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Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
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手順1: データ・クラスの定義

情報ライフサイクル管理を有効に利用するには、まず最初に、組織のすべてのデータを調べて次の事柄を判別します。

データの使用方法を理解すれば、それに基づいてデータを分類できます。最も一般的なタイプの分類は、経過時間つまり日付によるものですが、製品やプライバシなどその他のタイプの分類も可能です。プライバシと経過時間など、混合型の分類も使用できます。

データ・クラスの処理方法を変えるには、データを物理的に分ける必要があります。情報が作成されると最初のうちはよくアクセスされますが、時間が経過するとほとんど参照されなくなることがあります。たとえば、顧客が注文を行うと、ステータスや注文品が発送されたかどうかを確認するために定期的に注文を表示します。注文品が届いた後は、おそらくその注文を参照することはありません。この注文も、注文されている品物を確認するために実行する定期レポートに含まれます。ただし、時間がたつとどのレポートにも含まれなくなり、将来的に参照されるのは、そのデータに関連する詳しい分析が行われる場合のみになります。たとえば、注文を財務四半期Q1、Q2、Q3およびQ4に分け、さらに履歴注文として分類することができます。

この方法を使用する利点は、データがクラス(この例では注文日付)ごとに行レベルでグループ化されることです。Q2の注文は別のクラスに存在するため、Q1のすべての注文を自己完結した単位として管理できます。これはパーティション化の使用によって実現できます。パーティションはアプリケーションに対して透過的であるため、データを物理的に分離しても、アプリケーションはすべての注文を見つけることができます。

パーティション化

パーティション化では、データ値に基づいてデータを物理的に配置します。日付によってデータをパーティション化する方法がよく使用されます。図5-1に示すシナリオでは、Q1、Q2、Q3およびQ4の注文を個別のパーティションに格納し、前年までの注文を他のパーティションに格納します。

図5-1 データ・クラスのパーティションへの割当て

図5-1の説明が続きます
「図5-1 データ・クラスのパーティションへの割当て」の説明

Oracleでは複数の異なるパーティション化方法を提供します。レンジ・パーティション化は、ILMのためによく使用されるパーティション化方法の1つです。時間隔パーティション化および参照パーティション化も、ILM環境での使用に特に適しています。

データのパーティション化には様々な利点があります。パーティション化により、データを使用方法に応じて適切なストレージ・デバイスに簡単に分散すると同時に、データをオンラインに保ち、最もコスト効果の高いデバイスに格納できるようになります。パーティション化はデータにアクセスするすべてのユーザーにとって透過的であるため、アプリケーションの変更が必要ありません。このため、いつでもパーティション化を実装できます。新しいパーティションが必要なときには、ADD PARTITION句を使用して追加するだけです。また、時間隔パーティションを使用している場合には、パーティションが自動的に作成されます。

その他の利点として、各パーティションが独自のローカル索引を持つことが可能です。オプティマイザがパーティション・プルーニングを使用すると、問合せは、すべてのパーティションではなく関連するパーティションのみにアクセスするため、問合せのレスポンス時間が短縮されます。

データのライフサイクル

データを分析すると、多くの場合、当初はアクセスや更新が非常に頻繁に行われることがわかります。データが古くなるにつれて、アクセス頻度は減少し、あるとしてもごく少数になります。図5-2に示すように、ほとんどの組織では、多くのユーザーが現行データにアクセスするが、それよりも古いデータにアクセスするユーザーはほとんどいないという状況が見られます。データは、アクティブ、非アクティブ、履歴、アーカイブ可能のいずれかとみなすことができます。

非常に多くのデータを保持するときは、その存続期間において物理的に場所を移す必要があります。データがライフサイクルのどの時点にあるかによって異なりますが、最も適切なストレージ・デバイスに格納する必要があります。

図5-2 時間経過に伴うデータ使用状況

図5-2の説明が続きます
「図5-2 時間経過に伴うデータ使用状況」の説明