10 カートリッジの検証

メディア検証 (MV) 機能を使用して T10000 カートリッジの整合性を検証するには、T10000C または D ドライブのプールを定義する必要があります。このプールはパーティションとはみなされず、カートリッジが格納されないため、ホストはプール内のドライブにアクセスできません。MV ドライブは、ライブラリによって自動的にクリーニングされます。

注記:

MV ドライブのクリーニングは、ライブラリ全体またはパーティションの自動クリーニングステータスに関係なく発生します。ライブラリ内にクリーニングカートリッジが存在することを確認します (診断カートリッジおよびクリーニングカートリッジのインポート/エクスポートを参照してください)。

関連項目

メディア検証の要件

  • 最小の SL3000 ファームウェア FRS_4.30 および SLC FRS_6.50

  • TTI レベル 5.40 以上で T10000C または D ドライブに指定されたプール

  • ハイメモリー HBT カード

  • メディア検証を自動化するための最小の STA 2.0 (オプション)

メディア検証プールの定義

重要:

ホストは MV プール内のドライブにアクセスできません。

SCSI ライブラリにプールを定義する前に、MV プール変更の SCSI 要素 ID への影響を確認してください。

  1. ホストがプールに追加するドライブを使用していないことを確認します (ホスト管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。

  2. SLC で「Tools」 > 「Media Validation」を選択します。「Slot Selection」タブをクリックします

  3. Refresh」をクリックして、最新の構成を表示します。

  4. プールに最大 10 台のドライブを配置します。ドライブスロットを選択したあとに、「Apply」または「Remove」をクリックします。

    注記:

    MV プールにドライブを追加すると、ライブラリ (または影響を受けるパーティション) がオフラインになります。
  5. Apply」をクリックします。

  6. パーティション分割されたライブラリを使用する場合は、MV プールから削除されたドライブスロットをパーティションに割り当てます (ライブラリのパーティション分割を参照してください)。

  7. ホストアプリケーションを再構成します (MV プール変更後のホストの更新を参照してください)。

「Media Validation」アイコン

「Oracle Drive」アイコン 意味
Icon for empty drive slot. 空のドライブスロット
Icon for invalid drive in bay. スロットに無効なドライブタイプが含まれているか、無効な状態の適切なドライブタイプが含まれています
Icon for media validation valid drive in bay. 有効な状態の適切なドライブタイプ (T10000C または D)
Icon for partition number. ドライブスロットのパーティション番号
Icon for drive in media validation pool. ドライブスロットがメディア検証プール内にあります

メディア検証の開始または再開

SLC セッションごとに、一度に 1 つのカートリッジのみを検証できます。プロセスを自動化するには、StorageTek Tape Analytics 2.0 以上を使用します (STA のドキュメントを参照してください)。

  1. SLC で「Tools」 > 「Media Validation」を選択します。「Media Validation」タブをクリックします。

  2. ドライブを選択します。ドライブが存在しない場合は、メディア検証プールの定義を参照してください。

    注記:

    ドライブを選択できない場合は、不正なタイプであるか、無効な状態になっている可能性があります。
  3. リストからカートリッジを選択するか、またはカートリッジラベルフィールドに VOLSER を入力します。

  4. 検証タイプを選択します (説明については、次を参照してください)。

    注記:

    停止した場所から検証を再開するには、「Resume」または「Complete Plus Resume」を選択します。
  5. Start」をクリックします。カートリッジが正常にロードされると、検証が開始されます。

    検証が完了すると、カートリッジが元の場所に戻ります。元の場所が使用できない場合、ライブラリはホスト回復のために、カートリッジをシステムスロットに移動します。

検証タイプ

検証タイプ
説明
開始位置
1 カートリッジあたりの所要時間
Basic Verify マウントまたはマウント解除して、MIR が読み取り不能状態または非同期状態であるのかを判断します 該当なし 2 分
Standard Verify 次を読み取ります。

- テープの先頭から 1000 レコード

- EOD を含む折り返しから EOD まで

- バンドの上端と下端のもっとも外側の折り返し (端部を確認するため)

テープの開始位置 最大 30 分
Rebuild MIR テープ速度でデータを読み取ります MIR 内の無効な位置 T10000C — 5 時間

T10000D — 9 時間

Complete BOT テープ速度でデータを読み取ります テープの開始位置 T10000C — 6 時間

T10000D — 最大 9 時間

Complete Plus BOT脚注 1  データ整合性の検証 CRC をチェックして、これが存在するのかどうかを確認します テープの開始位置 T10000C — 圧縮率が 2.5:1 未満の場合、6 時間。

T10000D — 圧縮率が 3:1 未満の場合、9 時間。


脚注 1 Decompression および Oracle Key Manager が必要です。

検証の停止

ホストが現在検証中のカートリッジを要求すると、検証が停止します。SLC を使用して検証を停止することもできます。

  1. 検証を開始したユーザーとしてログインします。

  2. SLC で「Tools」 > 「Media Validation」を選択します。

  3. Media Validation」タブを選択します。

  4. Stop」をクリックします。

    検証が停止すると、ライブラリはカートリッジを元の場所に戻します。元の場所が使用できない場合、ライブラリはホスト回復のために、カートリッジをシステムスロットに移動します。