データの移行

QoS Plus 機能によって実行されるデータ移行は、データブロックの利用履歴情報の分析後に、別のストレージクラスまたは RAID レベルのほうがそのデータブロックにより適切なサービスを提供できるとシステムが判断したときに実行されます。

システムのパフォーマンスを最適化するときに QoS Plus は、LUN 内でアクセス頻繁の高いデータブロックを、高パフォーマンスの Solid State Drive (SSD) など、より高速で高価なストレージクラスに移動します。一方、コスト面の最適化を行う場合は、QoS Plus はアクセス頻度の少ないデータブロックを、大容量ハードディスクドライブ (HDD) など、より低速で安価なストレージクラスに移動します。
注: データ移行が発生するときに Oracle FS System は、優先度の高いボリュームに高パフォーマンスのストレージクラスを使用する機会を優先的に与えます。データを移行するため、システムはバックグラウンドプロセスとして実行されるタスクを開始します。

指定のストレージクラスのみが使用されるようにデータ移行を限定できます。QoS Plus を使用して LUN を作成するときに、データ移行に含めるまたは除外するストレージクラスを指定できます。QoS Plus はアクセス頻度の少ないデータを容量ディスクなどの低パフォーマンスのストレージクラスに移動します。

安価なストレージクラスを除外し高パフォーマンスのストレージクラスを含めると、固定ストレージ容量が作成される原因になります。固定データはシステムがデータを下位のストレージクラスに移行できないときに発生します。下位のストレージクラスに移行できないデータは固定データと見なされ、このデータが占有するストレージ容量は固定化された状態になります。データ移行の効率性はシステム容量が 100% 使用可能であるときに高くなります。
注: 指定のストレージクラスに空きがない場合、データが一時的に指定外のストレージクラスに保存されることがあります。

十分なストレージをデータ移行に割り当て、そのストレージの全容量をシステムが使用できるようにしてください。Oracle FS System Manager (GUI) の「ストレージドメイン」ページでは、割り当てられている全ストレージ容量と固定化しているストレージ容量を示すグラフを表示できます。