QoS Plus の制御

QoS Plus 機能が消費するリソースによってシステム全体のパフォーマンスが影響を受けることがあります。この機能の一部の特性を制御して、これらの影響を緩和できます。

Oracle FS System は I/O アクティビティーをモニターして、データを別のストレージ階層に移行する最適な時間を判定します。システムアクティビティーが少ないときには階層移行の処理が多くなります。逆にシステムの負荷が高いときには階層移行の処理は少なくなりますが、処理が停止することはありません。

スキャン

Oracle FS System Manager (GUI) にはさまざまなオプションがあり、これらを組み合わせることでストレージの利用コストを最適化したり、I/O 操作の全体的なパフォーマンスを最適化したりできます。これらのオプションは QoS Plus がデータをスキャンするタイミングと、使用可能なストレージクラス間で QoS Plus がデータを移動するタイミングに影響します。

アプリケーションのアクティビティーに合わせて QoS Plus が使用するスキャン頻度に遅延を設定できます。

階層の再割り当て

データ移行機能は、ストレージドメインレベルと LUN レベルの両方で無効化できます。ストレージドメインでデータ移行を無効にすると、そのストレージドメインに割り当てられているすべての LUNs でデータ移行が無効になります。特定の単一 LUN のデータ移行を無効にするには、「追加オプション」ダイアログで「階層の再割り当て」オプションを選択解除します。ストレージドメインレベルと LUN レベルのデータ移行の無効化オプションは互いに独立しています。たとえば、ストレージドメインのデータ移行を変更しても、その変更は LUN の設定に影響しません。

容量制限

デフォルトで、QoS Plus はストレージドメイン内の使用可能ストレージ容量をすべて使用します。Oracle FS SystemQoS Plus LUN に使用するストレージ容量のパーセンテージを、ストレージドメイン内の各ストレージクラスに対して指定できます。QoS Plus に使用する容量のパーセンテージを指定する方法は、比較的高価なストレージクラスに使用すると特に便利です。

たとえば、パフォーマンス HDD の容量の 80% を自動階層化 LUN に割り当て、20% の容量を通常の QoS を使用する LUN とファイルシステム用に残しておきます。
注: QoS Plus ストレージ容量を現在使用されている容量より小さくすると、使用可能なストレージクラスへのデータ移行が行われますが、これが行われるのは使用できるストレージ容量がある場合のみです。指定した割り当てパーセンテージのストレージ容量をシステムで使用できるようにするため、一部のストレージ容量を解放しなければならないこともあります。