複数変換を伴う分割について

このトピックでは、次について説明します。

  • 累計ドライバを使用する場合と使用しない場合のエレメント分割。

  • エレメント分割の比例配分。

  • ユーザー フィールド セットが定義されている場合の分割カレンダーでのポジティブ入力。

  • エレメント分割がある場合のユーザー フィールド セットへの値の入力およびユーザー フィールド セットの処理。

  • 分割がある場合の処理順序の定義。

ドライバとして使用される累計がスライスされる際には、以下のルールが適用されます。

  • ドライバ累計がスライスされると、ドライバ実行対象の支給または控除が自動的にスライスされます。

    ドライバ実行対象の支給または控除がスライスされると、支給または控除の各スライスにはそのドライバの値が適用されます。このドライバによって、支給または控除の各スライスの複数変換を行うことができます。

  • 支給および控除によって、一致するスライス日を持つ累計インスタンスが使用されます。

    一致するものがない場合は、支給または控除のスライス日を含むスライス日を持つ累計インスタンスが使用されます。

例 1: 累計ドライバを使用しない支給および控除のエレメント分割

累計 "AC1" は、エレメントの分割イベント定義のリストに含まれています。

AC1 には、支給 E1、E2、および E3 というメンバーがあります。

これらの支給は、累計と共に、分割イベント定義のリストに自動的に含まれます。

AC1、E1、E2、および E3 は、分割トリガが発生するとスライスされます。

分割トリガは 1 月 15 日に定義されていて、支給期間は月次であると想定します。

E1 の金額は 700、E2 は 1000、および E3 は 1500 です。

次の表には、支給の結果が含まれています。

支給

インスタンス

スライス番号

スライス日

金額

E1

1

1

1 月 1 日から 14 日

350

E1

2

2

1 月 15 日から 31 日

350

E2

1

1

1 月 1 日から 14 日

500

E2

2

2

1 月 15 日から 31 日

500

E3

1

1

1 月 1 日から 14 日

750

E3

2

2

1 月 15 日から 31 日

750

次の表には、累計の結果が含まれています。

累計

インスタンス番号

スライス番号

スライス日

金額

AC1

1

1

1 月 1 日から 14 日

1600

AC1

2

2

1 月 15 日から 31 日

1600

例 2: 累計ドライバを使用する支給および控除のエレメント分割

累計 "AC1" は、エレメントの分割イベント定義のリストに含まれています。

AC1 には、支給 E1、E2、および E3 というメンバーがあります。

これらの支給は、累計と共に、分割イベント定義のリストに自動的に含まれます。

AC1 は、控除 "D1" のドライバ累計です。

ドライバ累計 "AC1" がスライスされると、ドライバ実行対象の控除 (D1) も自動的にスライスされます。

"州" は、AC1 のユーザー キーであると共に、D1 のユーザー フィールドでもあります。

D1 は、ベース×パーセントとして定義されています (パーセントは、各州で同じであるとします)。

ベースは CURR_DRIVER_VAL で、パーセントは 15 パーセントです。

注: CURR_DRIVER_VAL は、エレメントの計算にドライバ累計が使用されている場合に、ドライバ累計の現在値を取得する標準装備のシステム エレメントです。このシステム エレメントとその他のシステム エレメントについては、このトピックで後述します。

システム エレメントの使い方」を参照してください。

分割トリガは 1 月 15 日に定義されていて、支給期間は月次であると想定します。

E1 の金額は 700、E2 は 1000、および E3 は 1500 です。

次の表には、支給の結果が含まれています。

支給

インスタンス

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド

E1

1

1

1 月 1 日から 14 日

175

州 1

E1

2

2

1 月 15 日から 31 日

175

州 1

E1

3

1

1 月 1 日から 14 日

175

州 2

E1

4

2

1 月 15 日から 31 日

175

州 2

E2

1

1

1 月 1 日から 14 日

250

州 1

E2

2

2

1 月 15 日から 31 日

250

州 1

E2

3

1

1 月 1 日から 14 日

250

州 2

E2

4

2

1 月 15 日から 31 日

250

州 2

E3

1

1

1 月 1 日から 14 日

375

州 1

E3

2

2

1 月 15 日から 31 日

375

州 1

E3

3

1

1 月 1 日から 14 日

375

州 2

E3

4

2

1 月 15 日から 31 日

375

州 2

次の表は、累計の結果を示しています。

累計

インスタンス番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド

AC1

1

1

1 月 1 日から 14 日

800

州 1

AC1

2

2

1 月 15 日から 31 日

800

州 1

AC1

3

1

1 月 1 日から 14 日

800

州 2

AC1

4

2

1 月 15 日から 31 日

800

州 2

次の表は、控除の結果を示しています。

控除

インスタンス番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド

D1

1

1

1 月 1 日から 14 日

120

州 1

D1

2

2

1 月 15 日から 31 日

120

州 1

D1

3

1

1 月 1 日から 14 日

120

州 2

D1

4

2

1 月 15 日から 31 日

120

州 2

累計ドライバの実行対象となる支給または控除を設定する際に、比例配分を正しく定義しないと、予期しない結果を招く可能性があります。

たとえば、分割イベント リストにドライバ累計を含めた場合、そのドライバ実行対象のエレメントを比例配分する必要はありません。これは、ドライバ累計がスライスされると、累計メンバーとドライバ実行対象のエレメントの両方が自動的にスライスされるためです。分割イベント リストに累計ドライバを含めず、ドライバ実行対象のエレメントを含めた場合、累計ドライバとドライバ実行対象のエレメントは均等にスライスされず、同期はとられません。このような状況では、ドライバ実行対象のエレメントを比例配分する必要があります。

例: 累計ドライバを使用する支給および控除のエレメント分割 (累計ドライバが分割イベント定義のリストに含まれていない場合)

AC1 は、控除 "D1" のドライバ累計です。

AC1 はエレメントの分割イベント定義のリストに含まれていませんが、D1 は含まれています (分割があると、D1 のみがスライスされます)。

AC1 には、支給 E1、E2、および E3 というメンバーがあります。

"州" は、AC1 のユーザー キーであり、D1 のユーザー フィールドです。

D1 は、ベース×パーセントとして定義されています (パーセントは、各州で同じであるとします)。

ベースは CURR_DRIVER_VAL で、パーセントは 15 パーセントです。

注: CURR_DRIVER_VAL は、エレメントの計算にドライバ累計が使用されている場合に、ドライバ累計の現在値を取得する標準装備のシステム エレメントです。このシステム エレメントとその他のシステム エレメントについては、このトピックで後述します。

システム エレメントの使い方」を参照してください。

分割トリガは 1 月 15 日に定義されていて、支給期間は月次であると想定します。

E1 の金額は 700、E2 は 1000、および E3 は 1500 です。

次の表には、支給の結果が含まれています。

支給

インスタンス番号

金額

ユーザー フィールド

E1

1

350

州 1

E1

2

350

州 2

E2

1

500

州 1

E2

2

500

州 2

E3

1

750

州 1

E3

2

750

州 2

次の表には、累計の結果が含まれています。

累計

インスタンス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド

AC1

1

1 月 1 日から 31 日

1600

州 1

AC1

2

1 月 1 日から 31 日

1600

州 2

次の表は、比例配分がオフの場合の控除の結果を示しています。

控除

インスタンス番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド

D1

1

1

1 月 1 日から 14 日

240

州 1

D1

2

2

1 月 15 日から 31 日

240

州 1

D1

3

1

1 月 1 日から 14 日

240

州 2

D1

4

2

1 月 15 日から 31 日

240

州 2

注: 比例配分がオフの場合は、結果が水増しされます。

次の表は、比例配分がオンの場合の控除の結果を示しています。

控除

インスタンス番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド

D1

1

1

1 月 1 日から 14 日

120

州 1

D1

2

2

1 月 15 日から 31 日

120

州 1

D1

3

1

1 月 1 日から 14 日

120

州 2

D1

4

2

1 月 15 日から 31 日

120

州 2

ポジティブ入力が分割カレンダーに入力されていると、通常、セグメントはポジティブ入力によって上書きされます。ただし、ユーザー フィールド セットが定義されている場合には、ポジティブ入力のユーザー フィールド セットに基づいて上書きが行われます。つまり、ポジティブ入力と同じユーザー フィールド セットを持つ支給または控除のセグメントだけが上書きされます。異なるユーザー フィールド セットを持つ支給または控除のその他の変換 (ドライバ インスタンスによるものか、エレメント割当によるものかには関係なく) には、エレメント分割が適用されます。

支給または控除にエレメント分割が定義されている場合には、スライスごとにユーザー フィールド セットが決められます。

ユーザー フィールドの値がエレメント割当からのものか、ポジティブ入力からのものか、またはドライバ累計からのものかに応じて、以下のように値が割り当てられます。

  • ユーザー フィールドの値がエレメント割当からのものである場合: エレメント割当は、通常はセグメント内の全てのスライスに適用され、エレメント割当に関連付けられているユーザー フィールドの値も、そのセグメント内の全てのスライスに適用されます。ただし、エレメント分割をその開始日と終了日に基づいてトリガするようにシステムを設定していると、ユーザー フィールドの値はスライスごとに異なる値になる可能性があります。

    上書きについて」を参照してください。

  • ユーザー フィールドの値がポジティブ入力からのものである場合: ポジティブ入力は、常に特定のスライスまたはセグメントをターゲットとします。ポジティブ入力の終了日によって、ポジティブ入力が適用されるスライスまたはセグメントが決定され、そのスライスまたはセグメントのみにユーザー フィールド セットが適用されます。たとえば、支給が 2 つのセグメントに分割されており、1 つ目のセグメントの開始日と終了日は 6 月 1 日と 6 月 15 日、2 つ目のセグメントの開始日と終了日は 6 月 16 日と 6 月 30 日であるとします。終了日が 6 月 10 日の支給に対してポジティブ入力を入力すると、このポジティブ入力は支給期間の 1 つ目のセグメントに分類され、ポジティブ入力に関連付けられているユーザー フィールドは、そのセグメントにのみ適用されます。

    分割に関する注意事項」、「ユーザー フィールド セットが定義されている場合の分割カレンダーでのポジティブ入力」を参照してください。

  • ユーザー フィールドの値がドライバ累計からのものである場合: ドライバ累計のインスタンスには、ドライバ累計に関連付けられたユーザー キーの値が含まれます。ドライバ累計が分割イベント リストに含まれているかどうかに応じて、スライス日またはセグメント日のどちらかがインスタンスに割り当てられます。ドライバの各スライスまたは各セグメントのユーザー キーの値は、支給または控除の、対応するセグメントまたはスライスに適用されます。

例 1: 支給/控除割当の使用されているエレメント分割 (全てのユーザー フィールドが支給/控除割当ページで上書きとして入力されている場合)

控除 "D1" は、分割イベントのエレメント リストに含まれています。

この控除には、累計ドライバは指定されていません。

給与計算は、月次で実行されます。

有効日が 6 月 16 日の分割トリガが作成されます。

全てのユーザー フィールドは、エレメント割当のページで上書きとして入力されています。

次の表は、この控除の控除割当を示しています。

注: 以下の例では、支給/控除割当は "E/D 割当" と略して表記してあります。

 

E/D 割当

E/D 割当

E/D 割当

エレメント名

D1

D1

D1

インスタンス番号

1

2

3

処理順序

10

20

30

金額

1000

500

600

ユーザー フィールド 1 (州)

州 1

州 2

州 1

ユーザー フィールド 2 (会社)

AAA

AAA

AAA

この控除では、6 つのインスタンスが、以下の順序で変換されます。

変換番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド 1 (州)

ユーザー フィールド 2 (会社)

上書きソース

1

1

6 月 1 日から 15 日

500

州 1

AAA

エレメント割当

2

2

6 月 16 日から 30 日

500

州 1

AAA

エレメント割当

3

1

6 月 1 日から 15 日

250

州 2

AAA

エレメント割当

4

2

6 月 16 日から 30 日

250

州 2

AAA

エレメント割当

5

1

6 月 1 日から 15 日

300

州 1

AAA

エレメント割当

6

2

6 月 16 日から 30 日

300

州 1

AAA

エレメント割当

この例では、各変換のユーザー フィールド セットはエレメント割当によって入力され、両方のスライスに均等に適用されます。

例 2: 支給/控除割当の使用されているエレメント分割 (全てのユーザー フィールドが支給/控除割当ページで上書きとして入力されているわけではない場合)

控除 "D1" は、分割イベントのエレメント リストに含まれています。

この控除には、累計ドライバは指定されていません。

給与計算は、月次で実行されます。

有効日が 6 月 16 日の分割トリガが作成されます。

全てのユーザー フィールドが、エレメント割当のページで上書きとして入力されているわけではありません。"会社" ユーザー フィールドの値は、フォーミュラによって決定されます。このフィールドには、各スライスごとに異なる値が入ります。

次の表は、この控除の控除割当を示しています。

注: 以下の例では、支給/控除割当は "E/D 割当" と略して表記してあります。

 

E/D 割当

E/D 割当

E/D 割当

エレメント名

D1

D1

D1

インスタンス番号

1

2

3

処理順序

10

20

30

金額

1000

500

600

ユーザー フィールド 1 (州)

州 1

州 2

州 1

この控除では、6 つのインスタンスが、以下の順序で変換されます。

変換番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド 1 (州)

ユーザー フィールド 2 (会社)

上書きソース

1

1

6 月 1 日から 15 日

500

州 1

AAA

エレメント割当

2

2

6 月 16 日から 30 日

500

州 1

ZZZ

エレメント割当

3

1

6 月 1 日から 15 日

250

州 2

AAA

エレメント割当

4

2

6 月 16 日から 30 日

250

州 2

ZZZ

エレメント割当

5

1

6 月 1 日から 15 日

300

州 1

AAA

エレメント割当

6

2

6 月 16 日から 30 日

300

州 1

ZZZ

エレメント割当

エレメント割当として入力されていないユーザー フィールドの値は、スライスごとに決定され、スライスごとに異なります。

例 3: ポジティブ入力の使用されているエレメント分割 (全てのユーザー フィールドがポジティブ入力ページで上書きとして入力されている場合)

控除 "D1" は、分割イベントのエレメント リストに含まれています。

この控除には、累計ドライバは指定されていません。

給与計算は、月次で実行されます。

有効日が 6 月 16 日の分割トリガが作成されます。

全てのユーザー フィールドが、ポジティブ入力のページで上書きとして入力されます。

全てのポジティブ入力には、開始日と終了日が指定されています。

次の表は、この控除のポジティブ入力を示しています。

注: 以下の例では、ポジティブ入力は "PI" と略して表記してあります。

 

PI (上書き)

PI (上書き)

エレメント名

D1

D1

インスタンス番号

1

2

開始日

6 月 1 日

6 月 16 日

終了日

6 月 15 日

6 月 30 日

金額

1000

600

ユーザー フィールド 1 (州)

州 1

州 2

ユーザー フィールド 2 (会社)

AAA

ZZZ

この控除では、2 つのインスタンスが、以下の順序で変換されます。

変換番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド 1 (州)

ユーザー フィールド 2 (会社)

上書きソース

1

1

6 月 1 日から 15 日

1000

州 1

AAA

ポジティブ入力

2

2

6 月 16 日から 30 日

600

州 2

ZZZ

ポジティブ入力

変換 1 (スライス 1) では、ポジティブ入力インスタンス 1 で定義されたデータが使用され、変換 2 (スライス 2) では、ポジティブ入力インスタンス 2 で定義されたデータが使用されます。

分割カレンダーには、分割されていないカレンダーでエレメント割当が、ポジティブ入力とドライバ インスタンスと共に発生する際に適用される処理順序ルールと同じルールが適用されます (スライス単位またはセグメント単位で適用されるルールは除きます)。

以下に例を示します。

  • スライスまたはセグメントでは、支給/控除割当がそれぞれ個別のユーザー フィールド セットの中で最初に計算され、支給/控除割当によって、同じユーザー フィールド セットを持つポジティブ入力の処理順序が決定されます。

  • スライスまたはセグメントでは、支給/控除割当の後に、同じユーザー フィールド セットを持つポジティブ入力がインスタンス番号順に処理されます。

    注: ポジティブ入力によってエレメント割当を上書きする場合、そのポジティブ入力は、上書きするエレメント割当の処理順序を継承します。

  • 次に、各スライスまたはセグメントでは、同じユーザー フィールド セットを持たないポジティブ入力がインスタンス番号順に処理されます。

  • ポジティブ入力の処理後、エレメント割当またはポジティブ入力のユーザー フィールド セットが一致していないドライバ オカレンスが処理されます。

これらのルールは、各スライスまたはセグメント内のエレメントの処理順序に対してのみ適用されます。別のスライスやセグメント間での処理順序を決定する場合は、分割のソースとタイプに応じて (エレメント分割または期間分割)、以下で説明するいずれかのルールが適用されます。

  • 割り当てられたエレメントが分割イベントのエレメント リストに含まれているためにスライスされる場合 (分割イベントによるエレメント分割):

    この場合、割り当てられたエレメントは複数のスライスに分割されますが、各スライス内のエレメントには同じ処理順序番号 (場合によっては同じユーザー フィールドと他の割当データも) が適用されます。このケースでは、処理順序番号の最も小さい割当が最初に計算され、次に、同じユーザー フィールド セットを持つ全てのポジティブ入力インスタンスが最初のスライスから最後のスライスまで 1 スライスずつ処理されます。各スライスでは、ユーザー フィールド セットが発生し、その後で次のセットに移動します。たとえば、処理順序番号が 10、州がカリフォルニアのユーザー フィールドを持つ控除 D1 が、同じユーザー フィールド セットを持つポジティブ入力と共にスライス 1、スライス 2、スライス 3 の順に処理され、次に、処理順序番号が 20、州がネバダのユーザー フィールドを持つ控除 D1 が同じスライス順序で処理されます。同じユーザー フィールドを持たないポジティブ入力がある場合は、この後、スライス順ではなくインスタンス番号順に処理されます。

  • 割り当てられたエレメントで、その開始日と終了日が支給期間の開始日と終了日と一致しないときにスライスをトリガするように設定している場合 (割当日に基づいたエレメント分割):

    この場合、割当自体によってエレメント分割がトリガされます。また、支給期間の各スライスに同じエレメントに対する別の割当 (それぞれ独自の処理順序番号、ユーザー フィールド、およびその他の割当固有のデータを持つ) が存在する可能性があります。このケースでは、処理順序番号の最も小さい割当が最初に計算され、次に、同じユーザー フィールド セットを持つ全てのポジティブ入力インスタンスがポジティブ入力インスタンスの順に 1 スライスずつ処理されます。各スライスでは、ユーザー フィールド セットが発生します。さらに、スライス内で処理順序番号が次に小さいエレメント割当が処理され、その後、同じユーザー フィールド セットを持つポジティブ入力がインスタンス番号順に処理されます。同じユーザー フィールドを持たないポジティブ入力がある場合は、この後、インスタンス番号順に処理されます。

    ユーザー フィールドのある場合の支給/控除割当とポジティブ入力のマッチング」、「分割の設定について」を参照してください。

  • 期間分割があり、割り当てられたエレメントを含む全てのエレメントが複数のセグメントに分割される場合:

    この場合、エレメントはセグメント順に処理されます。つまり、セグメント 1 のエレメントが処理された後、セグメント 2 のエレメントが処理され、セグメント 2 のエレメントが処理された後、セグメント 3 のエレメントが処理されます。異なるセグメントの中にエレメント分割 (スライス) がある場合、分割が行われた理由に応じて、前の 2 つのルールのうちいずれかが適用されます。

    分割の設定について」を参照してください。

例 1: 割り当てられたエレメントが分割イベント リストに含まれているためスライスされる場合 (全てのユーザー フィールドが支給/控除割当で上書きとして入力されている場合)

控除 "D1" は、分割イベントのエレメント リストに含まれています。

この控除には、累計ドライバは指定されていません。

給与計算は、月次で実行されます。

4 月 11 日と 4 月 21 日の分割トリガが作成されます。これにより、そのエレメントについて支給期間が 3 つのスライスに分割されます。

割当は支給期間全体にわたります。

全てのユーザー フィールドは、エレメント割当のページで上書きとして入力されています。

次の表は、この控除の控除割当を示しています。

注: 以下の例では、支給/控除割当は "E/D 割当" と略して表記してあります。

 

E/D 割当

E/D 割当

エレメント名

D1

D1

インスタンス番号

1

2

処理順序

10

20

金額

900

600

ユーザー フィールド 1 (州)

州 1

州 2

ユーザー フィールド 2 (会社)

AAA

AAA

この控除では、6 つのインスタンスが、以下の順序で変換されます。

変換番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド 1 (州)

ユーザー フィールド 2 (会社)

上書きソース

1

1

4 月 1 日 から 10 日

300

州 1

AAA

エレメント割当

2

2

4 月 11 日 から 20 日

300

州 1

AAA

エレメント割当

3

3

4 月 21 日 から 30 日

300

州 1

AAA

エレメント割当

4

1

4 月 1 日 から 10 日

200

州 2

AAA

エレメント割当

5

2

4 月 11 日 から 20 日

200

州 2

AAA

エレメント割当

6

3

4 月 21 日 から 30 日

200

州 2

AAA

エレメント割当

割当は、処理順序番号に従って (処理順序番号が最も小さい場合に優先度が最も高い) 変換され、ユーザー フィールド セットの中でスライス 1、スライス 2、スライス 3 の順に処理された後、次のユーザー フィールド セットに移動します。

例 2: エレメント分割が支給/控除割当によって直接トリガされる場合 (ユーザー フィールドを持つポジティブ入力、全てのユーザー フィールドが支給/控除割当とポジティブ入力で上書きとして入力されている場合)

控除 D1 は、開始日と終了日が期間の開始日と終了日と一致しない受給者に割り当てられると、エレメント分割 (および比例配分) をトリガするように設定されています。

控除 D1 は、開始日と終了日が 4 月 16 日から 30 日の受給者に最初に割り当てられます。次に、控除 D1 は、開始日と終了日が 4 月 1 日から 15 日の同じ受給者に割り当てられます。これにより、支給期間は 2 つのスライスに分割されます。

2 つ目の割当の開始日と終了日の方が最初の割当の開始日と終了日より早い場合でも、最初の割当の処理順序番号は、2 つ目の割当の処理順序番号より小さくなります。

D1 のポジティブ入力は、両方のスライス (4 月 1 日から 15 日、4 月 16 日から 30 日) にあります。

ユーザー フィールドには全てのエレメント割当とポジティブ入力が関連付けられています。

注: 以下の例では、支給/控除割当は "E/D 割当"、ポジティブ入力は "PI" と略して表記してあります。

 

E/D 割当

E/D 割当

PI (追加)

PI (上書き)

PI (追加)

エレメント名

D1

D1

D1

D1

D1

インスタンス番号

2

1

1

2

3

処理順序

20

10

該当なし

該当なし

該当なし

開始日と終了日

4 月 1 日 から 15 日

4 月 16 日 から 30 日

4 月 1 日 から 15 日

4 月 1 日 から 15 日

4 月 16 日 から 30 日

金額

1000

500

600

200

400

ユーザー フィールド 1 (州)

州 1

州 2

州 2

州 1

州 2

この控除では、4 つのインスタンスが、以下の順序で変換されます。

変換番号

スライス番号

スライス日

金額

ユーザー フィールド 1 (州)

上書きソース

1

2

4 月 16 日 から 30 日

250

州 2

エレメント割当

2

1

4 月 1 日 から 15 日

600

州 2

ポジティブ入力

3

2

4 月 16 日 から 30 日

400

州 2

ポジティブ入力

4

1

4 月 1 日 から 15 日

200

州 1

ポジティブ入力

この例では、処理順序番号が最も小さいエレメント割当は、スライス 2 にあるユーザー フィールドの値が州 2 の割当で、この割当が最初に処理されます。次に、金額 600 の最初のスライスの同じユーザー フィールド セットを持つポジティブ入力 "追加" 行が処理され、次に同じユーザー フィールド セットを持つ金額 400 のポジティブ入力 "追加" 行が処理されます (ユーザー フィールド セットの全てのスライスがポジティブ入力インスタンス順に 1 つずつ処理されます)。最後に、スライス 1 の一致するエレメント割当の処理順序番号 (20) に基づいて、このスライスの 200 のポジティブ入力上書きが処理されます。