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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72964-07
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3 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成

この章では、Database Configuration Assistant(DBCA)をスタンドアロン・モードで使用して、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースを作成および削除する方法について説明します。

関連項目:

DBCAを使用したインスタンスの追加および削除の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

3.1 Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeデータベースに対するDBCAの使用

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)は、Oracleデータベースを作成および構成するためのツールです。

次に、DBCAの主なデータベース機能を示します。

  • データベースの作成および削除

  • データベース・テンプレートの作成

  • プラガブル・データベース(PDB)の作成、接続、切断および削除

  • データベース・インスタンスの追加および削除

  • データベースのOracle Enterprise Manager Cloud Controlへの登録

  • データベース・オプション(Oracle Database Vaultなど)の構成およびディレクトリ・サーバーへの登録

注意:

クラスタ管理サービスは、DBCAでは管理できなくなりました。かわりに、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlのクラスタ管理サービスに関するページ(使用可能な場合)またはSRVCTLを使用します。詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

関連項目:

  • リスナーの構成などで問題が発生した場合の解決およびLightweight Directory Access Protocol(LDAP)対応のディレクトリ・サポートの詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Managerの使用については、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。

3.2 Database Configuration Assistantのメリット

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してOracle RACデータベースを作成することをお薦めします。事前構成済データベースを使用すると、サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)、自動UNDO管理などの機能に合わせて環境を最適化できるためです。

DBCAによって、ポリシー管理データベースと管理者管理データベースの両方を作成できます。DBCAを使用すると、データベースの作成時にサイト固有の表領域を作成できます。DBCAテンプレートとは異なるデータ・ファイル要件がある場合は、DBCAによってデータベースを作成し、後でデータ・ファイルを変更します。また、データベースの作成時に、ユーザー定義のスクリプトを実行することもできます。

また、DBCAは、クラスタ管理ツールなど、Oracleの様々な高可用性機能を使用できるOracle RAC環境を構成します。DBCAは、定義した構成のサポートに必要なすべてのデータベース・インスタンスも起動します。

DBCAを使用すると、Oracle提供のテンプレートから、またはユーザーが作成したテンプレートからデータベースを作成できます。このテンプレートには、特定のタイプのワークロードに最適化された設定が含まれています。

次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが提供されています。

  • 汎用またはトランザクション処理

  • データ・ウェアハウス

より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションはテンプレートを使用しないため、より広範囲なインタビューが行われます。これによって、データベースを作成する時間が長くなります。

「詳細表示」をクリックして、各タイプのデータベースの構成を確認します。使用するデータベースでサポートされるワークロードのタイプに適したテンプレートを選択します。どちらを選択するか不明な場合は、デフォルトの「汎用またはトランザクション処理」テンプレートを選択します。

3.3 以前のリリースからのリスナーの自動移行

システムにOracle Database 10gまたは11gがインストールされている場合に、共存させたり、Oracle Database 10.1、10.2、11.1または11.2の環境をアップグレードするために、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)をインストールすると、ほぼすべてのインストール・タイプで、既存のOracle Databaseリスナーが12cリリース1 (12.1)のOracleホームに自動的に移行されます。

移行時に、アップグレード・プロセスによって、IPCキー値の既存のリスナーと同じTCP/IPポートを使用して、デフォルトのOracle Net Listenerが構成および起動されます。Oracle Clusterwareのアップグレード時に、デフォルト・リスナー(LISTENER_NODENAME)はOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に移行されます。DBCAでは常にデフォルト・リスナーが使用されます。

このリスナー移行プロセスによって、既存のOracleホームのリスナーが停止され、新しいOracleホームからリスナーが再起動されます。データベースでデフォルト・リスナー(LISTENER_NODENAME)を使用していた場合、Oracle Net Configuration Assistant (NETCA)によって、Oracle Grid Infrastructureのアップグレードの一部として、デフォルト・リスナーはGridホームに自動的に移行されます。データベースでデフォルト以外のリスナーが使用されている場合、そのデフォルト以外のリスナーは、Database Upgrade Assistant (DBUA)によってOracle Databaseホームに移行されます。

注意:

移行時には、移行中のリスナーに登録されているいずれのデータベースにもクライアント・アプリケーションを接続できない場合があります。

3.4 DBCAの要件の検証

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用して、システムで構成変更の準備が整っていることを検証します。

  • Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してデータベースの構成を変更する前に、次のコマンド構文を使用してクラスタ検証ユーティリティ(CVU)を実行し、システムで構成変更の準備が整っていることを検証します。
    Grid_home\bin\cluvfy stage -pre dbcfg -n node_list -d Oracle_home [-verbose]
    前述の構文例で、Grid_home 変数はOracle Grid Infrastructureホーム、node_list変数はクラスタ内のノードのカンマ区切りリスト、Oracle_home変数はOUIでデータベースを作成または変更するOracleホーム・ディレクトリのパスです。

    -verboseオプションを選択すると、CVUによるシステム検証の進捗状況および検証結果の詳細を表示できます。

CVUのサマリーにクラスタ検証の失敗が表示された場合は、該当するシステム構成手順を確認および修正して、再度テストを実行します。

例3-1 システムでOracle RACのインストール準備が整っていることを検証するためのCVUの使用

node1およびnode2で構成され、GridホームのパスがC:\app\12.1.0\grid、OracleホームのパスがC:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1の2ノード・クラスタのシステムで、Oracle DatabaseおよびOracle RACのインストールの準備が整っていることを検証するには、次のコマンドを入力します。

C:\app\12.1.0\grid\bin> cluvfy stage -pre dbcfg -n node1,node2 \
-d C:\app\oracle\product\12.1.0\dbhome_1

3.5 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成

DBCAを使用してデータベースを作成するには、Oracle Net Configuration Assistant (NetCA)を起動してOracle Netのlistener.oraファイルを構成する必要があります。

オペレーティング・システム環境変数ORACLE_HOMEにOracle RACデータベース・ホームを、またはORACLE_UNQNAMEにデータベースの一意の名前を設定する必要はなくなりました。

注意:

DBCAまたはOUIから、Oracle RACデータベースの電子メール通知を設定できなくなりました。

3.5.1 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成の前に完了するタスク

Oracle Database Configuration Assistantを使用してOracle RACデータベースを作成する前に、ソフトウェア要件を満たすようシステムを構成する必要があります(Oracle Grid Infrastructureのインストールの一環としてこれを行っていなかった場合)。

3.5.1.1 Oracle RACデータベースで使用するネーミング規則の決定

Oracle RACデータベースのグローバル・データベース名は、ネーミング要件を満たす必要があります。グローバル・データベース名は、データベース名とドメイン名で構成されます。

  1. データベースについて、次の特徴を持つ名前を選択します。
    1. 30文字以下
    2. 先頭がアルファベット文字
  2. グローバル・データベース名のドメイン名の部分について、次の要件を満たす名前を決定します。
    1. 128文字以下
    2. 英数字とピリオド文字(.)を含む
  3. 各インスタンスのORACLE_SID値を決定します。
    SID接頭辞に使用できる文字列の最大数は8文字です。Oracle Database Configuration Assistantは、SID接頭辞を使用して、各インスタンスのORACLE_SID変数に一意の値を生成します。SID接頭辞は、英字で始める必要があります。

3.5.1.2 Oracle RACデータベース用の共有記憶域の構成

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を起動してOracle RACデータベースを構成する前に、クラスタ用にOracle Grid Infrastructureをインストールし、Oracle RACファイル用の共有記憶域領域を構成する必要があります。

  1. SYSASMシステム権限を持つユーザーとしてログインします。
    記憶域管理タスクには、OSASMオペレーティング・システム・グループのメンバーに付与されるSYSASMシステム権限が必要です。このグループのメンバーにはSYSDBAシステム権限が付与されていますが、このグループはOSDBAグループとは同一でない場合があります。
  2. WindowsベースのシステムでOracle ASM記憶域を使用する場合は、DBCAを使用してデータベースを作成する前に、次の手順を実行する必要があります。
    1. ディスク・ドライブにプライマリ・パーティションなしで論理パーティションを作成します。
    2. すべてのノード上のこれらのパーティションのドライブ文字を削除します。
      または、asmtoolでこれらのパーティションをスタンプすることができます。
    3. Oracle ASMで使用されるディスクを構成した後、データベースで使用されるディスク・グループを作成する必要があります。
      ディスク・グループは、SQL*Plus、Oracle Enterprise ManagerまたはOracle Automatic Storage Management Configuration Assistant (ASMCA)を使用して作成できます。

関連項目:

  • asmtoolgの詳細は、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

  • 共有記憶域の構成要件の詳細は、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • ディスク・グループの作成の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

3.5.1.3 Oracleホーム・ユーザーのパスワードの取得

Oracle Database Configuration Assistantを使用してOracle DatabaseまたはOracle RACデータベースを作成する場合、インストール時にOracleホーム・ユーザーを指定すると、このユーザーのパスワードを入力する必要があります。

Oracle Databaseソフトウェアをインストールしたユーザーに連絡し、次のタスクを実行します。

関連項目:

Oracleホーム・ユーザーの詳細は、Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64 (64-Bit)を参照してください。

3.5.2 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成

DBCAを使用してOracle RACデータベースの作成および構成を行う場合、複数の画面を移動して、いくつかのアクションを実行します。

3.5.2.1 DBCAの起動

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)ユーティリティは、コマンドラインまたはWindowsの「スタート」メニューから起動できます。

注意:

DBCAを実行するために、オペレーティング・システム環境変数ORACLE_HOMEをOracle RACデータベース・ホームに、またはORACLE_UNQNAMEを一意のデータベース名に設定する必要はありません
  1. 管理ユーザーとしてログインします。
    ユーザーはORA_DBAまたはORA_Homename_DBAグループのメンバーであることが必要なほか、Oracle ASMがOracle RACデータベースの記憶域として使用される場合はORA_ASMDBAのメンバーでもあることも必要です。
    管理者管理Oracle RACデータベースを管理している場合で、Oracleウォレットにパスワードを格納しない選択をすると、Oracleホーム・ユーザーのパスワードの入力を求められます。
  2. コマンドラインからDBCAを起動するには、次のようにします。
    1. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
    2. Oracle_home\binディレクトリに移動します。
    3. コマンドdbcaを入力します。
  3. 「スタート」メニューからDBCAを起動するには、次のようにします。
    1. 「スタート」をクリックします。
    2. 「プログラム」を選択します。
    3. 「プログラム」で「Oracle - Oracleホーム名」を選択します
    4. 「コンフィグレーションおよび移行ツール」を選択します。
    5. 「Database Configuration Assistant」を選択します。
  4. DBCAを起動した後、Oracle RACデータベースを作成するには次を選択します。
    • 「データベース操作」ページまたは「ようこそ」ページの「データベースの作成」

    • 「作成モード」ページの「拡張モード」

    • 「データベース・テンプレート」ページの「Oracle RAC」データベース

3.5.2.2 DBCAを使用したクラスタの検出およびノードの選択

DBCAを起動すると、中央Oracleインベントリ(OracleホームがOracle RAC用に有効化される)でOracle RACが検出されると、Oracle RACのオプションが自動的に表示されます。

DBCAがOracle RACホームとしてOracleホームを検出しない場合は、OUIインベントリがC:\Program Files\Oracle\Inventoryディレクトリに正しく配置されていて、そのoraInventoryファイルが破損していないことを確認します。また、次のCVUコマンド構文を使用してクラスタウェア診断を実行します。

Grid_home\bin\cluvfy\cluvfy.bat stage -post crsinst -n nodelist

DBCAを使用していて、クラスタ・インストールの対象となるノードが「ノードの選択」ページに表示されない場合は、Opatchのlsinventoryコマンドを使用してインベントリ診断を実行してください。CVUを使用してクラスタウェアの診断も実行します。

例3-2 DCBAで2ノード・クラスタの検出に失敗した場合のクラスタウェア診断の実行

GridホームがD:\app\12.1.0\gridで、ノード名がnode1node2の場合は、次のコマンドを実行して、クラスタウェア診断を実行します。

D:\app\12.1.0\grid\bin> cluvfy stage -post crsinst -n node1,node2

3.5.2.3 DBCAを使用したOracle RACデータベースで使用する記憶域の選択

Oracle RACデータベース・ファイルの記憶域として、Oracle ASMディスク・グループか共有ファイル・システムのいずれかを選択できます。

  • 「データベース記憶域オプションの指定」ページで、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)にディスク・グループが表示されていない場合は、Oracle ASMが構成されていないか、ディスク・グループがマウントされていないかのいずれかです。
    DBCAを起動する前に、Grid InfrastructureホームでOracle Automatic Storage Management Configuration Assistant (ASMCA)を使用してディスク・グループを作成できます。
  • Oracle ASMを使用している場合、「データベース記憶域オプションの指定」ページで高速リカバリ領域とサイズを選択します。
    Oracle ASMを使用している場合、高速リカバリ領域はデフォルトでOracle ASMディスク・グループに設定されます。

3.5.2.4 DBCAを使用したOracle RAC用のデータベース初期化パラメータの指定

CLUSTER_DATABASE_INSTANCESパラメータを推定インスタンス数に設定します。

  1. 「初期化パラメータ」ページで、現在のOracle Database Configuration Assistantセッションに存在するノードより多くのノードをクラスタに追加する場合は、「すべての初期化パラメータ」をクリックして、パラメータCLUSTER_DATABASE_INSTANCESをクラスタに追加する総ノード数に変更します。
  2. また、「すべての初期化パラメータ」をクリックする際には、グローバル・データベース名が8文字を超える場合、データベース名の値(DB_NAMEパラメータ)は、最初の8文字に切り捨てられ、DB_UNIQUE_NAMEパラメータ値が、グローバル名に設定されることに注意してください。

関連項目:

初期化パラメータの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

3.5.2.5 Oracle RACデータベースに対してDBCAで実行されるアクション

Oracle RACデータベースの作成時のOracle Database Configuration Assistant (DBCA)のアクションを理解するにはこの情報を確認します。

DBCAのプロンプトに従って作業を行い、「サマリー」ダイアログ・ボックスの情報を確認して「OK」をクリックすると、DBCAによっていくつかのアクションが実行されます。

  • Oracle RACデータベースとそのインスタンスの作成

  • Oracle RACデータ・ディクショナリ・ビューの作成

  • Oracleサービスの開始(Windowsベースのプラットフォームの場合)

  • Oracle Clusterware高可用性サービスの起動

  • 全クラスタ・ノードでのデータベース・インスタンスの起動

注意:

Oracle RACデータベースを作成した後で、作成したOracle RACデータベースにOracle Database製品をさらにインストールする場合は、製品をインストールする前に、Oracle RACデータベース・ホームで実行されているすべてのプロセスを停止する必要があります。

Oracle RACホームで実行されているすべてのプロセスを停止すると、Oracle Universal Installerは特定の実行可能ファイルおよびライブラリを再リンクできます。詳細は、既存のOracle RACデータベースをアップグレードするための準備を参照してください。

3.6 Direct NFSでのOracle RACデータベースの作成

データベース・ファイルにDirect NFS (dNFS)を使用するOracle RACデータベースをインストールおよび作成する際、様々な構成プロセスを実行する必要があります。

3.6.1 Oracle Databaseのソフトウェアのみのインストールの実行

ソフトウェアのみのインストールでは、Oracle Databaseソフトウェアをインストールしますが、インストール・プロセスの一部としてデータベースを作成しません。

  1. ソフトウェア・ステージングの場所からsetup.exeを実行して、Oracle Universal Installer (OUI)を起動します。
  2. インストール・オプションの選択画面で「データベース・ソフトウェアのみインストール」を選択します。
  3. グリッド・インストール・オプション画面で、インストールする製品、たとえばOracle Real Application Clustersデータベース・ソフトウェア・インストールを選択します。
  4. データベース・ソフトウェアをインストールするノードを選択します。
  5. インストールされたソフトウェアで使用される言語を選択します。
  6. インストールするデータベースのエディションを選択します。Oracle RACデータベースの場合、Enterprise Editionを選択する必要があります。
  7. ソフトウェア・インストール所有者にOracleホーム・ユーザーを指定するか、Windows組込みのユーザーの使用を選択します。
  8. 「インストール場所の指定」画面で、Oracleベース・ディレクトリおよびソフトウェアの場所(Oracleホーム・ディレクトリ)へのパスを入力します。
  9. 「サマリー」画面で、選択を確認して、「インストール」をクリックします。

3.6.2 ASMCAを使用したACFSマウント・ポイントの構成

Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant (ASMCA)を使用すると、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)の共通ファイルの場所の手順で使用されるOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)マウント・ポイントを作成できます。

Oracle ACFSファイルシステムをWindows上で作成する場合、コンピュータの管理者でもあるWindowsドメイン・ユーザーとしてASMCAを実行します。
  1. Grid_home/binディレクトリからasmca.exeを実行して、ASMCAを起動します。
  2. 「ディスク・グループ」タブを選択します。
  3. 「ディスク・グループ名」を右クリックし、「データベース使用のACFSの作成」を選択します。
  4. 「データベースのACFSの作成」ウィンドウで、マウント・ポイントの場所、ボリューム名およびサイズを指定し、「OK」をクリックします。

    たとえば、次のように指定できます。

    • マウント・ポイント: C:\oradatamnt

    • ボリューム名: dbnfs

    • サイズ(GB): 70

  5. 表示される情報ポップアップ・ウィンドウで「OK」をクリックします。

    このウィンドウには、ASMCAによって実行されるアクションの概要が示されます。

  6. 「ASMクラスタ・ファイルシステム」タブを選択します。

    作成したマウント・ポイントは、このページに表示されます。

関連項目:

データベースで使用するOracle ACFSファイル・システムの作成の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください

3.6.3 DBCAを使用したOracle RACデータベースの作成および構成

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して、データ・ファイルの記憶域にDirect NFSを使用するOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースを作成します。

  1. Oracle_home\binディレクトリからdbca.exeを実行し、Database Configuration Assistantを起動します。
  2. 「データベース操作」画面で、「データベースの作成」を選択します。
  3. 「作成モード」画面で、「拡張モード」を選択します。
  4. 「データベース・テンプレート」画面で、「データベース・タイプ」に「Oracle Real Application Clusters (RAC)データベース」を選択します。
    「構成タイプ」で、「ポリシー管理型」または管理者管理型のいずれかを選択できます。作成するデータベースのタイプに最も適切なテンプレートを選択します。
  5. 次の4つの画面で、ビジネス要件を最も満たす選択を行い、情報を指定します。
  6. 「記憶域の場所」画面で次の手順を実行します。
    1. データベース・ファイルの記憶域タイプとして「ファイルシステム」を選択します。
    2. オプション「すべてのデータベース・ファイルに対して共通の位置を使用」を選択します。
    3. 「ファイルの場所」フィールドで、ASMCAを使用したACFSマウント・ポイントの構成で作成したマウント・ポイントの場所を指定します(例: C:\oradatamnt)。
  7. データベース・オプションの指定画面で、データベースに対して追加の構成を選択します。
  8. 「初期化パラメータ」画面で、デフォルト設定を使用するか、初期化パラメータにカスタマイズ値を指定します。
  9. 「作成オプション」画面で、オプション「データベース作成スクリプトの生成」を選択します。スクリプト・ファイルの宛先ディレクトリを指定するか、デフォルト値を使用します。
  10. 前提条件チェックが完了した後、「サマリー」画面でインストール・ウィンドウを最小化します。この時点では、「終了」をクリックしないでください。
  11. Direct NFSの有効化および構成の説明に従って、Direct NFSオプションを有効化します。
  12. ASMCAを使用したACFSマウント・ポイントの削除の説明に従って、Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant (ASMCA)で作成した仮想マウント・ポイントを削除します
  13. NFSサーバーだけでなく各ノードにおいてローカルで必要なすべてのディレクトリを作成します。
    この例では、次のように作成できます(orclはデータベースSIDを表し、pdb1はプラガブル・データベース(PDB)名を表します)。
    • 各ノードで、ディレクトリc:\oracle\oradatamnt\orcl\pdb1を作成します。

    • NFSサーバーで、ディレクトリ/export/abcd/orcl/pdb1を作成します。

  14. DBCAウィンドウに戻り、「終了」をクリックします。
  15. 生成されたスクリプトをクラスタ・ノードで実行し、データベースを作成します。
  16. データベース・ファイルの場所を表すドライブ文字をNFSサーバーのCIFS共有にマップします。
    次のようなコマンドを使用します。
    NET USE * \\filer\vol0\orcl

    この手順を完了した後、OracleとWindows OSの両方が、データベース・ファイルが存在する場所にアクセスできるようになります。OracleはDNFSを使用しますが、Windows OSはCIFSを使用して、NFSサーバー上の同じ場所にアクセスします。

  17. Direct NFSがデータベースに構成されていることを確認してください。
    1. SQL*Plusを起動します。
    2. 新規作成されたデータベースにDBAユーザーとして接続します。
    3. 次のSQLコマンドを実行します。
      SELECT * FROM v$dnfs_servers;

3.6.4 Direct NFSの有効化および構成

Oracle Databaseソフトウェアのインストール後、Direct NFSオプションを手動で有効にする必要があります。

  1. プログラムOracle_home\bin\enable_dnfs.batを実行します。
  2. oranfstabファイルを作成します。
    詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』を参照してください。

3.6.5 ASMCAを使用したACFSマウント・ポイントの削除

Direct NFSを使用してマウント・ポイントを構成すると、Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant (ASMCA)を使用してOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)マウント・ポイントを削除できます。

Oracle ACFSファイルシステムをWindows上で作成する場合、コンピュータの管理者でもあるWindowsドメイン・ユーザーとしてASMCAを実行します。
  1. Grid_home/binディレクトリからasmca.exeを実行して、ASMCAを起動します。
  2. 「ASMクラスタ・ファイルシステム」タブを選択します。
  3. 以前に作成したマウント・ポイント(C:\oradatamnt)を選択し、「すべてをディスマウント」をクリックします。
  4. 「ボリューム」タブを選択します。
  5. ASMCAを使用したACFSマウント・ポイントの構成で作成したマウント・ポイントを右クリックし、「削除」を選択します。

3.7 DBCAを使用したOracle RAC One Nodeの構成

クラスタ・ノードにOracle RACソフトウェアのみをインストールすることを選択した場合、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してOracle RAC One Nodeを構成できます。

関連項目:

Oracle RAC One Nodeの詳細は、Oracle Technology Network (http://www.oracle.com/technetwork/database/clustering/overview/)を参照してください。

3.7.1 DBCAを使用した非CDBの構成

DBCAを使用して、マルチテナント・データベースではないOracle RAC One Nodeデータベースを作成できます。

  1. インストールした後、DBCAを起動します。
  2. 「データベース操作」ページで、「データベースの作成」オプションを選択します。
  3. 「作成モード」ページで、「拡張モード」を選択します。
  4. 「データベース・テンプレート」ページで、「Oracle RAC One Nodeデータベース」を選択します。
  5. Oracle RAC One Nodeをデプロイするノードを選択します。
    1つのノードを選択すると、1つのノードでOracle RAC One Nodeがデプロイされます。Oracle RAC One Nodeのフェイルオーバー先となるクラスタ内ですべてのノードを選択することをお薦めします。

    2つ未満のノードを選択するか、2以上のカーディナリティでサーバー・プールを作成すると、選択したこの構成ではOracle RAC One Nodeインスタンスのフェイルオーバーがサポートされないことを示す警告メッセージが、DBCAによって表示されます。

    注意:

    管理者管理のOracle RAC One Nodeデータベースを作成した場合は、そのデータベースが、バイナリがインストールされたノードのプールの1つのみで起動される間、すべての候補サーバーが汎用サーバー・プールに配置されます。候補サーバーがまだ汎用または空きに存在しない場合、候補サーバーで実行されているリソースが停止することがあります。

関連項目:

  • PDBの詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。

  • サービスの追加の詳細は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドを参照してください。

3.8 DBCAを使用したOracle RACデータベースの削除

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用したOracle RACデータベースの削除は、データベースおよびデータベース・オブジェクトの削除を伴います。

DBCAは、まずデータベースを削除してから、データベースの初期化パラメータ・ファイル、インスタンス、Optimal Flexible Architecture (OFA)構造およびデータベースのOracleネットワーク構成を削除します。

  1. クラスタ・ノードのいずれかでDBCAを起動します。
    DBCAの起動を参照してください。
    DBCAでは「操作」ページが表示され、異なるデータベース・デプロイメント・オプションが表示されます。
  2. 「データベースの削除」を選択して「次へ」をクリックします。
    DBCAでは、すべてのOracle RACおよびDBCAが稼働しているOracleホームから実行されているシングル・インスタンス・データベースのリストが表示されます。
  3. ユーザーIDおよびパスワードにオペレーティング・システムの認証がない場合、「クラスタ・データベースのリスト」ページにユーザー名およびパスワードを入力するフィールドが表示されます。このフィールドが表示されたら、SYSDBA権限のあるユーザー・アカウントのユーザーIDおよびパスワードを入力します。
  4. 削除するデータベースを選択し、「終了」をクリックします。
    「終了」をクリックすると、構成したDBCAで削除するデータベースとインスタンスを確認するダイアログ・ボックスが表示されます。
  5. 「OK」をクリックすると、データベース本体と関連ファイル、サービスおよび環境設定の削除が開始されます。「取消」をクリックすると、操作が中止されます。

「OK」をクリックすると、DBCAは操作を継続して、このデータベースに関連するすべてのインスタンスを削除します。DBCAは、パラメータ・ファイル、パスワード・ファイルも削除します。

この時点で、次の作業が完了しました。

  • 選択したOracle RACデータベースのクラスタからの削除

  • Windowsベース・プラットフォームでの選択したOracle RACデータベースのOracleサービスの削除

  • Oracle RACデータベースに割り当てられた高可用性サービスの削除

  • Oracle RACデータベースのOracle Net構成の削除

  • Oracle RACデータベースのOracle Enterprise Managerの構成解除

  • Oracle RACデータベースのOFAディレクトリ構造のクラスタからの削除

  • Oracle RACデータベースのデータ・ファイルの削除

3.9 CDBによるOracle RACでのサービスの構成

インストール時に、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を選択し、プラガブル・データベース(PDB)を構成している場合は、インストール後、このPDBにサービスを追加することをお薦めします。

PDBにサービスを追加しない場合は、Oracle RAC One Node CDBは別のノードにフェイルオーバーされ、または手動でCDBを別のノードに再配置すると、デフォルトで、そのCDB (サービスを登録していない)に関連付けられているすべてのPDBはMOUNTED状態で再起動されます。

フェイルオーバーされるか、またはサービスを関連付けるためにPDBを構成した後で再配置すると、PDBはRead Writeモードで起動されます。PDBにサービスを関連付けていない場合は、CDBインスタンスの再起動時に、PDBはMOUNTED状態を維持します。

  • 次のsrvctlコマンド構文を使用します(cdbnameはCDBの名前、service_nameはサービスの名前、pdbnameはPDBの名前です)。
    srvctl add service -d cdbname -s service_name -pdb pdbname

PDBにサービスを追加した後、PDBが関連付けられているCDBを再配置したか、またはCDBがフェイルオーバーされた場合は、そのCDBに関連付けられているPDBは自動的にRead Write状態で起動されます。