このセクションでは、STA によって提供されるデータを解釈して使用するために役立つ概念とタスクについて説明します。ここでは、STA の機能の基本を理解していることを前提としています。
この章の内容は次のとおりです。
STA データストア内のデータは、履歴レコードとして無期限に保存され、削除されません。ただし、ユーザー名の「Data Handling」設定によっては、取り外したリソース (ライブラリ、ドライブ、およびメディア) のデータは、STA データ画面で非表示になることがあります。詳細は、取り外したドライブとメディアと 取り外したライブラリを参照してください。
STA がはじめてライブラリ、ドライブ、またはメディアの追跡を開始すると、そのリソースには STA の「Start Tracking」のタイムスタンプが割り当てられます。リソースがあとでライブラリ環境から取り外された場合、STA の「Stop Tracking」のタイムスタンプが割り当てられます。さらに、リソースがあとで再度追加された場合、STA の「Start Tracking」属性には、STA がはじめてリソースの追跡を開始したときに割り当てられた元のタイムスタンプが反映されます。
注:
データベースが大きくなるのを最小限に抑えるために、定期的に、MySQL のイベントスケジューラは、処理された SNMP レコードをデータベースからパージします。開始ホスト要求の性質によっては、メディアの交換は処理して完了するために数分から数時間かかることがあります。交換および更新ドライブとメディアの健全性に関する完全な分析を実行するには、STA が、メディアのマウントイベントとマウント解除イベントの両方から情報を受信する必要があります。交換の進行中にライブラリ接続が切断されると、「Exchanges Overview」画面に不完全な交換が表示されることがあります。
次に、ライブラリ接続が切断される場合がある理由を示します。
STA ユーザーインタフェースからライブラリ接続を手動で削除します。
サーバーの保守または STA のアップグレードを実行するために STA を停止します。
STA サーバーに影響を与える電源またはネットワークの停止が発生します。
ライブラリ接続が復元されると、STA はすべての新しい交換を正常に処理して報告します。ただし、接続のダウン中には、STA は交換情報を受信せず、これによって次の影響があります。
STA は、接続のダウンタイム中に完全に開始および終了した交換のレコードを受信しません。これらの交換は STA 画面には表示されず、ドライブまたはメディアの健全性の計算時に使用されません。
STA は、接続のダウン中に開始または終了した交換に関する部分的な情報しか受信しません。たとえば、接続のダウン中に開始して、接続の復元後に終了した交換の場合、STA はマウント解除情報のみを受信します。逆に、STA は、接続のアップ中に開始しても、接続のダウン中に終了した交換についてはマウント情報しか受信しません。これらの部分的な交換については、STA は、完全な分析を実行するために十分な情報を持っておらず、「Exchanges Overview」画面上の「Drive and Media Health」、「Exchange Elapsed Time」、「Exchange Mount Time」、「Media and Drive Exchange Status」などの属性は、null または「Unknown」に設定されます。さらに、これらの交換は、ドライブまたはメディアの健全性の計算時には使用されません。
画面で選択できない (またはグレー表示された) データ要素またはリソース識別子が表示されることがあります。これらのデータ要素は通常、追加の詳細へのアクティブなリンクですが、選択不可の値はリンクではありません。次に、選択不可になる可能性がある要素を示します。
取り外したドライブ。詳細は、取り外したドライブとメディアを参照してください。
取り外したメディア。詳細は、取り外したドライブとメディアを参照してください。
まだ完了していない交換。交換が完了したら、識別子は選択不可ではなくなり、リンクがアクティブになります。
対応する要素が存在しないアラートイベントタイプ
選択不可のデータ要素は、進行中のアップグレードによっても発生することがあります。処理されるにつれて、徐々にアクティブになります。
デフォルトでは、テープライブラリ環境から取り外されたドライブとメディアは、STA 画面には表示されません。STA ユーザー名の「Data Handling」設定では、取り外したドライブ、取り外したメディア、またはその両方の表示をオンにできます。選択は即時に有効になるため、ニーズに応じて、取り外したドライブとメディアをログインセッション全体で選択的に表示したり非表示にしたりできます。詳細は、次のセクションを参照してください。
これらの表示設定の変更手順については、『STA 画面基本ガイド』。
取り外したドライブとメディアが「Overview」画面に表示される方法については、取り外したドライブとメディアの特定。
計算値がこれらの表示設定によって受ける影響については、計算される合計に対する取り外したドライブとメディアの影響。
注:
取り外したドライブとメディアのデータは STA データストアから削除されません。詳細は、データの保存を参照してください。取り外したドライブまたはメディアを表示することを選択する場合、「Drives – Overview」と「Media – Overview」画面の次の属性値で特定されます。
STA の「Stop Tracking」の日付は、いずれのモニター対象ライブラリにもドライブまたはメディアが存在していないと STA が判断した日付と時間を示します。ドライブまたはメディアが取り外された時間と、ライブラリが STA に変更を通知する時間の間には遅れがある可能性があるため、この値は、項目が物理的に取り外された時間とはわずかに異なる場合があります。
次の属性が「REMOVED」に設定されます。
「Library Complex Name」
「Drive Library Name」または「Media Library Name」
「Library Model」
「Partition Type」
「Partition Name」
「Physical Address」
「Exchanges – Overview」や「Media Validation Overview」などのアクティビティー画面では、取り外したドライブとメディアの識別子は選択不可です。詳細は、STA 画面で選択できない値を参照してください。
STA は、テープライブラリシステムに関する最新情報と、ある期間にわたって収集された履歴情報の両方を提供します。ドライブとメディアが追加されてシステムから取り外されると、STA の計算に使用されるドライブのメディアの合計数も異なります。これらのばらつきは、30 日のローリング平均などの履歴サマリー値と、現在表示されているレコードのみを使用して計算された対応する値の間の相違によって発生する可能性があります。
履歴サマリー — ローリングの 30 日および日次のサマリーと平均は常に、レポート期間中のシステム内のドライブとメディアの数に基づいて計算されるため、STA ユーザー名の取り外したドライブとメディアの設定によって影響を受けません。たとえば、30 日の期間の 10 日目に取り外されたドライブは、この期間の最初の 10 日間のサマリーと平均の計算に含められますが、残りの 20 日間のサマリーと平均の計算には含められません。例については、取り外したドライブとメディアが、計算されるサマリーに与える影響を参照してください。
現在表示されている値 — 「Overview」と「Analysis」画面に表示される合計とアグリゲーションは、現在表示されているレコードの数に基づいて計算されるため、STA ユーザー名の取り外したドライブとメディアの設定によって影響を受けます。たとえば、取り外したドライブの表示設定をオフにしている場合、取り外したドライブは、「Drives – Overview」画面には一覧表示されず、その画面のレコード数合計にも含められず、「Drives – Analysis」画面のアグリゲーションにも含められません。例については、取り外したドライブとメディアが「Overview」と「Analysis」画面に与える影響を参照してください。
STA は、読み取り、書き込み、送信、および受信 M バイト数、ドライブエラーと消去の数、ドライブ利用率など、日次および 30 日のさまざまなサマリー属性を計算します。ドライブとメディアは、テープライブラリシステムから取り外されるまでこれらの値の計算に含められます。
たとえば、4 月 15 日の 17:00 にモニター対象ライブラリからドライブを取り外すと、これらのサマリー値は次の影響を受けます。
日次サマリー — 17:00 より前の 4 月 15 日のドライブのアクティビティーは、その日の日次サマリーに含められます。ドライブは取り外されているため、4 月 16 日以降の日次サマリーに含めるアクティビティーはありません。
30 日のサマリー — 30 日の期間が進むにつれて含められる日数のアクティビティーは日に日に減りますが、ドライブのアクティビティーは、4 月 15 日と次の 30 日間の 30 日のサマリーすべてに含められます。5 月 15 日の 30 日のサマリーは、ドライブのアクティビティーを含まない最初のサマリーになります。
このセクションでは、取り外したドライブとメディアの表示設定が次の画面に与える影響を説明する例を示します。
注:
これらの例では取り外したドライブに焦点を当てていますが、同じ原則と画面表示の特徴が、取り外したメディアと「Show Removed Media」設定に適用されます。図12-1 は、「Show Removed Drives」設定を選択したあとの「Drives – Overview」画面を示しています。取り外したドライブは「Drives – Overview」画面に一覧表示され、レコードの合計数には取り外したドライブが含まれています。この例では、合計 1,024 のドライブがあり、「Library Complex Name」と「Drive Library Name」の両方が「REMOVED」を示しており、ドライブが取り外された日付が「STA Stop Tracking」列に表示されていることを示すためにドライブ HU180214PT が強調表示されています。
図12-1 「Drives – Overview」画面、「Show Removed Drives」設定は「On」
図12-2 と図12-3 は、「Show Removed Drives」設定が選択解除されたあとの「Drives – Overview」画面を示しています。取り外したドライブは「Drives – Overview」画面に一覧表示されておらず、レコードの合計数には取り外したドライブは含まれていません。図12-2 では、合計 936 のドライブがあり、「STA Stop Tracking」の日付は、表示されているすべてのドライブで空白です。
図12-2 「Drives – Overview」画面、「Show Removed Drives」設定は「Off」
図12-3 では、「Drives – Overview」画面はフィルタされ、「HU180214」で始まるシリアル番号が付いたすべてのドライブが表示されています。取り外したドライブ HU180214PT は、リストには表示されません。
図12-3 「Drives – Overview」画面、「Show Removed Drives」設定は「Off」で、既知の取り外したドライブでフィルタ
図12-4 は、「Show Removed Drives」設定が選択されたあとの「Drives – Analysis」画面を示しています。取り外したドライブの集約データは、見出し「Library Complex Name」の「REMOVED」と「Drive Library Number」の「‐1」に含まれています。ドライブの合計数は 1024 で、取り外したドライブの合計数は 88 です。
図12-4 「Drives – Analysis」画面、「Show Removed Drives」設定は「On」
図12-4は、「Show Removed Drives」設定が選択解除されたあとの「Drives – Analysis」画面を示しています。取り外したドライブの集約データは、表には含まれていません。「Library Complex Name」の「REMOVED」と「Drive Library Name」の「‐1」の見出しはありません。ドライブの合計数は 936 です。
図12-5 「Drives – Analysis」画面、「Show Removed Drives」設定は「Off」
「Exchanges Overview」と「Drive Cleanings Overview」画面には常に、表示設定に関係なく、取り外したドライブとメディアに関する交換が表示されます。すべての画面属性が、交換時の値を示しています。
図12-6 では、「Show Removed Drives」設定が選択されています。取り外したドライブの「Drive Serial Number」の項目は「Drives – Overview」、「Detail View」画面へのアクティブなリンクです。
図12-6 「Exchanges Overview」画面、「Show Removed Drives」設定は「On」
図12-7 では、「Show Removed Drives」設定が選択解除されています。取り外したドライブの「Drive Serial Number」の項目は選択不可で、アクティブなリンクではありません。
図12-7 「Exchanges Overview」画面、「Removed Drives」設定は「Off」
「Alerts Overview」画面には常に、表示設定に関係なく、取り外したドライブとメディアに関するアラートが表示されます。関連するドライブまたはメディアが取り外されたあとでも、アラートは常に保持されます。
次の例では、「Show Removed Drives」設定が選択解除されています。STA は、60 のドライブがある LibraryABC をモニターしており、2 つのドライブが過去 30 日の期間に表示された 27 のドライブアラートすべてに関与します。2 つのドライブは、あとでライブラリから取り外されます。
「Drives – Overview」画面で、LibraryABC 内にあるすべてのドライブの「Drive Alerts (30 Days)」属性の値が「0」に設定されています。これは、27 のアラートすべてに関与するドライブがライブラリから取り外されたためです。
「Alert Type Is Drive」でフィルタされた「Alerts Overview」画面には、27 のアラートが表示されます。
取り外したドライブとメディアの保留中の STA メディア検証要求は、ユーザーが明示的に取り消すまで検証要求キューに残ります。詳細は、保留中のメディア検証リクエストの取り消しを参照してください
テープライブラリ環境からライブラリを取り外した場合、STA 画面に次の更新が即時に行われます。
STA は、ライブラリからデータを収集しなくなり、ユーザーは、ライブラリ SNMP 構成から STA サーバーのトラップ受信者を削除できます。
ライブラリは「Libraries Overview」と「Complexes Overview」画面から削除されます。
ライブラリ内に含まれていたドライブとメディアは、「Drives」と「Media」画面から削除されます。
ライブラリで発生したすべての交換とクリーニングのアクティビティーが、「Exchanges Overview」と「Drive Cleanings Overview」画面から削除されます。
ライブラリとそのドライブとメディアに関するすべてのメッセージが、「Drives Messages」、「Media Messages」、および「All Messages Overview」画面から削除されます。
保留中の STA メディア検証要求は、ユーザーが明示的に取り消すまで検証要求キューに残ります。詳細は、保留中のメディア検証リクエストの取り消しを参照してください
手順については、STA からのライブラリ接続の削除を参照してください。
ライブラリデータはユーザーインタフェース画面から削除されますが、STA データストアからは削除されません。あとでライブラリへの接続を再確立した場合、既存のすべてのライブラリデータが STA 画面で再度使用可能になります。データの保存 を参照してください。
メディアは、検出されるためには、データの収集時にライブラリストレージセルまたはドライブ内に存在する必要があります (データ収集プロセスの詳細は、SNMP 接続と STA データストアの維持を参照してください)。「一時的な」場所にあるメディアはデータ収集で検出されません。一時的な場所は、次のいずれかとして定義されます。
ロボットハンド
エレベータ — SL8500 ライブラリのみ
パススルーポート (PTP) — SL8500 コンプレックスのみ
ライブラリの初期化時 (つまり、メディアがまだドライブ内に残っている間にライブラリが再初期化されたとき) のドライブ。
STA アプリケーションには、これらの一時的な移動を処理するためのロジックが組み込まれています。予期せず「消えた」メディアは、特定の短い期間内に再度検出されることを予期して STA 画面に保持されます。STA は、その期間内にメディアをまだ検出しない場合にのみそのメディアを画面から削除します。これはまれにしか発生しませんが、メディアカートリッジがパススルーポート (PTP) を使用して頻繁にあるライブラリから別のライブラリに転送される SL8500 コンプレックスで発生する可能性がもっとも高くなります。
「Media – Overview」画面に表示されることが予期されるボリュームシリアル番号 (VSN または volser) が見つからない場合、次の操作を行うことをお勧めします。
正しい volser があることを確認します。
その volser で「Media – Overview」画面をフィルタして、本当にリストにないことを確認します。
volser が「Media – Overview」画面に表示される場合、「Start Tracking」、「End Tracking」、および「Ejected Date」属性を確認します。「Ejected Date」は、メディアがカートリッジアクセスポート (CAP) またはアクセス拡張モジュール (AEM) (SL3000 ライブラリ) またはメールスロット (SL150 ライブラリ) から取り出されたことを示しています。
メディアに「End Tracking」の日付があっても、「Ejected Date」がない場合、メディアは、開いたライブラリのドアなどのサポートされない方法でライブラリ環境から取り外された可能性があります。「Dashboard」で、「Media Exception Report」ポートレットを確認してください。このレポートには、CAP、AEM、またはメールスロット以外の方法を使用してライブラリに残っていたメディアが一覧表示されます。
メディアがあることが予期されるライブラリで手動によるデータ収集を開始します。手順については、手動のデータ収集の実行を参照してください。
STA データストアでは、メディアの履歴はボリュームシリアル番号 (VSN または volser) によって保持されます。つまり、メディアの特定部分のすべての履歴がその volser に関連付けられています。このため、STA によってモニターされるテープ環境では重複したボリュームシリアル番号 (VSN または volser) を避けることをお勧めします。volser は、モニター対象のすべてのライブラリにわたって一意であるべきです。volser が重複していると、メディアの異なる部分のデータが混在します。
同じ volser を持つメディアのドメインとタイプも同じ場合にのみ、volser は重複していると見なされます。次の例に示すように、ドメインはメディアの形式を示し、タイプはバージョンを示します。
LTO6 –「LTO」がドメインで、「6」がタイプです。
T10000T1 –「T10000」がドメインで、「T1」がタイプです。
2 つの異なる LTO4 カートリッジで使用される同じ volser は重複していると見なされるの対して、LTO4 カートリッジと LTO5 または T10000T1 カートリッジの同じ volser は重複していると見なされません。
本当の重複する volser は、次のようなさまざまな理由で発生する可能性があります。
クリーニングメディアの場合、グローバルに使用可能な volser は 999 しかありません。1,000 以上のクリーニングメディアがある大規模なテープ環境では、必然的に重複した volser が発生します。
さまざまなテープ管理アプリケーションでは、重複した volser が許可されることがあります。これは、SCSI ホスト接続のあるライブラリである SL150、SL500、および一部の SL3000 ライブラリにのみ当てはまります。Host Library Interface (HLI) ホスト接続を持つライブラリである SL8500 と一部の SL3000 ライブラリは、重複が許可されない Oracle の StorageTek エンタープライズライブラリソフトウェア (ELS) または Oracle の StorageTek 自動カートリッジシステムライブラリソフトウェア (ACSLS) を使用します。
次に、重複した volser があるように見えても、実際には 1 つのメディアで、volser は一意である状況を示します。
メディアがあるライブラリから別のライブラリに移動される。
メディアがライブラリから取り出され、しばらくの間サイトから切り離されてから、ライブラリに再度入れられる。
「Duplicate Detected」フラグが「Exchanges Overview」画面に表示され、交換で使用される volser が重複していることが示されます。メディアには、ドメインとタイプが同じでも、メディアシリアル番号 (MSN) が異なる別のメディアと同じ volser があります。このフラグが付いた交換を検出した場合、2 つのメディアのデータが混在するため、調査して、メディアの 1 つに別の volser を割り当てるかどうかを決定するべきです。詳細は、『STA データリファレンスガイド』を参照してください。
注:
一部のドライブタイプとファームウェアレベルのみが MSN を報告するため、一部のドライブタイプでは、STA は重複した volser を検出するために必要なすべての情報を受信しない可能性があります。STA では、テープドライブは、ドライブのシリアル番号、World Wide Name (WWN)、またはライブラリ内の物理的な場所で識別できます。ただし、STA は、ホストがドライブを識別するために使用する論理デバイス ID を認識せず、表示できません。ホストのドライブ識別子を STA 識別子にマップする場合は、これを手動で行う必要があります。
メインフレームホストは、4 桁の 16 進のドライブ ID (0000 – FFFF) を使用してドライブを識別します。ホスト識別子を STA 識別子にマップするには、メインフレームホストで Oracle のエンタープライズライブラリソフトウェア (ELS) の Display DRives コマンドを使用できます。IDEntity オプションは、ドライブごとにメインフレームの 16 進 ID、シリアル番号、および WWN を一覧表示します。次に、コマンド出力の例を示します。
例12-1 サンプルの ELS Display DRives コマンドの出力
DISPLAY DRIVES IDENTITY
.SLS4633I Display Drives Command 994
DRIVE LOCATION MODEL WORLD WIDE NAME SERIAL NUMBER
0A10 00:02:01:08 T9840D 50:01:04:F0:00:79:18:CD 5700GU008737
0A11 00:02:01:09 T9840D 50:01:04:F0:00:79:18:C1 5700GU006080
0B04 01:01:01:14 T9940B 50:01:04:F0:00:89:A7:74 479000025047
0B05 01:02:01:14 T9940B 50:01:04:F0:00:89:A7:44 479000026693
0B06 01:02:01:15 T1B35 50:01:04:F0:00:89:A7:68 572004003720
0B07 01:02:01:11 T1B35 50:01:04:F0:00:89:A7:68 572004003720
このコマンドは、オペレータコンソールや SMCUUUI ユーティリティーバッチジョブなどのメインフレームホスト上のさまざまな場所から発行できます。オプションで、コマンドの出力を .csv または .xml ファイルに保存できます。使用法、構文、およびオプションの詳細は、ELS コマンド、制御文、およびユーティリティーに関するリファレンスのマニュアルを参照してください。
オープンシステムホスト (Linux および Solaris) では、テープドライブの論理デバイス名は /dev/rmt ディレクトリにあります。ホストの論理名を STA 識別子にマップするには、このディレクトリの長い一覧表示 (ls -l) を行う必要があります。このコマンド出力は、論理デバイス名、およびドライブの WWN が含まれている raw デバイスファイルへのポインタを示しています。次に、Linux での出力の例を示します。各ドライブの論理デバイス名と WWN は太字で強調表示されています。
例12-2 サンプルの Linux /dev/rmt ディレクトリの一覧表示
# ls -l /dev/rmt lrwxrwxrwx 1 root root 86 Jan 31 16:31 /dev/rmt/0cbn ->../../devices/pci@79,0/pci10de,377@a/pci1077,171@0/fp@0,0/tape@w500104f000b8050e,0:cbn lrwxrwxrwx 1 root root 86 Jan 31 16:31 /dev/rmt/1cbn ->../../devices/pci@79,0/pci10de,377@a/pci1077,171@0/fp@0,0/tape@w500104f000b80511,0:cbn #