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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
E51441-06
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8 ツールおよびサービスの管理

この章では、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションにおけるツールとサービスの管理の概要について説明します。また、必要なバックエンド・サーバーについて説明し、ポータルでツールとサービスを有効化する際の情報も提供します。これらのタスクは、システム管理者がアプリケーション・レベルで実行します。『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータル・ツールおよびサービスの概要に関する項で説明されているように、ポータル・レベルでツールとサービスを使用することは、アプリケーション・スペシャリストまたはポータル・モデレータのタスクです。

この章には次のトピックが含まれます:


権限:

この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdminロール、デプロイされたアプリケーションでAdministratorロールが付与されている必要があります。
  • WebCenter Portal: Administratorロール。ポータル・ビルダー管理から付与します。

  • Portal Frameworkアプリケーション: Administratorロール。管理コンソールから付与します。

ロールと権限の詳細は、第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。


8.1 ツールおよびサービスの管理の概要

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションは、ツールサービス使用して、コラボレーション、ソーシャル・ネットワーキングおよび個人生産性の機能を公開し、またツールとサービスはタスク・フローを使用して、それらの機能のサブセットを公開します。タスク・フローには、特定のツールまたはサービスから利用できるすべての機能または一部の機能を公開できる、再利用可能な機能が用意されています。

一部のツール(タグなど)は初期状態で使用しても正しく動作しますが、その他のツールは追加の構成(外部バックエンド・サーバーへの接続など)が必要になります。次のツールとサービスでは、関連情報が格納されている外部データ・リポジトリやサーバー(コンテンツ・サーバー、プレゼンス・サーバー、ディスカッション・サーバー、メール・サーバーなど)との接続が必要です。

  • 分析

  • お知らせ

  • ディスカッション

  • ドキュメント(Wikiおよびブログを含む)

  • イベント

  • インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

  • メール

  • RSS

  • 検索(Oracle SESアダプタ用)

  • ワークリスト

また、次のツールとサービスでは、関連情報(リレーションシップ・マッピングなど)が格納されているデータベース・スキーマとの接続が必要です。

  • アクティビティ・グラフ

  • 分析

  • ドキュメント(コメントおよびアクティビティ・ストリームを含めるドキュメント、Wikiおよびブログ用)

  • リンク

  • リスト

  • ピープル・コネクション

  • 投票

  • タグ

表8-1に、各種のツールとサービスに関連するデータが格納される場所(MDS、データベース、または外部のリポジトリやサーバー)を示します。これらのリポジトリのいずれか1つが使用できないときに影響を受けるツールやサービスを知っておくと便利です。

  • MDS: ツールやサービスによっては、接続メタデータをメタデータ・サービス・リポジトリ(MDS)に格納します。デプロイした後にアプリケーションに加えた変更は、MDSにカスタマイズとして格納されます。詳細は、第1.3.5項「Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。

    WebCenter Portalでは、第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」で説明されているように、MDSはデフォルトでインストールおよび構成されます。 Portal Frameworkアプリケーションについては、第42.1.5項「メタデータ・サービス・リポジトリの作成および登録」を参照してください。

  • データベース: ツールやサービスによっては、関連情報(リレーションシップ・マッピングなど)が格納されているデータベース・スキーマとの接続が必要です。

    詳細は、第8.2.2項「データベース接続の設定」を参照してください。

  • 外部リポジトリまたはサーバー: ツールやサービスによっては、関連情報が格納されている外部データ・リポジトリ(コンテンツ・サーバー、プレゼンス・サーバーまたはメール・サーバーなど)との接続が必要です。

    これらの接続の設定の詳細は、このガイドの関連する章を参照してください(表8-1を参照)。たとえば、外部ディスカッション・サーバーへの接続の設定方法の詳細は、第12章「お知らせおよびディスカッションの管理」を参照してください(表8-1の関連情報の列を参照)。


関連項目:

WebCenter Portalに固有の情報は、第8.3項「WebCenter Portalのツールおよびサービスについて」を参照してください。

表8-1 ツールとサービスのデータ・リポジトリ

ツールとサービス 説明 MDS データベース・スキーマ 外部アプリケーション 関連情報

アクティビティ・グラフ

コネクションの対象としてユーザーが関心を持つ可能性がある人々、ポータルおよびコンテンツを、既存のコネクションと、ポータル内のオブジェクトとの共有された対話に基づいて推奨します。


ACTIVITIESスキーマ


第8.2.2項「データベース接続の設定」

第10章「アクティビティ・グラフの管理」


アクティビティ・ストリーム

コネクションのアクティビティ、ポータル内で実行したアクション、およびビジネス・アクティビティについてのストリーミング表示を提供します。


ACTIVITIESスキーマ


第8.2.2項「データベース接続の設定」

第16章「ピープル・コネクションの管理」


分析

ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます。


ACTIVITIESスキーマ

X

第8.2.2項「データベース接続の設定」

第11章「分析の管理」


お知らせ

重要なアクティビティおよびイベントに関するお知らせを投稿できる機能を、認証されたすべてのユーザーに提供します。

X

DISCUSSIONSスキーマ

X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第12章「お知らせおよびディスカッションの管理」


ディスカッション

スレッドで構成されるディスカッションの作成、質問の投稿と返信、および回答の検索が可能な機能を提供します。

X

DISCUSSIONSスキーマ

X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第12章「お知らせおよびディスカッションの管理」


ドキュメント

ファイルのアップロード、ファイルやフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどを含む、コンテンツの管理およびストレージの機能を提供します。これらの機能は、ドキュメント・ツール・コンソールまたはタスク・フロー(ドキュメント・エクスプローラ、ドキュメント・リスト・ビューア、ドキュメント・マネージャなど)で公開します。リンクされたドキュメント、インライン・プレビュー、またはイメージとして個別のファイルをページに表示するコンポーネントを提供します。ドキュメント・ツールは、Wikiとブログの機能もサポートします。

X

WEBCENTERスキーマ: コメントおよびアクティビティ・ストリームを含めるドキュメント用(Wikiとブログを含む)

X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第8.2.2項「データベース接続の設定」

第9章「コンテンツ・リポジトリの管理」


イベント脚注 1 

認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合は、Outlookカレンダーから個人用イベントへのアクセスも提供します。

X

WEBCENTERスキーマ(Portalイベント)脚注 2 

X (個人イベント)

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第13章「カレンダ・イベントの管理」


インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

認証された他のユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認したり、ユーザーに即時に連絡できる機能を提供します。



X

第14章「インスタント・メッセージおよびプレゼンスの管理」

『Oracle WebCenter Portalの使用』の「インスタント・メッセージおよびプレゼンス・ビューアの使用」

リンク

関連情報の表示、アクセスおよび関連付けの機能を提供します。たとえば、ディスカッションからドキュメントにリンクできます。


WEBCENTERスキーマ


第8.2.2項「データベース接続の設定」

Oracle WebCenter Portalの使用のWebCenter Portalの情報のリンク

リスト

リストを作成、公開および管理できる機能を提供します。

X

WEBCENTERスキーマ


第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第8.2.2項「データベース接続の設定」

『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「情報のリストをポータルに追加する方法」

メール

IMAPおよびSMTPのメール・サーバーとの容易な統合を提供します。これにより、メッセージの表示、添付ファイルを含むメールの作成、メッセージの返信と転送、およびメッセージの削除などのメール機能を実行できます。

X


X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第15章「メールの管理」


メッセージおよびフィードバック

コネクションおよびアクティビティ・ストリームに向けてメッセージ、添付ファイル、フィードバックを投稿する機能を提供します。

X

ACTIVITIESスキーマ

X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第16章「ピープル・コネクションの管理」


ノート脚注 3 

素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。

X



第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」


通知

サービスおよびアプリケーション・オブジェクトをサブスクライブして、それらのオブジェクトが変更されると1つ以上のメッセージング・チャネルから通知を受信するための手段を提供します。




第19章「サブスクリプションおよび通知の管理」


ピープル・コネクション

個人プロファイルの作成、現在のステータスの表示、および他のユーザーの最新アクティビティの表示などのソーシャル・ネットワーキング機能を提供します。


WEBCENTERスキーマ

X

第8.2.2項「データベース接続の設定」

第16章「ピープル・コネクションの管理」


投票

関係者の調査(意見および経験レベルなど)、重要な情報を思い出すことができるかどうかの確認、およびフィードバックの収集ができます。


WEBCENTERスキーマ


第8.2.2項「データベース接続の設定」


プロファイル

ユーザーの連絡先情報(電子メール・アドレス、勤務先住所、電話番号など)、部門、上司、写真、ポータルのアクティビティ、パブリック・ドキュメント、およびコネクションについてのビューを提供します。




第16章「ピープル・コネクションの管理」


最近のアクティビティ

ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせに対する最新の変更のサマリー・ビューを提供します。

X



第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第16章「ピープル・コネクションの管理」


RSS

単一の場所(ニュース・リーダー)から多数の異なるWebサイトのコンテンツにアクセスできる機能を提供します。

X



第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第8.2.4項「プロキシ・サーバーの設定」

第17章「RSSの管理」


検索

サービス、アプリケーション、またはサイト全体を検索する機能を提供します(これには、Oracle Secure Enterprise Searchの統合も含まれます)。

X


X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第18項「WebCenter PortalでのOracle Secure Enterprise Searchの管理」


タグ

1つ以上の個人関連キーワードを特定のページまたはドキュメントに割り当てる機能を提供します。

X

WebCenterスキーマ


第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第8.2.2項「データベース接続の設定」


ワークリスト

注目する必要のあるビジネス・プロセスの個人ビューを提供します。

X


X

第8.2.1項「MDSリポジトリの設定」

第20章「ワークリストの管理」



脚注 1 個人イベントとポータル・イベントは、WebCenter Portalで利用できます。個人イベントは、Portal Frameworkアプリケーションで利用できます。

脚注 2 ポータル・イベントは、WebCenter Portalでのみ利用できます。

脚注 3 ノートは、WebCenter Portalでのみ利用できます。このサービスは、Portal Frameworkアプリケーションでは利用できません。

8.2 ツールおよびサービスのバックエンド・データ・リポジトリの構成

WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションで特定のツールとサービスを動作させるには、各種のバックエンド・データ・リポジトリを構成する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

8.2.1 MDSリポジトリの設定

ツールやサービスによっては、メタデータ・サービス・リポジトリ(MDS)に情報を格納します。WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションでこれらのツールやサービスを有効化するには、MDSリポジトリを構成する必要があります。

WebCenter Portalでは、MDSはデフォルトでインストールおよび構成されます。

Portal Frameworkアプリケーションについては、第42.1.5項「メタデータ・サービス・リポジトリの作成および登録」を参照してください。


関連項目:

管理者ガイドのメタデータ・リポジトリの管理に関する項およびOracle WebCenter Portalデータのパージに関する項を参照してください。

8.2.2 データベース接続の設定

多くのツールやサービスは、WebCenter Portalリポジトリに情報を格納します。このリポジトリは、WebCenter Portalスキーマ(WEBCENTER)がインストールされているデータベースです。これらのツールとサービスの完全なリストについては、表8-1を参照してください。たとえば、リンク・サービスでは、どのオブジェクトがどのオブジェクトにリンクされているかといった、関連マッピング情報をこのデータベースに格納します。その他のツール(分析やアクティビティ・グラフなど)では、ACTIVITIESスキーマが必要になります。

WebCenter Portalには、WEBCENTERおよびACTIVITIESスキーマがデフォルトで構成されます。そのため、さらに構成を行う必要がありません。

Portal Frameworkアプリケーションには、必要に応じてデータベース接続を設定する必要があります。このデータベース接続は、JDBCデータ・ソースまたはJDBC URLのどちらかのタイプにできます。


関連項目:


アプリケーションで使用される接続タイプに応じて、次のいずれかを実行します。

  • 間接パスワードを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースがアプリケーションに含まれていない場合、グローバル・データ・ソースを作成します。グローバル・データ・ソースの作成の詳細は、管理者ガイドのJDBCデータ・ソースの作成と管理に関する項を参照してください。

  • 間接パスワードを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースをアプリケーションが使用している場合、接続資格証明をマップします。パスワードの設定は、Oracle WebLogic管理コンソールを使用して、「セキュリティ」「資格証明マッピング」タブで行います。「構成」「接続プール」タブで間接データ・ソースのパスワードを変更しても、影響はありません。資格証明マッピングの詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のJDBCデータ・ソースの作成に関する項で、JDBCデータ・ソースのセキュリティの資格証明マッピングに関する記載を参照してください。

  • アプリケーションがJDBC URL接続を使用する場合、グローバル・アプリケーション・ストアの情報とアプリケーション資格証明ストアに格納されている情報をマージします。資格証明の移行動作の詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』の資格証明ストアの構成に関する項を参照してください。

典型的なビジネスのシナリオでは、アプリケーションは別々の管理対象サーバーにデプロイされて、それらのアプリケーションのために複数のデータベースがリポジトリとして使用されます。開発環境で使用するリポジトリは、本番環境で使用するリポジトリとは異なります。そのため、Portal Frameworkアプリケーションを開発環境から本番環境に移行するときは、データベース接続を再構成する必要があります。

リポジトリ接続を再構成すると、WARファイルのWEB-INFディレクトリにあるローカルのdatasourceファイルおよび*-jdbc.xmlファイルは、新しい接続詳細で更新されます。ただし、JNDI Nameおよびdata source名は変更されません。なんらかの理由でJNDI Nameを変更したら、adf-config.xmlファイルも更新する必要があります。JNDI名は、jdbc/connection-nameDSの形式で指定する必要があります。たとえば、connection1という接続名がアプリケーションで使用されている場合、JNDI名はjdbc/connection1DSとなります。

8.2.3 バックエンド・サーバー接続の設定

ツールやサービスによっては、関連情報が格納されている外部データ・リポジトリ(コンテンツ・サーバー、プレゼンス・サーバーまたはメール・サーバーなど)との接続が必要です。これらのツールとサービスの完全なリスト、およびこのガイド内の関連する章へのリンクについては、表8-1を参照してください。リンク先には、接続構成についての説明があります。

管理者は、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド行ツールを使用して、WebCenter PortalおよびPortal Frameworkアプリケーションがデプロイされるバックエンド・サーバーの接続を確認および構成してください。


注意:

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用してサービス構成に対して加えた変更のほとんどは、動的ではありません。変更を有効にするには、アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

8.2.4 プロキシ・サーバーの設定

WebCenter PortalまたはPortal Frameworkアプリケーションのアクティビティ・ストリームのタスク・フローで外部RSSニュース・フィードおよび外部リンクを有効化するには、プロキシ・サーバーが必要になります。RSSサービスおよびアクティビティ・ストリーム・サービスは、同じプロキシ・サーバー設定を共有します。

プロキシ・サーバーは、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して設定できます。

この項には次のサブセクションが含まれます:

8.2.4.1 Fusion Middleware Controlを使用したプロキシ・サーバーの設定

Fusion Middleware Controlを使用してプロキシ・サーバーを設定するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、アプリケーションのホームページに移動します。

  2. 次のいずれかを実行します。

    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」「アプリケーション構成」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーション・デプロイメント」メニューから、「WebCenterポータル」「アプリケーション構成」を選択します。

  3. 「プロキシ・サーバー」セクションに、プロキシ・サーバーのホスト名とポート番号を入力します。詳細は、表8-2を参照してください。

    表8-2 RSSプロキシ・サーバーの詳細

    フィールド 説明

    プロキシ・ホスト

    プロキシ・サーバーのホスト名を入力します。

    プロキシ・ポート

    プロキシ・サーバーが実行されているポート番号を入力します。


  4. 「適用」をクリックして、この接続を保存します。

  5. アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

8.2.4.2 WLSTを使用したプロキシ・サーバーの設定

WLSTコマンドsetWebCenterProxyConfigを使用して、RSSニュース・フィードおよびアクティビティ・ストリーム・タスク・フローによって使用される、プロキシ・ホストおよびポート番号を指定します。例:

setWebCenterProxyConfig(appName='webcenter', proxyHost='www-proxy.example.com', proxyPort='80')

コマンドの構文と例は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetWebCenterProxyConfigに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。


注意:

新しいプロキシ詳細を使用して起動するには、アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、管理者ガイドのWLSTを使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

getWebCenterProxyConfigコマンドを使用して、RSSおよびアクティビティ・ストリーム・タスク・フローによって使用されている現在のプロキシ・ホストおよびポートを検出します。例:

getWebCenterProxyConfig(appName='webcenter')

プロキシ・ホストおよびポートの現在の設定を削除する場合、unsetWebCenterProxyConfigコマンドを使用します。例:

unsetWebCenterProxyConfig(appName='webcenter')

詳細は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のプロキシ・サーバーに関する項を参照してください。

8.2.5 外部アプリケーション接続の設定

自身の認証を行うアプリケーションと、ツールまたはサービスが対話する場合、資格証明プロビジョニングをできるように、そのアプリケーションと外部アプリケーション定義を関連付けることができます。外部アプリケーションでの作業の詳細は、第23章「外部アプリケーションの管理」を参照してください。


ヒント:

これらのツールとサービスのいくつか(たとえば、IMP、イベント、メール)に同一のLDAPサーバーと資格証明を使用する予定がある場合は、それらのために単一の接続を作成して、共有される接続全体で使用するプロパティを指定することを検討してください。

頻繁なパスワード変更が必要になる追加の制約が要求されるアイデンティティ・ストアでは、単一の共有接続を作成すると特に便利です。外部アプリケーション接続を1つのみ作成することで、パスワード変更後の無効なログインの試行が最小限に抑えられるようになり、パスワード・ロックアウトの発生を回避できます。


次のツールとサービスでは、接続や認証の定義に外部アプリケーションを使用できます。

  • ドキュメント

  • イベント

  • インスタント・メッセージおよびプレゼンス

  • メール

  • RSSビューア(保護されているRSSフィード使用時)

8.2.6 コンポーザ固有の構成の設定

コンポーザでは、ブラウザでランタイム・アプリケーションおよびインプレースのユーザー・カスタマイズを実行できます。デフォルトでは、コンポーザは、アドオンのパネル登録およびサンドボックス構成などの様々なページ・エディタ設定にあわせて構成されています。デフォルト値が要件に合わない場合は、デプロイされたアプリケーションにあわせて修正できます。詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のadf-config.xmlに関する項を参照してください。

コンポーザ構成を表示または修正するには、Fusion Middleware ControlのシステムMBeanブラウザを使用します。

デフォルトのコンポーザ設定を修正する手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。

  2. システムMBeanブラウザを開きます。

    • WebCenter Portalアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーション・デプロイメント」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

  3. WebCenter Portalアプリケーションで次の順に移動します。
    「アプリケーション定義のMBean」→「oracle.adf.share.config」→「サーバー: WC_Spaces」→「アプリケーション: webcenter」→「ADFConfig」→「ADFConfig」(bean)→「ADFConfig」→「PageEditorConfiguration」

    図8-1に示すように、「アプリケーション定義のMBean」ページが表示されます。

    Portal Frameworkアプリケーションの場合は、Server: WC_Spacesをアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバー名に置き換え、Application: webcenterをアプリケーション名に置き換えます。


    ヒント:

    あるいは、次のようにPageEditorConfiguration MBeanに移動できます。
    • WebCenter Portalの場合: 「WebCenterポータル」メニュー「ADF」「ADFの構成(adf-config)」

    • Portal Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーション・デプロイメント」メニュー→「ADF」→「ADFの構成(adf-config)」

      次に、「ADFConfig (bean)」→「ADFConfig」「PageEditorConfiguration」に移動します。


    図8-1 システムMBeanブラウザ: コンポーザ・プロパティ

    コンポーザ: システムMBeanブラウザ
  4. 「属性と操作」タブの各種コンポーザ設定の説明と値を表示できます。

    設定が読取り専用ではない場合は、必要に応じて値を変更できます。たとえば、ソース・ビューを無効にする場合は、EnableSourceView属性でfalseを設定できます。さらに、アドオン・パネルを追加または更新する場合は、「操作」タブでaddOrUpdateAddonPanelを使用できます。

    詳細は、『Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のadf-config.xmlに関する項を参照してください。

  5. 「適用」をクリックします。

  6. ADFConfig MBeanに移動して、選択します。

  7. 「操作」タブで、「保存」をクリックします。

  8. 「起動」をクリックします。

  9. 新しい設定の使用を開始するには、アプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。

    たとえば、WebCenter Portalの場合は、WC_Spaces管理対象サーバーを再起動します。詳細は、第7.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

8.3 WebCenter Portalのツールおよびサービスについて

システム管理者は、外部サーバーへの接続の管理を担当します。また、データベース・スキーマと、WebCenter Portalに固有のアプリケーション・データを格納するMetadata Service (MDS)リポジトリのメンテナンスも担当します。詳細は、第3章「WebCenter Portalのメンテナンス」を参照してください。

バックエンド・サーバーが意図的またはその他の理由で構成されていない場合、WebCenter Portalは、そのツールに関連する機能を提供できなくなります。

  • 関連するタスク・フローは、リソース・カタログで利用できなくなります。

  • 既存のタスク・フローは、ツールまたはサービスが利用できないことを示すメッセージを表示します。

  • ツールまたはサービスは、ポータルの管理設定からモデレータが利用できるものとしてリストされなくなります。

有効な接続が存在する場合は、関連するツールまたはサービスがWebCenter Portalで利用できます。詳細は、第8.3.1項「WebCenter Portalでのツールおよびサービスの有効化と無効化」を参照してください。

WebCenter Portalの「管理」の「ツールとサービス」ページでは、いくつかのオプション構成を必要に応じて実行できます。詳細は、第8.3.2項「WebCenter Portalのツールおよびサービスの構成」を参照してください。

ツールおよびサービスの一時的な問題のレポート

ツールまたはサービスが一時的に利用できない場合、システム管理者は、Fusion Middleware Controlを使用してサービスに関連する問題を調査、診断および解決できます。第6.2項「WebCenter Portalのホームページへの移動」も参照してください。

ツールおよびサービスが利用できないときのタスク・フローの非表示

ほとんどのツールとサービスはオプションです。特定のツールやサービスを一時的または永続的にアプリケーションで提供しないことにする場合は、デフォルトの初期設定で表示される、関連するタスク・フローの削除を検討してください。

特定のポータルに対するツールおよびサービスの有効化と無効化

モデレータは、ポータル内で使用可能なツールを有効化または無効化できます。『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルで利用可能なツールおよびサービスの有効化と無効化に関する項を参照してください。

8.3.1 WebCenter Portalでのツールおよびサービスの有効化と無効化

WebCenter Portalが提供するツールとサービスにより、ポータルのメンバーは、それらのツールとサービスに関連付けられた各種のタスク・フローを使用してコラボレーションとコミュニケーションが可能になります。リストなど、一部のツールはデフォルトで使用できるため、さらに構成を行う必要はありません。その他のツール(ディスカッションなど)や、その他のサービス(メールなど)では、バックエンド・サーバーへの接続と追加の構成が必要です。第8.1項「ツールおよびサービスの管理の概要」を参照してください。

有効な接続が存在する場合は、関連するツールまたはサービスがWebCenter Portalで利用できます。メール・サービスを除き、ツールまたはサービスがテンプレートに組み込まれていない場合は、ポータル・モデレータまたはアプリケーション・スペシャリストがポータル内でツールやサービスを有効にする必要があります。メール・サービスは、ポータルの作成時に有効化されます。また、メール・サービスは、システム管理者によって構成されていると、個別のポータルでは無効化できなくなります。ポータル・テンプレートにツールが組み込まれていると、そのツールは最初に使用されるときに有効になります。モデレータは、ポータル内のツールを手動で無効化できます。ただし、メール・サービスは除きます。システム管理者によってメールが構成されると、個別のポータルではメールを無効化できなくなります。

モデレータがポータルでツールを手動で有効にした場合は、WebCenter Portalがバックエンド・サーバーで必要な構成を処理します。たとえば、ポータル・モデレータがポータルでディスカッションを有効にした場合、WebCenter Portalはディスカッション・サーバー上でそのポータル用にディスカッション記憶域を構成し、ロールマッピング・ベースの認可を実行しますが、これはつまり、ポータル内でユーザーがディスカッションと連携できるWebCenter Portalのロールを、ディスカッション・サーバー上の対応するロールにマップするということです。第43.4.2.2.2項「ディスカッション・サーバーのロール・マッピング」も参照してください。ロールマッピングが失敗した場合は、ポータル・モデレータにメールで通知されますが、ユーザーはディスカッションにはアクセスできません。

新しいポータルの作成に使用したテンプレートでツールが有効化されている場合は、そのツールに初めてユーザーがアクセスしたときに、WebCenter Portalにより、バックエンド・サーバーの構成が処理されます。たとえば、/webcenter/portal/PortalName/Discussionsにあるポータルの「ディスカッション」ページにユーザーが初めて移動すると、WebCenter Portalは、ディスカッション・サーバーにそのポータル用のディスカッション記憶域を構成し、ロール・マッピング・ベースの認可を実行して、ディスカッション・ページを表示します。

次のツールとサービスは、ポータル・テンプレートに組み込まれていると、初回使用時に自動的に有効化できます。

  • お知らせ

  • ディスカッション

  • イベント

  • リスト

  • ドキュメント(Wikiおよびブログを含む)


注意:

以前のリリースでは、これらのツールとサービスは、初回使用時ではなく、ポータルの作成時に有効化されていました。『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルで利用可能なツールおよびサービスの有効化と無効化に関する項を参照してください。

ほとんどの場合、ポータル・モデレータは独自のポータルのツールとサービスを管理しますが、WebCenter Portalのシステム管理者は、この作業を必要に応じて実行することもできます。ポータルでのツールおよびサービスの有効化と無効化の詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルで利用可能なツールおよびサービスの有効化と無効化に関する項を参照してください。

8.3.2 WebCenter Portalのツールおよびサービスの構成

ツールとサービスは、この章で前述したように、システム管理者が該当するバックエンド・アプリケーションに対する設定と接続を行うことで構成されます。

この接続が存在していると、ポータルでツールやサービスが利用できます。ポータル・モデレータは、各自のポータルでツールとサービスの管理を担当します。ただし、システム管理者の場合は、WebCenter Portalの「管理」の「ツールとサービス」ページを使用して、WebCenter Portalの追加構成の一部を設定できます。

WebCenter Portalの「管理」の「ツールとサービス」ページにあるオプションを構成するには:

  1. 「管理」ページ(第47.2項「「ポータル・ビルダー管理」ページへのアクセス」を参照)で、「ツールとサービス」をクリックします。

    ブラウザに次のURLを入力して、直接「ツールとサービス」ページに移動することも可能です。

    http://host:port/webcenter/portal/builder/administration/tools
    

    関連項目:

    『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の付録「WebCenter PortalプリティURL」。

    図8-2 WebCenter Portalの「ツールとサービス」ページ

    図8-2の説明が続きます
    「図8-2 WebCenter Portalの「ツールとサービス」ページ」の説明

  2. 使用可能なタブをクリックして、デフォルトの構成を表示します。

    タブの詳細は、オンライン・ヘルプ・アイコンをクリックしてください。

  3. ツールとサービスの一部には、オプションで追加の構成を実行できます。

8.4 Portal Frameworkアプリケーションのツールおよびサービスについて

バックエンド・サーバーが意図的またはその他の理由で構成されていない場合、アプリケーションは、そのツールに関連する機能を提供できなくなります。

  • 関連するタスク・フローは、リソース・カタログで利用できなくなります。

  • 既存のタスク・フローは、ツールが利用できないことを示すメッセージを表示します。

有効な接続が存在する場合は、関連するツールまたはサービスが利用できるようになります。

ツールおよびサービスの一時的な問題のレポート

ツールまたはサービスが一時的に利用できない場合、システム管理者は、Fusion Middleware Controlを使用してツールとサービスに関連する問題を調査、診断および解決できます。

ツールおよびサービスが利用できないときのタスク・フローの非表示

ほとんどのツールとサービスはオプションです。開発者が特定のツールやサービスを削除する場合や、一時的または永続的にPortal Frameworkアプリケーションで提供しないことにする場合は、それに関連するタスク・フローをアプリケーションから削除することを検討してください。