このセクションでは、図 2に示されている仮想化環境を実装する手順について説明します。システムの概要とバックグラウンド要件については実装の前提条件で説明しています。組み合わせた仮想化ソリューションの実装に必要な順で、タスクを下に示します。
仮想化環境を実装する前に、次の概要と要件を確認してください。
Oracle VM Server for SPARC 3.3 ソフトウェアを含む Oracle Solaris 11.3 OS は、SPARC T5-2 システム (systemと呼びます) にインストールされます。
system 上のシステムファームウェアが Oracle VM Server for SPARC および Oracle Solaris カーネルゾーンをサポートしている。
正しいバージョンのソフトウェアとファームウェアがインストールされていることを確認するには、次のコマンドを実行します。
システムが少なくとも Oracle Solaris 11.3 OS を実行しているかどうかを示します。
システムが少なくとも 論理ドメイン Manager 3.3 ソフトウェアおよび少なくともシステムファームウェアのバージョン 9.5.1 を実行しているかどうかを示します。
使用している SPARC T5-2 システムが最新でない場合は、Oracle Solaris OS、Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア、および SPARC システムファームウェアのインストールおよびアップグレードに関する情報について、次のドキュメントを参照してください。
Oracle VM Server for SPARC 3.3 Installation Guide の Fully Qualified System Firmware Versions
Oracle VM Server for SPARC 3.3 Installation Guide の 第 2 章, Installing Software
Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアを構成およびインストールするには、この手順を使用します。
サービスおよび Oracle VM Server for SPARC 制御ドメインを構成します。
SPARC T5-2 システムで制御ドメインサービスを設定します。Oracle VM Server for SPARC 3.3 Administration Guide の 第 3 章, Setting Up Services and the Control Domainを参照してください。
Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー機能については、Oracle VM Server for SPARC 3.3 Administration Guide の 第 2 章, Oracle VM Server for SPARC Securityを参照してください。
Oracle VM Server for SPARC ゲストドメインを構成し、インストールします。
次のゲストドメインを作成し、起動します。
ldg1 – Oracle Solaris 11.3 OS を実行します。ldg1 は次のゾーンをホストします。
zone1、データベースアプリケーションを実行する solaris ブランドゾーン
zone2、Web サーバーアプリケーションを実行する solaris ブランドゾーン
kzone1、システムの残りの部分から異なる SRU を実行するアプリケーションをホストする solaris-kz ブランドゾーン (カーネルゾーン)
ldg2 – Oracle Solaris 10 OS を実行し、次のゾーンをホストします。
sol8-zone2、レガシーアプリケーションを実行している solaris8 ブランドゾーン
sol8-zone3、レガシーアプリケーションを実行している solaris8 ブランドゾーン
ldg3 – Oracle Solaris 10 OS を実行します
ldg4 – Oracle Solaris 11.3 OS を実行し、次のゾーンをホストします。
zone3、ユーザーログインをホストする solaris ブランドゾーン
kzone2、四半期サイクルではなく、月単位で管理される別のアプリケーションを実行する solaris-kz ブランドゾーン
Oracle VM Server for SPARC 3.3 Administration Guide の Creating and Starting a Guest Domainを参照してください。
ゲストドメインが起動したら、ldg1、ldg2、ldg3、および ldg4 ゲストドメインに適切なバージョンの Oracle Solaris OS ソフトウェアをインストールできます。Oracle VM Server for SPARC 3.3 Administration Guide の Installing Oracle Solaris OS on a Guest Domainを参照してください。
レガシー Solaris 8 システム sol8-sys1 を SPARC T5-2 システム上の論理ドメインに変換します。
Oracle VM Server for SPARC ldmp2v コマンドを使用して、既存の物理 Solaris 8 システムを、Oracle Solaris 10 を実行する論理ドメインに変換します。Solaris 8、Solaris 9、または Oracle Solaris 10 システムを、SPARC T5-2 システム上の論理ドメインで Oracle Solaris 10 OS を実行する仮想システムに変換できます。Oracle VM Server for SPARC 3.3 Administration Guide の 第 19 章, Oracle VM Server for SPARC Physical-to-Virtual Conversion Toolを参照してください。
Oracle Solaris ゾーンを構成およびインストールするには、この手順を使用します。
ゲストドメインで Oracle Solaris ゾーンを構成します。
指定されたゲストドメイン内に次のゾーンを作成します。
zone1 – ldg1 ゲストドメイン内のデータベースをホストします
zone2 – ldg1 ゲストドメイン内の Web サーバーをホストします
zone3 – ldg4 ゲストドメイン内のユーザーログインデータをホストします
Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 の ゾーンの構成方法を参照してください。
ゾーンをインストールします。
Oracle Solaris カーネルゾーンを構成およびインストールするには、この手順を使用します。
ゲストドメインで Oracle Solaris カーネルゾーンを構成します。
次のカーネルゾーンを作成します。
kzone1 – ほかのシステムコンポーネントとは別の Oracle Solaris 11.3 SRU が必要なアプリケーションをホストします。kzone1 は、ゲストドメイン ldg1 内でホストされます。
kzone2 – 独立した更新サイクルを必要とするアプリケーションをホストします。kzone2 はゲストドメイン ldg4 でホストされます。
Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 の Oracle Solaris カーネルゾーンの構成を参照してください。
カーネルゾーンの直接インストールを使用して各カーネルゾーンをインストールします。
Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 の 直接インストールを使用したカーネルゾーンのインストールを参照してください。
Oracle Solaris 11.3 上に Oracle Solaris 10 ゾーンを作成するには、この手順を使用します。
Oracle Solaris 10 ゾーンを Oracle Solaris 11.3 に移行してアーカイブします。
物理マシンから Oracle Solaris 10 OS を実行するシステムを Oracle Solaris 11.3 上のゾーンに移行するには、Oracle Solaris 10 システム sol10-sys1 をアーカイブします。次に、アーカイブを使用して、システムを Oracle Solaris 10 ゾーン sol10-zone に移行します。Oracle Solaris 10 ゾーンの作成と使用 の 第 2 章, Oracle Solaris 10 システムの評価とアーカイブの作成およびOracle Solaris 10 ゾーンの作成と使用 の 第 3 章, Oracle Solaris 10 ゾーンへの Oracle Solaris 10 ネイティブ非大域ゾーンの移行を参照してください。
移行したゾーンをインストールします。
Oracle Solaris 10 ゾーンの作成と使用 の 第 5 章, solaris10 ブランドゾーンのインストールの説明に従って、Oracle Solaris 10 ゾーンをインストールします。
仮想 Oracle Solaris 10 でレガシー Solaris システムを実行するゾーンを作成するには、この手順を使用します。
Solaris レガシーコンテナを構成します。
Solaris 8 システム sol8-sys1 と sol8-sys2 を Oracle Solaris 10 ゲストドメインでホストされるゾーン sol8-zone に移行するように Solaris レガシーコンテナを構成します。sol8-zone は、Solaris 8 環境を実行します。Solaris のシステム管理: Solaris 8 Containers の 第 4 章, solaris8 ゾーンの構成を参照してください。
Solaris レガシーコンテナをインストールします。
Solaris のシステム管理: Solaris 8 Containers の 第 5 章, solaris8 ゾーンのインストールを参照してください。