準備

この項では、レスポンス・ファイルを準備して、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールで使用する、次の方法について説明します。

B.5.1 レスポンス・ファイル・テンプレートの編集

Oracle Databaseの場合、これらのファイルはインストール・メディアのdatabase/responseディレクトリ、またはソフトウェア・インストール後のOracle_home/inventory/responseディレクトリにあります。


注意:

ソフトウェアをハード・ディスクにコピーした場合、レスポンス・ファイルは/responseディレクトリにあります。

表B-1に、このソフトウェアに付属するレスポンス・ファイルを示します。

表B-1 Oracle Databaseのレスポンス・ファイル

レスポンス・ファイル 説明

db_install.rsp

Oracle Real Application Clustersのサイレント・インストール

dbca.rsp

DBCAを使用したOracle Databaseのサイレント作成および構成

netca.rsp

NETCAを使用したOracle Netのサイレント構成



注意:

レスポンス・ファイル・テンプレートを変更し、保存して使用する場合、レスポンス・ファイルに暗号化されていないパスワードが含まれている場合があります。レスポンス・ファイルの所有者はOracleソフトウェア・インストール所有者のみとし、レスポンス・ファイルの権限を600に変更してください。データベース管理者またはその他の管理者には、使用していないレスポンス・ファイルを削除または保護することをお薦めします。

レスポンス・ファイルをコピーして変更するには、次の手順を実行します。

  1. レスポンス・ファイルを、レスポンス・ファイルのディレクトリから使用するシステムのディレクトリへコピーします。

    $ cp /directory_path/response/response_file.rsp local_directory
    

    この例では、directory_pathはインストール・メディアのdatabaseディレクトリのパスです。ソフトウェアをハード・ドライブにコピーした場合は、responseディレクトリのファイルを編集することもできます。

  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。

    $ vi /local_dir/response_file.rsp
    

    関連項目:

    レスポンス・ファイルの作成の詳細は、Oracle Universal Installer NextGenインストレーション・ガイドを参照してください。

  3. ファイルに記載された説明に従って編集します。


    注意:

    レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、インストーラまたはConfiguration Assistantが失敗します。

  4. レスポンス・ファイルを保護するために、ファイルに対する権限を600に変更します。

    $ chmod 600 /local_dir/response_file.rsp
    

    Oracleソフトウェア所有者であるユーザーのみがレスポンス・ファイルを参照または変更できるようにするか、インストールの正常終了後にレスポンス・ファイルを削除することを検討してください。


    注意:

    Oracle Databaseのインストールに必要なすべての項目を指定したレスポンス・ファイルには、データベース管理アカウント用のパスワードと、OSDBAグループのメンバーであるユーザー用のパスワード(自動バックアップに必要)が含まれています。

B.5.2 レスポンス・ファイルの記録

OUIを対話モードで使用してレスポンス・ファイルに記録し、このファイルを編集して完全なサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードのインストールに使用できます。この方法は、拡張インストールまたはソフトウェアのみのインストールに役立ちます。

「サマリー」ページで「レスポンス・ファイルの保存」をクリックすると、インストール中のすべてのインストール手順をレスポンス・ファイルに保存できます。生成されたレスポンス・ファイルは、後でサイレント・インストールに使用できます。

レスポンス・ファイルを記録する際は、インストールを最後まで実行することも、またはOUIがシステムへのソフトウェアのコピーを開始する前に「サマリー」ページでインストーラを終了することもできます。

レスポンス・ファイル・モードのインストール中に記録モードを使用すると、インストーラは元のレスポンス・ファイルに指定されていた変数値を新しいレスポンス・ファイルに記録します。


注意:

レスポンス・ファイルの記録中は、パスワードを保存できません。

レスポンス・ファイルを記録するには、次の手順を実行します。

  1. 標準のインストールと同様にインストール前の作業を実行します。

    インストーラを実行してレスポンス・ファイルに記録する際、インストーラはシステムを確認してソフトウェアをインストールするための要件を満たしているかどうかを検証します。そのため、必要なすべてのインストール前作業を完了してから、インストールを実行してレスポンス・ファイルを記録することをお薦めします。

  2. Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle)が、インストーラ実行時に指定するOracleホームのパスに対して作成または書込みの権限を持っていることを確認します。

  3. インストールの各画面で、必要な情報を指定します。

  4. インストーラの「サマリー」画面が表示されたら、次の手順を実行します。

    1. 「レスポンス・ファイルの保存」をクリックします。ウィンドウで、新しいレスポンス・ファイルのファイル名および場所を指定します。「保存」をクリックして、入力したレスポンスをレスポンス・ファイルに書き込みます。

    2. 「終了」をクリックしてインストールを続行します。

      インストールを続行しない場合は、「取消」をクリックします。インストールは中止されますが、記録されたレスポンス・ファイルは保持されます。

  5. インストールを最後まで実行していない場合は、「ファイルの場所の指定」画面で指定したパスに作成されたOracleホーム・ディレクトリを削除します。

  6. 保存したレスポンス・ファイルを別のシステムで使用する前に、ファイルを編集して必要な変更を加えます。編集する際は、ファイルに記載された説明をガイドとして使用してください。

B.6 レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

これで、コマンドラインでOUIを起動し、作成したレスポンス・ファイルを指定してインストールを実行する準備ができました。

B.6.1 OUIのヘルプ情報の表示

OUIに使用できるすべてのオプションの詳細を参照するには、次の例のように-helpオプションを指定してrunInstallerコマンドを実行します。

$ directory_path/runInstaller -help

わずかに遅れて、セッション・ウィンドウ上にヘルプ情報が表示されます。

B.6.2 入力にレスポンス・ファイルを使用したOUIの実行

レスポンス・ファイルを使用してインストーラを実行し、Oracle Databaseソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 通常のインストールと同様にインストール前の作業を実行します。

  2. ソフトウェア・インストール所有者ユーザーとしてログインします。

  3. レスポンス・ファイル・モードでインストールを実行する場合は、DISPLAY環境変数を設定します。


    注意:

    サイレント・モードでインストールを実行する場合は、DISPLAY環境変数を設定する必要はありません。

  4. コマンドを次のように入力して、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでインストーラを起動します。

    $ /directory_path/runInstaller [-silent] [-noconfig] \
     -responseFile responsefilename
    

    注意:

    レスポンス・ファイルのパスを相対パスで指定しないでください。相対パスを指定すると、インストーラが失敗します。

    この例の意味は次のとおりです。

    • directory_pathは、DVDのdatabaseディレクトリのパス、またはハード・ドライブのディレクトリのパスです。

    • -silentは、インストーラをサイレント・モードで実行します。

    • -noconfigを指定すると、インストール中にConfiguration Assistantは実行されず、ソフトウェアのみのインストールが実行されます。

    • responsefilenameは、事前に構成したインストール用レスポンス・ファイルのフルパスとファイル名です。「レスポンス・ファイル・テンプレートの編集」を参照してください。


    注意:

    runInstallerコマンドのその他のオプションの詳細を参照するには、次のコマンドを入力します。
    $ /directory_path/runInstaller -help
    

  5. インストールが終了したら、rootユーザーとしてログインし、root.shスクリプトを実行します。

    $ sudo sh
    password:
    # /oracle_home_path/root.sh
    

B.7 レスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成

次の項では、Oracleソフトウェアのインストール後にレスポンス・ファイルによる構成を作成して実行する方法について説明します。内容は次のとおりです。

B.7.1 インストール後の構成ファイルについて

サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでのインストールを実行する場合は、使用するサーバーについての情報をレスポンス・ファイルに指定します。指定しない情報は、グラフィカル・ユーザー・インタフェースによるインストール中に手動で入力します。ただし、レスポンス・ファイルには、ソフトウェアのインストール後にConfiguration Assistantから要求されるユーザー・アカウントのパスワードは含まれていません。Configuration Assistantは、configToolAllCommandsというスクリプトによって起動されます。パスワード・レスポンス・ファイルを使用すると、このスクリプトをレスポンス・ファイル・モードで実行できます。スクリプトはこのパスワードを使用して、構成が完了するまで連続的に構成ツールを実行します。

クローン・インストール用にこのパスワード・ファイルを保持する場合は、パスワード・ファイルをセキュアな場所に保存することをお薦めします。また、エラーを解決するためにインストールを中断する必要がある場合も、configToolAllCommandsおよびパスワード・レスポンス・ファイルを使用して、Configuration Assistantを実行できます。

configToolAllCommandsパスワード・レスポンス・ファイルには、次の構文オプションがあります。

  • internal_component_nameは、Configuration Assistantで構成するコンポーネントの名前です。

  • variable_nameは、構成ファイルの変数の名前です。

  • valueは、構成に使用する値です。

コマンド構文は次のとおりです。

internal_component_name|variable_name=value

次に例を示します。

oracle.assistants.asm|S_ASMPASSWORD=myPassWord

Oracle Database Configuration Assistantには、DBCAで使用するSYS、SYSTEMおよびDBSNMPのパスワードが必要です。システム構成に応じて、次の追加のパスワードを指定する必要がある場合があります。

  • データベースが記憶域にOracle ASMを使用している場合、S_ASMSNMPPASSWORD変数にパスワードを指定する必要があります。Oracle ASMを使用しない場合は、このパスワード変数には値を指定しません。

  • マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)で作成する場合、S_PDBADMINPASSWORD変数にパスワードを指定する必要があります。Oracle ASMを使用しない場合は、このパスワード変数には値を指定しません。

パスワード・レスポンス・ファイルのセキュリティは、次の方法で維持することをお薦めします。

  • レスポンス・ファイルの権限を600に設定します。

  • レスポンス・ファイルの所有者をインストール所有者ユーザーにして、グループは中央インベントリ(oraInventory)グループに設定します。

B.7.2 パスワード・レスポンス・ファイルの作成

Configuration Assistantで使用するパスワード・レスポンス・ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 次の例のようなfilename.propertiesという形式の名前のレスポンス・ファイルを作成します。

    $ touch pwdrsp.properties
    
  2. テキスト・エディタでこのファイルを開いて、例B-1に示すパスワード・ファイルの例の内容を切り取って貼り付け、必要に応じて変更します。

  3. パスワード・レスポンス・ファイルを保護するために権限を変更します。次に例を示します。

    $ ls -al pwdrsp.properties
    -rw------- 1 oracle oinstall 0 Apr 30 17:30 pwdrsp.properties
    

例B-1 Oracle Real Application Clusters用のパスワード・レスポンス・ファイル

次の例に、Database Configuration Assistantで使用するパスワード・レスポンス・ファイルのテンプレートを示します。

oracle.assistants.server|S_SYSPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_SYSTEMPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_SYSMANPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_DBSNMPPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_ASMSNMPPASSWORD=password
oracle.assistants.server|S_PDBADMINPASSWORD=password

B.7.3 レスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成の実行

configToolAllCommandsスクリプトを使用してConfiguration Assistantを実行するには、次の手順を実行します。

  1. 「パスワード・レスポンス・ファイルの作成」の説明に従って、パスワード・レスポンス・ファイルを作成します。

  2. ディレクトリを、$ORACLE_HOME/cfgtoollogsに変更します。

  3. 次の構文を使用して、構成スクリプトを実行します。

    configToolAllCommands RESPONSE_FILE=/path/name.properties
    

    次に例を示します。

    $ ./configToolAllCommands RESPONSE_FILE=/home/oracle/pwdrsp.properties
    

B.8 レスポンス・ファイルを使用したConfiguration Assistantの実行

レスポンス・ファイル・モードまたはサイレント・モードでConfiguration Assistantを実行して、システムにインストールしたOracleソフトウェアを構成し起動できます。Configuration Assistantをレスポンス・ファイル・モードまたはサイレント・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。


注意:

ソフトウェアをハード・ディスクにコピーした場合、レスポンス・ファイル・テンプレートは/responseディレクトリにあります。

この項には次のトピックが含まれます:

B.8.1 レスポンス・ファイル・モードまたはサイレント・モードでのDatabase Configuration Assistantの実行

Database Configuration Assistant (DBCA)をレスポンス・ファイル(サイレント・モードまたはプログラスのみモード)で実行し、システムでOracle Databaseを構成および起動できます。Database Configuration Assistantをレスポンス・ファイル・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。dbca.rspという名前のレスポンス・ファイル・テンプレートは、ORACLE_HOME/assistants/dbcaディレクトリ、およびDVDの/responseディレクトリにもあります。DBCAをレスポンス・ファイル・モードで実行するには、-responseFileフラグを、-silentフラグまたは-progressOnlyフラグのいずれかと組み合せて使用する必要があります。グラフィカル・ディスプレイも使用し、DISPLAY環境変数を設定します。

レスポンス・ファイル・モードでDatabase Configuration Assistantを実行するには、次の手順を実行します。

  1. レスポンス・ファイル・テンプレートdbca.rspを、レスポンス・ファイルのディレクトリから使用するシステムのディレクトリへコピーします。

    $ cp /directory_path/response/dbca.rsp local_directory
    

    この例では、directory_pathはDVDのdatabaseディレクトリのパスです。ソフトウェアをハード・ドライブにコピーした場合は、responseディレクトリのファイルを編集することもできます。


    注意:

    レスポンス・ファイル・テンプレートを編集するもう1つの方法として、DBCAを実行する際に、コマンドライン・オプションとしてすべての必要な情報を指定してデータベースを作成することもできます。サポートされるオプションのリストの詳細を参照するには、次のコマンドを入力します。
    $ $ORACLE_HOME/bin/dbca -help
    

  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。

    $ vi /local_dir/dbca.rsp
    
  3. ファイルに記載された説明に従って、ファイルを編集します。


    注意:

    レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、DBCAが失敗します。

  4. Oracleソフトウェア所有者ユーザーとしてログインし、ORACLE_HOME環境変数に正しいOracleホーム・ディレクトリを指定します。

  5. レスポンス・ファイル・モードでDBCAを実行するには、DISPLAY環境変数を設定します。

  6. レスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでDBCAを実行するには、次のコマンド構文を使用します。

    $ORACLE_HOME/bin/dbca {-progressOnly | -silent} -responseFile \
    /local_dir/dbca.rsp 
    

    この例の意味は次のとおりです。

    • -silentオプションは、サイレント・モードでDBCAを実行することを示します。

    • -progressOnlyオプションは、レスポンス・ファイル・モードでDBCAを実行することを示します。

    • local_dirは、dbca.rspレスポンス・ファイル・テンプレートのコピー先ディレクトリのフルパスです。

B.8.2 レスポンス・ファイルを使用したNet Configuration Assistantの実行

サイレント・モードでNet Configuration Assistantを実行して、システム上でOracle Net Listenerを構成して起動し、ネーミング・メソッドを構成し、Oracleネット・サービス名を構成できます。Net Configuration Assistantをサイレント・モードで実行するには、レスポンス・ファイル・テンプレートをコピーして編集する必要があります。Oracleでは、DVD上のdatabase/responseディレクトリのresponseディレクトリで、netca.rspという名前のレスポンス・ファイル・テンプレートを提供しています。


注意:

ソフトウェアをハード・ディスクにコピーした場合、レスポンス・ファイル・テンプレートはdatabase/responseディレクトリに格納されています。

レスポンス・ファイルを使用してNet Configuration Assistantを実行するには、次の手順を実行します。

  1. レスポンス・ファイル・テンプレートnetca.rspを、レスポンス・ファイルのディレクトリから使用するシステムのディレクトリへコピーします。

    $ cp /directory_path/response/netca.rsp local_directory
    

    この例では、directory_pathはDVDのdatabaseディレクトリのパスです。ソフトウェアをハード・ドライブにコピーした場合は、responseディレクトリのファイルを編集することもできます。

  2. テキスト・エディタでレスポンス・ファイルを開きます。

    $ vi /local_dir/netca.rsp
    
  3. ファイルに記載された説明に従って編集します。


    注意:

    レスポンス・ファイルを正しく構成しないと、Net Configuration Assistantが失敗します。

  4. Oracleソフトウェア所有者ユーザーとしてログインし、ORACLE_HOME環境変数に正しいOracleホーム・ディレクトリを指定します。

  5. 次のようなコマンドを入力して、Net Configuration Assistantをサイレント・モードで実行します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/netca -silent -responsefile /local_dir/netca.rsp
    

    この例の意味は次のとおりです。

    • -silentオプションは、Net Configuration Assistantをサイレント・モードで実行することを意味します。

    • local_dirは、netca.rspレスポンス・ファイル・テンプレートのコピー先ディレクトリのフルパスです。