給与レート コード エレメントの定義
給与レート コード エレメントを定義するには、給与レート コード コンポーネント (GP_RATE_CODE) を使用します。
ページ名 |
定義名 |
用途 |
---|---|---|
GP_PIN |
エレメント名を付け、基本パラメータを定義します。 |
|
GP_RATE_CODE |
給与レート コード エレメントを作成し、HR 管理で定義された給与レート コードにマッピングします。また、このページは給与レート コード エレメントの表示およびマッピングの変更にも使用できます。 |
給与レート コード エレメントを使用して、固定的賃金コンポーネントや固定的賃金外の給与コンポーネントなど、HR 管理で定義された複数の給与コンポーネントの値を取得することができます。
HR 管理で設定された給与レート コードをグローバル ペイロールに取り込むには、それらの給与レート コードに対応する給与レート コード エレメントをグローバル ペイロールで定義し、該当する HR 管理の給与レート コードとマッピングする必要があります。HR 管理の給与レート コードは、グローバル ペイロールの給与レート コード エレメントと 1 対 1 で関連付けることができます。
注: グローバル ペイロールでは、レート マトリックスをマッピングすることはできません。グローバル ペイロールでマッピングできるのは、単純な給与レート コードのみです。
給与レート コード エレメントを定義し、HR 管理の給与レート コードにマッピングするには、以下の 2 つの方法があります。
HR 管理で給与レート コードを作成してからグローバル ペイロールを導入する場合、給与レート コード コンポーネントを使って給与レート コード エレメントを作成し、対応する HR 管理の給与レート コードにマッピングします。
HR 管理の給与レート コードにマッピングすることにより、エレメントに HR 管理の給与レート コードの値が割り当てられます。
グローバル ペイロールを導入してから HR 管理で給与レート コードを作成する場合、給与レート コード エレメントが作成されるかどうかは、給与レート コード作成者のユーザー ID の行がユーザー ルール プロファイル ページにあるかどうかで決まります。
ユーザー ルール プロファイル ページに、HR 管理で給与レート コードを作成するユーザーのユーザー ID の行がある場合、対応する給与レート コード エレメントが自動的に休暇管理に作成されます。この給与レート コードでは、給与レート コード名ページに、給与レート コードを作成するユーザーのユーザー ID に対して定義されたものと同じ [使用先] および [国] フィールドの値が表示されます。異なる給与レート コードが必要な場合は、使用先に [全ての国] が定義されているユーザー ID のユーザーが、[使用先] および [国] フィールドを変更して給与レート コードを修正します。
ユーザー ルール プロファイル ページに、HR 管理で給与レート コードを作成するユーザーのユーザー ID の行がない場合、給与レート コード エレメントはグローバル ペイロールに作成されません。上記の 1 と同様に処理されます。ユーザー ルール プロファイル ページに適切なユーザー ID 設定があるユーザーが、グローバル ペイロールの給与レート コード コンポーネントを使用して給与レート コード エレメントを作成する必要があります。
「ユーザー アクセスの制限」を参照してください。
給与レート コード エレメントは、グローバル ペイロールの給与レート コード - 定義ページで確認できます。また、このコンポーネントでエレメントを他の給与レート コードにマッピングすることもできます。
次の表は、給与レート コード - 定義ページに表示される値の一覧です。
フィールド |
値 |
---|---|
名前 |
HR 管理の給与レート コード名と同じ |
エレメント タイプ |
給与レート コード (RC) |
名称 |
HR 管理での給与レート コードの名称 |
フィールド フォーマット |
10 進数 |
定義の指定日 |
カレンダー期間終了日 |
常時再計算 |
オフ |
オーナー |
顧客管理 |
クラス |
クラス指定なし |
使用先 |
HR 管理で給与レート コードを作成するユーザーに対して、ユーザー ルール プロファイル ページで定義されている [使用先] フィールドの値と同じ。 |
国 |
HR 管理で給与レート コードを作成するユーザーに対して、ユーザー ルール プロファイル ページで定義されている [国] フィールドの値と同じ。 |
産業/地域 |
空欄 |
カテゴリ |
空欄 |
上書きレベル |
全てのオプションをオフ |
|
オン |
ゼロのとき保存 |
オン |
ユーザー フィールド |
空欄 |
コメント |
空欄 |
給与レート コード エレメントは、HR 管理で定義された給与レート コードの値を返します。給与レート コードを受給者の支給額の計算で使用するには、支給エレメント定義でその給与レート コードを、支給額の計算ルールの一部として直接使用するか、支給額の計算ルールで使用されるフォーミュラや他のエレメントで使用する必要があります。
例
ある受給者の支給月額が 3 つのコンポーネント (基本給、能力給、基本給と能力給の月額合計の 10% の賞与) から構成されていて、以下の給与レート コードが HR 管理で定義されているとします。
BASE = 1000 (基本給月額)
MERIT = 100 (能力給月額)
BONUS = 10 パーセント (賞与月額)
グローバル ペイロールでこれらの給与レート情報を HR 管理から取得して計算に使用するには、対応する給与レート コード エレメントをグローバル ペイロールで作成し、HR 管理の給与レート コードにマッピングする必要があります。次の表はマッピング内容を一覧にしたものです。
HR 管理の給与レート コード |
対応するグローバル ペイロールの給与レート コード エレメント |
---|---|
BASE |
BASE |
MERIT |
MERIT |
BONUS |
BONUS |
グローバル ペイロールには、賞与月額を計算できるように、給与計算ごとに基本給と能力給の合計を管理する累計 (SALARY TOTAL) が既に定義されています。HR 管理で定義された給与レート コードを使って、受給者の支給月額を計算します。この場合、グローバル ペイロールで 3 つの支給エレメントを作成する必要があります。
E1 は、基本給を表します。
E1 の計算ルールには [金額] を選択し、基本給与額を取得するエレメントとして、給与レート コード エレメントの BASE を指定します。
E2 は、能力給を表します。
E2 の計算ルールには [金額] を選択し、能力給与額を取得するエレメントとして、給与レート コード エレメントの MERIT を指定します。
E3 は、賞与を表します。
E3 の計算ルールには [ベース*パーセント] を選択し、ベース コンポーネントとして累計エレメント SALARY TOTAL を、パーセント コンポーネントとして給与レート コード エレメント BONUS を指定します。
注: グローバル ペイロールに HR 管理の給与レート コードの情報を取り込むには、支給エレメントおよび控除エレメントの定義に給与レート コード エレメントを含める必要があります。
通常、給与レート コード エレメントは、支給エレメントを定義するときに計算ページで使用されます。次の表は、支給計算ルールのコンポーネントとして給与レート コード エレメントを使用する方法を一覧にしたものです。
給与レート コード タイプ |
支給計算ルール |
コンポーネント情報 |
---|---|---|
固定額 |
金額 |
金額 = 給与レート コード エレメント |
パーセント |
ベース*パーセント |
ベース = 該当する値 (通常は累計) パーセント = 給与レート コード エレメント |
点数 |
ユニット*レート |
レート = 該当する値 (通常は、会社テーブルから適切な給与点数を取得し、必要に応じて FTE を適用するアレイを呼び出すフォーミュラ) ユニット = 給与レート コード エレメント |
時間 |
ユニット*レート |
レート = 給与レート コード エレメント ユニット = 該当する値 (ポジティブ入力など) |
時間給 + 固定額 |
ユニット*レート |
レート = フォーミュラ (固定額の給与レート コード エレメントを取得し、計算済みの時間給与に加算するフォーミュラ) ユニット = 該当する値 (ポジティブ入力など) |
注: 支給エレメントのコンポーネントとして固定的賃金外の給与レート コードを使用する場合、"エレメント グループ" のエレメント グループ メンバー ページで、その支給エレメントの [資格の割当] を [受給者] に設定することをお勧めします。こうしておくと、処理の際、その支給期間において固定的賃金外の支給を持つ受給者に対してのみ固定的賃金外の処理が行われます。
警告 支給エレメントの給与レート コード エレメントなど、給与レート コード エレメントを変換する順序は非常に重要です。
給与計算の処理中に給与レート コード エレメントが検出されると、給与レート コード PIN 変換プログラムが呼び出され、そのエレメントがカレンダー期間終了日に有効であるかどうか、固定的賃金の給与レート コードなのか固定的賃金外の給与レート コードなのかが最初に確認されます。その後、固定的賃金または固定的賃金外のどちらか該当する方の給与レート コード エレメントの定義に従って、給与レート コードが変換されます。
職務行の選択条件
固定的賃金、固定的賃金外どちらの給与レート コード エレメントの場合でも、グローバル ペイロールでは RATE AS OF DATE というシステム エレメントを使って、その給与レート コードで参照する最新の有効日の職務行を決定します。選択された職務行の従業員 ID、雇用レコード番号、および支給キーは、処理中の支給の値にそれぞれ一致する必要があります。一致しない場合、支給はエラーになります。
RATE AS OF DATE に値がロードされていない場合、現在のスライスまたはセグメントの終了日を使用して職務行が選択されます。
RATE AS OF DATE の値がカレンダー期間終了日より後の場合、カレンダー期間終了日を使用して職務行が選択されます。
RATE AS OF DATE の値が職務行の一番古い有効日より前の場合、給与レート コードはゼロに変換され、その支給はエラーになります。
その他の場合は全て、RATE AS OF DATE の値が使用されます。
給与レート コードに適用される FTE 係数は、支給キーが一致していて、有効日が RATE AS OF DATE の値またはスライス終了日と同じかそれより前の行の中で、最新の有効日を持つ職務行から取得されます。
通貨換算
HR 管理で定義されている、固定額、時間給、または時間給 + 固定額の給与レート コードの通貨コードが処理通貨と異なる場合、グローバル ペイロールでは処理中に標準通貨換算が実行されます。この場合、受給者の有効日付き為替レート タイプを使用して、通貨換算が行われます。
注: パーセント給与レート コードまたは点数給与レート コードの場合、戻り値は金額ではないので、通貨換算は必要ありません。
周期換算
グローバル ペイロールでは、固定額または時間給 + 固定額の給与レート コードに対し、HR 管理で指定された周期コードとカレンダー期間の周期が一致しない場合、周期換算も行われます。対応する HR 管理の周期係数を使って、給与レート コードが年次化されます。続いて適切な周期係数を用いて、カレンダー期間の周期に非年次化されます。給与レート コードを使用する支給エレメントは全て、周期オプションを [カレンダー期間の周期を使用] に設定する必要があります。
注: パーセント給与レート コードまたは点数給与レート コードの場合、戻り値は金額ではないので、周期換算は必要ありません。
同一給与レート コード エレメントの複数インスタンスの変換
PS_COMPENSATION レコードに同一の固定的賃金または固定的賃金外の給与レート コードのインスタンスが複数ある場合、各インスタンスは個別に評価された後に全て合計され、給与レート コード エレメントには 1 つの値として戻されます。グローバル ペイロールでは、RATE CODE GROUP と FTE INDICATOR の 2 つのシステム エレメントが参照され、以下のルールが適用されます。
インスタンス間で給与レート コード グループが異なる場合、システム エレメント RATE CODE GROUP が最後のインスタンスに従って変換され、その後エラー メッセージが生成されます。
インスタンス間で FTE インジケータが異なる場合、システム エレメント FTE INDICATOR が最後のインスタンスに従って変換され、その後警告メッセージが生成されます。受給者がエラー状態になることはありません。グローバル ペイロールでは、給与レート コード タイプが固定額、または時間給 + 固定額の給与レート コードに対してのみ、FTE INDICATOR が使用されます。
たとえば、固定額の給与レート コードに、FTE が適用されるインスタンスが 1 つある場合、グローバル ペイロールではこのインスタンスに対して FTE_COMPRATE を使用します。2 番目のインスタンスでは FTE が適用されない場合、2 番目のインスタンスに対しては COMPRATE が使用され、その後 2 つのインスタンスが合計されます。
固定的賃金の給与レート コード エレメントの変換の順序
HR 管理の固定的賃金の給与レート コードにマッピングされた給与レート コード エレメントが検出されると、給与レート コードがエレメントと一致する PS_COMPENSATION レコードの行が検索されます。その後、次の表のように、給与レート コード タイプに基づく値が返されます。
給与レート コード タイプ |
PS_COMPENSATION の評価対象フィールド |
戻される給与レート コードの値 |
---|---|---|
パーセント |
COMP_PCT |
パーセント |
点数 |
COMP_RATE_POINTS |
点数 |
固定額 |
COMPRATE、 FTE_INDICATOR |
FTE_INDICATOR が Yes の場合、COMPRATE×FTE 係数 (職務テーブルに保存)。FTE_INDICATOR が No の場合、COMPRATE |
時間 |
COMPRATE |
時間給与 |
固定的賃金外の給与レート コード エレメントの変換の順序
HR 管理の固定的賃金外の給与レート コードにマッピングされた給与レート コード エレメントが検出されると、以下の順序で給与レートが検索されます。給与レートが見つかると処理は停止します。
給与テーブル (PS_COMPENSATION)。
職務コード テーブル (PS_JOBCD_COMP_RATE)。
セットID フィールドおよび職務コード フィールドが、SETID_JOBCODE システム エレメントおよび JOBCODE システム エレメントと一致する行が検索されます。
HR 給与レート テーブル (PS_COMP_RATECD_TBL)。
その後、次の表のように、給与レート コード タイプおよび FTE_INDICATOR に基づく値が返されます。
給与レート コード タイプ |
PS_COMPENSATION の評価対象フィールド |
戻される給与レート コードの値 |
---|---|---|
パーセント |
COMP_PCT |
パーセント |
点数 |
COMP_RATE_POINTS |
点数 |
固定額、または時間給 + 固定額 |
COMP_RATE FTE_INDICATOR |
FTE_INDICATOR が Yes の場合、COMPRATE×FTE 係数 (職務テーブルに保存)。FTE_INDICATOR が No の場合、COMPRATE |
時間 |
COMPRATE |
時間給与 |
フィールドまたはコントロール |
定義 |
---|---|
固定的賃金コンポーネント |
受給者の固定的賃金となる給与コンポーネントを、固定的賃金コンポーネントと言います。固定的賃金コンポーネントは全て、HR 管理の PS_COMPENSATION レコードに保存されますが、グローバル ペイロールの受給者別エレメント割当ページまたはポジティブ入力ページで上書きできます。固定的賃金コンポーネントでは、時間給 + 固定額の給与レート コード タイプは使えません。 |
複数給与コンポーネント |
この機能によって、1 人の受給者に対し、基本給、能力給などの複数の給与レートを使用して支給することができます。コンポーネントは、固定額、時間給、時間給 + 固定額、従業員給与パッケージのパーセント、給与点数などで表示されます。 |
固定的賃金外の給与コンポーネント |
固定的賃金の計算に含まれないコンポーネントを、固定的賃金外の給与コンポーネントと言います。PS_COMPENSATION レコードに保存されることもありますし、保存されないこともあります。給与計算処理の実行時には、変換の順序に従って適切なレートが使用されます。 |
給与レート コード名ページ (GP_PIN) を使用して、エレメント名を付け、基本パラメータを定義します。
ナビゲーション
注: GP_PIN というオブジェクト名のエレメント名共通ページで、エレメント名やその基本パラメータを全て定義します。エレメント名共通ページのページ タイトルや内容は、定義するグローバル ペイロール エレメントのタイプによって変わります。このページのフィールドについては全て、この製品ドキュメントの他のトピックで説明されています。
給与レート コード - 定義ページ (GP_RATE_CODE) を使用して、給与レート コード エレメントを作成し、HR 管理で定義された給与レート コードにマッピングします。
また、このページは給与レート コード エレメントの表示およびマッピングの変更にも使用できます。
ナビゲーション
画像: 給与レート コード - 定義ページ
次の例では、給与レート コード - 定義ページのフィールドおよびコントロールを説明します。

フィールドまたはコントロール |
定義 |
---|---|
給与レート コード |
このエレメントにマッピングする HR 管理の給与レート コードを選択します。給与レートコードを選択すると、ページの下半分に、選択した HR 管理の給与レート コードの定義情報が表示されます。この情報は、グローバル ペイロールでは変更できません。 |
周期換算 |
このチェック ボックスのデフォルトは、オンです。オンの場合、給与レート コードにより返された値に、自動的に周期換算 (年次化/非年次化) が実行されます。 給与レート コードの値に周期換算をせずにそのまま返す場合は、このチェック ボックスをオフにします。 |
警告の作成 |
固定的賃金コンポーネントの給与レート コードに対してのみ、このチェック ボックスは使用できます。バッチ処理で受給者の給与レコードに給与レート コードが見つからない場合に警告メッセージが表示されるように、このチェックボックスは自動的にオンに設定されます。 給与レート コードが検出されなかった場合でも警告メッセージを表示させたくない場合は、このチェック ボックスをオフにします。 |