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Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
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ハードウェアベースのミラー化

ほとんどの外部ストレージ・デバイスでは、様々なRAID (Redundant Array of Independent Disks)レベルがサポートされています。VLDB環境で最もよく使用される高可用性ハードウェアRAIDレベルは、RAID 1およびRAID 5です。VLDB環境ではそれほど一般的ではありませんが、他の高可用性RAIDレベルも使用できます。

この項の内容は次のとおりです。

RAID 1でのミラー化

RAID 1は基本的なミラー化技術です。記憶域に書き込まれるすべての記憶域ブロックは、RAID設定で定義されたように異なる2つの物理デバイスに格納されます。RAID 1ではフォルト・トレランスが提供されます。つまり、1台のデバイスで障害が発生すると、もう1台のミラー化されたデバイスがデータのリクエストに応答できます。RAID 1設定での2つの書込みは記憶域レベルで生成されます。RAID 1が有効に機能するには少なくとも2つの物理ディスクが必要です。

ストレージ・デバイスには、通常、リクエストが届いたときにプライマリとミラーのいずれかを読み取る機能があります。これにより、高可用性対応に設計された他のRAID構成に比べて高いパフォーマンスが得られます。RAID 1は、最も単純なハードウェア高可用性実装ですが、データを格納するために必要な記憶域が2倍になります。多くの場合、RAID 1はRAID 0 (ストライプ化)と組み合せてRAID 0+1構成で使用されます。最も単純なRAID 0+1構成では、個々のストライプが2台の物理デバイス間でミラー化されます。

RAID 5でのミラー化

RAID 5には、少なくとも3台のストレージ・デバイスが必要です。通常は4から6台のデバイスが1つのRAID 5グループで使用されます。RAID 5を使用すると、デバイスに書き込まれるデータ・ブロックごとにパリティが計算されて、別のデバイスに格納されます。読取り操作時にパリティがチェックされます。パリティ計算は記憶域レイヤーで行われます。RAID 5でデバイス障害に対する高可用性が得られるのは、別のデバイスに格納されているパリティに基づいてデバイスの内容を再構築できるためです。

RAID 5では優れた読取りパフォーマンスも提供されます。書込みのパフォーマンスは、記憶域レイヤーでのパリティ計算のために遅くなることがあります。RAID 5では、グループ内のデバイス数によって異なりますが、必要な記憶域容量は2倍よりは少なくなります。RAID 5は比較的複雑なため、ストレージ・デバイスによってはRAID 5設定がサポートされないものもあります。