カートリッジをライブラリに挿入したり、ライブラリから取り出したりするには、カートリッジアクセスポート (CAP) を使用します。
注記:
CAP には、回転式 CAP と AEM の 2 つのタイプがあります。特に指定のないかぎり、CAP という用語は両方のタイプを意味します。FC-SCSI パーティションの共有 CAP を使用してカートリッジを挿入する場合は、FC‐SCSI パーティションへの共有 CAP の所有権の割り当てを参照してください。
CAP マガジンは取り外し可能です。カートリッジは任意のマガジンスロットに、任意の順序で配置できます。CAP を使用してカートリッジを挿入すると、ライブラリがそのカートリッジを CAP からストレージスロットに移動し、カートリッジの場所を記録して、その場所をホストに送信します。CAP が空の場合、ライブラリは CAP をデフォルトの状態に戻します。
注意:
機器の損傷を回避するために、強制的に CAP を開いたり、閉じたりしないでください。ラベルが付いていないカートリッジを挿入したり、カートリッジを上下逆に挿入したりしないでください。CAP が自動挿入モードになっている場合は (CAP のモードを参照してください)、次の手順に進みます。手動モードになっている場合は、ホストで挿入操作を開始します (テープ管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。
「CAP」ボタンを押します。
ボタンのライトが点灯し、ドアが開きます。
ハブギアが下向きになり、バーコードが自分側を向くようにして、カートリッジを CAP に配置します。
「CAP」ボタンを押します。
CAP が閉じて自動的にロックされ、CAP のボタンのライトが消灯します。
CAP が自動挿入モードになっている場合は (CAP のモードを参照してください)、次の手順に進みます。手動モードになっている場合は、ホストで挿入操作を開始します (テープ管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。
「Unlocked」インジケータが点灯したら、「AEM CAP」ボタンを押します。
安全ドアが完全に下がるまで、「Wait」インジケータが点滅します。ライブラリ内のアクティビティーのレベルによっては、これに数分かかることがあります。
「Enter」インジケータのライトが点灯している場合は、ラッチを持ち上げて、ドアを開きます。ハブギアが下向きになり、バーコードが自分側を向くようにして、カートリッジを CAP に配置します。
AEM アクセスドアを閉じて、ドアをロックします。
「AEM CAP」ボタンを押します。
「Enter」ライトが消え、「Wait」ライトが点滅を開始します。安全ドアが上昇します。
FC-SCSI パーティションの共有 CAP を使用してカートリッジを取り出す場合は、FC‐SCSI パーティションへの共有 CAP の所有権の割り当てを参照してください。
ライブラリがすべてのカートリッジを取り出すと、ロボットが CAP を監査して、空であるかどうかを確認します (ロボットはエクスポート操作時に、カートリッジのラベルを読み取りません)。次にライブラリは、ライブラリコントローラのデータベースおよびホストのデータベースからカートリッジの場所を消去します。CAP はデフォルトの状態に戻ります。
注意:
機器の損傷を回避するために、強制的に CAP を開いたり、閉じたりしないでください。ホストで取り出し操作を開始します。取り出すカートリッジの vol-id を指定します (テープ管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。
注記:
HLI ホストの場合、取り出し操作を行う CAP を選択できます。FC‐SCSI ホストの場合、ライブラリは事前定義の順序どおりに CAP を使用します (FC‐SCSI ホストを使用してカートリッジを取り出す際の CAP の使用順序を参照してください)。「CAP」ボタンを押します。CAP のドアが開き、CAP ボタンのライトが点灯します。
カートリッジを CAP から取り外します。
注意:
データの損失を回避するために、期限切れのクリーニングカートリッジを CAP 内に残さないでください。ライブラリでは、期限切れのクリーニングカートリッジも新規として処理されます。「CAP」ボタンを押して CAP を閉じます。
CAP が閉じてロックされ、CAP ボタンのライトが消灯します。
選択したカートリッジがすべて取り出されるまで、ロボット は引き続き CAP を充填します。CAP ドアのロックが解除されるまで待機してから、手順 2 から手順 4 を繰り返します。
ホストで取り出し操作を開始します。取り出すカートリッジの vol-id を指定します (テープ管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。
「AEM CAP」ボタンを押します。
安全ドアが所定の位置にくるまで「Wait」インジケータが点滅したあとに、「Enter」ライトが点灯します。ライブラリ内のアクティビティーのレベルによっては、このプロセスに数分かかることがあります。
ラッチを持ち上げて、ドアを開きます。カートリッジを AEM CAP から取り外します。AEM アクセスドアを閉じて、ドアをロックします。
「AEM CAP」ボタンを押します。「Enter」ライトが消え、「Wait」ライトが点滅を開始します。安全ドアが上昇します。さらにカートリッジをエクスポートする必要がある場合は、ロボットが引き続き必要な AEM を充填します。
選択したカートリッジがすべて取り出されるまで、ロボット は引き続き AEM を充填します。ドアのロックが解除されるまで待機してから、手順 2 から手順 4 を繰り返します。
ロック解除されている CAP はライブラリによって予約されているため、ロックされるまですべてのホストで使用できません。SLC を使用する前に、常にホストソフトウェアを使用して、CAP または AEM アクセスドアのロックの解除を試みてください。
注記:
CAP がホストによって予約されている場合、CAP をロック解除する前に、ホストが CAP の予約を解放する必要があります。SLC で「Tools」 > 「Diagnostics」を選択します。
デバイスツリーで「CAP」フォルダを展開したあとに、変更する CAP (左側の AEM CAP は列 -31、右側は列 31) を選択します。
「Access」タブをクリックします。
「Locked」ドロップダウンリストで、次のように選択します。
ロックする場合は「True」
ロック解除する場合は「False」
「Apply」をクリックします。
CAP 予約がパーティションによって解放されず、ACSLS または HSC ホスト上で終了できない場合は、次の手順を使用して CAP 予約をオーバーライドします。
注記:
この手順のすべての手順を実行する必要があり、そうしないと、CAP は、すべてのパーティションで使用できないままになることがあります。SLC で「Tools」 > 「Shared CAP Assignment」を選択します。
「CAP」フォルダを展開したあとに、オーバーライドする CAP (左側の AEM CAP は列 -31、右側は列 31) を選択します。
「Unreserve」タブをクリックします。
「Apply」をクリックして、予約をオーバーライドします。
「OK」をクリックして、オーバーライド操作を続行します。
CAP がロックされている場合は、SLC を使用してロックを解除します (HLI CAP のロックとロック解除を参照してください)。
CAP を開きます。カートリッジを取り外し、パーティション ID のラベルを貼付します。
CAP を閉じます。CAP のステータスが「unreserved」に変化します。
CAP からのカートリッジを再度ライブラリに挿入すべきかどうかを判断したあとに、正しいパーティションにカートリッジを挿入します。
CAP 割り当てモードを変更すると、ライブラリ内のすべての CAP のモードが変更されます。CAP 割り当てモードは、ライブラリ CAP を通常のホスト操作や診断移動に使用できるかどうかを制御します。
すべてのライブラリ CAP が、予約なし、空、閉じている、およびロック済みの状態にあることを確認します。
CAP を診断モードに変更する場合は、すべてのホスト操作を停止します (テープ管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。
「Tools」 > 「CAP Assignment」を選択します。
「Mode」ドロップダウンリストで、次のいずれかを選択します。
「Host Operations」 — すべての CAP を通常のホスト操作に使用できるようにします。これは、ライブラリを通常のテープマウントまたはマウント解除操作に戻す場合に選択します。
「Diagnostics」 — すべての CAP を診断操作に使用できるようにします。これは、手動によるカートリッジ移動 (CAP からシステムスロットへのクリーニングまたは診断カートリッジの移動など) を実行する場合に選択します。
「Apply」をクリックします。
カートリッジを挿入したり、取り出したりするには、FC-SCSI パーティションに共有 CAP を割り当てる必要があります。
共有 CAP に一度に関連付けることができるパーティションは 1 つのみです。
複数の共有 CAP が存在する場合は、それらがすべて関連付けられます。
CAP の関連付けは、それが削除されるか、ライブラリがリブートするか、CAP が再度割り当てられるか、CAP が初期化されるまでアクティブのままです。
注記:
CAP が開いているときや、CAP にカートリッジが含まれているときに、CAP の関連付けを削除すると、ライブラリコントローラが CAP の所有権を引き受け、CAP はすべてのパーティションで使用できなくなります。CAP を再度関連付ける前に、空にして閉じてください。SLC で「Tools」 > 「Shared CAP Assignment」を選択します。
パーティションを選択します。
「Apply」をクリックします。
挿入操作または取り出し操作を実行します (CAP を使用したカートリッジの挿入および CAP を使用したカートリッジの取り出しを参照してください)。
挿入または取り出しが完了したら、パーティションの選択を解除して CAP の関連付けを削除します。
「Apply」をクリックします。
表8-1 パーティション分割されていないライブラリ内の CAP の状態
CAP の種類 | デフォルトの状態 |
CAP インジケータ |
---|---|---|
手動モードの HLI |
ロック |
消灯 |
自動挿入モードの HLI |
ロック解除 |
点灯 |
FC‐SCSI |
ロック解除 |
点灯 |
CAP の自動挿入モードは、HLI ライブラリでのみサポートされています (テープ管理ソフトウェアのドキュメントを参照してください)。
CAP 自動挿入モードを使用すると、明示的な挿入要求を発行しなくても、ライブラリオペレータは CAP を開いて挿入操作を開始できます。自動挿入モードの CAP はロック解除されたままであり、ホストの予約は必要ありません。パーティション分割されたライブラリで自動挿入モードを使用するには、CAP を専用にする必要があります。
手動モードは、もっともセキュアな CAP モードです。手動モードでは、システムはデフォルトで CAP をロックします。手動モードを使用して挿入または取り出し操作を開始するには、明示的な挿入または取り出し要求を入力してから、「CAP Open」ボタンを押します。
割り当てモードは、パーティション分割されていない FC-SCSI ホスト接続でのみサポートされています。CAP 割り当てモードは、CAP を通常のホスト操作や診断操作に使用できるかどうかを制御します (パーティション分割されていない FC‐SCSI ライブラリでの CAP 割り当てモードの変更を参照してください)。
パーティション分割されていないライブラリでは、SCSI インタフェースはすべての CAP を 1 つの CAP として処理します。FC‐SCSI ホストから取り出し操作を開始すると、ロボットはカートリッジをいちばん左側の回転式 CAP にロードし、次に右方向に移動したあとに、さらに AEM に移動します。パーティション分割されたライブラリの場合、CAP の優先順位は、CAP がパーティションにどのように割り当てられているのかによって異なります。
次の例では、基本モジュール、2 つの CEM (基本モジュールの両サイドに 1 つずつ)、および 2 つの AEM (ライブラリの両端に 1 つずつ) を持つ FC‐SCSI ライブラリがあるとします。350 個のカートリッジの取り出し操作では、ロボットは次の順序で CAP スロットを充填します。
順序 |
モジュール |
取り出されたカートリッジの数 |
取り出されたカートリッジの合計数 |
---|---|---|---|
1 番目 | 左側の CEM | 26 | 26 |
2 番目 | 基本モジュール | 26 | 52 |
3 番目 | 右側の CEM | 26 | 78 |
4 番目 | 左側の AEM | 234 | 312 |
5 番目 | 右側の AEM | 38 | 350 |