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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72964-07
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2 Oracle Database 12cおよびOracle Real Application Clustersのインストール

この章では、インストールの第2フェーズとして、Oracle Database 12c リリース1 (12.1)およびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)をインストールする手順について説明します。『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』で説明しているように、第1フェーズはOracle Clusterwareインストールの完了です。

Oracleホーム・ユーザーとしてWindowsドメイン・ユーザーが使用されている場合は、インストール時にIDとパスワードの両方を指定する必要があります。Oracleホーム・ユーザーとして組込みアカウントを使用したインストールの場合は、インストール時にOracleホーム・ユーザーのユーザーIDまたはパスワードは必要ありません。

関連項目:

  • 圧縮インストール・ファイルを開く方法や、インストール用のファイルの設定方法などの詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

  • 各インストール画面のオプションおよびプロンプトについては、インストール中に「ヘルプ」をクリックしてください。ログ・ファイルを参照するには、「詳細」をクリックしてください。

2.1 セキュリティ通知の連絡先の選択

インストール中に、「セキュリティ・アップデートの構成」画面で、セキュリティ通知の連絡先を指定するように求められます。

次のクリティカル・パッチ更新での配布を待つには重大過ぎると判断された脆弱性の修正に対しては、必要に応じてセキュリティ・アラートが発行されます。

  1. オプション: 次のいずれかの形式で、セキュリティ上の連絡先情報を指定します。
    • インストールのセキュリティ情報を受信する電子メール・アドレス。

    • インストールのセキュリティ情報を受信し、セキュリティ・アップデート用にシステムを登録するためのMy Oracle Supportの電子メール・アドレスまたはアカウント名。My Oracle Supportを介して、アラートに関する情報を受信できます。

    セキュリティ更新で収集される情報は、構成情報にかぎられます。収集されるデータに個人情報は含まれません(送信上の問題に備えたローカルの連絡先名は除きます)。セキュリティ・アップデートを有効化しない場合でも、ライセンスされているOracle機能はすべて使用できます

    My Oracle Supportの資格証明を指定すると、インストールされたOracle製品に関する構成情報が、セキュリティ更新によって自動的に収集され、Oracleのサポート・システムにアップロードされます。収集された情報にはMy Oracle Supportアカウントを使用してアクセスし、セキュリティ・アラートに加え、ヘルス・チェック、パッチおよびその他の推奨事項を確認できます。

  2. Optional: セキュリティ通知を受信しないように選択するには、「セキュリティ・アップデートの構成」画面のすべてのフィールドを空白のままにします。

    この情報は指定しないこともできますが、セキュリティ通知の連絡先を構成することをお薦めします。

  3. 「次へ」をクリックして続行します。

関連項目:

次のURLから参照可能な「Oracleセキュリティ・ポリシー」ページを参照してください: http://www.oracle.com/us/support/assurance/fixing-policies/index.html

2.2 インストール・オプションの選択

ソフトウェアをインストールするには、いずれかのインストール・オプションを選択する必要があります。

  1. 「インストール・オプションの選択」ページで、次のいずれかのオプションを選択します。
    • データベースの作成および構成: このオプションを使用すると、特定のシステムのロード要求用に設計された事前構成済データベース・テンプレートを使用してデータベースを作成できます。たとえば、オンライン・トランザクション処理(OLTP)データベース、意思決定支援データベース、データ・ウェアハウス・データベースなどです。

    • データベース・ソフトウェアのみインストール: Oracle Databaseソフトウェアをインストールします。インストール完了後にインストールされたユーティリティを使用して、データベースの構成を完了する必要があります。

    • 既存のデータベースのアップグレード: 既存のデータベースをアップグレードします。

  2. オプション: Oracle Databaseソフトウェアをインストールする場合は、事前構成済データベース・オプションを使用するか、構成の選択ページで「詳細」オプションを選択してカスタム初期データベースを構成することをお薦めします。

    様々な事前構成済データベース・オプションの詳細は、Oracle Database構成タイプの選択を参照してください。

  3. 既存のOracleインストールが存在する場合、バージョン番号、パッチおよび他の構成情報を書き留めて、既存のインストールのためのアップグレード手順を確認します。

    インストールを進める前に『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を確認し、手順を決定します。

関連項目:

アップグレード前、アップグレード後、互換性および相互運用性に関する最新の更新およびベスト・プラクティスについては、My Oracle SupportのNote 1462240.1から入手可能な「Oracle Upgrade Companion」を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1

2.3 Oracle Grid Infrastructureのデプロイメントに対するデータベース・タイプの選択

インストール中に、Oracle Universal Installer (OUI)によって、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureがインストールされているか検出されます。インストールされている場合は、作成するデータベースのタイプを指定する必要があります。

  • ソフトウェアをインストールしたら、作成するデータベースのタイプを決定します。
    • シングル・インスタンス・データベース

    • Oracle RACデータベース

    • Oracle RAC One Nodeデータベース

    このクラスタ上にタイプが異なるデータベースを作成する予定である場合は、最も高度なオプションを選択します。

    たとえば、シングル・インスタンス・データベースとOracle RAC One Nodeデータベースのみを作成する場合は、Oracle RAC One Nodeデータベースのオプションを選択します。シングル・インスタンス・データベースとOracle RACデータベースを作成する場合は、Oracle RACデータベースのオプションを選択します。

  • Oracle RAC One Nodeをインストールする場合は、Oracle RACソフトウェアをクラスタ内の2つ以上のノードにインストールできます。
    Oracle RAC One Nodeインストールは、Oracle RAC One Nodeプール・メンバーとして選択したノードのいずれかで、インスタンスを起動します。そのインスタンスが停止した場合、Oracle RAC One Nodeインスタンスは別のプール・メンバーにフェイルオーバーされます。この機能はデータベース・インスタンスと接続を他のクラスタ・ノードに再配置することで高可用性を実現します。

関連項目:

  • Oracle RAC One Nodeの詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。

  • シングル・インスタンス・データベースのOracle RACへの変換方法については、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

2.4 クラスタ・データベースの管理タイプの選択

Oracle RACデータベースを作成する際には、作成するデータベースとして次の2つのデータベース・タイプのいずれかを選択できます。

  • ポリシー管理型データベース: サーバーのプールに基づいてデータベース・インスタンスが自動的に管理され、リソースを効率的に使用できます。

  • 管理者管理型データベース: データベース・インスタンスは、クラスタ内の特定のサーバーに関連付けられます。

関連項目:

サーバー・プールおよび様々なクラスタ・データベース管理タイプの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

2.5 インストール・タイプの選択

Oracle Universal Installer (OUI)を実行してOracle RACをインストールする場合、「標準」または「拡張」のインストール・タイプを選択できます。

標準インストール・タイプでは、基本的な構成を使用して、Oracle Databaseのデフォルト構成をインストールします。インストール・タイプとして「標準」を選択することをお薦めします。

拡張インストール・タイプはカスタマイズ・インストール用であり、特定のコンポーネントをインストールに追加する場合、SYS、SYSTEMおよびDBSNMPアカウントに異なるパスワードが必要な場合、サーバーと異なるデータベース・キャラクタ・セットの使用が必要な場合、製品の言語の変更が必要な場合、その他、非標準の構成が必要な場合など、特定の要件があるときにのみ必要です。

インストール中に次のオプションのいずれかを使用する場合は、拡張インストール・タイプを選択する必要があります。

2.5.1 Oracle Databaseで提供される事前構成済データベースの種類

「汎用目的/トランザクション処理」タイプおよび「データ・ウェアハウス」タイプでは、各データベース・タイプに適した事前構成済データベース・テンプレートが使用されます。

インストール中に、OUIによってOracle Net Configuration Assistant(NETCA)およびDBCAが起動され、以降は入力しなくても事前構成済データベースがインストールされます。データベースのインストール中、OUIにプログレス・バーが表示されます。

これら2つの構成タイプのDBCAの処理によって、初期データベースが作成され、Oracleネットワーク・サービスが構成されます。

2.5.2 「詳細」データベース構成の使用

Oracle Databaseに特別な要件がある場合は、「詳細」データベース構成オプションを使用します。

このインストール・タイプを使用して利用可能な「詳細」構成オプションには、Oracle RAC、Automatic Storage Management、バックアップとリカバリ構成、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlとの統合、よりきめ細かいメモリー・チューニングおよびその他のオプションが含まれています。

2.5.3 他の言語でのOracle Databaseのインストールについて

データベースまたはデータベースで実行されているアプリケーションで、デフォルト(英語)以外の言語を使用するには、拡張インストールを使用する必要があります。

ヒント:

デフォルトでは、Oracle Universal Installer (OUI)によって、新しいデータベースのキャラクタ・セットがオペレーティング・システムの言語に基づいて構成されます。

関連項目:

  • キャラクタ・セットおよび言語サポートの詳細は、Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイドを参照してください。

  • 様々な言語でのOUIの実行の詳細は、Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windowsを参照してください。

2.6 Oracle Database構成タイプの選択

OUIで「拡張インストール」オプションを選択した場合、「汎用目的/トランザクション処理」「データ・ウェアハウス」または「詳細」のデータベース構成タイプが選択できます。

「標準インストール」オプションを選択した場合、データベース構成タイプはデフォルトで「汎用目的/トランザクション処理」に設定されます。

「詳細」構成を選択すると、DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成の説明に従って、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してデータベースを作成できます。データベース作成には、DBCAを使用することをお薦めします。

2.7 データベース名の選択

データベース名は様々な文字列で構成されますが、許可されている文字のみを使用する必要があります。

データベース名の入力フィールドは、次のOracle初期化パラメータ値の設定に使用されます。

  • DB_NAME

  • DB_UNIQUE_NAME

  • DB_DOMAIN

Oracle RAC環境では、データベース名(DB_UNIQUE_NAME)部分は30文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)およびシャープ記号(#)を使用できますが、先頭は英字である必要があります。その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。データベースのDB_NAMEパラメータは、データベース名の最初の8文字に設定されます。

グローバル・データベース名のドメイン部分(DB_DOMAIN)は、128文字以内にします。ドメイン名にアンダースコア(_)は使用できません。DB_UNIQUE_NAME.DB_DOMAINの値は、それ全体で企業内で一意である必要があります。

データベース名とORACLE_SID

Oracle Service Identifier (SID)接頭辞はデータベース名の最初の8文字です。SID接頭辞には、a-z、A-Zおよび0-9の文字のみを使用できます。SID接頭辞には、オペレーティング・システムの特殊文字を含めることはできないため、データベース名の最初の8文字に特殊文字を使用した場合、この特殊文字はSID接頭辞では省略されます。各データベースに1つのSID接頭辞があります。データベースのSID接頭辞は、クラスタ内で一意である必要があります。

Oracle RACデータベースの場合、各インスタンスに、SID接頭辞とインスタンス番号で構成される一意の識別子(ORACLE_SID)があります。Oracle RACデータベース・インスタンスのORACLE_SIDは、そのデータベースに選択した管理方法に応じて異なる方法で生成されます。ポリシー管理型のデータベースを選択した場合、Oracleはname_# (nameはDB_UNIQUE_NAMEの最初の8文字の英数字で、#はインスタンス番号)という形式のSIDを生成します。管理者管理データベースを選択した場合、DBCAは、name# (nameはDB_UNIQUE_NAMEの最初の8文字の英数字で、#はインスタンス番号)という形式を使用して、インスタンス名のデフォルトSIDを生成します。ただし、データベースのインストールまたは作成時に、SIDにはデフォルト以外の値を指定でき、各インスタンスのこの文字列の後ろにインスタンス番号が自動的に追加されます。

例2-1 データベース名および関連する初期化パラメータ

データベースのグローバル・データベース名がorl$racprod2551.example.comの場合(インストール時に指定したもの)、次の値が初期化パラメータに使用されます。

パラメータ

DB_UNIQUE_NAME

orl$racprod2551

DB_DOMAIN

example.com

DB_NAME

orl$racp

例2-2 DB_UNIQUE_NAMEおよび関連するORACLE_SID値

データベースのDB_UNIQUE_NAMEorl$racprod2551の場合、次のSID値が使用されます。

データベースまたはインスタンスのタイプ ORACLE_SIDに使用される値

シングル・インスタンスのOracle Database

orlracpr

ポリシー管理型のOracle RACインスタンス

orlracpr_1

管理者管理型のOracle RACインスタンス

orlracpr1

2.8 データベース・パスワードの要件

データベースを保護するには、事前定義されたユーザー・アカウント用のパスワードであっても、Oracle推奨のパスワード要件を満たすパスワードを使用します。

Oracle Databaseには、事前定義されたユーザー・アカウントのセットが提供されています。パスワードは、安全な方法で作成します。デフォルト・パスワードがある場合は、これらのパスワードを安全なパスワードに変更します。

Oracle Databaseユーザーのセキュリティは、様々な方法で管理できます。

  • パスワードの作成方法に対する制限の適用

  • ユーザー・プロファイルの作成

  • ユーザー・アカウントの追加の保護のためのユーザー・リソース制限の使用

関連項目:

  • セキュア・パスワードの作成の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください

  • デフォルト・パスワードを使用するアカウントを検索する方法の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』

2.9 Oracleホーム・ユーザーの名前とパスワードの指定

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)から、Oracle DatabaseではOracleホーム・ユーザーを使用できるようになりました。

Oracleホーム・ユーザーは、インストール中に指定される標準のWindowsユーザー・アカウント(管理者アカウントではありません)で、Oracleホーム用のOracle Databaseで必要となるWindowsサービスを実行します。

Oracleホーム・ユーザーは、Oracleホームに関連付けられ、インストール後には変更できません。システムの異なるOracleホームは、同じOracleホーム・ユーザーを共有するか、異なるOracleホーム・ユーザー名を使用できます。Oracle RACデータベースの場合、OracleホームのWindowsユーザー・アカウントはドメイン・アカウントであり、既存のWindowsアカウントであることが必要です。

管理者管理データベースの場合、Oracle Cluster Registry (OCR)のセキュア・ウォレットに、Oracleホーム・ユーザーのパスワードを格納できます。このようなウォレットがOCR内に存在する場合、Oracle Database管理ツールでは、ウォレットからのパスワードが自動的に使用され、管理操作時にOracleホーム・ユーザーのパスワードの入力は求められません。

ポリシー管理データベースの場合、OCR内のセキュア・ウォレットにOracleホーム・ユーザーのパスワードを格納する必要があります。ポリシー管理データベースが作成されると、Oracle Database Configuration Assistantによってウォレットが自動的に作成されます(ウォレットが存在しない場合)。

関連項目:

  • Oracleインストール・ユーザーおよびOracleホーム・ユーザーの構成の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64 (64-Bit)』を参照してください。

  • Oracle Databaseサービス用のOracleウォレットの作成については、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

2.10 インストール中のOUIおよびDBCAの動作の理解

Oracle Databaseをインストールしたら、OUIによってDBCAが起動され、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに従ってデータベースが作成されます。

OFAガイドラインに従って作成されるインストールというのは、DBCAによって、標準的なファイルのネーミング方法および配置方法に従って、デフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を含むデータベース・ファイルが作成されることを意味します。

データベースの作成または削除を行うために、DBCAをスタンドアロン・モードで使用することもできます。

関連項目:

  • リスナーの構成などで問題が発生した場合、およびLightweight Directory Access Protocol(LDAP)サポートの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

2.11 Oracle Universal Installerを使用したOracle RACのインストール

Oracle Universal Installerは、Oracle RACソフトウェアをインストールするための主要なツールです。

  1. 管理者権限を持つユーザーとしてWindowsにログインします。
    Oracle Grid Infrastructureをインストールしたユーザーとは別のユーザーを使用する場合、インストール・ユーザーはASMDBAおよびASMADMINオペレーティング・システム・グループのメンバーであることが必要です。
  2. 他のノードに対する管理者権限があることを確認します。
    権限を確認するには、クラスタの一部である各ノードに対し次のコマンドを入力します(node_nameはリモート・ノードの名前)。
    net use \\node_name\C$
  3. Oracle Database 12cリリース1 (12.1)インストール・メディアのベース・ディレクトリからsetup.exeコマンドを実行して、インストールするデータベース・タイプを選択します。
  4. OUIのプロンプトに従って情報を指定します。
    インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
    インストール中に問題が発生した場合は、「詳細」をクリックしてログ・ファイルを確認します。ログ・ファイルは、この例に示すように、Oracle Inventoryディレクトリにインストール・プロセスのタイムスタンプ(date_time)を含む名前で格納されています。
    C:\Program Files\Oracle\Inventory\logs\installActionsdate_time.log

    前の構文例で、変数dateおよびtimeは、ログ・ファイルの日付と時間を表します。

    注意:

    データベースのインストールで使用するOracleホームの名前とパスは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアに使用したホームとは異なるものにする必要があります。Oracle DatabaseおよびOracle RACソフトウェアは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアをインストールしたホームにはインストールしないでください。

    注意:

    Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureホームの一部であるため、Oracle RACのインストール中にアップグレードできません。
  5. インストールの第2フェーズ(最終フェーズ)を完了したら、Oracle Real Application Clustersのインストール後の手順に進んでインストール後の作業を実行します。

    注意:

    インストールを完了し、データベースを作成した後で、データベースにOracle Database 12c リリース(12.1)製品をさらにインストールする場合は、追加の製品をインストールする前に、Oracleホームで実行されているすべてのプロセスを停止する必要があります。詳細は、既存のOracle RACデータベースをアップグレードするための準備を参照してください。

2.12 Oracle Universal Installerを使用したOracle RAC One Nodeのインストール

Oracle Universal Installerは、Oracle RAC One Nodeソフトウェアをインストールするための主要なツールです。

  1. 管理者ユーザー権限を持つユーザーとしてWindowsにログインします。
  2. Oracle Database 12cリリース1 (12.1)のインストール・メディアのベース・ディレクトリからsetup.exeコマンドを実行します。
  3. Oracle RAC One Nodeデータベースの構成を選択し、Oracle RAC One Nodeが実行されるすべてのノードでOracle RACのインストールを選択します。
  4. OUIのプロンプトに従って情報を指定します。インストール手順の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。「詳細」をクリックして、ログ・ファイルを参照します。
インストール中に問題が発生した場合は、インストール・ログ・ファイルに記録されているOUIの動作を調査します。ログ・ファイルは、この例に示すように、Oracle Inventoryディレクトリにインストール・プロセスのタイムスタンプ(date_time)を含む名前で格納されています。
C:\Program Files\Oracle\Inventory\logs\installActionsdate_time.log

注意:

データベースのインストールで使用するOracleホームの名前とパスは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアに使用したホームとは異なるものにする必要があります。Oracle DatabaseおよびOracle RACソフトウェアは、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアをインストールしたホームにはインストールしないでください。

注意:

Oracle ASMは、Oracle Grid Infrastructureホームの一部であるため、Oracle RACのインストール中にアップグレードできません。

2.13 Oracle Database Vaultオプションのインストール

Oracle Database Vaultのインストールと構成には、インストール時およびインストール後のアクションが必要です。

2.13.1 Oracle Database Vaultインストールでのリスナーの起動

リスナーおよびデータベース・インスタンスは、インストールを行ったノード以外のすべてのOracle RACノードで起動する必要があります。

  • Oracle Database Vault用に構成するOracle RACインスタンスを起動および停止するには、Server制御(SRVCTL)を使用します。
    Oracle RACインスタンスの起動および停止に、SQL*Plusは使用しないでください。

2.13.2 DBCAを使用したOracle Databaseの構成

DBCAを使用して、Oracle Database Vaultはインストール時でもインストール後でも構成できます。

  1. Oracle RAC Enterprise Editionデータベースをインストールして、Oracle RACデータベースを作成します。
  2. DBCAを起動して、「データベースの構成」オプションを選択します。
  3. コンポーネント・リストで、「Oracle Label Security」「Oracle Database Vault」を選択します。
  4. 必要な管理ユーザー・アカウントとパスワードを指定し、構成を続行します。
  5. インストールを完了した後、ソフトウェア構成を終了するために、各ノードを再起動する必要があります。

関連項目:

Oracle Database Vaultの構成と使用の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

2.13.3 Oracle Database Vaultのインストール後の構成手順の実行

Oracle Database Vaultオプションのインストール後、データベースに対する追加の変更が必要になる場合があります。

  1. 必要なインストール後の手順については、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。
  2. 他のOracle Database製品を使用している場合は、Database Vaultと他のOracle製品(透過的データ暗号化、Oracle Data Guardなど)を統合する方法の詳細について、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

2.14 リモート・ノードでの環境変数の更新

レジストリおよび環境変数に対する変更は、リモート・ノードでのユーザー・セッションにはすぐに反映されません。

インストール中に、Oracle RACをインストールした各ノードでWindowsレジストリと環境変数が変更されます。新しいレジストリ・エントリと環境変数設定は、インストールを実行したノード(ローカル・ノード)で確認できます。ただし、リモート・ノードの新しい設定を、すぐにユーザー・セッションで使用することはできません。新しくインストールしたOracleホームからスクリプトまたはアプリケーションを実行しようとすると、次のようなエラーが生成されます。
  • ORACONFIG.exe - コンポーネントが見つかりません

  • OCI.dllが見つかりません

変更した環境変数をリモート・ノードで使用できるようにするには、次のアクションのいずれかを行います。
  1. リモート・ノードでの現在のセッションをクローズ(ログオフ)してから、そのリモート・ノードにログオンして、新しいセッションを作成します。
  2. 環境変数をリモート・ノードで使用できるようにします。
    1. スタート・メニューから「マイ コンピュータ」を右クリックして、「プロパティ」を選択します
      または、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウでSYSDM.CPLと入力します。
    2. 「詳細設定」タブを選択します。
    3. 「環境変数」をクリックします。
      変更した環境変数が確認できます。
    4. 「OK」をクリックして、「システムのプロパティ」ウィンドウを閉じます。

2.15 インストール後のデータベース・サービスの管理について

DBCAを使用してOracle RACデータベースのデータベース・サービスを管理することはできません。

Oracle RACデータベースのデータベース・サービスのすべての管理および監視には、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)、Oracle Enterprise Manager Database ExpressまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してください。

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlのドキュメントは、Oracle Help CenterのWebサイト(http://docs.oracle.com)から入手できます。

関連項目:

  • Oracle Enterprise Managerを使用したサービスの管理については、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』