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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72964-07
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1 インストール前のチェックリスト

この章は、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)のインストールを実行するための準備として、システム管理者およびストレージ管理者と協力してOracle Clusterwareのインストールを調整し、タスクを計画するデータベース管理者を対象にしています。

1.1 インストール計画の概要

この項では、Oracle ClusterwareおよびOracle RACのインストールを開始する前に実行することを推奨する作業のリストを示します。

システム管理者、ストレージ管理者、ネットワーク管理者、データベース管理者、およびハードウェアとソフトウェアのサード・パーティ・ベンダーからなる大規模なプロジェクト・チームが存在するデータ・センターに属する場合も、1人のプロジェクト・チームの場合も、インストールを円滑に進めるには計画は重要です。

ここでは、ハードウェアのサイジングまたは容量計画を決定する方法については説明しません。Oracle ClusterwareおよびOracle RACでは、テスト目的、またはワークロードの増加に対応するために、必要に応じてノードおよびインスタンスを追加できます。

インストールの計画時に、次の手順を確認して実行します。

1.1.1 Oracle RACのインストール手順の確認

インストールを開始する前に、ソフトウェアのインストールに伴うすべての手順を理解しておく必要があります。

  1. ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』の説明に従って、サーバー(システム、ユーザーとグループ、ネットワークおよびストレージ管理)を準備します。これらのタスクは次のとおりです。
    • オペレーティング・システムをインストールして、オペレーティング・システム・パッケージおよびパッチを必須バージョンにインストールします。

    • 必要なユーザーおよびソフトウェア・ホームを作成します。

    • グリッド・ネーミング・サービス(GNS)またはマルチ・クラスタGNSをデプロイする場合は、GNSへのドメイン名転送を設定し、必要に応じてDNSおよびサーバーにネットワーク・アドレスを設定します。

    • 必要な記憶域を設定します。

    • (オプション)すべてのソフトウェアをインストール用の1つのノード(ローカル・ノード)でステージングします。

  2. クラスタにOracle Grid Infrastructureをインストールします。これには、Oracle ClusterwareおよびOracle ASM (システムと記憶域の管理)が含まれます。

    注意:

    • Oracle Grid Infrastructureのインストールが正常に完了してから、Oracle RACをインストールする必要があります。

  3. Oracle RAC(データベース管理)をインストールします。
    • Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeをインストールします。

    • Oracle RACデータベースのインストール後の構成を実行します。

1.1.2 My Oracle Supportの確認

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)をインストールするかどうかを決定する前に、My Oracle Supportにログオンして、ご使用のプラットフォームでのインストールに関する動作保証を確認します。

My Oracle Supportを使用する前に、https://support.oracle.comでオンライン登録を行う必要があります。
  1. My Oracle Supportにログオンします。
  2. 「動作保証」タブをクリックします。「動作保証」タブが表示されていない場合は、「その他」をクリックし、リストから「動作保証」を選択します。
  3. 「動作保証検索」フレームで、Oracle Real Application Clustersを選択し、リリース番号を選択し、インストールするオペレーティング・システム・プラットフォームを選択します。選択が完了したら、「検索」をクリックして、インストールする製品の動作保証リストを生成します。

Oracle.com (http://www.oracle.com)を参照すると、特定の実装シナリオの計画、ベスト・プラクティスなど、インストール計画に役立つ情報が記載されているその他のリソースが示されています。特に、Oracle Technology NetworkでOracle Real Application Clustersのページ(http://www.oracle.com/goto/rac)を参照してください。

1.1.3 Oracle Technology Networkの確認

Oracle Technology Network (OTN)では、容量計画、様々なNFSプラットフォームでのベスト・プラクティス、拡張クラスタ・デプロイメントなど、このマニュアルには記載されていないデプロイメント・オプションについてのホワイト・ペーパーを参照できます。

  1. 次のWebサイトで、参照可能なホワイト・ペーパーを確認します。
  2. ご使用のプラットフォームに関するOracle RACテクノロジの動作保証マトリクスを確認します

1.1.4 ドキュメントの確認

Oracle RACをインストールする前に、前提条件となる構成タスクに関するドキュメントに加えて、リリース・ノートまたはドキュメントの付録を確認します。

  1. ご使用のオペレーティング・システム・プラットフォームについて、Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドを確認します。
    必要なユーザーとともにすべてのクラスタ・メンバー・ノードが構成されていることを確認し、システム、ストレージおよびネットワーク管理者がOracle RACのインストールに必要なその他のタスクを完了していることを確認します。『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』には、管理者権限またはストレージ管理者権限が必要で、Oracle RACのインストールを開始する前に実行する必要がある作業がほぼすべて記載されています。
  2. リリース・ノートおよびMy Oracle Support (https://support.oracle.com)を参照して、システム要件に関する最新情報や、インストールに影響する可能性がある他の情報を入手します。
    この確認にはあまり時間はかからず、後でインストール・エラーの原因を追跡するために必要な多くの時間を節約できます。また、このマニュアルが最新バージョンであることも確認してください。Oracleのドキュメントは初回リリース後に更新され、Webサイト(http://docs.oracle.com)に公開されます。
  3. Oracle Enterprise ManagerとOracle Application Expressを有効にするため、および必要に応じてオンライン・ドキュメントにアクセスするために、Webブラウザを1つ以上のクラスタ・ノードにインストールすることをお薦めします。
    オンライン・ドキュメントは、PDF形式およびHTML形式で使用できます。

関連項目:

  • Oracle Databaseの概要は『Oracle Database概要』を参照

  • Oracle ClusterwareまたはOracle RACの構成およびデプロイメントの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

  • Oracle RACでのサーバーおよび記憶域の構成情報については、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

1.1.5 セキュリティ通知の連絡先の選択

インストール中に、「セキュリティ・アップデートの構成」画面で、セキュリティ通知の連絡先を指定するように求められます。次のクリティカル・パッチ更新での配布を待つには重大過ぎると判断された脆弱性の修正に対しては、必要に応じてセキュリティ・アラートが発行されます。

  1. オプション: 次のいずれかの形式で、セキュリティ上の連絡先情報を指定します。
    • インストールのセキュリティ情報を受信する電子メール・アドレス。

    • インストールのセキュリティ情報を受信し、セキュリティ・アップデート用にシステムを登録するためのMy Oracle Supportの電子メール・アドレスまたはアカウント名。My Oracle Supportを介して、アラートに関する情報を受信できます。

    セキュリティ更新で収集される情報は、構成情報にかぎられます。収集されるデータに個人情報は含まれません(送信上の問題に備えたローカルの連絡先名は除きます)。セキュリティ・アップデートを有効化しない場合でも、ライセンスされているOracle機能はすべて使用できます

    My Oracle Supportの資格証明を指定すると、インストールされたOracle製品に関する構成情報が、セキュリティ更新によって自動的に収集され、Oracleのサポート・システムにアップロードされます。収集された情報にはMy Oracle Supportアカウントを使用してアクセスし、セキュリティ・アラートに加え、ヘルス・チェック、パッチおよびその他の推奨事項を確認できます。

  2. Optional: セキュリティ通知を受信しないように選択するには、「セキュリティ・アップデートの構成」画面のすべてのフィールドを空白のままにします。
    この情報は指定しないこともできますが、セキュリティ通知の連絡先を構成することをお薦めします。
  3. 「次へ」をクリックして続行します。

関連項目:

次のURLから参照可能な「Oracleセキュリティ・ポリシー」ページを参照してください。

http://www.oracle.com/us/support/assurance/fixing-policies/index.html

1.1.6 システム管理者による管理者タスク委任オプションの確認

インストール中に、Oracle Universal Installer (OUI)により、スーパーユーザー(または管理者)権限でスクリプトを実行し、多数のシステム構成タスクを完了するように求められます。

  • サーバー上で管理者ユーザーとしてスクリプトを実行するのために必要な権限があることを確認します。

1.1.7 クラスタ検証ユーティリティ(CVU)の使用方法の確認

OUIの実行前にCVUを使用して、Oracle RACインストールに対してクラスタを確実に準備することができます。

CVUは、インストール、パッチ更新または他のシステム変更の準備として、システム検証を実行するために提供されています。CVUはOUIに組み込まれているので、Oracle RACインストールを起動するとCVUが実行されます。ただし、Oracle RACインストールを開始する前にCVUを使用して、Oracle RACに必要なパッケージまたは構成情報が正しく配置されていることを確認することもできます。

CVUを使用することで、システム管理者、ストレージ管理者およびデータベース管理者は、インストール、更新またはパッチ適用が正常に完了するように、すべてのシステム構成およびインストール前の手順の完了を確認できます。

  1. 最新バージョンのCVUを次のURLで入手します。
  2. データベース管理者は、CVUを使用したOracle RACインストールのクラスタ準備状況の確認を参照して、Oracle RACのインストールを開始する前に、システムでインストールの準備ができていることを確認します。
  3. オプション: ハードウェアまたはオペレーティング・システムの構成手順をベンダーがかわりに実行する場合、作業後にCVUでクラスタに対して該当する確認を行うように、ベンダーに依頼します。これによって、システムが正しく構成されていることを確認できます。

1.1.8 既存のOracleインストールおよび更新プランの確認

既存のOracleインストールが存在する場合、バージョン番号、パッチおよび他の構成情報を書き留めて、既存のインストールのためのアップグレード手順を確認します。インストールに進む前に、アップグレードに関するOracleドキュメントを参照して、手順を決定します。

  1. Oracle Grid Infrastructureがサーバーにインストールされていることを確認します。
    Oracle RAC 12c リリース1 (12.1)をインストールするには、クラスタにOracle Grid Infrastructure (Oracle ClusterwareおよびOracle ASM) 12c リリース1 (12.1)をインストールする必要があります。
  2. このリリースの「Oracle Upgrade Companion」を確認します。「Oracle Upgrade Companion」は、My Oracle SupportのNote 1462240.1で入手できます
    このドキュメントには、アップグレード前、アップグレード後、互換性および相互運用性の情報に関する最新の更新およびベスト・プラクティスが含まれます。このドキュメントは、My Oracle SupportのNote 1462240.1 (https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1)で入手できます
  3. Oracle RACソフトウェアをアップグレードする場合は、次の点に注意してください。
    • 1つのクラスタで一度に実行できるOracle Clusterwareのバージョンは、1つのみです。Oracle Clusterwareのバージョンは、クラスタで実行されるソフトウェア(Oracle Clusterware、Oracle Database、Oracle RACおよびOracle ASM)の最新のリリースである必要があります。データベースをOracle Database 12cにアップグレードする前に、クラスタ内のすべてのノードをOracle ClusterwareおよびOracle ASM 12cリリース1 (12.1)にアップグレードする必要があります。

    • クラスタでは、Oracle Databaseの複数のOracleホームを使用できます。ただし、これらのホームのOracle RACデータベース・ソフトウェアのバージョンは、インストールされているOracle Clusterwareのバージョン以下である必要があります(使用するOracle Clusterwareのバージョンより後にリリースされたOracle DatabaseのバージョンをOracle Clusterwareで使用することはできません)。次に例を示します。

      • サーバーでOracle Grid Infrastructure 12c リリース1 (12.1)を使用する場合、あるノードではOracle Database 12c リリース1 (12.1)のシングル・インスタンスのデータベースを実行し、同時に別のOracle RAC 11g リリース1または2あるいはOracle RAC 12c リリース1 (12.1)のデータベースをクラスタで実行できます。

      • クラスタにOracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)をインストールし、Oracle RAC 12cリリース1 (12.1)をインストールすることはできません。

    • Oracle RACでのパッチ・セットのアップグレードには、Database Upgrade Assistant (DBUA)を使用できます。また、Oracle RACのメジャー・ポイント・リリース間のアップグレードにもDBUAを使用できます。たとえば、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)からOracle Database 12cリリース1 (12.1)にアップグレードできます。

    • データベースのアップグレードは、次の構成でのみサポートされています。

      • すべてのOracleホームでのOracleホーム・ユーザーに、同じWindowsユーザー・アカウントを使用する場合。

      • データベースをアップグレードする元のホームに、Oracleホーム・ユーザー用の組込みアカウント(LocalSystem)がある場合。

      以前のリリース(Oracle Database 11.2以下)では、Oracleホーム・ユーザーの組込みアカウントのみの使用がサポートされていたことに注意してください。

    • 既存のOracle RACインストールをアップグレードしている場合、既存のインストールと同じタイプのOracleホームを使用する必要があります。たとえば、既存のインストールで共有Oracleホームを使用している場合は、Oracle RAC 12c リリース1 (12.1)の共有Oracleホームにアップグレードする必要があります。

      同様に、クラスタ・ノードでローカルOracleホームを使用している場合、クラスタ・ノードでローカルOracleホームにアップグレードする必要があります。

    • Oracle RACデータベースをアップグレードする場合、そのデータベースのインスタンスをホストする各クラスタ・メンバー・ノードが、アップグレード対象のインストールのメンバーである必要があります。たとえば、既存のOracle RACデータベースを3ノードのクラスタで実行している場合は、3つすべてのノードのOracle RACをアップグレードする必要があります。アップグレード時に、クラスタの2つのノードのみをアップグレードし、3つ目のノードおよびインスタンスを除外することはできません。

    • データベース・データをRAWデバイスに格納している場合、Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACインストールを起動する前に、RMANを使用して、そのデータをOracle ASMまたは別のサポートされているファイル・システムにコピーする必要があります。

    • システムの変更と同様に、ソフトウェアをアップグレードする前に、一般的な業界標準のデータ・リカバリ計画に従って、既存のデータベースをバックアップしてください。

関連トピック

  • 『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』

1.1.9 メモリー割当ての検討および自動メモリー管理

自動メモリー管理を使用すると、Oracle RACインスタンスによりメモリーが自動的に管理およびチューニングされます。

典型的なインストールの際に、Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してデータベースを作成すると、自動メモリー管理が有効化されます。拡張インストールを選択した場合は、メモリー割当てを手動で指定することも、自動メモリー管理を有効化することも可能です。

自動メモリー管理を構成して、メモリー・ターゲットを選択すると、インスタンスによってシステム・グローバル領域(SGA)とインスタンス・プログラム・グローバル領域(インスタンスPGA)の間でメモリーが自動的に配分されます。メモリー要件の変化に応じて、メモリーはインスタンスによってSGAとインスタンスPGAの間で動的に再配分されます。

インストール中に自動メモリー管理を有効化しない場合は、インストール後に有効化できます。インストール後に自動メモリー管理を有効化する場合は、データベースを停止して再起動する必要があります。

関連項目:

自動メモリー管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

1.1.10 グローバリゼーションの要件の確認

英語以外の言語をサポートするインストールを開始する前に、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください

次の点に注意してください。
  • データベース・キャラクタ・セットとしてUnicode AL32UTF8を使用することをお薦めします。

    Unicodeは、現在使用されているほとんどの言語をサポートする汎用キャラクタ・セットです。また、多くの歴史的な文字(アルファベット)もサポートされています。Unicodeは、Java、XML、XHTML、ECMAScript、LDAPなど、多くのテクノロジのネイティブ文字コードです。Unicodeは、インターネットおよび世界的な経済活動に接続するデータベースに最適のキャラクタ・セットです。

  • オペレーティング・システム・セッションのロケール設定によって、ユーザー・インタフェースの言語、およびOracle Universal Installer、Oracle Net Configuration Assistant (NETCA)、Database Configuration Assistant (DBCA)などのコンポーネントのグローバリゼーションに関する動作が決定されます。また、JDBCドライバを介してユーザー・アプリケーションによって作成されたOracle Databaseセッションでも、グローバリゼーションに関する動作が決定されます(アプリケーションによって動作が変更された場合を除く)。

  • NLS_LANG環境変数で指定したキャラクタ・セットによって、ユーザー・インタフェースの言語およびSQL*Plus、expdpimpdpなどのコンポーネントのグローバリゼーションに関する動作が決定されます。また、この変数は、クライアント・アプリケーションとデータベースで使用される言語と地域も設定されます。NLS_LANG環境変数では、クライアント・アプリケーションによるデータの入力および表示に使用されるキャラクタ・セットも宣言されます。

    NLS_LANG環境変数は、クライアントのオペレーティング・システムのキャラクタ・セットの設定を反映している必要があります。たとえば、データベース・キャラクタ・セットがAL32UTF8であり、クライアントがWindowsオペレーティング・システムで実行されている場合は、UTF-8 Win32クライアントがないため、NLS_LANG環境変数にAL32UTF8を設定しないでください。かわりに、NLS_LANG設定にクライアントのコード・ページを反映する必要があります。たとえば、英語版のWindowsクライアントのコード・ページは1252であるため、NLS_LANGの適切な設定はAMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252となります。

    注意:

    ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』には、様々な言語で使用されるデータベース・キャラクタ・セットの詳細と、Oracle Databaseのグローバリゼーション・サポートをインストールして構成する方法の詳細が記載されています。

1.2 サーバー・ハードウェア、ネットワークおよびオペレーティング・システムの概要

インストールを正常に完了するには、必要なハードウェア、ネットワークおよびオペレーティング・システムで、Oracleソフトウェアのインストール前の手順が、必要に応じて実行されていることを確認します。インストール前の必要な手順を完了していないことが、インストールが失敗する最も多い理由です。

Oracle RACのインストールを試行する前に、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureインストールの一部としてOracle Clusterwareを正常にインストールする必要があります。

Oracle Clusterwareをクラスタ用Oracle Grid Infrastructureインストールの一部としてインストールする前に、CPU、メモリー、共有記憶域、ローカル・ディスク、ネットワーク・カード、ホスト・バス・アダプタ、インターコネクトおよび他のネットワークまたはサーバー・ハードウェアの取付けと構成が完了している必要があります。また、オペレーティング・システムと必要なパッケージまたはサードパーティ・ソフトウェアもインストールされている必要があります。これらの作業はベンダーのマニュアルを参照して実行します。また、必要に応じて、ベンダーと協力してこのマニュアルに示されているOracleのインストール前の手順を完了し、ベンダーのハードウェアおよびソフトウェアが正しく構成されていることを確認します。

1.2.1 サーバーのハードウェア要件およびソフトウェア要件の確認

サーバーのハードウェアおよびソフトウェアの構成要件ならびに推奨事項を確認して、Oracle RACのインストールが正常に行われるように準備します。

1.2.1.1 Oracle RACに対するクラスタ・ノード・メンバーの要件

クラスタ内の各ノードは、特定の要件を満たしている必要があります。

クラスタ内の各ノードには、次のものが必要です。

  • プロセッサおよびシステム構成を含む、サポートされているサーバー・ハードウェア。

    現在のハードウェアでインストールを開始する前、および新しいハードウェアを購入する前に、Oracle RACテクノロジの動作保証マトリクスを参照し、Oracle RAC 12cリリース1 (12.1)のOracle Clusterwareでハードウェアがサポートされていることを確認してください。Oracle Technology Networkの動作保証マトリックスを参照できます。Oracle Technology Networkの確認を参照してください。

    サポートされている構成の詳細は、Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドのインストール前の手順に関する章も参照してください。

    注意:

    クラスタ内の各ノードでは、同じオペレーティング・システムを使用する必要があります。クラスタ内の各ノードで同じソフトウェア構成を使用することをお薦めします。Oracle ClusterwareとOracle RACでは、同じクラスタ内の異種プラットフォームをサポートしていません(各サーバーは同じOracleソフトウェア・バイナリを実行している必要があります)。
  • システム要件に示されたオペレーティング・システムの更新。

    一部のオペレーティング・システムについては、更新(サービス・パック、個々のパッチなど)が必要な場合があります。このような要件がある場合は、特定のリリースのリリース・ノートに記載されています。リリース・ノートに動作保証に関する例外が示されていないかぎり、Microsoft社が推奨する他のオペレーティング・システム・パッチを適用することもできます。必要なオペレーティング・システムの更新については、オペレーティング・システム・ベンダーに問い合せてください。

1.2.1.2 Oracle RACでの推奨事項: システム管理者タスク

次の作業を実行して、サーバーのインストールおよびメンテナンスを簡略化し、サービスの問題を回避することをお薦めします。

  • クラスタ内のすべてのノードで同じ基準時刻が使用されるように、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)などのタイム・プロトコルを使用します。Oracle Clusterware 12c リリース1 (12.1)では、Oracle Grid Infrastructureのインストール時にNTPサーバーが提供されていない場合、クラスタ時刻の同期サービス(CTSS)が有効になります。

    注意:

    NTPは、–xフラグを使用して構成する必要があります
  • すべてのクラスタ・サイズで冗長スイッチを構成します。

  • サーバーのメンテナンスを簡略化するために、各ノードで同一のサーバー・ハードウェアを使用します。

  • プライマリ・ドメイン・コントローラまたはバックアップ・ドメイン・コントローラにOracle RACをインストールしないことで、リソース競合の問題を回避します。

1.2.1.3 追加オプション: システム管理者およびベンダー

サーバー・ハードウェアの設定後、次のアクションを実行します。

  1. システムに十分なRAMがあることを確認するために、Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64 (64-Bit)のハードウェア要件の確認に関する項を確認します。
  2. TEMP環境変数がインストールに使用可能な十分な領域がある場所を指していることを確認します。
  3. システムが他のハードウェア要件を満たしていることを確認します。

1.2.2 サーバー環境の構成の概要

ソフトウェアをインストールする前に、ユーザーおよびユーザー環境を構成します。

Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドのインストール前の手順に関する章の説明に従って、ユーザーおよびユーザー環境を構成する必要があります。次のタスクが含まれます。

  • Oracleソフトウェアをインストールするためのオペレーティング・システム・ユーザーの作成

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーの環境の構成

関連項目:

ユーザー・グループの作成の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

1.2.2.1 Oracle RACのオペレーティング・システム・ユーザーについて

Microsoft Windowsプラットフォームでは、Oracleインストール・ユーザーおよびOracleホーム・ユーザーという2つの特別なユーザーが用意されています。

Oracle Real Application Clustersソフトウェアをインストールするには、Windowsドメイン・ユーザー・アカウントを使用する必要があります。ユーザーがすべてのノードで同じパスワードを持っている場合、ローカル・ユーザーを使用してインストールを実行できます。ソフトウェア・インストールを実行するユーザーは、Oracleインストール・ユーザーです。

インストール時にOracleホーム・ユーザーを指定できます。Oracleホーム・ユーザーは、Windows組込みアカウントまたはWindowsドメイン・ユーザー・アカウントの場合があります。Windowsドメイン・ユーザー・アカウントをOracle RACホームのOracleホーム・ユーザーとして使用することをお薦めします。

注意:

Oracle ACFSにOracle RACソフトウェアをインストールするには、Oracleホーム・ユーザーのWindowsドメイン・ユーザー・アカウントを使用する必要があります。

関連項目:

WindowsプラットフォームでのOracleインストール・ユーザーとOracleホーム・ユーザー、およびその要件の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』を参照してください。

1.2.2.2 Oracle RACのインストール時に作成されるオペレーティング・システム・グループ

インストール中、Oracle RACソフトウェアで使用されるいくつかのユーザー・グループが自動的に作成されます。

インストール時に次のユーザー・グループが存在しない場合は作成されます。次の表では、Homename変数はソフトウェア・インストールの論理Homenameを示し、OraproductmajorVersionHomenumberの形式を持ちます。たとえば、OraDB12cHome1です。

表1-1 Oracle RACのインストール時に作成されるユーザー・グループ

オペレーティング・システム・グループ名 関連するシステム権限 説明

ORA_DBA

サーバー上のすべてのOracle Databaseインスタンスに対するSYSDBAシステム権限。

Windowsオペレーティング・システム用の特別なOSDBAグループ。

このグループのメンバーは、オペレーティング・システム認証を使用して、サーバーにインストールされている任意のデータベースに対するSYSDBA権限を取得できます。

ORA_OPER

サーバー上のすべてのOracle Databaseインスタンスに対するSYSOPERシステム権限。

Windowsオペレーティング・システムの特別なOSOPERグループ。

このグループのメンバーはオペレーティング・システム認証を使用して、サーバーにインストールされている任意のデータベースに対するSYSOPER権限を取得できます(このグループは初期の作成では空です)。インストール後に、このグループにユーザーを手動で追加できます。

ORA_Homename_DBA

Homenameという名前のOracleホームから実行される、Oracle Databaseインスタンスに対するSYSDBAシステム権限。

Homenameという名前の特定のOracleホームのOSDBAグループ。

このグループのメンバーは、オペレーティング・システム認証を使用して、特定のOracleホームから実行される任意のデータベースに対するSYSDBAシステム権限を取得できます。インストール時にOracleホーム・ユーザーを指定している場合は、インストール時に、このユーザーがグループに追加されます。

ORA_Homename_OPER

Homenameという名前のOracleホームから実行される、Oracle Databaseインスタンスに対するSYSOPERシステム権限。

Homenameという名前のOracleホームのOSDBAグループ。

このグループのメンバーは、オペレーティング・システム認証を使用して、特定のOracleホームから実行される任意のデータベースに対するSYSOPERシステム権限を取得できます。インストールした後でも、このグループにはメンバーがいませんが、インストールの完了後に、このグループにユーザーを手動で追加できます。

ORA_ASMDBA

Oracle ASMインスタンスでのSYSDBAシステム権限。

Oracle ASMインスタンスのOSDBAグループ。

このグループにより、Oracle ASMに接続されるデータベースへのアクセス権が付与されます。インストール時には、Oracleインストール・ユーザーがこのグループのメンバーとして構成されます。Oracle Databaseを作成した後、このグループには、これらのデータベース・ホームのOracleホーム・ユーザーが含まれます。

ORA_Homename_SYSBACKUP

Homenameという名前のOracleホームから実行される、Oracle Databaseインスタンスに対するSYSBACKUPシステム権限。

Homenameという名前の特定のOracleホームのOSBACKUPDBAグループ。

このグループのメンバーは、特定のOracleホームから実行されるすべてのデータベース・インスタンスで、データベースのバックアップ・タスクおよびリカバリ・タスクを実行するために必要な権限を持ちます。

ORA_Homename_SYSDG

名前付きのOracleホームから実行されるOracle Databaseインスタンスに対するSYSDGシステム権限

Homenameという名前の特定のOracleホームのOSDGDBAグループ。

このグループのメンバーは、特定のOracleホームから実行されるすべてのデータベース・インスタンスで、Data Guard管理タスクを実行するために必要な権限を持ちます。

ORA_Homename_SYSKM

Homenameという名前のOracleホームから実行される、Oracle Databaseインスタンスに対するSYSKMシステム権限。

Homenameという名前の特定のOracleホームのOSKMDBAグループ。

このグループのメンバーは、指定したOracleホームから実行されるすべてのデータベース・インスタンスで、暗号化鍵管理タスクを実行するために必要な権限を持ちます。

前の表に示すグループは、Oracle製品が適切に動作するように、インストール時に作成および移入されます。他のWindowsユーザーにこれらのデータベース権限を割り当てるために、これらのグループに他のユーザーを手動で追加できます。

Oracleではインストール時に、ORA_INSTALLORA_CLIENT_LISTENERSORA_GRID_LISTENERSORA_HOMENAME_SVCSIDSなどの他のグループが作成されます。Oracleソフトウェアによって作成される様々なオペレーティング・システム・グループに関連付けられているグループ、メンバーシップおよびアクセス制御リスト(ACL)を変更する必要はありません。

関連項目:

  • データベース・システム権限の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle ASMのシステム権限の詳細は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

1.2.2.3 役割区分によるオペレーティング・システム権限グループおよびユーザー

よりタスク固有で、SYSDBAおよびSYSOPERシステム権限より低い、新しい管理権限を作成できます。

これらの追加の権限は、データベースのバックアップ、Data Guardの監視、暗号化鍵の管理など、日々のデータベース操作に必要な特定の管理権限タスクをサポートします。これらのシステム権限を付与されたユーザーは、オペレーティング・システムのグループ・メンバーシップを介しても認証されます。

役割区分によるOracle ASMの権限構成は、Oracle ASMインストール環境に対する管理アクセス権限と、他のOracleインストール環境に関連付けられた管理権限グループおよびユーザーとを分離するためのグループおよびユーザーを持つ構成です。管理アクセス権は、個々のオペレーティング・システム・グループのメンバーシップによって付与され、インストール権限は、Oracleをインストールするたびにインストール所有者を変えることで付与されます。

注意:

この構成はオプションで、Oracleソフトウェアに対するユーザー・アクセスを、様々な管理者ユーザーの役割に応じて制限するための構成です。

よりタスク固有で、SYSDBAおよびSYSOPERシステム権限より低い、新しい管理権限を作成できます。これらの追加の権限は、データベースのバックアップ、Data Guardの監視、暗号化鍵の管理など、日々のデータベース操作に必要な特定の管理権限タスクをサポートします。これらのシステム権限を付与されたユーザーは、オペレーティング・システムのグループ・メンバーシップを介しても認証されます。

関連項目:

システム権限およびオペレーティング・システム・グループの詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

1.2.3 Oracleベース・ディレクトリの概要

Oracleベース・ディレクトリは、インストールしたOracleソフトウェアおよび構成ファイルが格納される場所です。

デフォルトでは、Oracle Databaseソフトウェア・バイナリ・ファイルはOracle Universal Installer (OUI)により、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリ内に、バージョンとOracleホーム名でインストールされます。Oracleベース・ディレクトリは、指定されたインストール所有者によって、ソフトウェアの複数のインストールに対して使用できます。別のOracleベース・ディレクトリが、Oracle Databaseソフトウェアのインストール時に指定した各Oracleホーム・ユーザー用に作成されます。

Oracleホーム・ユーザーはOracleベース・ディレクトリを完全に制御できます。セキュリティ上の理由で、異なるOracleホーム・ディレクトリのOracleホーム・ユーザーとして使用する異なるWindowsユーザー・アカウントは、同じOracleホーム・ディレクトリを共有することは許可されていません。ただし、Oracle Databaseのアップグレードをサポートするために、組込みアカウントとWindowsユーザー・アカウント間でのOracleベース・ディレクトリの共有はサポートされています。Oracle Database 12cリリースで、これより前のリリースのOracle DatabaseからOracleベース・ディレクトリを再使用することを選択した場合、Oracle Database 12cリリースのOracleホーム・ユーザーは、これより前のリリースのOracleベース・ディレクトリに対して完全な制御を持ちます。

注意:

Oracle Grid Infrastructure 12cのベース・ディレクトリおよびOracle RAC 12cのベース・ディレクトリは、Oracle RAC 11gリリース2インストールが使用するディレクトリとは異なっている必要があります。

Oracle Databaseソフトウェアのインストール時にOracleホーム・ユーザーを指定した場合は、Oracleホーム・ユーザー名がOracleベースのデフォルトのパスに含まれています。デフォルトのWindowsインストールでは、Oracleベース・ディレクトリは次のようになります(ここでusernameは、Oracleホーム・ユーザーとしてWindows組込みアカウントを選択した場合はOracleインストール・ユーザーになり、Oracleホーム・ユーザーを指定した場合はOracleホーム・ユーザーになります)。

DRIVE_LETTER:\app\username

Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle RACインストールのOracleホーム・ユーザーが別の場合は、Optimal Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに従って2つのOracleベースのパスが存在します。たとえば、ユーザーgridがOracle Grid InfrastructureインストールのOracleホーム・ユーザーで、ユーザーoracleがOracle DatabaseインストールのOracleホーム・ユーザーの場合、2つのOracleベース・ディレクトリが存在します。次の例では、X:はマウントされているディスクです。

  • X:\app\gridは、Gridユーザー(この例ではgrid)のOracleベースで、Oracle Grid Infrastructureインストールの場合のOracleホーム・ユーザーです。

  • X:\app\oracleは、Oracleユーザー(この例ではoracle)のOracleベースで、Oracle Databaseインストールの場合のOracleホーム・ユーザーです

注意:

Oracleホーム・ユーザーとしてWindowsユーザー・アカウントを使用してOracle Database 12cリリース1 (12.1)以上のリリースのインストール後は、同じOracleベース・ディレクトリを共有するOracle Databaseのこれより古いバージョンをインストールしないでください。ACLは、古いリリースのソフトウェアのインストール時にリセットされるので、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以上のサービスはOracleベース・ディレクトリとファイルにアクセスできない場合があります。

1.2.4 Oracleホーム・ディレクトリの概要

Oracleホームにはそれ自体に関連付けられた名前があり、これはインストーラによって自動的に割り当てられます。

Oracleホーム・ディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリの下に配置されます。たとえば、デフォルトのWindowsインストレーションで、Oracleホーム・ディレクトリの名前をdbhome_1に指定すると、次のようなOracleベース・ディレクトリになります(ここで、usernameは、Windowsのセキュリティを選択していない場合はOracleインストール・ユーザーで、Oracleホーム・ユーザーを指定した場合はOracleホーム・ユーザーになります)。

DRIVE_LETTER:\app\username\product\12.1.0\dbhome_1

Oracleソフトウェア用に選択するパス(OracleホームのパスおよびOracleベースのパスなど)には、ASCII文字のみを使用します。一部のOracleソフトウェアのディレクトリ・パスにはデフォルトでインストール・ユーザー名が使用されるため、このASCII文字制限は、ユーザー名、ファイル名およびディレクトリ名にも適用されます。

1.2.5 ネットワークおよびインターネットの構成の概要

各サーバーを構成して、クラスタの他のノードと通信できるようにする必要があります。また、1つ以上のノードで、インターネットへのアクセスとWebブラウザのサポートを構成する必要があります。

1.2.5.1 ネットワーク・インタフェースの構成の概要

クラスタ用Oracle Grid Infrastructureのインストール時に、各ノードのグローバル・インタフェースの予定の使用方法を指定し、構成中のノード・タイプ(処理中のノードまたはコア・ノード)に必要なインタフェース情報を提供します。

各インタフェースに次のいずれかを指定します。

  • 「パブリック」インタフェース・タイプ(パブリックIPアドレスおよび仮想IPアドレスとともに使用)

  • 「プライベート」インタフェース・タイプ(クラスタ・メンバー・ノード間のインターコネクトのネットワークとともに使用)

  • 「ASM」インタフェース・タイプ(他のノード上のOracle ASMインスタンスとの通信に使用)

  • ASMおよびプライベートインタフェース・タイプ(クラスタ・メンバー・ノード間のインターコネクト・ネットワークおよび他のノード上のOracle ASMインスタンスとの通信の両方に使用)

  • 「使用しない」インタフェース・タイプ(Oracle ClusterwareおよびOracle RACでは無視される)

たとえば、NFSなどのネットワーク・ファイル・システムの専用インタフェースとして使用されるインタフェースは、「使用しない」インタフェース・タイプとしてマークされている必要があります。

Oracle Grid Infrastructureのインストール中にネットワークを構成します(Oracle RACのインストール中に追加のネットワーク構成を実行することはできません)。

1.2.5.2 ノード間通信の構成の概要

Oracleソフトウェアはクラスタ内の1つのノードにインストールされ、OUIによりクラスタ内の他のノードにそのソフトウェアがコピーされます。

クラスタ内の各ノードが、net useコマンドを使用して他のノードと通信できることを確認してください。たとえば、node1では、次のコマンドを使用します。

C:\> net use \\node2\c$
The command completed successfully.

node2では、次のコマンドを使用します。

C:\> net use \\node1\c$
The command completed successfully.

1.2.5.3 ブラウザ要件の概要

ドキュメントにアクセスしたり、Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Application Expressを使用するには、Webブラウザが必要です。

Webブラウザでは、JavaScript、HTML 4.0規格およびカスケード・スタイル・シート(CSS)1.0規格がサポートされている必要があります。これらの要件を満たすブラウザは、次のとおりです。

  • Microsoft Internet Explorer 8.0

  • Microsoft Internet Explorer 9.0

  • Firefox 3.x

  • Firefox 8.0

  • Google Chrome

  • Safari

1.2.6 プラットフォーム固有のサーバー構成の概要

Oracle ClusterwareおよびOracle RACは、特定のオペレーティング・システム・バージョンおよび特定のオペレーティング・システム・コンポーネントでテスト済です。今回のリリースで動作保証されているオペレーティング・システム・バージョンおよびコンポーネントを使用する必要があります。

インストールを開始する前に、『Oracle Grid Infrastructure インストレーション・ガイド』でシステム要件を十分に確認し、システムが要件を満たしているかを確認することをお薦めします。システムがハードウェア、オペレーティング・システム・バージョンおよびコンポーネントの最小要件を満たしていない場合、インストールを完了できないか、Oracle ClusterwareまたはOracle Databaseの実行時に他のエラーが発生する場合があります。

標準のシステム要件の構成に加えて、特定のサーバー・ハードウェアにデプロイする場合に、オペレーティング・システムの追加構成手順が必要な場合があります。『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』のインストール前の手順に関する章を参照し、My Oracle Supportの「動作保証」ページを参照して、ご使用のハードウェアおよびプラットフォーム構成で追加要件または推奨事項がないか確認します。

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1.3 Oracle RACの記憶域の概要

Oracle RACをインストールするには、データベース・ファイル用およびオプションでリカバリ・ファイル用に共有記憶域を構成する必要があります。データベースの高速リカバリ領域は共有記憶域に配置する必要があります。

Oracle RACのEnterprise EditionおよびStandard Editionのどちらについても、Oracle Databaseコンポーネントのハード・ディスク要件に、オペレーティング・システムのインストール先のディスク・パーティションへのJava Runtime Environment(JRE)とOUIのインストールに必要な32MBも含まれています。十分な空き領域が検出されない場合、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。

関連トピック

  • Oracle Database管理者ガイド

1.3.1 Oracle RAC記憶域およびOracle ACFSについて

Oracle Automatic Storage Management Cluster File System(Oracle ACFS)は、マルチプラットフォームのスケーラブル・ファイルシステムであり、Oracle ASM機能を拡張して、Oracle Databaseの外部で保持されているカスタマ・ファイルをサポートするストレージ管理テクノロジです。

Oracle ACFSでサポートされるファイルには、データベースとアプリケーションの実行可能ファイル、トレース・ファイル、アラート・ログ、アプリケーション・レポート、BFILEおよび構成ファイルが含まれます。

1.3.1.1 Oracle ASM動的ボリューム・マネージャについて

Oracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)は、ディスクのボリューム管理サービスと標準的なディスク・デバイス・ドライバ・インタフェースをクライアント(ユーザーおよびアプリケーション)に提供します。

Oracle ADVMは、Oracle ASMボリューム・ファイルとして割り当てられているOracle ASM記憶域にディスク・ドライバ・インタフェースを提供することで、Oracle ASMを拡張します。ファイル・システムと他のディスク・ベースのアプリケーションは、ベンダー・オペレーティング・システムにある、他のストレージ・デバイスに対してと同様に、Oracle ADVMボリューム・デバイスに対してI/Oリクエストを発行します。

Oracle ADVMは、ファイル・システムを含む仮想ディスクの作成に使用できます。Oracle ASMボリュームに含まれるこのようなファイル・システムは、Oracle Databaseファイル(実行可能ファイル、レポート・ファイル、トレース・ファイル、アラート・ログおよびその他のアプリケーション・データ・ファイル)以外のファイルをサポートできます。

1.3.2 Oracle RACの記憶域の一般的な考慮事項

すべてのインストールに対して、Oracle RACデータベース・ファイルで使用する記憶域オプションを選択する必要があります。各ファイル・タイプに同一の記憶域を使用する必要はありません。

各ファイル・タイプで使用する記憶域オプションを選択するためのガイドライン

選択した記憶域オプションの要件がすべて満たされている場合、各ファイル・タイプでサポートされている共有記憶域オプションのいずれの組合せでも使用できます。

  • データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイルの共有記憶域オプションとして、Oracle ASMを選択することをお薦めします。

  • Standard EditionおよびStandard Edition 2 (SE2)のOracle RACインストールでは、データベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルの共有記憶域オプションとして、Oracle ASMのみがサポートされています。

  • 外部ファイルの冗長性が適用される記憶域オプションがない場合は、3つ以上の投票ファイル領域を構成して、投票ファイルの冗長性を確保する必要があります。

  • Oracle RACでOracle ASMを使用するものの、Oracle Clusterwareファイル(Oracle Cluster Registry(OCR)および投票ファイル)にOracle ASMを使用していなかった場合、OUIを開始する前に1つ以上のOracle ASMインスタンスをOracle ASM Configuration Assistant(ASMCA)で構成する必要があります。

  • 既存のOracle RACデータベースをアップグレードする場合は、システムが次の条件を満たしていることを確認する必要があります。

    • Oracle RACデータベース・インスタンスが位置するノードで、OUIとDBCAが実行されます。

    • Oracle RACデータベース・インスタンスが、新しいクラスタ・インストールのメンバーにするノードと同じノードで実行されている。たとえば、既存のOracle RACデータベースを3ノードのクラスタで実行している場合は、3つすべてのノードにアップグレードをインストールする必要があります。アップグレード時に3つ目のインスタンスを削除して、クラスタ内の2つのノードのみをアップグレードすることはできません。

関連項目:

既存のデータベースをアップグレードするための準備方法については、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

1.3.3 Oracle Databaseおよびリカバリ・ファイル・オプションの概要

WindowsプラットフォームでOracle Databaseおよびリカバリ・ファイルを格納するための2つの方法のうち、いずれかを選択できます。

Oracle Databaseおよびリカバリ・ファイルの格納には、次の2つの方法があります。

注意:

OUIを使用して新しいOracle RACデータベースを作成する場合、RAWデバイス(フォーマットされていないパーティション)にデータ・ファイルとリカバリ・ファイルを直接格納することはサポートされていません。共有ファイル・システムまたはOracle ASMで、データ・ファイルとリカバリ・ファイルを配置します。
  • Oracle Automatic Storage Management: Oracle ASMは、Oracle Databaseファイル用の統合された高性能のデータベース・ファイル・システムであり、ディスク・マネージャです。データベース・ファイルのストライプ化およびミラー化を自動的に実行します。

    注意:

    Oracle RACを使用するStandard EditionおよびStandard Edition 2のOracle Databaseでは、記憶域オプションとしてOracle ASMのみがサポートされています。
  • サポートされている共有ファイル・システム: サポートされているファイル・システムには、次のものがあります。

    • Direct Network File Systems (NFS)クライアント: Direct NFSクライアントを使用してNFSサーバーに直接アクセスするように、Oracle Databaseを構成できます。Direct NFSクライアントでは、NFSサーバーへのアクセスにNFSv3、NFSv4およびNFSv4.1 (Parallel NFSを除く)がサポートされています。Direct NFSクライアントは、NASストレージ・デバイス(TCP/IPでアクセス可能)に配置されるNFS記憶域に、より高速でスケーラブルなアクセスを提供する最適化されたNFSクライアントです。Direct NFSクライアントはデータベース・カーネルに直接構築され、オペレーティング・システムのNFSドライバで実現可能な速度よりも高速になります。NFSサーバーにアクセスする場合、Oracle Databaseはオペレーティング・システムをバイパスして、必要な要求を正確に生成します(ユーザー構成またはチューニングは必要ありません)。

      関連項目:

      記憶域にDirect NFSを使用するOracle RACデータベースを作成する手順の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』を参照してください。

      注意:

      Oracle RACソフトウェアおよびOracle Grid Infrastructureソフトウェアは、ネットワーク接続ストレージ(NAS)にインストールできます。

表1-2 Oracle Databaseファイルおよびリカバリ・ファイルのサポートされている記憶域オプション

記憶域オプション サポートされるファイル・タイプ/データベース サポートされるファイル・タイプ/リカバリ領域
Oracle ASM
Oracle ASMクラスタ・ファイル・システム(Oracle ACFS) Windowsプラットフォームの場合を除いて、可(Oracle Database 12cリリース12.1以上)
Direct NFSクライアント
ローカル記憶域 不可 不可
共有の未フォーマット・パーティション 不可 不可

1.4 インストールの準備に関する追加情報

この項では、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびOracle RACに関する追加情報を示します(この情報は、インストールを計画するチームがインストールの構成方法を参照および決定する際に役立ちます)。

1.4.1 Oracle Grid InfrastructureとともにインストールされるOracle ASM

以前のリリースでは、Oracle ASMはOracle Databaseインストールの一部としてインストールされていました。Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以上のリリースでは、Oracle ASMはOracle Grid Infrastructureインストールの一部です。

既存のOracle ASMインストールをアップグレードする場合は、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードを実行してOracle ASMをアップグレードする必要があります。

Oracle Clusterwareファイルの記憶域オプションとしてOracle ASMを選択しなかった場合は、最初にクラスタ・ノードの1つでOracle ASM Configuration Assistant (ASMCA)を使用して、Oracle ASMを構成し、Oracle ASMインスタンスを作成して、Oracle Database記憶域に使用するディスク・グループを作成する必要があります。

1.4.2 Oracle Clusterwareおよびベンダー・クラスタウェア

Oracle Clusterwareでは、クラスタ・サービスが提供されます。

現在、Microsoft Windowsプラットフォームでサポートされるクラスタウェア製品はOracle Clusterwareだけです。Oracle RACをインストールする場合、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureを最初にインストールする必要があります(これにはOracle Clusterwareが含まれます)。

1.4.3 Oracle RACインストールのクラスタ・ノードおよび共有コンポーネント

すべてのOracle RACデータベース・インスタンスによって共有されるファイルは、共有記憶域に配置される必要があります。

データベース管理者とシステム管理者は、Oracle RACを使用する場合、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスが、制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)、REDOログ・ファイルおよびすべてのデータ・ファイルを共有することに注意する必要があります。これらのファイルは、Oracle ASMに配置し、クラスタ・ノード上のすべてのクラスタ・データベース・インスタンスからアクセスできるようにする必要があります。また、各インスタンスには、それぞれ専用のREDOログ・ファイルのセットがあります。障害が発生した場合、REDOログ・ファイルへの共有アクセスによって、障害が発生していないインスタンスがリカバリを実行できます。

関連項目:

クラスタ・ノードからの記憶域へのアクセスの詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

1.4.4 TIMESTAMP WITH TIME ZONEデータの簡略化されたアップグレード

Oracle Real Application Clustersをインストールすると、タイムゾーン・ファイルがアップグレードされます。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)のインストールの一部として、バージョン1から12までのタイムゾーン・ファイルが、パスOracle_home\oracore\zoneinfoにインストールされます。現在のタイムゾーン・ファイルを引き続き使用するか、または最新バージョンにアップグレードすることができます。最新バージョンのタイムゾーン・ファイルにサーバーをアップグレードすることをお薦めします。新しいバージョンのタイムゾーン・ファイルへのアップグレードによって、既存のTIMESTAMP WITH TIME ZONEデータが古くなる可能性があります。新しく提供されたDBMS_DST PL/SQLパッケージを使用して、最小限の手動手順でTIMESTAMP WITH TIME ZONEデータが透過的に更新されます。

Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスが、同じタイムゾーンを使用する必要があります。インスタンスがSQL*Plusで起動されないかぎり、Oracle RACデータベースのタイムゾーンは、デフォルトで、Gridユーザーのタイムゾーンに設定されます。SQL*Plusを使用する場合、Oracle Clusterwareに使用されるデータベース・インスタンスに対して確実に同じタイムゾーン設定が使用されるようにする必要があります。次のコマンドを使用してOracle Clusterwareがデータベースで使用するタイムゾーンを変更できます(time zoneは変更後のタイムゾーン)。

srvctl setenv database -env "TZ=time_zone"

タイムゾーン・バージョン・ファイルは、Oracleクライアントのインストールとともにインストールされます。Oracleクライアントのタイムゾーン・ファイルをすぐにアップグレードする必要はありません。アップグレードは、システム管理者の最も都合の良い時間に行うことができます。ただし、クライアントとサーバーで異なるタイムゾーン・バージョンを使用している場合、パフォーマンスがわずかに低下します。

関連項目:

  • TIMESTAMP WITH TIME ZONEデータのアップグレード準備の詳細は、Oracle Databaseアップグレード・ガイドを参照してください。

  • タイムゾーン・ファイルおよびTIMESTAMP WITH TIME ZONEデータのアップグレード方法の詳細は、Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイドを参照してください。

  • 異なるバージョンのタイムゾーン・ファイルで動作するクライアントおよびサーバーのパフォーマンスの影響については、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』を参照してください。

1.4.5 Oracle Database 12c Real Application Clustersのリリース間の互換性

異なるリリースのOracle Databaseソフトウェアを、同一のコンピュータにインストールして使用できますが、次の点に注意してください。

  • Oracle Clusterwareがインストールされ、異なるリリースの他のOracleソフトウェアがインストールされている場合、Oracle Clusterwareのリリースは、Oracle Databaseソフトウェアのリリース以上である必要があります。Oracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)のインストールを実行すると、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの両方が、12cリリース1 (12.1)にアップグレードされます。

  • 既存のOracle Databaseホームが存在する場合は、新しいOracle Databaseホームを作成し、その新しいOracleホームにOracle Database 12cリリース1 (12.1)をインストールすることができます。Oracle Clusterwareが別のOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に存在することを確認する必要があります。Oracle Grid InfrastructureインストールをOracle DatabaseのOracleベース・ディレクトリにインストールすることはできません。

  • Oracle9iリリースのOracle RACを使用する場合、そのリリースを引き続き使用するには、Oracle Cluster Managerなど、そのリリースと互換性があるクラスタ・ソフトウェアを実行する必要があります。

    注意:

    データベースをアップグレードした後でサード・パーティのクラスタ・ソフトウェアを削除する場合は、まずサード・パーティのクラスタ・ソフトウェアを削除してから、Oracle Clusterwareを再インストールする必要があります
  • 以前のリリースのデータベースが検出された場合、OUIによって、プリファレンスのアップグレードについて尋ねられます。DBUAを使用して以前のリリースのデータベースをアップグレードするオプション、またはDBCAを使用して新規データベースを作成するオプションがあります。このOUIダイアログ中に収集された情報は、ソフトウェアのインストール後にDBUAまたはDBCAに渡されます。

    以前のリリースのOracle Clusterwareが検出された場合、OUIによって、インストールされている既存のOracle Clusterwareをアップグレードするかどうかを尋ねられます。1つのサーバーでは1つのバージョンのOracle Clusterwareのみをアクティブにでき、サーバーは1つのクラスタのみのメンバーである必要があります。

  • スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructure(Oracle Restart)をインストールした後に、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureをインストールすることはできません。Oracle Restartをインストールしている場合は、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureをインストールする前にそのインストールを削除する必要があります。

    注意:

    Oracle実行可能ファイルは、インストールされたディレクトリから別の場所に移動しないでください。実行可能ファイルを新しい場所に移動するには、ソフトウェアを再インストールする必要があります。
  • 異なるリリースのOracle DatabaseとOracle ASMを実行できます。たとえば、Oracle ASM 12cリリース1 (12.1)をOracle Database 11gリリース2 (11.2)データベースとともに使用できます。

注意:

異なるリリースのOracle ASMおよびOracle Databaseを使用する場合、各製品の機能は、より古いリリースのソフトウェア機能に依存します。たとえば、Oracle ASM 12cリリース1 (12.1)インスタンスを使用するOracle Database 11gリリース11.2データベースでは、Oracle ASM 12cリリース1 (12.1)リリースで提供される新機能は使用できませんが、Oracle ASM 11gリリース11.2の機能のみを使用できます。

関連項目:

Oracle Grid Infrastructureでの前のリリースのOracle Databaseの使用については、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

1.5 CVUを使用したOracle RACインストールのクラスタ準備状況の確認

Oracle RACインストールを開始する前に、CVUを使用して、システムでOracle RACをインストールする準備ができていることを確認します。チェックで問題が見つかった場合は、報告されるエラーを修正するか、またはシステムまたはストレージ管理者に連絡してエラーの原因に対処してもらいます。

CVUは、グリッド・ホームのbinディレクトリにあります。たとえば、GridホームがC:\app\12.1.0\gridの場合、CVUはC:\app\12.1.0\grid\binディレクトリにあります。
  1. Gridホームのbinディレクトリに移動します。
  2. cluvfy.batコマンドを使用して、システムでインストールの準備状況を確認します。
    たとえば、指定したOracle RACのソフトウェア・リリースをインストールする前に、次のコマンドでノードのリストを確認します。
    cluvfy.bat stage -pre dbinst -fixup -n nodelist -r release -verbose
    前述のコマンドでは、nodelistがノード名のカンマ区切りリストであり、releaseがインストールされるOracle Databaseソフトウェアのバージョンです。-fixupおよび-verboseフラグはオプションです。

例1-1 Oracle RAC 12cリリース1をインストールする前の2ノード・クラスタでのクラスタ検証ユーティリティの使用

たとえば、node1node2の2つのノードがあるクラスタで、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)とOracle RACのインストールの準備のためにクラスタをテストしている場合、次のコマンドを実行してシステムの準備状況を検証します。

cluvfy.bat stage -pre dbinst -fixup -n node1,node2 -r 12c -verbose
CVUコマンドの詳細は、次のコマンドを実行してください。
cluvfy.bat -help
.

関連項目:

CVUの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

1.6 既存のデータベースが存在するシステムでのOracle RACのインストールについて

既存のOracle RACまたはOracle Databaseインストールが存在するシステムでインストールを計画している場合は、追加の作業を実行し、システムでインストールの準備を行う必要があります。

次の表に、既存のOracle Databaseインストールが存在する場合に実行する必要がある作業の概要を示します。この表を確認して、必要に応じて作業を実行します。

表1-3 アップグレードまたはデータベースの共存のためのシステムの準備の概要

インストール例 必要な作業

Oracle Database 10gリリース1 (10.1)から12cリリース1 (12.1)へのアップグレード

追加の作業はありません。Oracle Database 10gが存在するシステムへのOracle Database 12cのインストールを参照してください。

Oracle Database 10gリリース1 (10.1)と共存させるためのシステムへのOracle Database 12cリリース1 (12.1)のインストール

追加の作業はありません。Oracle Database 10gが存在するシステムへのOracle Database 12cのインストールを参照してください。

1.7 Oracle Database 10gが存在するシステムへのOracle Database 12cのインストール

Database Configuration Assistant (DBCA)またはOracle Database Upgrade Assistant (DBUA)は、Oracle RAC 12cリリース1のインストールまたはアップグレード中に、リスナーおよび関連ファイルを自動的に移行します。

システムにOracle Database 10gがインストールされている場合に、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)をOracle Database 10gインストールとの共存またはアップグレードとしてインストールする場合、ほとんどのインストール・タイプで、TCP/IPポート1521およびIPCキー値EXTPROCを使用してデフォルトのOracle Net Listenerが構成され、起動されます。次のいずれかが発生します。

  • 共存インストールの場合、DBCAによって、自動的にリスナーと関連ファイルがOracle Database 10gのOracleホームからOracle Database 11gのOracleホームに移行されます。

  • アップグレードの場合、DBUAによって、既存のOracle Database 10gのリスナーの場所が自動的に特定され、そのリスナーはOracle Database 12cリリース1 (12.1)に移行されます。

注意:

Oracle ASMを使用してOracle Database 12cリリース1 (12.1)をOracle Database 10gリリース1 (10.1)のデータベースと共存させるためには、Oracle Database 10gのデータベースはリリース10.1.0.3以上である必要があります。