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Oracle Sales Cloudカスタマイズ・スタート・ガイド
リリース9
E60817-01
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5 オブジェクトおよびフィールドの作業

Oracle Sales Cloudには、多くのビジネス・ニーズおよびシナリオに対応する標準オブジェクトがあります。Oracle Sales Cloudで情報を取得したい特有のビジネス・コンポーネントがある場合は、カスタム・オブジェクトを作成できます。オブジェクトの追加属性を取得する必要がある場合は、そのオブジェクトにカスタム・フィールドを追加できます。ここでは、カスタム・オブジェクトを作成してOracle Sales Cloudデータ・モデルを拡張する方法について説明します。また、2つの最も一般的なタイプのフィールド、テキスト・フィールドと固定選択フィールドを追加する方法についても説明します。

この項の内容は次のとおりです。


注意:

カスタム・オブジェクトまたはフィールドを作成する前に、内部オブジェクト名またはフィールド名など、作成後に変更できない一部のプロパティについて検討してください。必ず、カスタム・オブジェクト・フィールドのテストおよび確認を行ってから、そのフィールドを含むサンドボックスを公開します。


演習の使用方法

ここでの演習では、ユーザー・インタフェースを変更する必要があります。変更は他のユーザーに影響を与える可能性があるため、次のガイドラインに従ってください。

新しいフィールドやオブジェクトの名前など一部の変更は、サンドボックスの外で登録されるため、サンドボックスを削除した後でも維持されることに留意してください。フィールドの表示ラベルは変更できますが、フィールドの作成後に登録済の名前を変更することはできません。作業を始める前に、オブジェクトやフィールドの名前をどのように付けるか、またスクリプトでその名前をどのように読み取るかについても検討してください。

フィールド値は、特定の型の単純な値にすることも、フィールドまたは値を表示するために評価する必要があるスクリプト言語を含めることもできます。

Groovyは、Javaプラットフォーム用の動的スクリプト言語です。Groovyスクリプトをアプリケーション・コンポーザで記述して、既存のオブジェクトおよびそのフィールドを利用できます。Groovyスクリプトで実現できるタスクの例には、カスタム・フィールド値の計算、フィールド値からの動的URLの作成、フィールド値を使用した動的なページ・レイアウトをトリガーする条件の作成などがあります。Groovyスクリプトは実行時に評価されます。詳細は、Customizing SalesApplication Composer: Using Groovy Scriptsを参照してください。

カスタム・オブジェクトの作成

パートナの問題を取得するサービス要求など、提供オブジェクトでは表現できないビジネス固有のオブジェクトの情報を取得するには、カスタム・オブジェクトを作成します。

カスタム・オブジェクトの作成後、ユーザーがオブジェクトにアクセスする方法を指定するセキュリティを設定し、必要な属性を取得するフィールドを追加し、ユーザーがオブジェクト・レコードと情報をやり取りするためにオブジェクト作業領域ページに表示し、オブジェクトの保存済検索を作成します。詳細は、次の各項を参照してください。

アプリケーション・コンポーザを使用して、オブジェクトをデータ・モデルに追加します。

オブジェクトを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 必ずサンドボックスで作業します。サンドボックスでの作業の説明は、「進行中の作業の分離」を参照してください。

  2. ナビゲータ」の「ツール」グループで「カスタマイズ」、「アプリケーション・コンポーザ」の順に選択します。

  3. リージョン領域で、「アプリケーション」リストから、オブジェクトを作成するアプリケーションを選択します。

  4. 次の図に示すとおり、「オブジェクト」ツリーで、「カスタム・オブジェクト」の横にある「作成」アイコンをクリックします。

    appcomp-obj-cr-icon.pngの説明が続きます
    図appcomp-obj-cr-icon.pngの説明

  5. 「カスタム・オブジェクトの作成」ダイアログ・ボックスで、次の表に示す情報を入力します。

    フィールド 説明

    表示ラベル

    オブジェクトで表示されるラベル。ラベルは、オブジェクトの作業領域のタイトルに使用されます。

    複数ラベル

    オブジェクトの複数のインスタンスを表示するラベル。地域検索において文字列の検索に使用されるとともに、ローカル検索において保存済検索に使用されます。

    レコード名ラベル

    インスタンスを一意に識別するフィールドのラベル。通常、これはオブジェクトのユーザーが認識できる主要な識別子です。

    レコード名データ型

    レコード名」フィールドのデータ型。

    オブジェクト名

    オブジェクトの識別子。名前は、未公開のオブジェクト名を含めて一意にする必要があります。Groovyの式でオブジェクトの識別に使用するApplication Programming Interface (API)名は、この名前から導出されます。詳細は、Customizing SalesApplication Composer: Using Groovy Scriptsを参照してください。

    説明

    オブジェクトに関するオプションの説明


  6. OK」をクリックします。

  7. アプリケーション・コンポーザのリージョン領域にある「カスタム・オブジェクト」ツリーに新しいオブジェクトが表示されていることを確認します。

演習

次の手順の説明に従ってオブジェクトを作成します。

  1. 必ずサンドボックスで作業します。サンドボックスでの作業の説明は、「進行中の作業の分離」を参照してください。

  2. Salesアプリケーションに、表示ラベルService Requestのカスタム・オブジェクトを作成します。

  3. オブジェクトの内部名は削除も再利用もできないため、オブジェクトの名前にはServiceRequest_yourinitials_mmddと設定します。yourinitialsは自分のイニシャル、mmddは現在の月日です。他のユーザーが同じ名前を付ける可能性を低くする方法の1つは、テスト・オブジェクト名の末尾にイニシャルおよび現在の日付を追加することです。

  4. レコード名ラベル」をService Request Nameと設定します。

  5. オブジェクトがアプリケーション・コンポーザに表示されることを確認します。

サンドボックスでの作業を終了する際、アプリケーション管理者と協力して必ずサンドボックスを削除し、公開しないようにしてください。

オブジェクトのセキュリティの設定または変更

「ポリシーの定義」ページを使用して、オブジェクトのデータを作成、表示、更新できるロールを指定するとともに、他のロールにアクセス権を付与します。


注意:

セキュリティ設定を変更する前に、自分のユーザー名に割り当てられているロールを確認します。権限を変更する際には、オブジェクトの表示および更新に必要な権限を自分のロールから削除しないようにしてください。


オブジェクトのセキュリティを設定するには、次の手順を実行します。

  1. リージョン領域で、カスタム・オブジェクトを展開してから、「セキュリティ」を選択します。

  2. 「ポリシーの定義」ページで、チェック・ボックスを使用して、各処理をどのロールが実行できるかを指定します。次の図の「表示」列に示すとおり、全ロールに特定の処理を使用可能にするには、その処理の列の一番上の行にあるチェック・ボックスを選択します。

    work-area-sec-policies.pngの説明が続きます
    図work-area-sec-policies.pngの説明

    ページの表示およびテストを行うのに必要な権限があることを確認します。

オブジェクトのアイコンの変更

カスタム・オブジェクトに関連付けられたアイコンを変更できます。

  1. 必ずサンドボックスで作業します。サンドボックスでの作業の説明は、「進行中の作業の分離」を参照してください。

  2. ナビゲータ」の「ツール」グループで「カスタマイズ」、「アプリケーション・コンポーザ」の順に選択します。

  3. リージョン領域で、「アプリケーション」リストから、カスタマイズするオブジェクトが含まれるアプリケーションを選択します。

  4. リージョン領域で、「カスタム・オブジェクト」を展開し、アイコンを変更するオブジェクトを選択します。

  5. オブジェクトの「概要」領域の「表示アイコン」で、オブジェクトに現在使用されているアイコンの横にある「検索」アイコンをクリックします。

  6. 表示されるアイコンのリストからアイコンを選択します。

演習

必ずサンドボックスで作業します。アプリケーション・コンポーザを使用してカスタム・オブジェクトを検索し、概要(オブジェクト)レベルで開きます。カスタム・オブジェクトの別のアイコンを検索して選択します。

サンドボックスでの作業を終了する際、アプリケーション管理者と協力して必ずサンドボックスを削除し、公開しないようにしてください。

テキスト・フィールドの追加

文字列を取得するためにテキスト・フィールドを追加できます。たとえば、要求が割り当てられた従業員の名前を格納するためのテキスト・フィールドをサービス要求オブジェクトに追加できます。

テキスト・フィールドを追加するには、アプリケーション・コンポーザを使用します。


注意:

フィールドを作成する前に、フィールドの作成後にフィールドの名前およびAPI名は変更できないことを考慮してください。表示ラベルが変更されたとしても、Groovyの式でこのフィールドを参照するために使用される名前は変わりません。


テキスト・フィールドを追加するには、次の手順を実行します。

  1. 必ずサンドボックスで作業します。サンドボックスでの作業の説明は、「進行中の作業の分離」を参照してください。

  2. ナビゲータ」の「ツール」グループで「カスタマイズ」、「アプリケーション・コンポーザ」の順に選択します。

  3. リージョン領域で、「アプリケーション」リストから、フィールドを追加するアプリケーションを選択します。

  4. リージョン領域で、作業するオブジェクトのタイプによって、「標準オブジェクト」または「カスタム・オブジェクト」を展開します。

    標準オブジェクト」ツリーでは、カスタマイズが可能な標準オブジェクトのみが表示されることに注意してください。

  5. フィールドを追加する対象のオブジェクトを展開します。

  6. 「フィールド」ページを表示するには、次の図に示すように「フィールド」を選択します。

    objects-tree-fields.pngの説明が続きます
    図objects-tree-fields.pngの説明

  7. 「フィールド」ページの「カスタム」タブで、「処理」メニューから「作成」を選択します。

  8. 「フィールド・タイプの選択」ダイアログ・ボックスで、「テキスト」を選択してから「OK」をクリックします。

  9. 「作成」ページで、次の図に示すとおり、フィールドに情報を入力します。「表示ラベル」フィールドおよび「名前」フィールドに値を入力する必要があります。

    field-cr-text.pngの説明が続きます
    図field-cr-text.pngの説明

    次の表は、テキスト・フィールドのプロパティの説明です。

    プロパティ 説明

    表示ラベル

    フィールドで表示されるラベル

    ヘルプ・テキスト

    ツールチップに表示される情報

    表示幅

    フィールドの文字の幅

    表示タイプ

    表示されるテキスト・フィールドのタイプを決定します。「単純テキスト・ボックス」は、1行のテキスト・フィールドです。「複数行テキスト・エリア」は、複数行にまたがるより大きいテキスト領域です。

    名前

    フィールドの識別子。名前はオブジェクト内で一意にする必要があります。このフィールドは内部使用目的にのみ使用されます。Groovyの式のフィールドの識別に使用するApplication Programming Interface (API)名は、この名前から導出されます。

    説明

    オブジェクトに関するオプションの説明。このフィールドは内部使用目的にのみ使用されます。

    必須

    フィールドが必須であるかどうかを示します。オプションで、式ビルダーを使用して、いつフィールドを必須にするかを指定する式を記述できます。

    更新可能

    フィールド更新可能かどうかを示します。オプションで、式ビルダーを使用して、いつフィールドを更新するかを指定する式を記述できます。

    検索可能

    拡張検索モードで、「フィールドの追加」リストの追加の検索基準として、フィールドを選択可能にするかどうかを示します。

    索引付き

    高速検索を可能にします。限られた数の列にのみ索引が付けられます。頻繁に検索されるフィールドに対してのみ、このチェック・ボックスを選択します。フィールドの作成後はこのプロパティを変更できません。

    サービス・ペイロードに含める

    フィールド値をWebサービスの要求または応答に含めるかどうかを示します。

    最小長

    テキスト・フィールドに許可される最小文字数を示します。

    最大長

    テキスト・フィールドに許可される最大文字数を示します。

    固定値

    フィールドのリテラルのデフォルト値。フィールドが必須かつ一意である場合は、実行時にエラーが発生するため、固定値を入力しないでください。

    動的にデフォルト値を設定する式。


  10. OK」をクリックします。

演習

必ずサンドボックスで作業します。テキスト・フィールドを、次のプロパティとともに「Service Request」オブジェクトに追加します。

変更を保存してから、「Service Request」オブジェクトの「フィールド」ページでフィールドのプロパティを確認します。

サンドボックスでの作業を終了する際、アプリケーション管理者と協力して必ずサンドボックスを削除し、公開しないようにしてください。

固定選択リスト・フィールドの追加

サービス要求のステータスなど、ユーザーが固定選択リストからオプションを選択する場合、標準オブジェクトまたはカスタム・オブジェクトに固定選択リスト・フィールドを追加できます。このオプションは、オブジェクトのレコードを作成または編集する際に設定します。


注意:

フィールドを作成する前に、フィールドの作成後にフィールドの名前およびAPI名は変更できないことを考慮してください。表示ラベルが変更されたとしても、Groovyの式でこのフィールドを参照するために使用される名前は変わりません。


固定選択リスト・フィールドを作成するには、アプリケーション・コンポーザを使用します。

この項の内容は次のとおりです。

タスク1   固定選択リスト・フィールドの作成および説明
  1. 必ずサンドボックスで作業します。サンドボックスでの作業の説明は、「進行中の作業の分離」を参照してください。

  2. ナビゲータ」の「ツール」グループで「カスタマイズ」、「アプリケーション・コンポーザ」の順に選択します。

  3. リージョン領域で、「アプリケーション」リストから、フィールドを追加するアプリケーションを選択します。

  4. リージョン領域で、作業するオブジェクトのタイプによって、「標準オブジェクト」または「カスタム・オブジェクト」を展開します。

    標準オブジェクト」ツリーでは、カスタマイズが可能な標準オブジェクトのみが表示されることに注意してください。

  5. フィールドを追加する対象のオブジェクトを展開します。

  6. 「フィールド」ページを表示するには、「フィールド」を選択します。

  7. 「フィールド」ページの「カスタム」タブで、「処理」メニューから「作成」を選択します。

  8. 「フィールド・タイプの選択」ダイアログ・ボックスで、「選択リスト(固定)」を選択してから「OK」をクリックします。

  9. 作成」ページで、次の図に示すように、「表示ラベル」、「名前」、「制約」などの基本情報を入力します。

    field-cr-fixed.pngの説明が続きます
    図field-cr-fixed.pngの説明

  10. 表示タイプを選択します。

    • ユーザーが選択できる値が1つのみの場合は、「単一選択リスト」を選択します。

    • ユーザーが選択できる値が複数の場合は、「複数選択項目リスト」を選択します。

  11. 参照タイプが以前に定義されていた場合は、「参照タイプ」フィールドの横にある「検索」アイコンをクリックして参照タイプを検索し、選択してから、「OK」をクリックします。参照タイプが以前に定義されていない場合は、次のタスクで説明するとおりに参照タイプを作成します。

タスク2   参照タイプの作成

参照タイプが定義されていなかった場合は、「参照タイプの作成」ダイアログ・ボックスを使用して追加し、値リストを指定します。参照タイプは他のフィールドに再利用できることに注意してください。


注意:

サンドボックス内で作業しても、参照タイプはサンドボックス外に作成され、メインライン・コードの一部になります。


参照タイプを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 次の図に示すとおり、「参照タイプ」フィールドの横に表示される「作成」アイコンをクリックして、「参照タイプの作成」ダイアログ・ボックスを開きます。

    cr-lookup-type.pngの説明が続きます
    図cr-lookup-type.pngの説明

  2. 次の表にあるプロパティを入力します。

    プロパティ 説明

    内容

    参照タイプの一意の名前。他の固定選択フィールドのニーズを満たす参照タイプの検索を他のユーザーに可能にする名前を使用します。

    説明

    この参照タイプが他の固定選択フィールドのニーズを満たしているかどうかを、他のユーザーが判断できるオプションの説明。

    参照タイプ

    この参照の一意の内部識別子。


  3. 参照コード」表で、「処理」メニューから「作成」を選択して、有効値のリストにアイテムを追加します。

  4. 内容」列に、有効値のリストに表示する値を入力します。値はリスト内で一意である必要があります。

  5. 参照コード」列に、アイテムの内部コードを入力します。値はリスト内で一意である必要があります。参照コードがインタフェースに表示される文字列ではないことをGroovyスクリプトで明確にするために、小文字またはスペースは使用しないでください。

  6. (オプション)表示順序および説明を入力します。

  7. 追加のアイテムを作成してリストを完成させます。

  8. 保存」をクリックします。

  9. 保存してクローズ」をクリックします。

演習

必ずサンドボックスで作業します。固定選択リスト・フィールドを、次のプロパティとともに「Service Request」オブジェクトに追加します。

変更を保存してから、「Service Request」オブジェクトの「フィールド」ページでフィールドのプロパティを確認します。

サンドボックスでの作業を終了する際、アプリケーション管理者と協力して必ずサンドボックスを削除し、公開しないようにしてください。

追加情報

ここで説明した概念、ツールおよび手順に関する詳細は、次の各リソースを参照してください。